トピ主 2021-09-01 18:06:46 |
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キルティ)新作メニューは勿論だけれど、目で楽しむ食器もあれば、客寄せになると思うんだ。今の時期なら、ハロウィーンだろう。なら、こういうのとかどうだ?
キルティは魔法でかぼちゃプリンの幻影を出した。しかし、かぼちゃプリンは、ジャック・オー・ランタンの中に入っている。
キルティ)皿の上にのせるプリンもあるが、中に入れるタイプもあるらしい。これなら、客も楽しいと思うぞ。
キルティは得意げに言った。
ジェイド:これは、お皿まで見て楽しめるなんて素晴らしい。そういえば、ある女性に人気のお店を調べてみたところ、メニューのテーマがアリスやマーメイドだったりと豊富だったのをみかけましたね
中の人:カフェチェリッシュってお店です
キルティ)言葉でいうより、見せた方が早そうだな。アズール達にも食べさせて、好評だったら、直ぐに新メニューに採用してくれると思うから、今から、一緒に行こう。
キルティは席を立った。そして
キルティ)書物よ、あるべき場所へ
キルティが本に手を置き、唱えると、数冊の本は、浮かび、元の場所へと戻って行った。
キルティ)じゃあ、行こっか。ジェイド。
キルティとジェイドはオクタヴィネルへ向かった。
キルティ)アズール、手伝いに来たぞ。
アズール)おや、キルティさん。まだ、時間は先ですが?
キルティ)ジェイドが新作メニューを考えてるらしくてね。一個は見せたけど、もう一つは作ったほうが早いと思って。折角なら、試食して正式に新メニューにするかをどうかと思ったんだ。
キルティはニヤッと笑った。
キルティ)そういうわけで厨房借りるよ。
アズール)ええ、こちらです。
アズール)麗奈さんからですか?早速聞かせてください。
アズールは嬉しそうに聞く。キルティはそれを見て
キルティ)折角3人も気に入ると思ったメニューを作って、試食して欲しかったのに・・・そっちの方が大事なんだ。
キルティはしゅんとした。
キルティ)気に入ると思ったから、提案したんだよ。
キルティは、ジェイドを見ながら言った。すると
アズール)そうですね。まずそちらから見ましょう。
キルティ)それはね、マシュマロを使ったお菓子だよ。まずはマシュマロの素を作るよ。
キルティは、材料を用意して、マシュマロの素を作るためにグラニュー糖を煮溶かしたり、卵白をかき混ぜて、ゼラチンと合わせてメレンゲを作ったりした。諸々の材料をボウルに入れた。その後粉床を作りくぼみをいくつか作ると、ボウルの中身をくぼみに流し込んだ。そして、液体を流し込んだ粉床を粉床を冷蔵庫に入れると
キルティ)固まるまで待ってね。
と、言った。
キルティ)そうだよ~、でもマシュマロがトロトロじゃないと出来ないから、素から作ったんだよ。そろそろカチンコチンに凍ったかな?
キルティは冷蔵庫を開けた。マシュマロはプルプルしている。
キルティ)よし、1個ずつ裏返すよ。
キルティは、魔法で1個ずつ裏返すともう一度冷蔵庫を閉めた。
キルティ)もうちょっと待ってね。
キルティはにっこり笑った。そして
キルティ)今のうちに洗っておこう。
キルティ)粉床で粉が全面に付くようにしてるんだ。食器を洗い終わったら、取り出してみるよ。時間的にもいいと思うし。
キルティはそう言って、手際よく食器を洗い、そして片付けると
キルティ)さてさて、お待ちかねのマシュマロちゃんはどうなってるかな~?
キルティそう言って、冷蔵庫を開けた。粉は全面に付いていて、完成していた。
キルティ)よし、あとは取り出すだけ。これが難関なんだよね。
キルティは粉床を冷蔵庫から取り出しながら言った。
キルティはそっと粉床を置くと息を吐いた。
キルティ)よし、後は粉床から取り出して、皿に盛りつけて飾るだけだけど、ここが一番難しい。一個でも失敗すれば、全部やり直しだわ。悪いけど話しかけないでね。
キルティは、粉床を見つめながら言った。
アズール)わ、分かりました。(目を皿目にするほどですか)
キルティ)マシュマロを掬う時は、大きめのスプーンで、掬って余計は粉ははけで綺麗に取る。綺麗に取ったあとは、お皿に乗せる。残りのマシュマロも同じ。
キルティは、一つずつそっと取っては、少しずつ粉をはけで取り皿に乗せていった。
キルティ)仕上げに、市販で買った●ッキーを、手の部分に付けて、チョコペンで顔を描けば・・・出来た・・・マシュマロゴースト!
キルティは、ホッとしたように息をついた。
キルティ)魔法使えばもう少し簡単に出来るんだけど、時間があったから、使わずに作ってみた。
キルティは、笑ってみせた。
キルティ)これがもう一つの新メニューだよ。3人とも早速試食してもらえるかな?
アズール)分かりました。
アズール)ええ、キルティさん。これを正式に新メニューとして採用します。
キルティ)本当!やったー!
アズール)なので、レシピを見せてもらえますか?
キルティ)これがそのレシピだよ。
キルティは紙切れを渡した。
キルティ)元々はレシピ本に載ってたんだけど、魔法が使えそうな場所もあったから、私が紙に改めて書いたんだ。魔法を使うところは印をつけてね。でも君達に渡すなら、印の絵を変えてあげる。
キルティは指を鳴らした。するとチェックマークは魚の絵になった。
キルティ)このほうが分かりやすいでしょう?
アズール)ありがとうございます。
キルティ)フロイドの分も残してあるから、文句ないね。もうすぐしたら部活から帰ってくるんじゃないかな?
キルティは、残ったマシュマロゴーストを見ながら言った。
フロイド:あれ、真珠先輩じゃん。なにしてんの?
ジェイド:フロイド、おかえりなさい。今キルティさんが新作のメニューを提案してくれています
フロイド:ほんとー?
キルティ)今作った物が正式に新メニューに採用されたんだよ。その名もマシュマロゴースト!
キルティはマシュマロゴーストをフロイドに見せた。
キルティ)これはフロイドの分だよ。試食して。
アズール)早速材料を発注しようかと思いましたが、まずは会計の際に、一つ食べていただくことで客の反応を見ましょう。まずは様子見です。お客様が再び利用した際、、それとなく聞いてみて、メニューにしてほしいと言葉が多かった場合、正式にメニューに載せるようにしましょう。
キルティ)フロイド、もう一回作ったから、これマジカメに上げていいよ。
キルティは、お皿にいくつかのマシュマロゴーストを乗せた。
キルティ)おー凄い!
キルティもいいね数を見てびっくりしていた。
アズール)フロイド、キルティさん、そろそろ開店ですので、準備をお願いします。
キルティ)もうそんな時間か。好きなものを作ったり食べてると時間は直ぐに過ぎるなぁ。
キルティも時間を見て、魔法で着替えた。帽子を被ると深呼吸し
キルティ)さて、頑張るか。
と、さっきのはしゃいでいた声ではなく、いつもの声で言った。
ジェイド:いらっしゃいませ
カリム:ジェイド、来たぞ
ジャミル:カリムが行きたいって言って聞かなくてな
ジェイド:これは、珍しくカリムさんがお越しになるとは
ジャミル:はぁ、俺はあまりおすすめしてなかったんだけどな、カリムがなんとしても行きたいって聞かないんだ(アズールたちに絡まれると面倒だから)
カリム:そっか。寮生たちが麗奈のメイド姿見てびっくりしてたから、ちょっと来てみたんだけど、いないのは残念だ
ジャミル:(男の前であんな姿、妬ける)
キルティ)代わりと言っては何だが、帰る時にもらって欲しいものを用意した。会計の時、声をかけてくれ。
キルティはニヤッと笑うと、その場を離れた。
暫くして
マレウス)キルティ
キルティ)マレウス様。
マレウスがやって来た。後ろにはセベクにシルバー、麗奈、リリアも一緒だ。
マレウス)セベクも連れてきたぞ。
セベク)・・・・・・・・・・
セベクは今朝のことで未だに落ち込んでいた。
キルティ)ありがとうございます。早速席へご案内します。5名様、ご来店です。
リリア:セベク、もう落ち込むでない
麗奈:そうだよ~
シルバー:そんなしょぼくれていてはマレウス様を守れないぞ
フロイド:小エビちゃんいらっしゃい。今日はお客さんとして来てくれたんだ
麗奈:はい。お腹いっぱい食べます
キルティはマレウス達を席へ案内すると
キルティ)セベク、君の食事は任せてくれ。必ず元気にしてあげるよ。
セベク)えっ?
セベクは、何を言っているのか理解が出来なかった。
キルティ)メニューが決まりましたら、後ほどお呼びください。
麗奈:何を食べようかな?
リリア:ハロウィン限定のパフェもあるぞ
シルバー:時期限定となると、どうしてもそっちを選んでしまう
麗奈:私、限定っていう言葉に弱いからすぐそっちを見ちゃいます
キルティは手が空いたため、食器を見た。
キルティ)う~ん、青系の食器が多い・・・
キルティは食器を見ながらしかめっ面だった。
キルティ)いや、食器の色、青のグラデーション、青の縞、青のチェックと青ばっかりだなぁって。青は食欲を無くす色だって知ってた?
キルティ)でも、飲み物のグラスは色々あるよね?料理の色目も合わせるんだったら、他の色も入れないとダメなんだよ。パスタなら黄色や赤といった色が定番だね。
キルティ)色を全て揃えろとは、言わないけど、青に偏り過ぎだよ。赤や緑、オレンジなどの色も含めたほうがいい。無難な色ほど、イベントに使えるからね。
キルティは、そう言って、絵を描き始めた。そして
キルティ)ほら、黄色い皿に、ミートソースのパスタ。色合い的にも合ってるし。あと、トッピングの形をその時のイベントに合わせるといいな。ナポリタンとかなら、野菜で出来るぞ。
キルティは、色々と案を出していった。
キルティ)君達の人形、スケアリー・モンスターズの衣装もあるだろう。あの時、お菓子作った時に、お菓子以外でも作れるんじゃないかなって、思ってこっそり別のもので作ったりしてたんだ。ことごとく、マレウス様にバレたけどね。
【回想】
キルティ)お菓子でハロウィンのキャラを作れるなら、他でも作れるんじゃないのかな?
キルティは、そう思い、真夜中になると厨房に立って、自分で買ったパプリカを真っ二つに切ると、かぼちゃ型の型でパプリカに押し付けた。すると、綺麗に形が取れた。
キルティ)やっぱり、他でも出来るんだ!
マレウス)やはり、ここにいたか。
キルティ)わぁーーー!
【回想終了】
キルティ)その後、日を開けていろんな野菜で試しているところは全部マレウス様に見られていたんだ。何で、全部会うの?普通時間とかズレるでしょ。何で、私が型を取れて喜んだ時間にピッタリ会うの?
ジェイド:キルティさんが心配だったのでは?
麗奈:あ、このタコとサーモンのカルパッチョ変わってて美味しそう~。これも捨てがたいわ
リリア:麗奈、自分の腹と相談するのじゃぞ
キルティは、サーモンのカルパッチョを作るとサーモンをジャック・オー・ランタンの形に皿に乗せていった。型を取ると時間がかかるため、一つ一つを皿に乗せながら形を形を作っているのだ。
キルティ)よし、出来た。
それを見ていたモブは
モブ)お前、凄いな。創作料理みてぇだ。
キルティ)そう?ありがとう。これ持ってくね。
キルティはそう言って、セベクにサーモンのカルパッチョを持ってきた。
キルティ)お待たせしました。サーモンのカルパッチョです。
マレウス)キルティ、頼んでないはずだぞ。
キルティ)セベクにサービスです。早く元気な顔を見せて。
セベクはそれを聞くと
セベク)は、はい!
と、いつもの覇気と笑顔を取り戻した。
キルティ)他の料理も他の人が持ってくるからね。
キルティは、そう言いながら、離れていった。
マレウス)キルティが今朝言っていたのはこのことだったか。
キルティ)ご注文は以上ですね。
モブ)これ、3番テーブルに持ってって。
モブ)空になった皿持ってきたぞ。
店の中は、全員が忙しなく動いていた。
キルティ)はい!
キルティは、持って行こうとしたが、足が滑ってコケた。その時、料理が中に浮いた。
アズール)まずい。
キルティ)料理よ、一番テーブルへ!
キルティは、魔法を掛けた。すると、料理は綺麗に皿にのり、一番テーブルへ向かった。
キルティ)危なかった。
キルティは帽子を拾い、被り直して言った。
リリア:混んできたから慌ただしいの
フロイド:はい。あーん(麗奈に料理を食べさせて)
麗奈:もぐもぐ、フロイド先輩、仕事は?
フロイド:今忙しいから入りたくなーい。小エビちゃんにご飯食べさせる方が忙しいよ
麗奈:けどキルティ先輩たちが……もぐもぐ
フロイド:あははは、赤ちゃんみたいでかわいい(実際、本当に赤ちゃんだったけど)
アズール)キルティさん、大丈夫ですか?
キルティ)大丈夫、滑っただけだから。というか、こういう時に、何故フロイドは動かない。今一番、人手が欲しいのに。
キルティはやれやれと言った。
ジェイド:あちらで麗奈さんの執事になっちゃってます
フロイド:小エビちゃ~ん
麗奈:??
ジェイド:まだ赤ちゃんの麗奈さんが恋しいのですかね
キルティ)はぁ、ちょっとばかり、脅かしてやるか。そんなに執事になりたいなら、お望み通りにしてやるよ。
キルティは、フロイドに向かって指を回した。すると、フロイドの姿は執事姿になった。しかも、フロイドのいつもの緩い姿ではなく、ブラウスのボタンは、完全に上まで留めて、ネクタイもしっかり締めていた。
キルティは敢えてしら~っとその場を離れた。しかし、顔は不敵な笑みを浮かべていた。(ヴィラ~ン)
キルティ)(モストロ・ラウンジが閉店したら解けるようになってるから、暫くは脱げないよ)
モブ:そんな服持ってた?
フロイド:どうせなら小エビちゃんを赤ちゃんにしてほしいのに~
麗奈:私が赤ちゃん!? 何言ってるんですか!?
マレウス)リーチ、悪いがあまり、その話は出さないでくれ。
マレウスは、人差し指を立てた。
マレウス)人の子は赤ん坊の時の記憶が無いのだ。
マレウスは、真剣な顔で頼んだ。
フロイド:はーい
麗奈:?
フロイド:まあ、もしもって話~(適当に誤魔化して)
ジェイド:フロイド、そろそろ仕事に戻ってくださいね(引きずって)
フロイド:あ~、小エビちゃーん(泣きながら手を伸ばして)
キルティ)さぁ、どうだろうな?
キルティは、しれっとしていた。
キルティ)仮に私の仕業だったらどうする気だ?お得意のシメを私にするのか?
モブ)はぁ、美味かった。すみません、お会計。
キルティ)はい。そうだ、良ければこれをどうぞ!
モブ)なんだコレ?
キルティ)マシュマロゴーストです。おいしですよ。サービスですので無料です。お一つどうぞ。
モブ)じゃあ、一つ。
モブはそう言って、マシュマロゴーストを食べた。すると
モブ)うめぇ!冷たいのに、外はふわふわ・・・中はゼリーみたいプルプルしてるぞ。
モブ)マシュマロは、あんまり甘くねぇけど、それを別のお菓子でカバーしてるから、甘すぎず、甘くなさすぎず、ちょうどいいぞ。
モブ)俺、ここの籠に入っている分全部食える。小さいから食べやすいし。
キルティが考えたマシュマロゴーストは、最初から好評だった。
キルティ)(いつの間に・・・)
キルティはフロイド達の話を耳で聞きながら思った。
マレウス)なら、僕も同じものを貰おう。人の子の考える料理はどれも興味深い。
ケイト)いいネタないかな~?
ケイトはマジカメを見ていた。すると麗奈のアップした画像を見て、
ケイト)うわっ!綺麗~めちゃくちゃ美味しそうじゃん!今から行こっかな?
ケイトは、リドル達も誘おうと思い、部屋に向かった。
ケイト)リドルく~ん、ちょっといい?
ケイト)リドルくんも連れてくからこの通り。折角だから、エーデュースちゃん達にも連絡しようと思ってるの。
ケイトは手を合わせた。
トレイ:呼んでくるな
デュース:トレイ先輩、どうしたんですか?
トレイ:今からモストロ・ラウンジに行かないか?
デュース:構いませんが…
エース)麗奈ー、来たぜー!
エースは、開口一番、厨房に向かって叫んだ。しかし、出てきたのは、麗奈ではなく、キルティだった。
キルティ)いらっしゃいませ、モストロ・ラウンジへようこそ。何名様でしょう?
キルティは、不敵な笑みを浮かべながら言った。見事に様になっている。
エース)麗奈はいないの?
キルティ)何言ってるんだ?人の子ならお客様としていらしているよ。あそこでお食事中だ。
キルティは、麗奈のいる方を指さした。そこには、ディアソムニア御一行と麗奈が一緒にいた。
リドル:マレウス先輩たちと…
トレイ:そういえば、麗奈は働き詰めで今週は休みだったな
フロイド:あれ、金魚ちゃんたちじゃん
ジェイド:いらっしゃいませ
リドル:フロイド、なんだいその姿は?
フロイド:真珠先輩のイタズラ
キルティ)何だ、バレていたのか。まぁ、いいか。後で種明かしつもりだったし。
キルティは、少しつまらなそうな顔をした。
エース)じゃあ、何で麗奈がパフェを作れるんだ?このパフェ麗奈が考えたんだろ?
フロイド:小エビちゃんの提案受けて作ってみたんだ
ジェイド:実にかわいいですね。マーメイドの尾がクリームから出ていて、パフェも海のように青い
麗奈:あ、エース、デュース、先輩たちまで(手を振って)
デュース:まさに今、麗奈が食べているやつか
麗奈:自分で提案して何だけど、食べるのもったいない~
エース)俺も!俺もあれ食いたい!
ケイト)俺は、麗奈ちゃんのオリジナルドリンク欲しいなぁ。
キルティ)その前に、席に案内するから改めて注文をお願いします。
キルティはニッコリ笑って言った。
エース)は、は~い。
エースはキルティの笑顔に少し驚いた。キルティは5人を席に案内すると
キルティ)注文が決まりましたら、お呼びください。
そう言って、離れていった。
アズール)ええ、あれから毎日ジュースを注文する方が絶えません。おかげで売り上げもうなぎ上りです。
アズールは、嬉しそうに言った。
マレウス)まぁ、人の子のオリジナルドリンクを記念すべき一番に飲めたのは僕らだがな。
マレウスは、アズールの喜びを見事に壊した。
キルティ)おぉ~、やってるなぁ~
キルティはその様子を遠くで見ていた。
麗奈:た、確かに試飲をしてもらいました…
フロイド:小エビちゃん、飲み物だけでこんなに売れ行きいいって、ホントは魔法使えるんじゃないの?
麗奈:使えませんよ
マレウス)他はどうだ?
マレウスは、隣で軽い魔法を見せた。ガラスのように輝く魚を見せたり、天井を満天の星空にしたり。客は急に起こったことに何かの演出かと思っている。
ケイト)なになに、今日は何かのイベントの日?
エース)今日は別に何もないと思うんすけど?
麗奈:こ、こんな魔法も使えるようになりたいですね!(目をキラキラさせて)
リリア:マレウス、他の客が驚いておるぞ
フロイド:何これ? こんな魔法店にないんだけど
ジェイド:しかし、これはこれで面白いですね
キルティは、良いことを思いつき、魔法で店内に自分の声が届くようにすると、
キルティ)突然驚かせて申し訳ございません、いつもモストロ・ラウンジをご利用してくださるお客様に少し、サービスを見せただけです。
と、笑顔で言った。
エース)へぇ~、こういうことってたまにするんだ。
ケイト)見てみて、満天の星空上手く撮れたよ!
ケイトは画像をリドル達に見せた。
ケイト)これアップしよう!ハッシュタグ何にしようかなぁ?ねぇ、何か案ある?
ケイトは、リドル達に聞いた。
エース)そ~っすねぇ、急だから思いつかないけど、奇跡の1枚とか?
デュース:海から空へ、というのは?
リドル:モストロ・ラウンジ空の旅?
麗奈:モストロ・ラウンジ プラネタリウムはどうですか?
エース)じゃあ、もうケイト先輩が思いついたもんでいいんじゃないですか?
エースは、困った笑顔で言った。
一方マレウス達の席では
マレウス)僕の簡単な魔法でそんなに興奮してくれるとは・・・人の子は面白いなぁ。
マレウスは、そう言って、手の中で小さな花火を見せた。小さくパチパチいっている。
デュース:今言ったことを全部ハッシュタグにしちゃうとか…
トレイ:すごい文字数になるな
麗奈:わあ
シルバー:こう見ると、まるで兄妹みたいですね
ケイト)いいね。じゃあ今言ってくれたやつ全部つけちゃお♪
ケイトはそう言って、ハッシュタグをつけると画像をアップした。
ピロン
ケイト)反応楽しみ~♪
マレウス)兄妹か、そうだな。
マレウスは麗奈の頭を撫でた。
ケイト)凄い!めちゃくちゃイイね付いてる!
ケイトは、マジカメを見せた。コメントも大量に来ている。
エース)あっ!ヴィル先輩もコメント送ってる!えーっと幻想的で素敵ね。よく写真に撮れたわね。だって!
マレウス)僕は兄妹はいなかったからな。
デュース:ヴィル先輩からも褒められましたね
トレイ:よかったなケイト。あ、またいいねがついたぞ
麗奈:え、そうなんですか?
ケイト)こんなに付くなんて嬉しいなぁ。
ケイトは、笑った。キルティはその様子を見ながら、自分もケイトのアップした写真にいいねをした。
ケイト)またついた!
マレウス)そう、僕の肉親は今お祖母様しかいない。
キルティ)(後で、コメント送っとくか)
キルティはそう思った。
マレウス)確かに大変かもしれんな。今は、茨の谷を治めている。
セベク)女に慣れてないだけだ。それもあんな楽しそうな笑顔を向けられれば、貴様も赤くなるだろう。
セベクは精一杯声を小さくして言った。
キルティ)お客様、只今のお時間でラストオーダーとなりますが、追加注文ございますか?
キルティは、時間を見て、気づき、マレウス達に声をかけた。
キルティ)かしこまりました。じゃあ、これを1つずつどうぞ。
キルティは籠に入ったマシュマロゴーストを見せた。先ほどまでラップされていたのに、いつの間にか、キャンディみたいにラッピングされている。
キルティ)(グレードアップ?)
キルティは、誰がしたのか知らないので、少し不思議そうな顔をしていた。
キルティ)3人も驚いていたし、凄く好評だったよ。
マレウス)ほう、これがさっき言っていたサービスか。マシュマロをゴーストの形にするとは、考えたな、キルティ。
マレウス)では頂くとするか。
マレウスは、マシュマロを食べた。すると
マレウス)ふむ、とても美味いな。甘さもいいし、食感もいい。
セベク)ひんやりしていて、美味しいです。
キルティ)良かった・・・はっ!
キルティはそこで気づいた。マシュマロは、リリアの苦手だったことを。キルティはリリアの方を見た。(リアルで今思い出したよ)
キルティ)えっと・・・その・・・えっとね・・・(リリアの苦手なものを忘れてたなんて言ったら、何されるか、分かったもんじゃない・・・絶対お仕置き食らう・・・)
キルティは、何とか言い訳を考えたが、マシュマロと同じく白いものでもう一つ作れるものを思いついたのだ。
キルティ)り・・・リリアには今から直ぐに作るから待ってて。私がリリアの苦手なものを忘れるわけが無いだろう。そういうわけで厨房借りるぞ!
キルティはそう言って、厨房に行くと、マシュマロゴーストのマシュマロの部分をホワイトチョコにした。中はブラックチョコで外側をホワイトチョコでコーティングしているのだ。苦味があるブラックチョコとホワイトチョコの独特の味を合わせると甘さは控えられる。後はチョコペンで、同じように作ればホワイトチョコゴーストの出来上がり。勿論マシュマロゴーストの時に使った粉床でしっかりも粉もつけ、余分な分はしっかりはけで取った。急いで、リリアの元に戻ると
キルティ)はい、リリアの為のホワイトチョコゴーストだよ。これなら、食べれるだろう。
キルティは息を切らして言った。
キルティ)ブラックチョコをホワイトチョコでコーティングしている。ブラックチョコはそもそも余り甘みがないからな。ホワイトチョコの独特の味と合うと思ったんだ。マシュマロにチョコペンで甘さをカバーしたのと同じようにチョコレートの足りない甘みはチョコペンでカバーさせてもらったぞ。
キルティは、作った物の説明をした。
キルティ)(何とか助かった・・・)
キルティは心底安心した。
マレウス)(キルティ、絶対に忘れていたな)
マレウスは、分かっていた。
アズール)また来てくださいね。
アズールも笑顔で手を振った。
マレウス)先に帰っているぞ、キルティ。
キルティ)はい。
キルティは皿を片付けながら言った。
リドル:キルティ先輩、とても楽しかったです
トレイ:働きすぎないようにな
デュース:もしバイトが一緒になったときはよろしくお願いします
キルティ)そろそろ解けるようにしている。
キルティが看板を片付けながら言うと、効果が切れたのか、フロイドの服はいつもの寮服になった。
キルティ)ね?戻っただろ。
キルティ)私のイタズラと気づいてたんじゃないのか?それとジェイド、皆を休憩室に集めておいて。
キルティは、そう頼みジェイドに続けた。
キルティ)服を変えるかどうかは私の気分次第だぞ。
と言った。
キルティ)安心しろ、そっちが妙な真似さえしなければ、こっちだってしないよ。
キルティは、そう言ったが
キルティ)気分によるけど。
と、付け足した。
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