政府産審神者〇二 2021-08-19 00:38:02 |
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>15 襲殿
( 己の存在を体言してくれる様に、人であり女人である目の前の存在の小ささと声のか弱さに思い出すのは、もはや何れが誰の物であったかも分からぬ鬼と化した男士達。それの一振りを迎えに来たのだと頭を垂れるその銀の髪がはらりと揺れるのを見れば、唇の端を吊り上げた嘲るような笑みを浮かべ。一瞬その頭を射抜くかの様に細めた目で見やるも、今はまだ正体を明かすには早い。もっと、この現状に絶望した悲哀の女を自ら鬼とした方が面白い。ふっと表情を元に戻し、僅かばかり首を傾けて。 )
どうぞお上がりください。襲殿と申しましたか?私はこの本丸にて審神者をしております、黄泉…と申します。襲殿の近侍が誰かは存じ上げませんが、すぐにお会い出来るでしょう。それまで私と茶でもしましょう、当本丸の厨を任している男士の茶菓はとても美味なんですよ?
( 自身の名を名乗るも決して頭を下げる事は無く、柔らかな表情も相俟って僅かばかりの不気味さを醸し出しながら辺りを見回して心配無いとばかりに優しげな声音で告げ。背を向けては相手が付いてくる事を前提に奥の部屋へとゆっくり歩み始め、何処か飄々としたおどけた様な物言いで言うと相手に表情の見えぬ背を向けたままで舌舐めずりをしては前を見据え。 )
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