とある寮のガチゲーマー【〆】

至さんおつー…って、もう始めてんのかよ。呼び出した上にパシんのもどーかと思うんすけど(コーラを手に部屋に入ると相手の元へ近寄ってゲームを操作する手元を見遣り)

さんきゅ、万里
ゲーム選ばしてあげるから＿って、あーくそ、マジふざけんなよ(ゲームしながら相手に言っていれば、ゲームオーバーになり、ぶつぶつと文句を呟き)

そりゃどーも。ちょうど談話室に居たんで別にいいっすけどね。――あ。なんすか、苦戦してんじゃん(画面に浮かぶゲームオーバーの文字を眺めて相手の隣に座り)そんなに強いんすか、そいつ。

別にそこまで強い訳じゃないんだけど…
あ、せっかくだし、お前やって(相手に自分の持っていたコントローラー渡して)
万里ならさくっとやれるんじゃね？(言いつつコーラ飲み)

ふーん…何がせっかくなのかはさっぱり分かんねぇけど、そーいうことなら。操作方法とかあるんすか？(コントローラーを受け取って画面へと視線を向けつつ問いかけ)

これが攻撃で、こっちが移動、ここがジャンプ
技のコマンドはまぁ……自分でがんば(操作を説明しつつ相手に凭れ/コマンド説明は面倒になった)

はあ？一番大事なとこで説明投げんなっての。…まあ、なんとかすっけど(画面を操作してリトライを始めると一先ず基礎操作を軽く確認しつつコマンドを探るる形でゲームを進め)――お、コマンド1個発見。

俺が説明しなくても、ちゃんと見つけんじゃん
だから問題なし(言いつつ自分のスマホのゲーム開けば、限定ガチャを引いていて)

へいへい、信頼されてるようで何よりっすよ。…つーかそれ今日始まった限定のやつ？(すぐ近くから聞こえる別の音に隙を見計らって横目でちらりと相手のスマホ画面を見て)

うん、限定ガチャは引いとかないと＿＿よっしゃ、キタコレ！
今回引き良いじゃん俺(相手に答えつつ引いていれば、レアが出ると喜び)

おー、おめっす。至さんがこんな簡単に自引き出来んの久々じゃないっすか？…… っと、危ねぇ(嬉々とした相手の声に珍しいなと言いたげな反応示すも自分のゲーム操作がワンテンポ遅れてしまうと意識をゲームに戻して)

これで明日も会社行けるわー(目に見えそうなほどご機嫌な様子で)
俺に気を取られてないで、万里はゲームに集中してなよ
あ、万里もピザいる？(スマホで宅配ピザのメニュー画面見つつ聞いて、「今なら至さんご機嫌だから奢るけど」と付け加え)

確かに、自分で言ってくる辺りすげー機嫌いいな。じゃあ俺の分も注文よろしくっす。メニューは任せるんで(視線はゲーム画面に注いだままではあるものの相手の言葉にふ、と口端持ち上げると奢りの提案に甘えておく事にして)

ん、わかった(2人分頼むとスマホを置いて視線をゲーム画面に向け)
俺の自引きを祝ってくれていいんだよ…てか、祝え

祝われる側の台詞なんすか、それ(まさかの命令形に思わず笑い混じりな返答洩らし、ゲームに漸く一区切り付いた所で画面から相手に視線を移して)っし、クリア。…んで？さっき祝ったつもりだったんすけど、まだ祝えってことっすか？

お、さすが万里、おめ(相手がクリアすると、パチパチと拍手し)
そーゆー事、はよはよ(楽しげに言い)

あざーす。つーか待機されてる状態で改めて祝うとかどんな無茶振りだよ(言ったところで相手が引き下がるとも思っていないものの呟くと一息置いてから「至さんもおめ。自力で神引きできて良かったっすね」と再び伝え)

ごめんごめん
でも、そんなに無茶振りしないんだし、許してよ(相手の頭をぽんぽんと撫でて)
あ、ピザそろそろ着きそうだな
じゃ、俺取りに行ってくるから、ゲーム選んでなよ(スマホで確認した後、部屋を出て)

…あー、了解っす。…自分から言ってきた割に随分あっさりしてんだな(少しばかり肩透かしを食らったような心地で部屋を出て行く後ろ姿を見送るとコントローラーを机の上に置いて立ち上がり、山積みになったゲームソフトのタイトルを眺めて興味が惹かれるものを探し始め)

…匂いから美味そう(配達員からピザ受け取り、部屋へと向かいつつ呟いては自然と笑みが零れ)
お待たせ、ゲーム決まった？(部屋に着くと入りながら言い)