トピ主 2021-09-01 18:06:46 |
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アズール)いえ、これには訳があるんです。今回のバイト代とその他諸々も込みで渡しているんです。
キルティ)その他諸々とは?
アズール)少し前になりますが、オーバーブロットの件のお詫び、それから素晴らしいショーを見せてくれたお礼、更には、飛ぶのが苦手な僕達に翼がはえる魔法薬と可愛らしい人形をくださったお礼、最後は、新メニューを考えてくれたお礼とバイト代です。
キルティ)それでこんなにもらっていいのか?結構な額だぞ。
キルティはかなりの額のマドルを見て言った。
アズール)僕からのお詫びとお礼ですので、遠慮なさらず。
アズールはニッコリ笑った。
キルティ)まぁ、そこまで言うのならありがたくいただくよ。あと、今回のパンプキンプリンの作り方のメモも厨房に貼っておいたから、良ければ、それぞれで作ってみてくれ。それじゃあ、私は帰るよ。
キルティは、魔法で制服に着替えるとオクタヴィネルを後にした。
アズール)本日は手伝ってくださってありがとうございました。
キルティ)ありがとう、ゆっくりさせてもらうよ。
キルティは、笑ってその場を後にすると、部屋から着替えを持つと、風呂に向かった。
マレウス)そうか、もう少し一緒にいたかったが、眠いなら仕方ないな。
マレウスは、少し残念そうにした。
キルティ)ふぅ、疲れた後に入る風呂は格別だな。
マレウス)そうか。それは楽しみだ。
マレウスは、ワクワクしていた。なぜなら、前回は既に姫からの贈り物があったからだ。なので、まっさらな状態で見るのは今回が初めてなのだ。
セベク)僕もそろそろ休みます。おやすみなさい、若様、リリア様、シルバー、人間。
セベクはそう言って、部屋へ戻っていった。
キルティ)ふぅ、さっぱりした。
キルティは、風呂から上がって廊下を歩いていた。そして談話室の部屋を開けたが電気が消えていた。
キルティ)何だ、皆戻ったのか。なら、私も戻ろう。
キルティはそう言って自分も部屋に戻っていった。
マレウス)今日は人の子の部屋で朝まで一緒だな。
マレウス)確かに、僕の部屋と人の子の部屋では、スペースは狭いが、その分、お前と近くいられる。
マレウスは、麗奈の背に手を添えながら言った。
マレウス)それでも自分で考えて作るだけでも、素晴らしいと僕は思うぞ。そういうのはなかなか思いつくものではないからな。それに、調合の順番を間違えなくても、魔法薬の相性が悪く、そのせいで爆発が起こることもある。なのに、人の子は、爆発をさせず一度で完成させたのだろう?他のものが驚くのも頷ける。
マレウス)確かにそうだが、転寮するためには、転寮届が必要だ。そして、現在のいる寮の寮長と副寮長の許可がなければ無理だ。ここで言うと、僕とリリアだ。僕らが許可をしない限り、人の子は転寮出来ない。
マレウスはゆっくり言った。
マレウス)そうか、人の子は前にフェルミエの部屋でどんな部屋か一度見たことがあったな。
マレウスは思い出したように言った。そして
マレウス)人の子、安心しろ。この寮がどこよりも安全な寮だ。だから、この寮で過ごした方がいい。勿論、たまに泊まりがしたいなら言ってくれて構わない。ただし、必ず届けを出すことだ。
マレウス)そうか?
マレウスは、そう言うと立ち上がりこう言った。
マレウス)なら、僕は用意を済ませてから向かうとしよう。
そして、麗奈の部屋を後にした。
セベク)早く用意しろ、リリア様が厨房に着いたら終わりだぞ。
セベクは、シルバーにそう言った。
キルティ)ヴ~ん、よく寝た。
キルティは、伸びをしながら言った。
セベク)先に行っているからな。寝るなよ。
セベクはシルバーにそう言うと、厨房に向かった。すると、麗奈を見かけ
セベク)人間、起きていたのか・・・って、どうした!?
セベクの声が聞こえ、今の声で寮にいる殆どのものが驚き、目が覚めた。
モブ)なんだなんだ?
モブ)今のセベクじゃねぇか?
モブ)げっ!もう朝!用意しねぇと。
セベク)とりあえず、パンから離れろ!血が付くだろ!それと、ど、どうやって止めればいいんだ!
セベクは、あたふたしていた。
マレウス)セベク、何の騒ぎだ?
セベク)若様、おはようございます。実は人間が鼻血を出しまして・・・
マレウス)鼻血?
マレウスは麗奈を見た。
麗奈:……(パタパタと制服を汚し)
リリ:あなや!? どうした!?
麗奈:突然出てきちゃって…
シルバー:あとは俺がやっておくから、とりあえず部屋に戻れ
マレウス)リリア、人の子を部屋に連れてってくれ。セベクとシルバーは朝食の準備だ。
マレウスは、それぞれに指示を出した。
キルティ)おはようございます、マレウス様。どうかなさいましたか?
キルティは一足遅く、マレウス達の元へ来た。
マレウス)キルティ、制服のブラウスを直ぐに綺麗にしてくれ。
キルティ)はい?分かりました・・・
キルティは、突然言われたことにびっくりしたが、冷静に対処した。
セベク)急ぐぞ!
セベクはシルバーと朝食の準備に取り掛かった。キルティは、魔法で麗奈のブラウスを綺麗にした。すると、血の飛沫は綺麗さっぱりに無くなった。
キルティ)よし、これで大丈夫だな。
セベク)分かっている。
セベクもせっせと作っていた。キルティは服を綺麗にしたので、麗奈の部屋にやって来た。
キルティ)人の子、ブラウス綺麗にしたぞ。血は止まってきたか?
キルティ)流石に止めてからの方が良くないか?それでも行くと言うのなら、仰向けのまま、運ぶぞ。さぁ、どちらにする?私はどちらでも構わないぞ。
キルティは、不敵な笑みを見せ言った。
キルティ)よろしい。エースとデュースに連絡するよ。いつもはエースだけど、たまにはデュースにかけてやるか。
キルティはイタズラ心が芽生え、デュースに電話を掛けた。
キルティ)う~ん、出直した方がいいか?
キルティは困った笑顔で言った。すると電話の向こうから
エース)デュース、まずズボン履けよ。それで、片方履いて部屋跳ねられても困る。
と、同室のエースの声が聞こえた。
キルティ)(そういうことだったのか・・・)
キルティは、状況を察知した。
キルティ)おっ!キリが良くなったか。実は、朝から人の子が鼻血を出してしまってな。止まったら、登校させようと思ってるんだ。だから、そのことを先生に伝えてほしいんだ。頼めるか?
キルティ)それじゃあ。
キルティは電話を切った。そして麗奈の部屋へ向かった。
キルティ)失礼するぞ。リリア、人の子の様子はどうだ?
キルティ)無理無理してるってまた無茶したのか?
キルティは、首を傾げた。
中の人)トピ主さん、大丈夫だった?成りすましされてたけど?昨日の夜中に気づいたから、急いで通報したんだ。まさか、こっちのチャットにまで被害が出るとは思わなかったよ。今まではもう一つのチャットだけだったからさ。
キルティ)つまり、体力はかなり疲弊していた。そういうことか。
中の人)よかった。なんかギリギリ危ないこと書かれてたんで、結構腹立ってたんですよ。トピ主さんがあんなこと書かないし。
麗奈:た、多分…
リリア:キルティ、これでは麗奈が自覚なく倒れてしまうかも知れぬ。何か楽させる方法を探さねばならんぞ
中の人:それ以前にこれ私じゃねー! でした
キルティ)リリア、それは勿論だが人の子は、無意識もあるが突然ゴーストに取り憑かれた後の反動が残ってるのかもしれない。それに、あのあと、大量の魔法薬を被り、赤ん坊になったのだ。身体を乗っ取られた反動と、魔法薬の反動は魔力のない人の子には、かなりのしんどいのだろう。
中の人)自分も成りすまされたことあるんで、嘘書くなって思ったことありますよ。文章間違えずに読むようにしてたから、気づけた感じです。でも、ここまで来ると本格的に対処を考えたほうがいいのかもしれませんね。
リリア:麗奈は責任感が強い。下手に気を遣えばこちらが気を遣われる側になりかねん
中の人:でもこれ、どうすればいいんですかね? 鍵もつけられませんし…
キルティ)そこが問題だな。私も案が浮かんでいない。
キルティも腕を組んで考えた。
中の人)通報されるチャットを書いた人は、主にチャット荒らしが目的、あるいはアンチですね。なので自分達のチャットを守るよりも、乗っかってやろうかと考えていますが、逆にこっちも通報されそうなので、難しいところです。
キルティ)そうだな。治ってきたならよかった。
キルティは、麗奈の方を向くとそう言って、頭を撫でた。
中の人)そうですね。今のところ、明確な手立てはそれしかありません。特定も出来なきゃ、発見も出来ませんから。
麗奈:ふぐ…
リリア:麗奈、今日は部活は休んで、授業は終わり次第寮に戻るのじゃ
麗奈:?
リリア:副寮長命令じゃ
麗奈:は、はい
デュース:おはよう。朝からびっくりしたぞ
麗奈:おはよう。もう大丈夫だよ
デュース:ズボンはいてる最中にそんな連絡きたから慌てたぞ
キルティ)タイミングが悪い時に掛けて済まなかったね。いつもエースだから、たまにはデュースに掛けようかなって思って掛けたんだ。
キルティは困った笑顔で言った。
エース)今日は俺が良かったと思いますよ。俺はその時、スート書き終わるところだったので。
マレウス)そろそろ、授業が始まるな。スペード、トラッポラ、人の子を頼んたぞ。
マレウスは、エース達に言った。
エース)分かりました。
キルティ)少しでも具合が悪くなったら、遠慮せず言うように。無理は禁物だ。
キルティも、そう言って、その場を後にした。
デュース:はい
ルーク:おはよう。麗奈くん、エースくん、デュースくん
麗奈:ルーク先輩、おはようございます(そうだ、今日は3年生と合同だったんだ)
レオナ:麗奈、お前どっかケガしたのか? 血の匂いがするぞ
麗奈:朝から鼻血が出ちゃいまして…
エース)(流石鼻が利くなぁ。極力距離を取らねぇと)麗奈、こっちの席座ろうぜ。ほら、デュースも。
エースは麗奈とデュースの手を引いて、レオナから離れた。
デュース:ああ
ルーク:麗奈くん、今日は私と組まないかい?(ずい、と出てきて
麗奈:え!? は、はい!(反射的にうなずいてしまい)
エース)(ルーク先輩は容赦ねぇ!しかも、勝てねぇ!)
エースは、見事に麗奈を取られて落ち込んだ。
エース)俺、今日が命日かも。マレウス・ドラコニアに雷落とされるかも・・・
エースは顔を抑えてか細く言った。
クルーウェル)仔犬ども、始めるぞ。
クルーウェルは、教団に登ると、授業を始めた。
その頃、キルティはリリアのクラスと合同で飛行術だった。
キルティ)寒い・・・
キルティ)寒いよ。仕方ない、温度調節魔法を使うとしよう。今回は、使えるからな。
キルティは温度調節魔法を使った。前回、キルティは、自分にカラスの羽が生えたせいか、温度調節魔法が使えなくなり、寒すぎて、ハーツラビュルで倒れたことがあった。
キルティ)(結構前なのに、鮮明に覚えてるんだよなぁ)
リリア:倒れぬようにな
麗奈:えーと、鍋を3回混ぜて…
ルーク:ボーテ、素晴らしい! ここまで失敗せずにできるなんて、すごい才能だ(麗奈をベタベタ褒めて)
レオナ:うるせぇ…(イライラして手が震え)
モブ:ひいぃぃー!(レオナと組んでいるモブ。早く授業終わってくれ)
キルティ)あんな羽の生えていない私ならヘマなんでしないよ。
キルティは、笑った。
クルーウェル)駄犬、褒めるのはいいが、後にしろ。褒めすぎて、魔法薬を爆発でもさせたら、補習だからな。
クルーウェルは、ルークの背後で言った。
エース)俺、いくら麗奈と組めてもルーク先輩入ってきたら無理かも。集中できねぇ。
エースは、デュースと組んでいて、2人の様子を見ながらこっそり言った。
エース)レポートも書けたし、渡しに行こうっと。
エースは、魔法薬とレポートを持って、クルーウェルに渡しに行った。
エース)出来ました。
クルーウェル)グッドボーイ…今回はよくやったな。
麗奈:先生、こちらもお願いします(レポートを提出。ところが、また鼻血を出してレポートを汚してしまい)
ルーク:麗奈くん!?
麗奈:え…、また?(しかもかなりの量が出て)
クルーウェル)仔犬、どうした?
クルーウェルも突然のことにびっくりしていた。
キルティ)ん?
その頃キルティは血の匂いがして、顔をしかめた。そして、匂いを辿ると、ちょうど麗奈達が授業を受けている教室だった。
キルティ)まさか・・・
キルティは翼を広げた。(勿論、運動着は破けてます)
ケイト)キルティちゃん?
キルティ)悪いが、少し抜ける。
キルティはそう言い、麗奈達が授業を受けている教室の窓目掛け突っ込み、スタントマンばりの姿で窓をぶち壊し教室に侵入した。
ガッシャーン
キルティ)人の子、どうした!
リリア:キルティ、いかがした!?
麗奈:……あ(フラフラと倒れ込んでしまい)
ルーク:麗奈くん!?
レオナ:麗奈!? しっかりしやがれ!
デュース:麗奈!
キルティは、麗奈を抱き上げると周りの様子を見た。
キルティ)外傷なく大量の血液、となると怪我を負わされたわけではないな。今朝から出した鼻血の再発の見て間違いないだろう。今朝より多く出したという事は、貧血を起こしたか。人の子は私が医務室へ運んでおく。心配しないでくれ。
キルティはそう言うと、部屋を出ていった。そして、割れた筈の窓も綺麗に治っていった。そして、クルーウェルは深呼吸すると
クルーウェル)仔犬ども、取り敢えず、作業に戻れ。レポートは明日までだ。
キルティ)学園長、今は話している暇はない。話がしたいなら、医務室に来てくれ。私は魔法で行く。
キルティはそう言って移動魔法で、医務室に来た。
キルティ)失礼するぞ。
キルティ)とにかく、仰向けに寝かせて、ティッシュで血を拭いて、止血をしないと。
キルティは、手際よく麗奈を介抱した。そして
キルティ)何で医務室にいつも人いないんだろ?タイミンがいつも悪い。
と、言った。
麗奈:う……
学園長:失礼しますよ。麗奈さん、大丈夫ですか?
麗奈:…(とうとうぐったりして)
学園長:フォルンくん、ここは麗奈さんを寮に連れ帰った方がよさそうです。ここは他の生徒も来ますから安心して休めません
キルティ)頼んだぞ。
キルティは、電話を切ると麗奈を抱きかかえ
キルティ)さっさと寮に戻って休ませよう。
そう言って、移動魔法を使い寮に戻った。
キルティ)イデア、急で済まないが、オルトにこっちに来るよう言ってもらえないか?人の子が朝から鼻血出して、一度止まったが再発してしまってな。しかもかなりの量が出たらしく、貧血で倒れてしまったんだ。出来れば、プレシジョンギアで頼む。あれなら、適切な処置を施せると思うし。一応、応急処置は済ませたけどね。
オルト)はーい。
オルトはプレシジョンギアで直ぐにディアソムニアに来た。
オルト)こんにちは、キルティ・フォルンさん。
キルティ)こんにちは、オルト。実は、人の子が今朝から体調が悪くてな。早退はさせたが私が授業があるから、オルトに看病を頼みたいんだ。構わないか?
オルト)任せて。応急処置もしてくれているから、凄く助かるよ。
キルティ)ありがとう、それじゃあ頼んだぞ。
キルティはそう言って魔法で消えた。
オルト)スキャンしたところ、過労が原因みたいだね。あとは栄養バランスのとれた食事も必要だね。
オルトは麗奈を見て言った。
キルティ)リリア、人の子がまた鼻血を出してね。それで倒れたから、今日は早退させて部屋で休ませたところなんだ。一応オルトをそばにいさせているよ。
キルティはリリアに今までのことを話した。
キルティ)(嫌な予感・・・)
リリアが早く帰ると言うことは、早くに厨房に着くことを意味している。つまり、人の子の命が危険に晒されるのだ。更に、キルティは昨日、モストロ・ラウンジで自分の作った特製のお菓子を用意した。キルティに限らず、マレウスやシルバー、セベクが料理で素晴らしい物を作ると、リリアも料理をしようとする。今、リリアの料理への意欲は、極限状態だろう。
キルティ)(料理の事となると、絶対に聞かないけど、押さえつければ・・・)リリア、私は急用を思い出したから、失礼するね。
キルティはそう言って、走ってその場を離れた。そして、急いでシルバーに電話を掛けた。
セベク)むっ、シルバー?
セベクはシルバーの着信に気づき通話ボタンをタップした。
セベク)シルバー、どうした?
オルト)兄さん、ぐったりしてるよ。また何か無茶しちゃったのかな?
シルバー:セベク、麗奈が早退したんだ。そしたらリリア様が部活を早めに切り上げて、飯を作ろうとしてる!
イデア:麗奈氏、ずっと稼働してるっていうか…もっと僕みたいに労ってよ!
麗奈:ラウンジのバイトは週一にしたし、足りない素材があったら一から育てたりしてるし、あとはそこの机にノート兼メモしたり…(机には山のようにノートが乗せられていて)
オルト)これ全部そうなの!すごい量だね。でも、もしかして睡眠時間削ったんじゃないの?素材も作るために体力の方も無茶したんじゃ・・・
オルト)麗奈さん、麗奈さんが頑張りやさんなのは分かるよ。でもそれで体調を崩しちゃったら、元も子もないよ。やりたかったことが、結局出来なくなっちゃうでしょ。大変なこととか、1人じゃ難しいことは、誰かを頼っていいんだよ。麗奈さんだって友達がいるし、マレウス・ドラコニアさん達だっている。皆、麗奈さんを大切にしてるんだよ。
オルトは麗奈の手を握った。そして
オルト)僕は壊れても、兄さんに直してもらえれば、動けるけど、麗奈さんは違う。僕は、麗奈さんにいなくなって欲しくない。麗奈さんの今の課題は誰かを頼ることを覚えることだね。
オルト)(折角邪魔者がいなくなって、心置きなく仲を深められるのに、いなくなったら、困るんだよね)
オルトは、内心そう思っていた。
キルティは、もうすぐ鏡舎に着くところだった。しかも、用事が用事なため、メールに気付かなかった。
キルティ)道中会わないと言うことは、移動魔法、あるいは既に鏡舎から寮に戻ったかもしれない。まずい。
キルティ)その可能性があったか。なら、セベク。君は、軽音部の方に行ってみて。シルバー、君は私と一緒に。一度、寮に戻ろう。
セベク)お任せください。
キルティ)急いで厨房に行こう。
キルティは走って厨房に向かった。
その頃、セベクは軽音部が使っている部室に来た。
セベク)失礼します。リリア様はおられますか?
キルティ)あれ、厨房にはいない。
キルティは、冷蔵庫も開けた。(リリアが勝手に作った)作り置きも入っていない。
キルティ)寮には帰ってきてないようだな。
キルティは安心した。
セベク)さ、サイエンス部に!何故、また?
ケイト)早急に作らなければいけない物が出来たとか言って、行っちゃったよ。何を作るのかは詳しく知らないよ。
セベク)分かりました。ありがとうございます。
セベクは、急いで、シルバーに電話を掛けた。
シルバー:もしもし?
(一方その頃、リリアは)
モブ:ぎゃーー!!(逃げ惑っていて)
トレイ:リリア、それは食べさせるとまずいんじゃ…
ルーク:リリアくん、できればその辺に……
セベク)シルバー、リリア様の居場所が分かった。キルティ様と実験室に来てくれ!
セベクは、そう言って実験室の前に来た。
セベク)(既に禍々しいオーラを実験室が纏っているように見える。そして、悲鳴も聞こえる)
セベクは入りたくなかったが、意を決して、少しだけ扉を開けて様子を見た。
シルバー:わかった。キルティ様、リリア様は実験室にいるそうです
リリア:ふふふ、わしの手にかかればあっという間じゃぞ~
モブ:ぎゃー!(変な料理の犠牲になって)
リリア:薬品を間違えたか、わしのお手製の飯にこれを加えれば良くなると思っていたのじゃが…
キルティ)学校にいたのか。分かった、行こう。
キルティ達はディアソムニアを後にしたが、キルティは鏡舎の前で足を止めると
キルティ)一応、これを。
キルティは置き手紙と袋に魔法を掛け、麗奈の部屋の窓に届くようにした。オルトが部屋にいる為、気付くと思ったのだろう。
キルティ)よし、急ごう。
オルト)手紙と袋?えーっと、安全で栄養のある食べ物だ。人の子が食べれるようであれば食べさせてくれって書いてある。差出人はキルティ・フォルンさんだね。でも、何だか文章が不穏だね。
オルトは文章を見ながら言った。
セベク)(地獄絵図が広がっている!)
セベクは叫ぶのを必死に堪えて、目の前の光景をただただ、そっと見ることしか出来なかった。というより、今入ったら、二の舞になるから、入ることが出来ないというのが正しい。
オルト)そうだね、起きたら食べさせよう。
セベク)も、もう少し、お待ち下さい。もう少しで、シルバーとキルティ様が・・・
キルティ)セベク!
キルティ達は、ようやく実験室に着き、セベクに声を掛けた。
キルティ)すまない、遅くなった。状態は?
セベク)お待ちしておりました。ご覧のとおりです。
キルティは、実験室を見たが、ぎょっとした。
キルティ)(あのルークがここまで狼狽えるなんて)
キルティは普段見ないルークの顔を見てびっくりした。そして
キルティ)とにかく、リリアを止めるんだ。そして皆口を閉じておけ!無理矢理料理を突っ込まれたくなければな。
と、キルティは全員に言った。
モブ:は、はいいぃぃ~~!!
トレイ:リリア!(ドアを叩いて)
リリア:トレイか、もうちょっと待っておれ。これは麗奈が作った薬品か。上出来じゃ(調合やらなんやら終わって麗奈の薬品を見て)
キルティ)リリア、人の子のご飯は、既に私が用意してしまったんだ。だから、それは必要ないぞ。あと、ここのものは、いつもお茶してるし、私もセベクもシルバーも先ほど、トレイからお菓子もらって食べたから、お腹いっぱいなんだ。だから、それはリリアが食べて構わないよ。
キルティは嘘を言った。勿論、リリアに見えないようトレイに合図を送って。
シルバー:はぁ、よかった…
ルーク:そういえば、麗奈くんが来てないね?
トレイ:エースたちから聞いたけど、なんでも授業中に鼻血を出したとか
キルティ)ん?イデアからメールが来てる。人の子は、過労が原因。暫くは授業を休ませるべし。って授業を休ませたら、テストがまずいと思うんだが?それに人の子は違うところから来た、なら、こちらの言葉だけでは理解出来ない言葉も少なからずあるだろうに。
キルティはイデアからのメールにようやく気づき、文章を読んだ。
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