トピ主 2021-09-01 18:06:46 |
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キルティ)イデア、急で済まないが、オルトにこっちに来るよう言ってもらえないか?人の子が朝から鼻血出して、一度止まったが再発してしまってな。しかもかなりの量が出たらしく、貧血で倒れてしまったんだ。出来れば、プレシジョンギアで頼む。あれなら、適切な処置を施せると思うし。一応、応急処置は済ませたけどね。
オルト)はーい。
オルトはプレシジョンギアで直ぐにディアソムニアに来た。
オルト)こんにちは、キルティ・フォルンさん。
キルティ)こんにちは、オルト。実は、人の子が今朝から体調が悪くてな。早退はさせたが私が授業があるから、オルトに看病を頼みたいんだ。構わないか?
オルト)任せて。応急処置もしてくれているから、凄く助かるよ。
キルティ)ありがとう、それじゃあ頼んだぞ。
キルティはそう言って魔法で消えた。
オルト)スキャンしたところ、過労が原因みたいだね。あとは栄養バランスのとれた食事も必要だね。
オルトは麗奈を見て言った。
キルティ)リリア、人の子がまた鼻血を出してね。それで倒れたから、今日は早退させて部屋で休ませたところなんだ。一応オルトをそばにいさせているよ。
キルティはリリアに今までのことを話した。
キルティ)(嫌な予感・・・)
リリアが早く帰ると言うことは、早くに厨房に着くことを意味している。つまり、人の子の命が危険に晒されるのだ。更に、キルティは昨日、モストロ・ラウンジで自分の作った特製のお菓子を用意した。キルティに限らず、マレウスやシルバー、セベクが料理で素晴らしい物を作ると、リリアも料理をしようとする。今、リリアの料理への意欲は、極限状態だろう。
キルティ)(料理の事となると、絶対に聞かないけど、押さえつければ・・・)リリア、私は急用を思い出したから、失礼するね。
キルティはそう言って、走ってその場を離れた。そして、急いでシルバーに電話を掛けた。
セベク)むっ、シルバー?
セベクはシルバーの着信に気づき通話ボタンをタップした。
セベク)シルバー、どうした?
オルト)兄さん、ぐったりしてるよ。また何か無茶しちゃったのかな?
シルバー:セベク、麗奈が早退したんだ。そしたらリリア様が部活を早めに切り上げて、飯を作ろうとしてる!
イデア:麗奈氏、ずっと稼働してるっていうか…もっと僕みたいに労ってよ!
麗奈:ラウンジのバイトは週一にしたし、足りない素材があったら一から育てたりしてるし、あとはそこの机にノート兼メモしたり…(机には山のようにノートが乗せられていて)
オルト)これ全部そうなの!すごい量だね。でも、もしかして睡眠時間削ったんじゃないの?素材も作るために体力の方も無茶したんじゃ・・・
オルト)麗奈さん、麗奈さんが頑張りやさんなのは分かるよ。でもそれで体調を崩しちゃったら、元も子もないよ。やりたかったことが、結局出来なくなっちゃうでしょ。大変なこととか、1人じゃ難しいことは、誰かを頼っていいんだよ。麗奈さんだって友達がいるし、マレウス・ドラコニアさん達だっている。皆、麗奈さんを大切にしてるんだよ。
オルトは麗奈の手を握った。そして
オルト)僕は壊れても、兄さんに直してもらえれば、動けるけど、麗奈さんは違う。僕は、麗奈さんにいなくなって欲しくない。麗奈さんの今の課題は誰かを頼ることを覚えることだね。
オルト)(折角邪魔者がいなくなって、心置きなく仲を深められるのに、いなくなったら、困るんだよね)
オルトは、内心そう思っていた。
キルティは、もうすぐ鏡舎に着くところだった。しかも、用事が用事なため、メールに気付かなかった。
キルティ)道中会わないと言うことは、移動魔法、あるいは既に鏡舎から寮に戻ったかもしれない。まずい。
キルティ)その可能性があったか。なら、セベク。君は、軽音部の方に行ってみて。シルバー、君は私と一緒に。一度、寮に戻ろう。
セベク)お任せください。
キルティ)急いで厨房に行こう。
キルティは走って厨房に向かった。
その頃、セベクは軽音部が使っている部室に来た。
セベク)失礼します。リリア様はおられますか?
キルティ)あれ、厨房にはいない。
キルティは、冷蔵庫も開けた。(リリアが勝手に作った)作り置きも入っていない。
キルティ)寮には帰ってきてないようだな。
キルティは安心した。
セベク)さ、サイエンス部に!何故、また?
ケイト)早急に作らなければいけない物が出来たとか言って、行っちゃったよ。何を作るのかは詳しく知らないよ。
セベク)分かりました。ありがとうございます。
セベクは、急いで、シルバーに電話を掛けた。
シルバー:もしもし?
(一方その頃、リリアは)
モブ:ぎゃーー!!(逃げ惑っていて)
トレイ:リリア、それは食べさせるとまずいんじゃ…
ルーク:リリアくん、できればその辺に……
セベク)シルバー、リリア様の居場所が分かった。キルティ様と実験室に来てくれ!
セベクは、そう言って実験室の前に来た。
セベク)(既に禍々しいオーラを実験室が纏っているように見える。そして、悲鳴も聞こえる)
セベクは入りたくなかったが、意を決して、少しだけ扉を開けて様子を見た。
シルバー:わかった。キルティ様、リリア様は実験室にいるそうです
リリア:ふふふ、わしの手にかかればあっという間じゃぞ~
モブ:ぎゃー!(変な料理の犠牲になって)
リリア:薬品を間違えたか、わしのお手製の飯にこれを加えれば良くなると思っていたのじゃが…
キルティ)学校にいたのか。分かった、行こう。
キルティ達はディアソムニアを後にしたが、キルティは鏡舎の前で足を止めると
キルティ)一応、これを。
キルティは置き手紙と袋に魔法を掛け、麗奈の部屋の窓に届くようにした。オルトが部屋にいる為、気付くと思ったのだろう。
キルティ)よし、急ごう。
オルト)手紙と袋?えーっと、安全で栄養のある食べ物だ。人の子が食べれるようであれば食べさせてくれって書いてある。差出人はキルティ・フォルンさんだね。でも、何だか文章が不穏だね。
オルトは文章を見ながら言った。
セベク)(地獄絵図が広がっている!)
セベクは叫ぶのを必死に堪えて、目の前の光景をただただ、そっと見ることしか出来なかった。というより、今入ったら、二の舞になるから、入ることが出来ないというのが正しい。
オルト)そうだね、起きたら食べさせよう。
セベク)も、もう少し、お待ち下さい。もう少しで、シルバーとキルティ様が・・・
キルティ)セベク!
キルティ達は、ようやく実験室に着き、セベクに声を掛けた。
キルティ)すまない、遅くなった。状態は?
セベク)お待ちしておりました。ご覧のとおりです。
キルティは、実験室を見たが、ぎょっとした。
キルティ)(あのルークがここまで狼狽えるなんて)
キルティは普段見ないルークの顔を見てびっくりした。そして
キルティ)とにかく、リリアを止めるんだ。そして皆口を閉じておけ!無理矢理料理を突っ込まれたくなければな。
と、キルティは全員に言った。
モブ:は、はいいぃぃ~~!!
トレイ:リリア!(ドアを叩いて)
リリア:トレイか、もうちょっと待っておれ。これは麗奈が作った薬品か。上出来じゃ(調合やらなんやら終わって麗奈の薬品を見て)
キルティ)リリア、人の子のご飯は、既に私が用意してしまったんだ。だから、それは必要ないぞ。あと、ここのものは、いつもお茶してるし、私もセベクもシルバーも先ほど、トレイからお菓子もらって食べたから、お腹いっぱいなんだ。だから、それはリリアが食べて構わないよ。
キルティは嘘を言った。勿論、リリアに見えないようトレイに合図を送って。
シルバー:はぁ、よかった…
ルーク:そういえば、麗奈くんが来てないね?
トレイ:エースたちから聞いたけど、なんでも授業中に鼻血を出したとか
キルティ)ん?イデアからメールが来てる。人の子は、過労が原因。暫くは授業を休ませるべし。って授業を休ませたら、テストがまずいと思うんだが?それに人の子は違うところから来た、なら、こちらの言葉だけでは理解出来ない言葉も少なからずあるだろうに。
キルティはイデアからのメールにようやく気づき、文章を読んだ。
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