27836 2021-09-01 21:49:39 |
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(自分は何でもない風に装っていたつもりだったのだが、それすらも見破られ、図星であったと相手にばれてしまえばやはり長年一緒にいたためわかってしまうのか、それとも父上と爺から厄介だと散々教えられた「女の勘」というものだろうか。どちらにせよ相手に勘違いされまいとして付いた嘘はどうやら事態を悪い方向へと向かわせており。手紙の内容まで見ていたのかは定かではないが、姿絵の令嬢と自分は「そういう関係」だと相手が誤解していると、意中の人物からそのように勘違いされていると自分の胸の中に鈍い痛みが走って。)
何を勘違いしてるのか知らないけど、あの人とはなんでもないよ。
(世界で一番勘違いされたくない相手に一刻も早くその誤解を解かねばと口にした言葉は嘘偽りない真っすぐなもの。体を密着させ、その角を甘えるようにこすりつけてくる行為は相手が不機嫌なときか心に曇り空が広がっている時の特徴で、今までの流れでどこに相手の地雷があったのかはわからないが、密着してきた体から柔らかな体温をじんわりと感じて、相手の頭、それから角を撫でていつものように機嫌を直してもらおうとしながら「だから…その、なんだ、まだアリアには俺の世話をしてもらうからな。」と、顔をほんのり赤らめながらまだまだ相手と一緒にいることを宣言して。)
(大きな、温かい相手の手を頭に乗せられ、結われた髪を乱さないよう優しく撫でられ。髪から角に相手の指先が移れば、その体温は感じられずとも、伝わってくる細かな振動に夢見心地な気分にさせられ、ふにゃりと体の力が抜けてしまいそうになり。上半身の体重を相手に預けながら、まだお役目御免にはならないと照れながら告げてくれた主に大人気なく嫉妬してしまったことを恥じ入る。急に顔を合わせづらくなり、軽く身を捻ると相手の肩に額を当てて、男性らしい固さを持った腕にそっと抱きつき。)
そ、っか。まだ…
(そう、『まだ』だ。つまり、いつこの関係が終わるか分からない。不安を隠すように腕に力がこもり、弾力のある胸が相手に当たり。この、自身の子どもらしい体型に不釣り合いな胸部をアトラリアは恥ずかしく思っていて。それは、特になにもしていなくても、はしたない女を見る視線を送ってくる人が多いからで。その点、相手はその高貴な身分に相応しく、このような俗っぽい誘惑に後先考えず靡く男性ではなく、そこももちろん尊敬しているのだが。一度くらい、過ちを犯してくれないだろうか、と浅ましくも思ったことがないわけではなく。それこそ、『まだ』あの女性と『なんでもない』うちに。)
うん。レイが結婚するまでは、ずっと専属でいたい。
(相手は、嘘偽りなく答えてくれたのだ。その誠実さにこちらも応えなければ、と思い切って顔を上げ。相手を真っ直ぐ見て、眉尻を下げ。)
変なこと言って、ごめんね…本当はその手紙、なんて書かれてるか見ちゃったの。
(酸素が薄くなったような錯覚に陥りながら、はく、はくと陸に打ち上げられた魚のように辛うじて息を吸い込んで、続く言葉を発し。)
…いい、縁談だった?
(縁談が持ちかけられたことを把握していると相手に分かってもらえるよう、言葉を選び。今後のエッセル家にとって、良い条件の縁談なのかと問いかけ。)
(こちらの体にくっついている相手の体が体重をかけられたことによってさらに密着する。服越しにも感じられる女性の柔らかな肌に高めの体温。先ほどよりもはっきりと感じられるそれらの悩ましい感触になんとか耐えているもトドメとばかりにこちらの腕を絡めとられると、相手のたわわな胸部がダイレクトに腕に当たるわけでそのか柔らかさと突然のことに言葉を失いながら頬をまた赤くして。さらに相手の腕にドラフ族特有の人並外れた力がこもればその胸はこちらの軋む腕に合わせ、ひしゃげて形を変えれば痛さと柔らかさに悲鳴を上げそうになって。表面上、なんとか取り乱さずにはいれたものの長くは保つことができないと体が警告を発しており。もし、それに反応していることが知れたら相手をそういう目で見ていたことがばれ、軽蔑されてしまうという恐怖の中で声を出さないよう歯を食いしばっていると、「こちらが結婚するまでは」「先ほどの縁談の手紙を見ていたこと」を相手が眉尻を下げながら白状してくると、腕の痛みを忘れ先ほどとはまた違った意味で言葉を失ってしまい。縁談が来ていることが相手にバレていると分かればやはり先ほどの嘘は水の泡になっていたようで、いい縁談だったのかというなんでもない問いかけは相手からによるものになると胸がチクリと痛み。)
…いい縁談ではあった。
(と、この縁談が成立すれば自分の悲願である異種族平等への大きな一歩になり、エッセル家にもさらなる繁栄をもたらすことは間違いないだろう。細かい言葉は抜きにして、自分にとっても、エッセル家にとっても条件のいい縁談だったと真実を述べて。しかし、次に口を開いた言葉は「だけどなアリア。この縁談は受けない。」ときっぱりと告げて。なぜこの縁談を蹴るのか。それは自分の中のどこかで不穏で嫌な予感を感じており、どうにもその予感が拭えないためこの縁談は破棄することを告げて。)
(まるで地獄へと落とされて、その後天国に飛ばされたような気分だった。それくらい、相手から貰った返事に激しく気分を上下させられて。人異平等先進国の家との縁談は、やはり相手にとっても価値のあるものだったらしく、よい話であったと真摯に答えられ。目の前が真っ暗になりそうになった次の瞬間、相手はその縁談を蹴るつもりなのだと告げた。相手の目は射抜かんばかりに真っ直ぐこちらを見ていて、柔らかい漆黒は真剣な色を帯びており。そのときはじめて、自分の腕に力を籠め過ぎていたことに気付き、慌てて力を抜くが、距離は開けない。というよりも、相手から目が逸らせなくなっていて。)
あ!ごめん、痛かったよね!?ごめん…っ。
(声を裏返しながら、今度は痛めてしまわないよう細心の注意を払って相手の腕を擦り、申し訳なさに眉も、尖った耳も更に下がってしまい。ドラフ族である自分が少しでも気を抜いてしまうと、ヒトも、ヒトの作った物も、簡単に壊れてしまう。恐れ多くも、彼らはなんと か弱い生き物なのだろうと、憐憫にも似た気持ちを抱いてしまうことがある。事実、力でドラフと互角に渡り合えるヒトなんて、戦いを生業としている者たちが精々だろう。けれど、すぐに壊れてしまうような脆い生き物でも、彼らが儚いからこそ愛おしいと思い、弱いからこそ守りたいと心を震わせるのであって。この想いは受け取り手によっては、ヒトを見下しているように見えるのだろうか。この、ある種の傲慢さが、ヒト族が異種族を受け入れられない理由なのだろうか。…見下しているつもりでは、ないのに。
答えのない、非建設的なこの葛藤はさておき、目の前の相手に思考を戻し。期待に震える声で、話しの続きを促し。)
でも…なんで、断るって…?
(締め付けられる強さとそのあてがわれている胸部の柔らかさに悲鳴をあげている腕がやっと解放されれば、堰き止められていた血流が一気に解放されたことによってじんじんと余韻のような痛みが走っていて。肩を軽く回して調子を確かめてみると、どこにも異常がないことを確認しては「あぁ、大丈夫だよ。」と申し訳なさそうに特徴的な耳を下げながら腕を摩る相手を安心させるように告げてはまた角を優しく撫でて機嫌を取り戻してもらおうとして。だがしかし、相手のただの抱擁でこんな調子とは情けない。これでは相手に安心して自分の隣にいてもらうことすらできないではないかと己を戒めれば、より一層体の鍛錬をせねばと決意して。何故この縁談を蹴るのか。そう問いかけられると天井を仰ぎながらなんとも悩ましそうに唸り「なんだろう…あの国を歩いてると、なんだか嫌な空気を感じたんだ。上手く言葉にできないけど…。」と、その歯痒さをもどかしく感じ、「爺に一度相談してみるか。」と、自分の相談役である爺に聞いてみれば何か進展があるかもしれないと呟いて。縁談の話に意識が持っていかれたが、その話も一区切りついたため、「まぁそれはそれとして、手紙を黙って覗いたのは一つペナルティだな。」まずは相手の犯した行為を再認識させるように話を蒸し返して。)
(相手の腕を締め付けてしまったことは、お咎めがないどころか逆に宥められてしまっていて。思えば、ヒトと異なる性質のせいで失敗をしてしまったとき、この屋敷の人々はアトラリアを責めたことがない。エッセルの血がそうさせるのか、いや。相手がそれだけ慈悲深い人格者なのだと、彼が更に肉体を鍛える決意を固めていることも知らずに、改めて主の魅力に心を掴まれていた。おかげで冷静さを取り戻し、縁談を断る理由について質問できたのだが。相手は思っていたよりも真剣に答えを悩みはじめてしまって、天を仰いだ際に晒された喉仏が男らしい…などと見惚れていたら、帰ってきた答えは曖昧ながらも不穏な気配を漂わせていて。不埒な期待をしてしまったことを恥じ、こちらも真面目な顔で相手の提案に頷く。レイ様の嫌な予感はよく当たる、と相手の才覚を真っ先に見抜いた老師であれば、正しく導いてくれるに違いない。自身も主の手助けになりたい、と口を開きかけたところで、慈悲深いはずの相手に手紙を覗き見してしまったことを糾弾されてしまい。)
えっ、そこを根に持つの?あ。
(つい素直に失言してしまい、慌てて口元を手で塞いだが、吐いてしまった言葉は戻せず。効果は期待できないと知りながらも、気を取り直して同情を乞うために目を潤ませ、上目遣いで殊勝な態度で相手に問いかけ。)
ぺ、ペナルティーはなんでしょうか…レイ様…。
さーて、なんにしようかな~?
(相手は目を潤ませ、上目遣いでこちらを見つめて同情を誘ってくるがそんなものどこ吹く風と言わんばかりに指をポキポキと鳴らしながら判決を待つ相手を上記のように焦らして。とまぁ悪ふざけもここまでにしておき、相手の額に軽くデコピンをしてから「明日の夜はアリアのシフォンケーキが食べたい。ラズベリーのジャムで。」と、とても罰とは言えないような判決を下して。アフタヌーンティーの際に手先の器用な相手が作る様々な菓子の中でよく焼いてくれるシフォンケーキが自分の一番のお気に入りであり、それをいつもの三時ではなく明日の食後の夜遅いこの時間に食べるというなんとも罪深い行為を決行しようとしていて。「もちろんティーカップは二人分だぞ。」と、その行為には共犯者が必要だと、遠回しに相手も引きずり込もうとしており。)
(/そろそろ場面の一区切りがつきそうなので時間スキップしますか?)
(やはり慈悲を乞う作戦は失敗だったか…と、まな板の上の魚のように沙汰を言い渡されるのを待ったが、またもや額を弾かれて「うぐっ」と体をのけぞらせ。痛みはないが、なんとなくの習慣で恨めしげに相手を見上げると、なんとも可愛らしい罰を与えられてしまい。子供の頃からの相手の好物であるシフォンケーキを強請られて、これは気合を入れねばならないと闘志が沸々と沸き上がって。いただいた香油とは到底釣り合わないだろうが、愛情をたっぷり込めてお作りしよう。呆気に取られていた表情を引き締めて、こくりと頷けば相手は更に条件を追加してきて。むっ…と小さな唇を引き結んで、なんと罪深いお茶会を開こうとしているのかと相手を恨めしく思い。しかし、またこうして二人きりの時間を過ごす機会ができたことのほうが、何十倍も嬉しくて。「かしこまりました」と満面の笑みを浮かべながら、エプロンの前で手を交差させ、恭しく首を垂れて。)
レイ様の仰せのままに。…あとで太っちゃっても多めに見てね?
(先程のちょっとした衝突が嘘だったかのように、いつもの空気が二人の間に流れ。主の就寝前の残り時間は、穏やかな夜になるだろうと感じさせるもので。)
(/はい!切りがいいかと思いますので、お好きなシーンまで飛ばしていただいて大丈夫です。そちらに委ねてしまう形になってしまってすみません…!)
(またいつものように二人の間に幼馴染の空気が流れ始めれば、残りの食事を口にしながら旅先での積もる話をして。切りのいいところでお互いに休もうとなり、相手と別れればベッドに入り。旅を終えたことでよほど疲れていたようで、それに加えてやはり屋敷の自分のベッドは体になじんで寝心地がよく、ベッドに入ってものの数秒で意識を夢の中へと落としていって。翌朝。小鳥のさえずりとカーテンの隙間からさす陽光が朝を知らせてきて。しかし、当の本人はまだまだ夢の中に意識があり、気持ちよさそうに眠るその体はいつものように何故か上半身裸になっており、身にまとっているのはズボンとくるまっている掛布団のシーツだけであり。)
(/了解しました!シーンとしてはアトラリア様に起こしてもらうところまでスキップしました!
一つ相談なのですが、お互いにもう気持ちが溢れそうになっていますが、どのように気持ちを繋げあいましょうか?)
おはようございまーす!
(シャッ、と勢いよく主の寝室のカーテンを引いて。分厚く、かなり重量のあるそのカーテンを軽々開け放てるのは生まれ持った怪力のおかげであり、仕事をこなす中で度々この力に助けられている。腹の底から出した元気な声で朝の挨拶をし、相手を夢の国から俗世に呼び戻し。)
レイ、起きなさーい。今朝は旦那様が朝食をご一緒するそうよ。遠征の話を聞きたいみたい。
(早朝、使用人の朝会で執事長から伝えられた朝食の予定を伝えながら、顔を洗うための湯、洗面器、タオルを用意していき。真面目な相手はこうして業務連絡を聞かされると、意識の覚醒が少しだけ早くなると気付いてから、これも朝のルーティーンの一つになっていて。)
老師にも相談したいことがあったんだよね。午後、ゆっくり時間をとって貰えるよう伝言を頼んでおこうか?
(ポンポンと膨らんだ布団を叩きながら、相手に呼びかけ。心の中では朝の陽ざしにも負けない、輝くような相手の半裸に身構える準備をし。)
(/シーンスキップ助かりました!ありがとうございます。
お互いの気持ちを知ればおのずと結ばれると思うのですが…そのきっかけが難しいですね…。アトラリアの方がしがらみが少ないので、先に思いを伝えることは可能かと!好きだと伝えられるだけで満足、という体で。告白をするきっかけは、そうですね…異種族差別から守ってもらった後、とかはいかがでしょうか。ふわっとした提案で申しわけありません…。)
う゛っ…
(カーテンからさしていた一筋の陽光が相手のカーテンによって開けられると、陽のさす面積が広まり自分の顔まで届けば瞼を照らしていれば瞼越しにも届く眩しさに寝苦しそうに唸って。気持ちよく睡眠を貪っていたというのに、意識を夢の中から現実へと無理矢理引き戻されると、意地でも起きてなるものかと何故か対抗して陽光が届かないよう逆の方向へと寝返りを打って。しかし、夢現の意識の中で「旦那」「話」というワードが聞こえてくれば、「あぁ、確かに父上に報告しないといけないな。」とおぼろげな頭の中でも意識して。そうと決まれば遅れてはいけないなとだんだんと目が覚醒していけば「あぁ、おはよぅ、アリア…。」と目をこすりながら上体を起こして。そうなると、体を包んでいた掛布団ははだけるわけで上半身を惜しみなく、というよりもはや当然であるかのようにそのことには触れず、「あー…爺には俺から言うからいいよ…。」と、寝ぐせをこさえた頭はまだうつらうつらと船を漕いでおり。)
(/なるほど、ではそのように行きましょう。となるとあとはタイミングでしょうか。すぐにでもやっていいのであれば、朝食のあと、シフォンケーキの材料を買いに一緒に町へ行ったときに異種族差別過激派に絡まれて…という案はありますがどうしましょうか?まだ温めますか?)
(眠そうにしながらもポツポツと返事をくれる主人が可愛らしい。こっくりこっくりと相手が船を漕ぐたびに、跳ね上がった癖毛が動きに合わせて震えるのがなんとも微笑ましく、早く梳かして差し上げたくなる。反面、毎朝晒される相手の上半身は可愛らしさからかけ離れているが、今回はしっかりと心の準備ができていて、胸の高鳴りに身体が支配されることはなく。流石にいつものことであるので、自然と対策もとれるようになっていて。それでも男らしい肩幅を時おりチラッと拝みながら、相手の肩が冷える前に肌着に袖を通してもらい、その素肌を隠し。)
わかった。程々にしとくんだよ?長旅から帰ってきたばっかりなんだし…
(相談役を仰せつかっている老師は、やはりエッセル家に信頼されるだけあって博識で。お茶目な性格と年嵩もあって、ついつい長話に付き合ってしまうような御仁に、まだ旅の疲れが残っているであろう相手が議論を白熱させすぎないよう釘を刺し。それに、)
今夜も予定があるしね。
(罪なお茶会のことも忘れていないと、口角を上げ微笑みながら告げ。そう言ってる間も、手元は動かしていて。相手が顔を洗いやすいように洗面器を近づけ、その寝癖だらけの髪を整えるため櫛とワックスを手に取り。頃合いを見計らって、手慣れた動作で主の髪型を整えはじめようとし。)
(/了解しました、その案で進めていけたらなと思います。エッセル家のお膝元で異種族差別とは、愚かな輩もいたものですね!こってりと成敗してやってくださいませ。(領地ではなく王都の屋敷で暮らしている設定でしたらすみません…無視してください…!) )
わかってるわかってる…。
(まだ意識が混濁しているせいか、ベッドから体を起き上がらせているだけでそこから動く様子はない。こちらがそんな様子でも相手はベッドの上から動けない自分の身なりをせかせかと正してくれている。まだ眠そうにしながらも相手に肌着を通してもらい、差し出してくれた洗面器で顔を洗う。このように、朝は相手がいてくれないとなかなか起き上がることができなくて、旅先での朝は少し…いや、結構ひどかったと思う。こうやって数日ぶりに相手に起こされることで相手のありがたさが身に染み入り「ありがとうな。」と洗った顔をタオルで拭いたあと、そういって。相手も今夜のお茶会を楽しみにしているようで、自分も今日はそれを励みにして一日を過ごそうと思えば、「よし、行くか」と、寝ぐせがまだ直っていないことに気付かずに、朝食を旅食堂へと行こうとして。)
(/了解しました!ではそのように進めましょう!こってり成敗とのことですが、そのあたりで少しだけ考えがありまして…。その過激派というのはアトラリア様の角を欠けさせた張本人ということで、トラウマがよみがえり、動けなくなったところを…というところで息子がアトラリア様を庇い深手を負い、お茶会どころではないという流れを考えたのですがいかがでしょうか?
屋敷の場所に関してはこちらが細かく考えていなかったのでこの際決めてしまいましょう。自分としては王都郊外の小さな森のなかにあるような景色を思い浮かべましたが、アトラリア様はなにかアイディアなどはありますか?)
おっと、ちょっとお待ちくださいねー。
(ふらっとそのまま退出しようとした相手を呼び止めつつ、背後から近寄り。引き締まった腰を持ち上げると、ひょいっとベッドに座らせ、手に持った櫛とワックスで相手の跳ねまくった黒髪を整えていき。寝起きの無防備な姿から『エッセル家のご令息』に相手の身形を整えるのは至福の時間で、朝のこのひと時を思えば夜明け前の起床もまったく苦ではない。今日も完璧に美しい御姿になられた、と納得のいく髪型に仕上げ終え)
はい、完璧!今日も素敵だよ、レイ。
(ふふん、と得意げに鼻を鳴らし、道具を片付け。そういえば相手に伝え忘れていたことがあると思い出し、「あ、そういえば」と首を回し相手を振り返り)
私、お昼過ぎに買い出しに行くんだった。留守にしてる間、何かあったら執事長に頼んでね。
(食糧庫で確認してみたところ、昨晩リクエストされたシフォンケーキの材料は一応は揃っているのだが、せっかく特別なお茶会で振舞うのだ。普段よりもほんの少し高価な食材を使ってもいいかと、経理係も兼ねている執事長に尋ねたところ、快く予算が下りたので、調達しにいかなくてはならない。街へ向かう途中、森で新鮮なラズベリーも見つけられるかもしれないし。などと計画を立てながら、相手を見送るため傍に寄り)
(/因縁の相手を絡めてくる案、とても盛り上がるかと思います!角を折った相手ですが、そこそこ大きな商会の跡取り息子で、安い賃金で異種族の作業員を多く雇っていて、劣悪な環境で働かせている。という設定の悪役でどうでしょう。レイ様が怪我をしてしまうのは心苦しいですが、美味しいと思ってしまいました…!
屋敷の場所につきましても、ロルで採用させていただきました。王都付近に屋敷を構えつつ、権力に固執しないエッセル家らしい立地だと思います!周りの森も実はエッセル家の土地なのかもしれませんね。)
おっと…。
(寝ぐせを揺らしながら自室を後にしようとすると、突然無重力感に襲われる。一体何事かと思えば相手からベッドへと連れ戻されて、まだ直ってなかった寝癖を直されるとつくづく朝の時間は相手に世話になってばかりなことと、一回りも二回りも大きい男をひょいと軽々しく持ち上げるドラフ族の怪力に苦笑すれば「ありがとうな、アリア。」と改めて礼を言って。手際よく整えられた髪型を見て相手は納得したらしく、得意げに鼻を鳴らす相手に「素敵は余計だ。」と、意中の相手から言われるそれは気恥ずかしく、照れ隠しのようにその鼻をピンとはじいて。)
買い出しか、うんわかった。
(気を取り直して、今度こそ部屋から出ようとすると昼は買い出しに出かけるため留守にすると告げられると、どうやらなんの買い出しかを察したようで一つ、間を空けながら上記を述べて。おそらく、シフォンケーキの材料の買い出しだろう。そう勘付けば、傍に近寄ってきた相手の耳に「楽しみにしてるからな。」と囁くようにすれば。)
じゃあ行こうかアトラリア。
(/設定の件、了解しました!アリアにとっても平等推進のエッセル家にとっても因縁がありそうですね…!いえいえ、ケガをしたとなると当然アトラリア様に看病していただくことになるのでこちらとしても美味しいです…!
早速の採用ありがとうございます!では森の設定もそうしましょうか。今後の話に広がりが持てそうですので!
それと息子のいう「爺」についてなのですが、こちらとしては、幼少期からの教育係、執事長と考えておりました…。いまからでもそのように路線変更は可能でしょうか?)
(耳元に心地いい声で囁かれれば、途端に体温が上昇してしまって。「み”っ」と猫のような声を上げながら熱を帯びた耳を手で押さえ、犯人から反射的に距離をとってしまい、非難の色をこめた目で相手を見上げ。しかし、幼馴染としての気安い愛称ではなく、主として名を呼ばれてしまえば、早鐘を打つ心臓を落ち着けて仕事モードに意識を切り替える他なく。むすっとしながらも居住まいを正し、軽く咳払いをして主のために扉を開けに向かい。)
はい、レイ様。
(いつも通り相手を食堂まで案内し、その後はエッセル家の方々の邪魔にならないよう、大人しく壁際に下がり。朝食の進み具合に合わせて食器を下げ、飲み物を補充したりと、給仕をこなすのも専用メイドの務め。空気のように気配を消し、主に快適なお食事を楽しんでもらうのが何よりの喜びで。食卓からほのかに漂っている食欲をそそる香りを吸い、エッセル家の方々の会話に耳を傾けて。)
(/あぁ、すみません…!こちらの確認不足でした、申し訳ありません…。以降、爺さん=執事長、の設定で進めさせていただきます…!)
おはようございます、父上。
(食堂へと案内されれば、食卓ではすでに己の父、「ヨハネス・エッセル」が暖かな湯気を立てたコーヒーを啜っており、『うむ、おはよう。』と返されるが、二人で食堂に入ってきたことで二人の朝の様子を察してしまったようで『なんだ、帰ってきて早々アトラリアに起こしてもらったのか?仕方のないやつだ…。』と呆れたようにつぶやかれて。しかし、この小言を言われるのも慣れてしまったようで、こちらは「あはは、善処します…。」と苦笑しながら何度言ったかもわからない台詞を呟いて。食卓に漂う朝食の香りに誘われるように席に着き、まずはこちらもコーヒーをひと啜り。そのタイミングで「どうだった、フォンティーナへの遠征は?」と早速遠征のことが聞かれ。「そうですね…。」と、まずは何から話そうかと悩んでから「ヒトと異種族が手を取り合っていたこと」「花畑が綺麗だったこと」「その花を使った加工品の生産が活発だったこと」そして…)
ベルベット家の令嬢…ヴァイオラ様との縁談が持ち掛けられました。
(と、旅の話をしていた時はまるで子供のように目を輝かせて話していたが、父親に話さないわけにもいかない縁談の話になると表情が曇りはじめ。『縁談…?そうか…お前もそろそろ身を固めねばいけない歳だからな…。』とこちらの気も知らずに、縁談のことを考え始める父親に「それはそうなのですが、父上。この縁談には慎重になろうかと思います。」と、その曇った表情を振り払いながら真剣な顔つきになり、『…そうか、レイがそういうなら任せよう。だが、何かあったら相談するのだぞ。』と、その真剣な表情に説得されたようで全面的に任せてくれるようで。)
ありがとうございます…!
(/いえ、こちらの言葉足らずのせいですのでお気になさらないでください…!
それから相談なのですが…、エッセル家の家族構成に何か意見などはございますでしょうか?自分の中では「父」「母」「いまは屋敷にはいないが、兄か姉」を考えていますが、もしこの家族がいたら都合がよかったり話のネタになりそうな度の意見があれば何なりとお申し付けください!)
おはようございます、父上。
(食堂へと案内されれば、食卓ではすでに己の父、「ヨハネス・エッセル」が暖かな湯気を立てたコーヒーを啜っており、『うむ、おはよう。』と返されるが、二人で食堂に入ってきたことで二人の朝の様子を察してしまったようで『なんだ、帰ってきて早々アトラリアに起こしてもらったのか?仕方のないやつだ…。』と呆れたようにつぶやかれて。しかし、この小言を言われるのも慣れてしまったようで、こちらは「あはは、善処します…。」と苦笑しながら何度言ったかもわからない台詞を呟いて。食卓に漂う朝食の香りに誘われるように席に着き、まずはこちらもコーヒーをひと啜り。そのタイミングで『どうだった、フォンティーナへの遠征は?』と早速遠征のことが聞かれ、「そうですね…。」と、まずは何から話そうかと悩んでから"ヒトと異種族が手を取り合っていたこと"。"花畑が綺麗だったこと"。"その花を使った加工品の生産が活発だったこと"。そして…)
ベルベット家の令嬢…ヴァイオラ様との縁談が持ち掛けられました。
(と、旅の話をしていた時はまるで子供のように目を輝かせて話していたが、父親に話さないわけにもいかない縁談の話になると表情が曇りはじめ。『縁談…?そうか…お前もそろそろ身を固めねばいけない歳だからな…。』とこちらの気も知らずに、縁談のことを考え始める父親に「それはそうなのですが、父上。この縁談には慎重になろうかと思います。」と、その曇った表情を振り払いながら真剣な顔つきになり、『…そうか、レイがそう言うなら任せよう。だが、何かあったら相談するのだぞ。』と、詳しく言葉にせずともその真剣な表情に説得されたようで全面的に任せてくれるようで。)
ありがとうございます…!
(/申し訳ありません、投稿した返信が見返したところ少し見づらく感じましたので上げ直しました!)
(『あぁ、ヨハネス様…レイが毎朝毎朝メイドに半裸姿を披露していると知ったら、どう思われるのかな…』と、朝の支度をアトラリアに頼り切っていると、主がお小言を頂いているのを聞きながら、心の中で少し嘆いて。このことは主のためにも旦那様には今後ご報告しないでおこう、と固く誓いつつ、ガラスの水差しからしぼりたてのオレンジジュースをコップに注ぎ終わり、相手の背後に下がり。楽しそうに目を輝かせ旅の話を語る相手はとても活き活きとしており、その本質は子供の頃から変わっていないのだろうと微笑ましい気持ちになり。和やかな歓談を穏やかな気持ちで見守っていたが、縁談の話が旦那様直々の口からされたとき、心臓が嫌な音を立てた気がして。表向きは平静を保ったまま、下げた食器をカートにしまい込み、力を抜くように息を吐き。大丈夫、断ると言った相手を信じるのだと主の表情を窺えば、思っていたよりも真剣な顔をしていて。本当に厄介な問題を抱えているのかもしれない、と心配になりながらも、事の顛末を見守る体制に入り。どうやら旦那様も主のことは信頼しているのか、此度の縁談についても任せる判断をされたようで。胸をなでおろし、主の成長を嬉しく思いつつ、危ないことにだけはならないように静かに祈り。そうしているうちに朝食の時間にも終わりが近づいてきていて。この後は食器を下げるのを手伝って、主の部屋を掃除し、彼に小休止時のコーヒーを届けて。昼食が終わったら街に出かけよう。道草を食ってしまわなければ、三時のおやつの前には屋敷に戻れているだろう。そうして残りの午後はシフォンケーキ作りに費やして…。一日の計画を立てながら、旦那様が退室される際には深く頭を下げて。)
(/読みやすさを気遣っていただいてありがとうございます!レイ様の家族構成につきましては、背後様の設定通りご両親と、既に嫁いでいかれたお姉様はいかがでしょう?その嫁ぎ先の力を借りたり、お姉様自身に2人の関係を後押しして貰えたりすると、今後進めやすくなる部分もあるかもしれません。ですが、それだとレイ様が跡取り息子になってしまい、立場上結婚があまりに難しくなるようでしたら、お兄様がいらっしゃっても良いかと思います…!レイ様が長男でも、次男でも、三人兄弟の末っ子でも、どれも素敵で全部みたい!となっていますので、参考程度に思っていただけましたら幸いです…!)
(縁談について自分に任せて欲しいと言ったのはもう自分は子供ではないと言うちょっとした意地で、だからこそ父からこちらの判断に委ねると言ってくれると少しだけ認めてくれたように思えて、いつでも相談に乗ってくれると言った父を落胆させないようにしなければと気を引き締めて。話にひと段落つけば、朝食の時間はつつがなく終了し。父が食堂を後にすれば、自分も昨日やり残していた人異平等推進派の領主達への今回の遠征録をしたためたり、そのほかにも整理しなければならないものが多くあると自室に向かい。手紙の用意をしていると、昨夜包まれた不安を思い出し、筆を置けば書斎の伝声管を使い)
爺、爺はいるか!
(/なるほど、それでは兄と姉、どちらも採用したいと思います!立場?のあたりは上手く話を作ることができると思いますので!)
(/すいません、本体会話だけ失礼します。
問題なければこの後出かけるところまでスキップしていただいて大丈夫です。こちらが跡取り息子役をそれっぽく務めさせていただきますので!)
(主は執事長と込み入った話をするようで、書斎でも食べられるような軽いものを昼食として届けに行くよう、執事長直々にお願いをされ。帰ってきて早々、仕事を詰め込んでしまって大丈夫なのだろうかといつも通り少し心配に思いつつ、自分にできるサポートを精一杯するのみだ、と気を取り直して食事を届け、出かける支度に取りかかり。制服替わりのエプロンとメイド服を脱ぎ、町娘らしい地味なワンピースを着用し、つばの広いボンネットと髪で巻き角が目立たないように隠して。麻の編み籠を持って、同僚に出かける旨、帰宅予定時間を伝えてから使用人用の小さめの門から屋敷を後にし。屋敷を取り囲む森は鬱蒼と茂っており、馬車用に整備された道を大きく外れでもすれば迷い込んでしまうだろう。道端近くには背の低いラズベリーの木がよく熟れた木の実をたわわに実らせていて、味見用に摘んだ数粒は濃厚な甘酸っぱさを秘めていた。帰りは絶対にもっと摘んでいこう、と心に決め足を進めて。しばらくすると森も開け、王都へ続く街道が見えてきて。馬車の轍が幾重にも重なり踏み固められた道は歩きやすく、徒歩でもそう時間をかけることなく街までたどり着けるが、運良く通りがかった荷馬車に乗せてもらい、少しお得な思いをしつつ。)
ありがとうございました!
(自身のことを子供と勘違いしていそうな御者に礼を言い、先程摘んだラズベリーを渡し、街へと降り立って。目的の食材はちょっとした贅沢品で、露店ではあまり見かけない。そのため、立派な店先が並ぶ商店街まで足を伸ばすことにし。市場の喧騒を離れ、賑やかながら少し落ち着いた雰囲気の通りを進み、目的の食品店にたどり着き。)
すみません、エッセル家の使いの者です。
(栄養価の高いコール牛の乳、黄身の大きな魔鳥の卵、ほんのりと甘みのある隣国のバター。目的の品を全て揃え、バターが溶けないよう小ぶりの氷魔石までおまけでいただいてしまい、深々と礼をし店を後にし。外の石畳に足を踏み出して数歩、突然、背後から何か固いものがぶつかってきて。持ち前の力の強さで自身がよろけることは無かったが、相手はそうは行かなかったらしく、激しくたたらを踏み。ぶつかって来たのはそちらであったが、一応謝罪をしておこう、と振り向き。)
すいませ、ッッ!?
(その者の顔を見た途端、全身の血の気がサッと引き、呼吸が止まり。危険信号を絶え間なく発する脳とは裏腹に、体は動くことを拒み、ただ相手を見上げることしか出来なくて。忘れ去ったはずの記憶が甦り、痛覚などを持たない筈の左の角が鈍く痛み出し。どうして、あの日逃げ出したはずなのに。また出会ってしまうなんて、まるで悪い夢のようで。)
(/お気遣いありがとうございます!ご相談しようかと丁度悩んでいたところでした…角を折られた犯人役も引き受けて頂いてしまって恐縮です。街中のシーンまで進めてしまったのですが、帰宅が遅いと気付いたレイ様が助けに来てくださる…という流れで大丈夫でしょうか?一緒にお出かけする予定だったかもしれないと今になって思い立ってしまい…もしそうでしたら喜んで書き直しますので、どうぞ遠慮なくお申し付けください!)
【ハーゲン】
(ヒトと異種族が手を取り合って生きていくなどくだらない妄想。世迷言である。ヒトこそが至高。異種族などがヒトの隣に立つことなどあっていいはずがない。だというのに、このウィンダリア王国はあろうことか人異平等というバカげた思想を掲げ、推進している。異種族は「使ってこそ」なのだ。そう、「使ってこそ」。であれば、ヒトである私が異種族を正しく使ってやろう。そんな歪んだ思想を胸に秘めながら「ハーゲン・バッケスホーフ」はウィンダリア王国国領の街のひとつを歩く。ハーゲンは裏では異種族を攫い、劣悪な条件で働かせたり人身売買もやっている「バッケスホーフ商会」の跡取り息子である。ハーゲンは今日も町を歩きながら攫う異種族を選りすぐっている。あの異様に小さい身長は…ドラフ族の女か。ドラフ族であれば力仕事をやらせることができるし女のその体つきは一部の人間たちに人気があり、娼館に売り飛ばして働かせることもできるだろう。ハーゲンはそうやって下衆な考えをしながらアトラリアに狙いを定め近づく。ドラフ族は無駄に力が強いため、スピード勝負だ。そう注意しながら手枷を準備して背後から近づき、やがてアトラリアが人通りのない道に差し掛かったタイミングで背後からぶつかって。こうすれば相手は驚くか謝罪するかのどちらかだ。どちらにしても一瞬のスキが生まれ、手枷をはめることができる。さて、このドラフはどちらだと様子を窺っていると驚くにしては異様な様子で。ハーゲンはあまたの異種族を攫っているため、有象無象のドラフのことなど覚えていない。このドラフと因縁があることなど知る由もなく、とにかく隙だらけの相手は好都合だと手枷をそのまま嵌め、「お嬢ちゃん、ちょっと来てもらおうか。」と、そのまま路地裏へと相手を引っ張っていき。)
【レイ】
…ふぅ。
(爺に相談したところ、爺もベルベット家から何かを感じているらしく、ここは密偵を出して様子を見ようということになった。目先の悩みもいったん保留になったということで昼食とともに届けられたポットに入っていた冷めきったコーヒーの残りをカップに注ぎ、一息ついて。しかし、カップをソーサーに置いた途端、取っ手がパキリと折れてしまい。なにか不吉な予兆だろうか。そうやってカップを眺めていると言いようのない嫌な予感に包まれて。そういえば自分の従者は出かけるといったが告げられた行先にしては帰りが遅い。…様子を見に行くだけだ。何もなかったらそれでいいし一緒に帰ることだって出来る。そうやって自分に言い聞かせれば、勢いよく立ち上がり剣を腰に携えて足早に屋敷を出ていけば愛馬にまたがり、街へと駆け出して。)
ヘルエス!飛ばせ!(当たるぞ…!俺の嫌な予感は…!)
【ハーゲン】
(抵抗するドラフ族の女をやがて人目の届かない路地裏の奥へと連れていけば、今度は足かせをはめて身動きを完全に封じて「まずは具合を確かめようか…。」と、ハーゲンは下卑た笑みを浮かべながら相手の体をまさぐったり、おもむろに胸を触ったりなどして。)
(/いえいえ!こちらも返しにくい返信をしてしまって申し訳ありません…!
書き直すなんてとんでもないです!そうですね、そのように進めてもらって、上記のセクハラに反抗したアトラリア様に、逆切れを起こしたハーゲンが暴力をふるうところで颯爽()と駆け付けたいと思いますので破廉恥な表現がありますがもうすこしお付き合いいただければ…!)
(混乱する頭、言うことを聞かない体。酸素が足りないのか、あるいは多すぎるのか、呼吸が苦しくなるにつれ視界の端が暗転していき、気付いたときには手首に冷たい鉄の感触。背筋が凍り、咄嗟にそれを外そうと腕に力を込めたはずが、高圧的な声を聞いてしまい。絶望と、幼い頃刷り込まれた恐怖に支配され、するすると力が抜けていき。叫びたかった。けれど声は出なかった。逃げ出したかった。けれど足は震えるばかり。__助けてほしかった。けれど、縋るべき相手はどこにもいなかった。それでも弱々しく抗うことができたのは、奥底の本能が男を拒んだからだろうか。身の入らない抵抗は容易に封じ込まれ。)
……ァ、いや、イヤッ…!
(手に持っていた買い物籠が振り払われ、床に落ちるのを見て、やっとか細い声を発することができ。霞む視界の向こうでは、割れてしまった卵の大きな黄身が無機質な石畳の隙間に流れていき。幸せな時間を過ごすためにあったそれらがぐちゃぐちゃにされてしまった姿は、今の自身の自尊心と重なってしまって、不覚にも涙がこぼれ。無残な姿になった食材たちに手を伸ばし、男の手から逃れようとするも、角を折られた痛みの記憶に邪魔をされ続け、気付けば人目の届かない路地裏の奥に連れ去られてしまっていて。こんな所では、悲鳴を上げても誰も気づいてくれない。そもそも、ドラフの女が男性に組み解かれていたところで"そういう"目でしかみられない。助けを望むには、絶望的過ぎて。足枷をかけられながら、うわ言のように相手に慈悲を願い。)
やめ……っ、やめて、くださ……
(頬からつたう涙は酷く冷えており。体を這うように滑らされた暴漢の手は、ひたすらに生理的嫌悪を呼び起こして、その耐えがたい気持ち悪さに鳥肌が立ち。全身が汚されていく感覚に吐き気がして。本当は主に捧げたかった、彼のためにあるものだったというのに、そんな想いは前の男に理解されるはずもなく。嫌なのに。嫌で仕方がないのに、いつもの怪力を使うこともなくただただ涙を流すことしかできないのは、『諦めてしまえ』と囁くもう一人の自分がいるからで。__だって、もしかしたら。大人しくしていれば、"これ以上"痛いことはされないかもしれないじゃないか。従順にしていれば、少しだけ我慢をすれば、相手は満足して立ち去ってくれるかもしれない。ドラフの角は生え変わらない。また傷でもつけられてしまったら、一生その醜い角のまま生きていくしかなくなってしまう。ただでさえ欠けた不格好な角なのに、それがもっと、なんて。その姿をレイに見られたら、耐えられるはずがない。己の純潔なんて、最初から彼に捧げられるはずもないのだから__)
__『そうだ、アリアにお土産。あるんだった』
『これは花の香油だよ』
『髪につけたり、軟膏として使うんだって。アリア、水仕事多いからさ』
(…あぁ、違う。そういうことではない。主の言葉を思い出し、ぐ、っと強張っていた体に更に力が籠り。彼は、レイは、アトラリアをいつも大事にしてくれた。アトラリアを一人の人間として家族のように、対等に、たくさん慈しんでくれた。ならば。彼が助け、彼が大切にしたアトラリアが、傷つけられるわけにはいかない。彼を悲しませるようなことは、してはならない。)
誰か!助けてくださいッ!誰かぁっ!!
(まだ、恐怖に体は竦む。過去の記憶にがんじがらめにされ、男の体重に抵抗する力はかき集められない。だとしても、と。自身の体は自分だけのものではないのだ、と己を叱咤して、声を張り上げ。助けがくる確率がなんだ。立場の弱さがなんだ。それで諦めてしまったら、それこそ主に顔向けできないではないか。今の自分にできるだけのことをしよう。声が枯れようとも、手足や、大切な角を折られようとも。心だけは屈してなるものかと、闘志を奮い立たせ、男を睨みつけて。)
はなッ、せ!お前なんかがっ、私に、触るな!!
(/返しにくいだなんて、そんなことは全く…!お気遣いありがとうございます…こちらもノリノリですので大丈夫です!むしろハーゲン…ハゲ…とくすっと来てしまいました笑。引き続きよろしくお願いいたします…!(隠れ)
【ハーゲン】
(組み伏せられたドラフはこの極限の状況に耐えられずにとうとう涙を流すが、良心の欠片も持ち合わせていないこの自分にはその表情はただ嗜虐心を昂らせてしまうだけでこのまま味見を済ませてしまおうと肌の柔らかさを確認し終われば今度は衣服に手をかけて。しかし、先ほどの様子とは一転して声を荒げて助けを求める声と、その後に続く言葉にピタリと動きを止めて。『お前「なんか」』…?異種族がヒトを…俺を下に見ることなど許されない。許されるはずがない。自分の中でなにかがぷつんと切れれば懐からナイフを取り出し、相手に向けて。売り飛ばす異種族の体に傷をつけてしまえば多少値は下がってしまうが仕方がない。このドラフ族にどちらが上なのかを思い知らせなければと振りかぶれば相手の肩あたりに向けて勢いよく振り下ろして。)
【レイ】
(愛馬を全速力で走らせれば相手の告げていた目的地にものの数分で到着し。自分の屋敷のある森とこの町を真っすぐつなぐ街道では相手とすれ違うことはなかった。嫌な鼓動を刻む胸を抑えながら町を駆け抜け、露店の店主達にドラフ族の女性を見なかったかと聞き取りをしていって。どうやら身長の低い相手は人々の目に留まっていたらしく、店主たちが教えてくれた道を進めば行きついた先に乱暴に捨てられたと推測できる麻の編籠が道端に落ちており、辺りにはコール牛の乳。少しお高そうなバター。そして落ちた衝撃に耐えられずに割れて中身が露わになった魔鳥の卵が散らばっており。これらはどれもケーキの材料だ。これを見た瞬間、相手の身に何かがあったことを確信し。この人異平等推進の国で異種族になにかあれば周りが騒ぐはず。しかし、それもなかったことから相手はどこか人目の届かないところに連れていかれたに違いない。そうやって周りを見渡していると身を隠すにはちょうど良い路地裏があり、そこに相手が連れていかれたという確信はなくとも吸い込まれるようにその路地裏に向かい。奥へ奥へと進んでいけば、不意に自分専属のメイドの助けを求める声が聞こえ、それに反応すれば弾かれたように走って声の聞こえた方向へと向かい。そしてたどりついた先には見知らぬ男に組み伏せられた自分専属のメイドが今にもナイフで刺されようとしている場面で。その場面を見た瞬間怒りで我を失いかけるが、まずは相手がナイフに刺されないことが先決だと何よりも相手のことを想い、メイドの体に覆いかぶさるように体を挟み込めば振り下ろされたナイフから相手を守り。)
あっ…ぐっ…!
(相手に刺さるはずだったナイフは当然自分に刺さるわけで、自分の背中に突き刺さったナイフの痛みに声を出しかけるがなんとか耐え、今度はこちらの番だと痛みに耐えながら男の顔に渾身の右ストレートで反撃して。突き飛ばされた相手に「何してんだお前!?」と、怒りの矛先を向け普段の様子からでは考えられないほど声を荒げているのは自分のメイドに危害を加えようとしたことに腹を立てていて。)
(/ノリノリだということで安心しました…!こちらこそよろしくお願いします…!(隠れ))
(物言いが男の癇に障ったのだろうか。暴漢の目付きは途端に凶暴さを増し、一才の理性を手放したかのように見えて。そうして奴が懐から取り出したのは鈍く光る一本の刃物。自分の目にはその刃渡りは大きく映り、死を予感してしまい。きたる痛みに備えるべく、強く目を瞑って身を硬くして。最後脳裏に浮かんだのは、愛しい幼馴染の姿で。ただ、会いたい。そう願った刹那、信じられない呻き声が聞こえて来て。)
……__ア、
(弾かれたように目を開き、飛び込んで来たのは広い背中。聞いたことがないような相手の怒鳴り声に、肉がぶつかる鈍い音。そして、大好きな人の背中から滴る、赤い赤い鉄臭さ。)
レイッ!!
(瞬間、理解した。自分は相手に庇われた。なぜ、とかどうやってとか些末なことはどうでもよく、ただ自身が受けるはずだった傷を、相手が代わりに受けてしまっまという事実だけが重くのしかかり。相手の背中にはナイフが深く突き立てられていて。傷口から溢れ出した血が、目の前が真っ暗になりそうな早さで衣服を染め上げて。自身を縛る手枷も、足枷にも構うことなく転がるようにして相手に近寄り。)
レイ…っ、レイ、どうして…!血が、いやだっ…レイ!
(うわ言のように彼の名前を呼び。どうか、と信じてもいない神に、どうか彼が無事でありますようにと祈って。)
【レイ】
だいっ…じょうぶ…!助けに来た!
(自分の拳によって男が突き飛ばされると少しの隙が生まれ、その間にうわごとのように名前を呼んで取り乱す相手を安心させるように、まずは枷によってうまく身動きが取れない体を路地の壁に寄りかからせて力強い声色と言葉で上記の様に述べて。次に背中に突き刺さったままの邪魔なナイフを抜かなければ、と手をかけて一呼吸置き。大丈夫、痛いのは一瞬。すぐに死ぬわけじゃない。と己に言い聞かせて覚悟を決めればナイフを「…すぅ…ふん…ぐっ…!」と自分の背中から慎重に抜いて。どうやら当たり所がよかったらしく、血が噴き出すようなことはなかったが、それでもとく…とく…と傷口から血が垂れて衣服に広がり続け。しかし、いまはそんな痛みなど知ったことかと自分のメイドに狼藉を働いた男に対して怒り狂っており、改めて男に対して視線を向けるとその顔に見覚えがあり。「お前…ハーゲンだな…!」と腹の底から怒りを込めた声で呼ぶその名の持ち主は表ではクリーンを装っているが、裏では異種族の人身売買や強制労働をさせているバッケスホーフ商会の跡取り息子で、人異平等推進の者たちの間では悪い意味で有名人だ。そんな有名人が己のメイドに手を掛けようとしていた。その事実に怒りにもう×慈悲はないと、体勢を立て直している男の首に寸でのところまで剣を向ければ)
覚悟はできてるんだろうな…!
【ハーゲン】
…ぐぅっ!?
(ヒトが、俺が上。そしてお前は下。その事実をその人間離れした体に教え込むためにナイフを勢いよく振り下ろすがそのナイフは別の人物に突き刺さっており、何が起こったのかわからず一瞬呆けていれば顔面に強烈な一撃が撃ち込まれ、あまりの勢いに吹っ飛ばされて。「あぁ…いてぇ…いてぇよぉ…。」と情けなく嘆きながら体勢を立て直すが、首に剣を向けられればそれ以上動けなくなってしまい。この男が俺は殴った犯人か。しかし、この顔は…と、頭だけは動かして目の前の男を記憶の中から探し出し。(思い出した…!エッセル家のレイだ…!)と、商会の間で悪い意味での有名人になっている相手の顔を思い出し。エッセル家の者であれば、自分の素性が割れているだろう。人異平等とかいう世迷言を掲げる餓鬼が…と恨めしそうに睨むが今は自分が圧倒的に崖っぷちであり、まずはこの状況から脱しなければと頭を回転させれば「ひいぃぃ!わ、悪かった!もうこんなことしないから!許してくれ…!」と情けなく命乞いをして。)
【レイ】
…っ!そうやって助けを求めた人たちを次から次にお前は…!
(もう寸分動かせば男の首に突き刺さるといったところで、人としての良心が歯止めを掛ければこちらも動きを止めて。そうやって動けずにいると、目の前の男は情けなく命乞いをし始めた。今まで数多くの異種族を地獄に陥れた人間が今更そんな口を述べるのかと怒りをかみしめながら上記を述べて。もう情けを掛ける必要はないと剣を振りかぶるが、またとどまってしまい。やはり自分は人の子のようで、自分はこれ以上できないと剣を降ろしては「鍵を出せ。」と冷たく言い放ち。)
【ハーゲン】
…っ!
(どうやら命乞いもむなしく無駄に終わってしまったようで、向けられた剣が振り上げられれば思わず目をつぶり。しかし、いつまで経っても運命の時はこず、恐る恐る目を開けばどうやら助かったようで。「あ、あぁ…わかった…。」と、腰を抜かしながらも懐からドラフ族にかけてある手枷と足枷の鍵を相手に渡して。)
【レイ】
二度とこんなことするなよ…!
(男から鍵を差し出されればそれを乱暴に奪い取り、睨みつけながらそう吐き捨てて。見逃すわけではない。実際にやつの商会がやっているとことは裏が取れており、奴等を裁くのは奴等の悪事を日のもとにさらけ出して司法の場で裁くのだと自分に言い聞かせて。そうして受け取った鍵で相手の手と足にかかっている枷を外せば「大丈夫か?さぁ、帰ろう。」と、安心させるように頭と角を撫でれば相手の体を支えて立たせてこの場を後にしようとして。)
【ハーゲン】
(鍵を渡せばもう用済みらしく、睨みつけてから去っていく相手の背中を見れば危機は脱したようだと胸を撫で下ろして。しかし、しかしこのまま自分が終わると思うなど愚かにもほどがあるだろう。この場を後にする男とドラフ族の背中を眺めながら懐に隠していたもう一つのナイフを取り出して。「人外どもは…」と呟きながらふらふらと力なく立ち上がるが自分を殴った男への怒りがこみ上げれば体に歪な力がみなぎってきて「人外どもは…!」そうして地面をけりだせば、「俺に使われるべきなんだーーー!」とナイフを相手に向け、そのまま突き刺そうと男に向かって走り出して。)
【レイ】
(ひとまず、この場を相手と自分が無事で帰ること。そのことが頭の中でいっぱいになっており、ドーパミンの過剰分泌のせいで血で染まり切った背中に気付くこともなくて。しかし、後方から男の声がして振り向いてみると自棄になったのかこちらにまたナイフを向けて走ってきていて。一度見逃してやったというのにまだそんなことをするのか。つくづく救えないとまた怒りがこみ上げれば向かってきたナイフを左の素手でつかんで「この…!大馬鹿野郎!」と、もう一度怒りを込めた渾身のストレートを相手の顔面にお見舞いし、今度の一撃で相手は完全に気絶しており。ナイフを掴んだ手から血が流れていることにも気づかず)
さ、行こう。
(/長編書いてしまってごめんなさい!絡むところは最初と最後の文と、最小限にとどめてもらって構いませんので…!)
(相手の大きな手に触れられ、こんな状況にも関わらず優しい言葉をかけられ、不覚にも安心してしまい。相手は深傷を負っていて、自分が気を抜いてしまってはいけないのに、心のどこかで『もう大丈夫だ』とそれどころではないのに安堵を覚えてしまって。「ありがとう」と感謝の気持ちを口に出せたのかも定かではなく、凍っていた四肢にようやく温かみが戻り。そうして自分を救ってくれた相手はしかし、己のことを顧みず暴漢に立ち向かおうとしていて。彼が背中に突き刺さったナイフに手を伸ばしたとき、声にならない悲鳴を上げそうになったが、間に合わなかったようで、刃物は引き抜かれてしまった。相手の苦しそうな声がざらりと耳にこびり着き、離れない。忘れられない。恐れていたように血が噴き出すことはなかったが、それでも辛うじて傷口を堰き止めていた栓がなくなってしまったのは事実で、相手が派手に動いてしまったら更に血が流れるだろう。心配と罪悪感、焦燥と恐怖。様々な感情に支配されて、心臓が破裂しそうで、相手がこれ以上傷付かないよう願うことしかできなくて。しかし、暴漢に剣先を向け、激昂し武器を振りかぶった相手を見たときは、逆に心臓が止まりそうになり。強張った喉から「殺さないで」という言葉を発する前に、主は剣を納めていて。それを見、緊張が解れた瞬間、相手がその手を汚すことがなかったことに心底安堵し、一滴の涙が溢れてしまい。相手になんと声をかけていいか悩んでいるうちに、拘束具の鍵を入手した相手が解放してくれて。彼だって痛いだろうに、辛いだろうに、自身を気遣うように優しく声をかけられて。今すぐ抱きつきたい気持ちを堪えながら、せめて涙を見せまいと精一杯つくろった顔で、今度こそ礼を述べ。)
私は、大丈夫…っありがとう、レイ…。
(相手にそっと頭と角を撫でられれば、安堵と愛おしさにたまらない気持ちになり。早く、早くこの人の怪我を治療しなければ。それだけを胸に、負傷した彼に立たせてもらってしまったことを恥も今は殴り捨て、最善の手はなんだ、と考えていたのが悪かったのか。『安全確保』という一番重要なことを失念しまっていて。戦意消失したかと思われていた男が突然雄叫びを上げ、小型ナイフを手に突撃してきたとき、何度も聞かされ心を壊されたその声にまたもや体が硬直してしまって。穏やかな主の、激昂した怒鳴り声。肉がぶつかる音に、男が殴り飛ばされたのだと理解し。なら、男が持っていた凶器はどう対処したのか。そう思い相手に視線を向ければ、答えは自ずと分かった。いつもアトラリアを優しく撫でてくれる手が、ざっくりと傷つけられてしまっていた。その生臭い血の香りに、ハッと息を飲み。)
血が…ひどい、怪我……っ
(懐からハンカチを取り出し、気休め適度にしかならなくとも、それを相手の手に巻き付け止血を試み。まず、先決なのは彼の傷の手当てをしてもらうことだろう。血を失いすぎていないことを祈り、混乱する頭でも、これ以上彼を歩かせることは良くないと判断し。)
ごめん、ちょっと…嫌かもしれないけど、ごめん!
(奥歯を噛み締め、意識をしっかり保ち。医師の元へ主を運ぼうと、彼の膝裏に腕を回し、なるべく背中の傷に負荷をかけないよう、体を持ち上げようとし。)
すぐお医者さまのところに、着くから…っ!
(声は震えていなかっただろうか。自分も彼のように、不安を取り除ける言葉をかけられただろうか。相手を助けなければ、という使命感に支配された頭は、それすらもまともに考えられなくて。)
(/わぁぁぁ、カッコいいレイ様がこんなにも…!ありがとうございます…ありがとうございます…過剰摂取で心臓が…!とても読み応えのある長文で舞い上がってしまいました…どうかお気になさらず!)
え?あ、あぁ…血…血ね…
(吹っ飛ばされた男に見向きすることもなくその場を立ち去ろうとするが、傍らの相手が取り乱しながらもハンカチをこちらの手に巻きつけるとようやく自分の手から出血していることに気づき。しかし、未だ興奮状態から抜け切っていないのかその血まみれの手を見ても冷静を保っており、呆けているように上記を呟いて。だがそれも束の間。血が多量に抜けたためか、自然と落ち着きを取り戻し自分がどんな状況かが頭の中で理解してきて。「…っぁ゛…!」と、今になってようやく手の傷と背中の刺し傷の痛みに気づけば痛みに悶えて。やがて多量の失血で視界も頭の中もかすみがかり、相手が何を言っているのかもわからないほど意識を朦朧とさせていれば抵抗もできずに相手に抱き上げられてしまい。そんな意識の中で相手が自分をどこかへと運んでいることは理解でき、動けているということは無事なのだろうとそれだけ頭の中でわかれば安心したように力のない笑みを浮かべ、ハンカチが巻き付けられた手で相手の頬に手をやれば吸いきれなくなった血がその頬に塗られ、「あぁ…よかった…。」とだけ呟けば出血多量で気を失ったのか、その手を力なくだらりと垂らさせて。)
(/ご容赦くださり、ありがとうございます…!少し、進行を急ぎすぎてしまったので、これから注意しようと思います…!)
レイ、レイ…!
(いつも通り、頬を撫でて自分を安心させてくれようとした相手は、それっきり反応を示さなくなり。ぬるりとした手のひらの感触だけが、酷く鮮明に残って。心臓が嫌な音を立て、先程とは違う、じりじりと侵食してくる恐怖を振り払うように足に力を込め。小さな体では思ったほど前に進めず、路地裏がどこまでも続いてるように感じ。)
もうすぐだから…お願い、まだ…
(「いかないで」、は口に出せず。ようやく表通りに飛び出すと、相手の愛馬が主の異変を察してか忙しなく足踏みをしていて。相手は相当無理をして助けに来てくれたようで、しっとりと汗を浮かべたヘルエスの周りには様子を見にきた人々が集まっていて、血濡れの相手を背負って現れたアトラリアに彼らも動揺し、ざわめき。)
お医者さままでご案内いただけますか…!レイ…レイ・エッセル様が、刺されてっ、犯人はこの路地の奥に!
(子供のような容姿、そして異種族の自分が叫んだことに一瞬訝しんだ様子だった人々も、主人の名前を出せば事の重大さを察したようで。それからは目が回るような展開だった。屈強な男たちは路地裏へバーゲンを拘束しに行き、乗馬に自信があるという青年はヘルエスに跨り屋敷へ知らせを届けに。食料品店の奥さんは息を切らしながらアトラリアを診療所まで先導してくれ、ものの数分で主を医者の元へ運び込むことができて。血相を変えた医師に「最善を尽くす」とだけ言われ、診察室から追い出され。付き添ってくれた店員さんに宥められながら、血の滲んだワンピースの袖を気にすることもなく、ただただ願った。レイが助かりますように。私の命を削ってもいいから、)
どうかレイだけは__
(それから、どれくらいの時が過ぎただろうか。街の治安維持隊に事情聴取され、しどろもどろに答えていたら旦那様が現れて。また一から説明をやり直し、何度も、何度も頭を下げ。自分があんなことを言わなければハーゲンの怒りを買うこともなく、レイ様もお怪我をされなかったはずだと、謝罪を繰り返して。旦那様は自分を責めることも非難することもせず、ただ静かに話を聞いていて。やがて、アトラリアに怪我はなかったのか、気に病むことはない、息子を運んでくれてありがとう…などと慰めの言葉を残し。レイの容態が安定したら馬車で屋敷に運ぶよう指示を残し、ハーゲンが囚われた治安維持隊の本部へと出向くようで。最後、アトラリアに主の側にいるようにと一言だけ残し、ヨハネスは立ち去って。そうしているうちに、やっと診察室の扉が開かれて。)
先生…!レイ、様はっ!
(飛び上がった自分を宥めるように医師は深く頷き。「眠っておられます。しかし、出血があまりに多く…目が覚めるまでは油断を許さない状況です」とゆっくり、落ち着いた声で答えてくれ。今夜、高熱に魘されるかもしれないから、それも注意しなくてはいけないようで。万が一容態が急変した場合に備えて、今晩は診療所に泊まったほうが安全と判断され。一通りの説明を受け、清潔な服に着替えて、やっと相手が眠る側に行かせてもらえ。ベッドに横たわる相手の顔は生気がほとんど感じられなくて、僅かな胸の上下だけが彼が生きていると感じられる証拠で。側に置かれた椅子に腰掛け、優しくその手を握り。)
……レイ、痛かったね。まだ痛いか…。頑張ったね、手術。もう大丈夫だよ。あとはゆっくり、傷が癒えるのを待つだけだから…負けないで、ね。ずっと側にいる、から…
(自分に言い聞かせてるのか、相手に届くと信じているのか。掠れた涙声で、そう呟き続け。)
(/お屋敷でレイ様を看病するシーンまでスキップするつもりが、長くなってしまいました…一先ずここまで投稿させていただきました…!続きはもう少しお待ちくださいませ。)
(/いえいえ、アトラリア様が息子のために必死に走ってくれるシーン、感動しました!読みごたえがあってとても素敵です。
ひとまず本体会話だけ失礼します。「高熱に~」とありますがこのあと、息子を発熱させたほうがよろしいでしょうか?それとも、容体は安定して屋敷に移し、数日後に目を覚ますところまでスキップしますか?)
(それから数日。医師による渾身的な治療と、相手の生まれ持った生命力もあってか、命に別状がないと判断された相手は屋敷に運ばれ、今は自室のベッドに寝かされている。後は目覚めを待つだけ、とのことで、一先ずは安心したものの完全には不安を拭えなくて。流石に傷が痛むのか、毎朝恒例であった相手の脱衣癖はなりを潜め、あんなに呆れていたのに早くあの日常に戻りたいと切に願うようになっており。毎朝の習慣で、シャッと主の部屋のカーテンを引き、空気を入れ替えるため窓を少し開け。軟膏や薬の匂いが部屋に籠るのはどうにも苦手で、ここ最近は朝一で換気をするのが恒例となっていて。もちろん、主の体調に差し支えない程度に。)
おはようございます!
(相手が眠るベッドに向けて、いつも通りの明るい声で挨拶をし。背中の傷を保護するため、うつ伏せに寝かせられている相手は少し寝苦しそうで。無造作に跳ねた黒髪の下には、精悍な美しさを残しつつも、少しやつれた相手の顔が見え。)
今日はすごくいい天気になりそう。お洗濯日和だねー、ランドリーの子達が喜ぶかも。そういえば昨日ね、アプトン・食料雑貨店〈グローサーズ〉さんからお届けものがあったの。牛乳と、卵とバター。エッセル家の、レイ様の活動を陰ながら応援したいって。嬉しいよねぇ…ちゃんと支持してくれてる人もいるんだなって思うと、本当に……。あ、いただいたものでね、リクエスト通りシフォンケーキを作ったんだよ。一晩寝かせたから、しっとりしてるだろうなぁ。今日が食べ頃だよ!だから、
(明るい声で取り止めもない話をしながら、布団を剥がしそっと相手の肩に触れ。「はやくおきてよ」という言葉は震え、まともに発することはできなくて。ぽたり、とこぼれた雫が相手の頬に落ち、慌ててそれをすくい取り。相手の背中と手のひらの包帯を確認し、血が少し滲んでいたため取り替える必要がありそうだと判断して。「失礼しますね」と形式的に声をかけ、きつく絞った手ぬぐいで汗を拭いつつ、包帯を取り替え。広い背中に残った痛々しい傷は、きっと跡が残ってしまうだろう。)
…ごめんね。私がもっとしっかりしてたら、こんなことにならなかったのに。どうして庇っちゃうかなぁ……レイのことだから、咄嗟に体が動いたって言いそうだけど。…レイがいなくなったら私、どうしていいか分からないよ。ずっと、ずっと、レイのために生きるって、……許されるなら、一生側にいたいって思ってるんだよ。結婚だって…本当は、して欲しくないのに。
(相手が眠っているのをいいことに、つい本音を吐露してしまい。包帯を巻き終え、相手新しい寝巻きに袖を通させ、再び横たわらせ。)
こんなことになるなら、ちゃんと好きだって言えばよかった。
(相手がそうしてくれたように、艶やかな黒髪に指を差し込み、優しく梳いて。)
弟とか主としてだけじゃなくて、レイがレイだから、好きだって。誰よりも大切だって…ちゃんと伝えてたら、違ってたのかな。もう少し自分を大事にしてくれた…のかな。
(鼻の奥がツンと痛み、エプロンの袖を握る手が震え。)
レイが見つけてくれたあの日から、私の命も…心も、全部貴方に捧げるって決めたの。だから、お願い。もうこんな危ないこと…しないでよ。私のせいでレイがし、しんだら、後を追ってやるんだからね。
(浮かんだ涙を袖口で拭い、最後の科白は冗談まじりに呟き、相手の肩に布団をかけ直そうとし。)
(/遅くなってしまい、すみません…!レイ様がいつ目を覚ましても良さそうなところまでスキップさせていただきましたが…大丈夫でしたでしょうか。アトラリアの独白が聞こえていたかはお任せします!)
(目が覚めた時に広がった光景はどこまでも、辺り一面真っ白でなにもない世界で。いや、そもそも自分は目が覚めているのだろうか。これまでの記憶をたどっていくと、愛する人を暴漢の手から護り、その後出血で倒れたことを思い出し。だとすれば、ここは死後の世界というものだろうか。「(案外短い人生だったな…。)」と自分の手を眺めながら嘆くようにつぶやくも「(でも、アリアが無事ならそれでいいか。)」と、愛する人を護れたということを誇りに思いながら前を向き。さて、ここからどうするべきなのか。童話のようにお空から天使が迎えに来てくれるのだろうか。それとも、自分は地獄に落とされるのだろうか。ひとまずはどこかへ歩いてみるかと立ち上がり、いく当てもなく歩を進めようとするとどこからか、悲しむような声が聞こえてきて。)
『私が…かりし……ら、こ……とにな…ったの…。』
『…がい……ったら…、どう…いか分…ないよ。』
(遠くから聞こえる悲しむような声は聞き覚えのあるものだ。そう、毎朝自分をおこしに来てくれて、毎朝自分の身だしなみを整えてくれて、アフタヌーンティにはよくシフォンケーキを焼いてくれる、愛する人の声。)
『レイ……めに生…るって、』
『許され…なら、一生側にい…て思って…だよ。結婚だって…本当は、して欲しくな…のに。』
(その声の響くほうへ歩いてみると徐々にその悲しむような声が鮮明に聞こえてきて。しかしその言葉はまるで告白する前のような言葉で、そして次に続いた言葉に唖然としてしまって。)
『ちゃんと好きだって言えばよかった。』
(なんということだ。自分と相手は両想いだったのか。死の淵で聞こえたその言葉に胸が温まる心地になると同時に、自分もこの気持ちを伝えなければ。そして、その悲しむ声を止めてもらわなければと決心すると、その声のするほうへ駆けていき。そして辺りがだんだんと強い光に包まれていき。)
…
(意識が現実へと戻ってくる。ナイフを防いだ手と背中が若干痛むが騒ぐほどでもない。しかし、まずはするべきことをせねばと頭の中ではっきりと意識し。こちらの後を追うなどと悲しむような声で物騒なことを言いながら布団をかけなおそうとするその手をナイフを掴んだ手とは逆の手で包みこみ「じゃあ…まだアリアも生きていないとな。」と、掠れた声でそう述べて。そうして、その手をそのまま相手の頬へとやり、涙の跡を拭うように撫でれば)
泣くな、ばか。
(/スキップ、そして素敵なシーンをありがとうございます!曇ったアトラリア様も素敵で(殴
そうですね、ひとまず聞こえていることにしてきましたので、また改めて告白しあうという流れでよろしいでしょうか?)
ぅ、う…あ……っ
(一瞬、何が起きたのか分からなかった。手に感じた体温はいつもの相手のそれで、身も心も包み込んでくれそうな温かみを持っていて。冷え切っていた自分の奥底を溶かすように、想い焦がれた相手の声がしっとりと朝の空気に響き。驚きすぎて涙も引っ込んでしまった、しかしそれも一瞬だけで。眩しそうに開かれた相手の眼を視線が合い、優しい闇色に宿る確かな光を感じてしまえば、たまらない気持ちが溢れ出し。堰を切ったようにボロボロと涙がこぼれ、シーツに染み込んでいき。)
……れ、い
(伝いたいことはたくさんあって。起きてくれてよかったとか、傷はどうかとか、助けてくれてありがとう、さっきのどこまで聞いてたの、みんなに知らせなきゃ…ぐるぐると思考が渦を巻き、口からは発せられなくて。縋り付くように相手の手に額を当て、身を寄せ。)
泣かせないでよ、ばかっ
(嗚咽混じりに言えたのは、なんとも可愛げのない一言で。意識のある相手に対しては年上の幼馴染としての意地が先行してしまうのか、先程想いを吐露してしまったのが今になって恥ずかしくなったのか。肩を震わせ、顔を隠しながらそんな風に返してしまい。)
(/ありがとうございます……! はい、そのような流れにできたらなと思います。レイ様の告白…今から身構えておきます…!)
(自分の手に感じた相手の体温は、今まで生死の境をさまよっていた自分にとって心地よいものだった。その体温をもっと感じるようにさわさわと頬を撫でていれば急に目の前の相手が瞳に涙を浮かべ、今まで頬を触っていた手に縋りついてくると、傷に響かないように上体をのっそりと起こして「…うん、ごめん。」と、言い返されてしまったその言葉に相手をここまで心配させてしまったのはほかでもない自分だったと言い返せなくなり、人の子と言えないなと詫びて。顔をうつ向かせながら肩を震わす相手の身をこちらに抱き寄せれば先ほどよりもしっかりと相手の温い体温が伝わってきて、「…でもな、アリア。俺がアリアの気持ちを知ってても、それでも多分アリアを護ってたと思うよ。」と、起きてすぐに聞こえた『大事にしてくれた~』という言葉を否定して。もしお互いの気持ちを繋げあえていても相手のことを守っていただろう。それどころか、尚更愛する人の身を守る大義名分ができていた。そうやって気に病むことはないと諭し、そして何かを決心したような顔つきになると「アリア、顔上げて。」と自分の胸の中でいまだ肩を震わす相手の耳元でそうやって囁いて、そうしてこちらに相手の顔と唇が向くとその唇に軽いキスをして)
俺も、アリアのことが好きだ。幼馴染とかメイドとしてだけじゃなくて、アリアっていう女性が好きだ。
(ちゅ、と小さく音を立てるキスが離れれば、相手の言葉は大体聞こえていたことを白状するように、照れくさそうに、少しやつれた頬をほんのりと染めて自分の気持ちを相手に伝えて。)
(/はい、では告白させていただきました…!少しこっぱずかしいですが、お気に召していただければ幸いです…!)
(ごめん、と相手に謝罪をさせてしまったことは申し訳なくて。唇を引き結んで、謝るのはこちらの方だとなんとか口にしようと呼吸を落ち着けているうちに、たくましい腕に包み込まれていて。動いて大丈夫なのかと心配する姉心は、好きな人に抱きしめられて歓喜する乙女心の前にはあまりにも無力で。相手の香りと微かに聞こえてくる鼓動に身を任せてしまいたくなり。恐る恐る腕を上げ、抱きしめ返そうとしたとき、衝撃的な言葉が相手から聞こえて。気持ちを知っていても、アリアを護っていた。それはまるで、先ほどの独白に対する答えのようで。理解した瞬間、ドッと体温が上昇し、身体中の血が沸騰したかのように熱が上がり。聞かれていた。一番恥ずかしい弱音と心の内を全て聞かれてしまっていたことに対する羞恥心で小さく肩が震えてしまい。頭の中は混乱しすぎていて、言い訳も思い付かず。それでも、顔を上げて欲しいという相手の言葉に、まるで魔法をかけられたかのように首を動かし、相手を見て。)
……!
(その真っ直ぐな瞳に息を呑む。世界で一番安心できる闇の色。小さい頃、まるで夜空みたいだねと言ったことがあったが、今でもその感想は変わらず。虹彩に丸く縁取られているが、見つめているとどこまでも吸い込まれていくような心地にされてしまって。それがゆっくりと近付いてきていることに反応できずにいて。刹那、柔らかい熱が唇に触れ。一瞬にも、永遠にも感じられるその口付けに、ただただ、絆されていく。身分の差も、種族の違いも、相手の立場も今後のことも、全てがどうでもよくなってしまって、ただのアトラリアとただのレイとして、ずっと隣にいれたらいいのに。軽く音を立て、相手が身を引き離れて、その情熱も宙に溶けていき。名残惜しい、と感じたのは気のせいではなくて。そうして告げられた相手の気持ち。ドク、ドクと鼓動がはやくなり、いっそ胸が痛いくらいで、けれど頭は茹で上がったようにふわふわしていて。両想いだったなんて、夢に見たシチュエーションに直面して、喜びを通り越して感動すら覚え。きっと今、涙で顔はお世辞にも綺麗とは言えないだろうけど、それでも真っ直ぐに伝えてくれた相手には、同じくらい真摯に向き合いたくて。)
あり、がとう。私も好き。大好き…
(相手を抱きしめるため、腕を上げようとし、ふと思い止まり。)
レイも同じ気持ちで、嬉しい。とても。…それだけで、
(力が抜けたように微笑んで。それ以上は望むまいと伝えようとするも、どうしても続きが言えず、軽く眉を潜め。)
(/レイ様らしい真っ直ぐさに胸打たれました…!ありがとうございます…
もうしばらく告白周りのやり取りをすることになると思いますが、また今後につきましてご相談させてください!(隠)
(初めてのキスはどんな味だったのかよくわからなかった。ただ感じたのは、胸の中に暖かで穏やかな幸福感が広がる感覚がして、癖になりそうだと困ってしまい。やがて、こちらの告白と気持ちに応えてくれるように、相手も告白してくれるがその浮かべられた笑みになにか影のようなものが含まれ、どこか遠慮がちな相手の態度が見えると)
『結婚だって本当はして欲しくないのに~』
(と、先ほど聞こえていた相手の台詞をこれが数日ぶりに目を覚ました人間の調子なのかと疑いたくなるようなちゃかすように口調をまねして、肩を羞恥で震わす相手をさらに追い込むように引き合いに出して。まるで誰のものにもなってほしくないというような、ほんのりと相手の独占欲が感じられるこの台詞。今聞こえた相手の「それだけで」という言葉と矛盾しているではないか。自分の心に嘘をついているのではないかと遠回しに訴えかけているようで。とはいえ、相手の葛藤や気持ちを無為にしてしまっていただろうか、少し野暮だっただろうかと反省しては「アリアは、今のままでいたいか?」と、その葛藤をくみ取ろうとする言葉を述べるも、もしこのまま自分の気持ちが相手に届かなかったらという恐怖で相手を抱きしめる力を自然と強めれば、数日間眠っていたことで弱っていた心臓の鼓動が聞こえてしまうだろうか。)
(/お気に召していただいたようでよかったです…!
了解です、またなにかあれば。(隠))
なっあ!?
(茶化すように少し鼻につく高い声で相手に自身のセリフを真似られば、甘ったるい空気は一瞬にしていつもの二人のそれになり。羞恥心が爆発したように真っ赤に顔を染め上げ、驚愕の声を上げ。もしかしたら、相手が真似したその一言は、一番聞かれたくなかったものかもしれない。エッセル家には返しきれない程の恩があり、そもそも自身は主の婚姻についてどうこう言える立場ではなくて。浅ましい嫉妬と、不相応な独占欲は本当は見せるつもりなどなかったのに。じたばたと短い手足を動かすも、本気で相手の腕から逃げる気などはなく。「きっ、」いてたの!?「な!」ぜそれをっ「に"」てないし!と、途切れ途切れに不満とも悲鳴ともつかない擬音を発していると、少し反省の色を滲ませた声で相手から今のままでいたいか、と問われて。動きをぴたりと止め相手に視線を戻し、しばし思案した後にゆっくりと偽りのない気持ちを伝えることにし。)
そう、だね
(そこで、はたと自身を抱きしめる相手の腕に力が籠っていたことに気付き。それはきっと、羞恥心にかられた自分を抑えるためではなくて。大好きな彼の心を曇らせてはいけないだろう、と続けて声を絞り出し。)
もし、レイのお嫁さんになれたら…とか、考えたことがないわけじゃないよ。小っちゃい頃は、本気でなりたいって思ってた。
(気恥ずかしさに少し俯くふりをして、切なそうにひそめた眉を前髪の下に隠し。)
でも大人になると、現実が見えてきちゃう、というか…。レイはヒトで、貴族で、貴族の結婚は家のためにするもので…いずれはレイも、エッセル家のためにいいお家のご令嬢と婚約するでしょう?
(意を決して顔を上げ。うまく笑えているだろうか。もしかしたら、泣き笑いのような不格好な笑顔になっているかもしれない。)
こんな気持ちでレイの傍にいたら奥さんに申し訳ないから、専属メイドはあなたが婚約するまでかな、ってなんとなく思ってたんだけど……ダメだね。いざその時が近づくと、やきもち焼いちゃって。やっぱり、嫌だって思っちゃう。だから…本当は、
(いよいよ取り繕うのも難しくなり、相手の胸にそっと手を置き、頬をすり寄せ。相手の心音を聞いていると、少しだけ気持ちが落ち着くような気持ちがし。続く声は、きっといつも通り明るくなっているに違いない。)
ずっとずっと、今のままがいいかなぁ。レイが帰って来たときはお出迎えして、毎朝起こしに行って、寝相の悪い姿が見れるのも私だけで。私が作ったシフォンケーキを美味しそうに食べてもらって、角を撫でてもらえる。そんな毎日が、ずっと続いて欲しい。…それが私の幸せだから。
(ふと、こちらが問いかけるとこちらから逃れるように動かしていた短い脚がピタリと止まり、しばしの沈黙が流れる。その沈黙を破るように相手の気持ちをゆっくりと伝えられて。自分の胸の中から見上げるようにこちらに向けた顔は泣き笑いのような笑顔を浮かべており『お嫁さんになれたら』『ヒトで、貴族で、貴族の結婚は』『焼きもちを焼いてしまって』と、その曖昧な笑顔のまま相手が胸の内に抱える様々な葛藤、気持ちがゆっくりと紡がれていき、やがて最後にこちらの胸に頬を寄せながら相手の幸せを教えられると、長い間抱えていたこの気持ちがようやく相手とつながりあえたと、ほろりと一粒涙を落して。)
アリアは俺の目指す世界は知ってるよな。
(不意に相手に自分が掲げていた理念を問いかけて。「ヒトと異種族が皆平等で、手を取り合って生きていく世界。」と、確認するように自分の目指す世界を口にすれば「その世界はヒトも異種族も、みんなが自由に恋をして、みんなが自由に結婚をするんだ。」と、先ほど相手が言っていた、貴族と異種族ではまるで身分が釣り合わないというような独りよがり。そんな燻ぶった感情が存在しない世界も自分の目指す世界のひとつで、少しだけ相手から距離を取り、相手の左手をやさしく手に取り、実物はないがその左手の薬指にまるで指輪をはめるようなジェスチャーをして、「だから、まずは俺とアリアで証明しよう。」と、ヒトの貴族である自分と、異種族である相手。その二人が結婚をすれば自分の目指す世界への大きな一歩、足掛かりとなるはずだと述べれば。)
出迎えてもらうために。毎朝起こしてもらうために。シフォンケーキを食べるために。アリアの角を撫でるために。そんな毎日を続けるために、僕と結婚してくれますか。
(ふと、こちらが問いかけるとこちらから逃れるように動かしていた短い脚がピタリと止まり、しばしの沈黙が流れる。その沈黙を破るように相手の気持ちをゆっくりと伝えられて。自分の胸の中から見上げるようにこちらに向けた顔は泣き笑いのような笑顔を浮かべており『お嫁さんになれたら』『ヒトで、貴族で、貴族の結婚は』『焼きもちを焼いてしまって』と、その曖昧な笑顔のまま相手が胸の内に抱える様々な葛藤、気持ちがゆっくりと紡がれていき、やがて最後にこちらの胸に頬を寄せながら相手の幸せを教えられると、長い間抱えていたこの気持ちがようやく相手とつながりあえたと、ほろりと一粒涙を落して。)
アリアは俺の目指す世界は知ってるよな。
(不意に相手に自分が掲げていた理念を問いかけて。「ヒトと異種族が皆平等で、手を取り合って生きていく世界。」と、確認するように自分の目指す世界を口にすれば「その世界はヒトも異種族も、みんなが自由に恋をして、みんなが自由に結婚をするんだ。」と、先ほど相手が言っていた、貴族と異種族ではまるで身分が釣り合わないというような独りよがり。そんな燻ぶった感情が存在しない世界も自分の目指す世界のひとつで、少しだけ相手から距離を取り、相手の左手をやさしく手に取り、実物はないがその左手の薬指にまるで指輪をはめるようなジェスチャーをして、「だから、まずは俺とアリアで証明しよう。」と、ヒトの貴族である自分と、異種族である相手。その二人が結婚をすれば自分の目指す世界への大きな一歩、足掛かりとなるはずだと述べれば。)
出迎えてもらうために。毎朝起こしてもらうために。シフォンケーキを食べるために。アリアの角を撫でるために。そんな毎日を続けるために、俺の恋人になってくれますか?
(と、真剣な眼差しで相手の顔を見つめ、相手が望むならこの主従という関係は崩さず、ただ、相手とのもっと確かな、密な繋がりが欲しいと告白して。)
(/すいません!よく考えたら結婚は飛ばしすぎたのでこれに差し替えておいてください!)
(相手が目指してる世界。それを知っているか問われれば、少し身を離し、相手の顔を見上げ。涙の跡が残る頬に気付いてしまい、咄嗟に指先でその跡をなぞり。彼が望む世界がどんなものなのか。エッセル家の方針と、彼の口から何度か聞いたことがあるため把握はしていたつもりだったが。『自由に恋をして、自由に結婚する』という具体的な目標を挙げられて初めて、主の目指している景色が現実的に色付いた気がし。幼い頃に受けた迫害。古くから続くそれは、いつしか"されている側"の異種族たちの心も縛り付けるようになってしまったのかもしれない。実際、自身も「暴力を振るわれなくて、普通に働けたらそれでいい」と、どこかで諦めてはいなかっただろうか。けれど、相手は違う。彼は、迫害され続け疲弊した異種族たちの、心の自由を守りたいと言っていて。上辺だけの"仲良く"ではなく、もっと奥底の…もっと根本的なところから、異種族を救おうとしていて。)
……ッ、
(相手に手を取られ、婚姻の誓いの指輪をはめる仕草をされ、微かに息を飲み。優しいその手つきに、心が震えて。二人で証明しようと提案されてしまえば、抗う術など、アトラリアには残されていなくて。)
あなたって、本当に…
(情けない顔をしてしまったかもしれない。実際、とても情けない気持ちになっていて。自分は、何も分かっていなかったのだ。理解した気になって、勝手に消極的になって、聞き分けがいいフリをして。主が求めていた世界を本当の意味ではなにも分かっていなくて。)
ずるいわ。そうやっていっつも、さらっと私を救っちゃうんだから
(そう言って、今度は自分から身を乗り出し。答えを託すかのように相手に口づけを送り、思う。主の掲げる人異平等の思想。それを唱えるヒトに甘えるのではなく、異種族は自ら声を上げ権利を主張しなくては意味がない。願うだけではなくて、それを現実にしてもいいのだと自分たちもちゃんと自覚をしなければ、何も変わらないのだ。だから、腕を伸ばして。今度こそは躊躇わずに、相手の体に腕を回して、傷に気を付けつつも彼を抱きしめ帰し。)
……喜んで!私を、レイの恋人にしてください。
(溢れ出しそうな歓喜と愛おしさをこめて、花が咲くような笑みを浮かべ、そう答えて。)
(/お気になさらず…!差し替えお疲れ様でした。素敵な告白をありがとうございます…(むせび泣き)
(相手の手に指輪をはめる仕草はキザったらしかっただろうか。やった後に少しだけ後悔するも、目の前の相手がこちらを抱きしめ返して、そしてその表情に笑顔が咲き誇ればどうやら杞憂だったようだと胸を撫で下ろせば「よかった…!」と、相手を包む腕に力を籠め、相手の見えないところで涙をほろりとまた一粒流して。数日間寝込んで起きた後に一世一代の告白という酷なスケジュールを終えたために、高鳴っていた鼓動がだんだんと収まっていき、一気に安心して体から力が抜けていくとこちらの体を相手の体に寄りかからせるように抱きしめながら体重をかけて。その様子はまた気を失ったように思われてしまうだろうか。しかし、しばしの沈黙の後、自分の腹の底から『ぐぅ~っ…』と虫が鳴き。「腹…減ったなぁ…。」と、そこには信頼している相手に見せるいつもの、だらしのないレイがいて。)
(/度々混乱させてしまうようで申し訳ないです…!
お気に召していただいたようでよかったです!このあとはどのように進めましょうか?)
(縮まった距離に安心感が広がり、互いの体温を分け合いながら想いが通じ合ったことを噛み締めて。これからたくさん苦労をするかもしれない。けれど、隣に相手がいればきっとどんなことでも乗り越えられるだろう。しばらくそうしているうちに、徐々に相手が体を預けてきて。頭も項垂れ、もしかしたら疲れが溜まってしまったのかもしれないと思い当たり。忘れかけていたわけではないが、相手は病み上がりで、まだ安静にしていなければいけない身。そっと身体を離して相手を横たわらせようとすれば、元気な腹の虫の音が響き。気の抜けた声で空腹を訴える相手に思わず吹き出し。)
ふふ。なにかお腹に優しいものを用意してもらうよ。それと、屋敷のみんなにも起きたって知らせなくちゃ!
(ぽんぽんと軽く相手の肩を撫で、名残惜しくも抱擁を解き。今朝この部屋を訪れたときとは正反対。窓越しに見える澄んだ青空のような心で、主の世話を焼くために立ち上がり。)
(/晴れて恋人になれましたので、次のステップは結婚かと思いますが…それまでに根回しなどが必要になるかもしれませんね… 反対されて対策を二人で考えたり、以前お話ししたレイ様のお姉様に後押ししていただくエピソードなどを入れられるでしょうか…?または、少しずつ伏線を置いていただいた隣国のベルベット家のことも気になります…!そちらを深掘りするのも楽しそう…。背後様はやりたい展開などありますでしょうか)
…トマトとチーズのリゾットがいいな。
(ぽんぽんとあやされるように肩を叩かれ、それから相手が抱擁を解くと今まで相手の体温を感じていた体が急にひんやりとすれば言い表せようのない寂しさを覚えて。しかし、相手はすでにいつもの調子に戻ってこちらの世話を焼こうとしており、自分も早く切り替えねばと思えば自分なりに胃にやさしいものを考えて上記の様にリクエストして相手の背中を見送って。)
(それからというものの、両親と爺が見舞いに来てくれ、『容体はどうだ』『痛みは』『気分は』と両親なりに心配してくれていたらしく、何事もないことを確認すれば『まだ安静にしておくように』とくぎ付けされるとまた一人になり。)
(/そうですね…それらの話を練って機を見て投下していきたいですね!ベルベット家の件についてはこちらで輪郭が出来ている程度には話を考えております。前者については屋敷の者たちはおそらく人異平等派のものたちなので、反対されるとしたら誰になるのだろうと悩んでしまいます…。
そうですね…とても私得な話になってしまうのですが、ナイフの痕が手にも背中にもまだ残っていて、息子はアトラリア様に見られたくないと思っており、その意識が強すぎて朝の脱衣癖に影響して朝起きた時脱げていない…というような話と、その傷痕を治すために爺に教えられた温泉へと、あわよくば温泉宿に二人で湯治に、もしくは旅行に行けたらな…と考えております。)
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