カタリナ・クラエス 2021-08-24 12:31:11 |
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・・・ああもうなんて難しいのかしら! 頭がパンクしちゃうわ。
( 放課後の自習室。辺りには勉学に励んでいる学園の生徒の姿がちらほらとみえる。ペンを走らせる音、本の頁を捲る音、……聴こえてくる音といえばそのくらいで、勉強をするにはもってこいって感じの静寂が保たれた空間。その中に混じって隅っこのテーブルを一人で陣取り、教科書や参考資料を積み上げて、開いたノートとにらめっこ。普段はあまり立ち寄らない場所なのだけれど、次の試験で良い成績を修めないと、お母様から農業禁止令が強制執行されることになってしまったのよね。だから仕方ない。ここは頑張るしかないのよ、カタリナ!
ーー というわけで、慣れない勉強を始めて20分くらい経った頃。早くも集中力が切れてしまった。えっ嘘でしょ?! まだ20分しか経っていないだなんて! 感覚的には丸1日勉強していたような気分なのに…。分厚い本とのにらめっこに疲れて顔を上げると、開け放した窓から昼間より幾分か落ち着いた緩やかな日差しと、そよそよと涼しげな風が入り込んで、レースのカーテンをふんわり揺らしているのが見えた。ああなんて心地の良い天気なの、絶好の畑弄り日和……ってダメダメ今は勉強に集中しなきゃ!
そう心に喝を入れなおし、積み上げた本の山から一冊を手に取ると目ぼしい頁を開いて目を通していく。早くも勉強から逃げ出したい気持ちを何とか抑えながら。 )
よっこらせーの、どっこいせー。
( 朝の涼しい時間帯。着なれた作業服に身を包み、熱中症対策のほっかむりで頭部を覆い、しっくり手に馴染む鍬を構えては今日も今日とて畑を耕す。次はどんな作物を育てようかしら・・・あ、ブルーベリーなんかもいいわね、マリアが喜びそうだし。そんなことを考えて。 )
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