爆豪勝己 2021-08-05 09:31:50 |
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……ん。
( こういうことはやはり女子のほうが詳しいようで、次々とセンスの良さげな案が出てきた。簡易的なパーティーなのであまり派手でなくても良さそうだが、ある程度の見映えは必要だろうと考えて、今しがた挙げられたものを其々何個かずつ購入する為に、彼女がデザインをどれにするか悩んでいる隙間をみて出入口近くに積み重ねられている買い物かごの山からかごを1つ取りに向かう。
──戻ってきてみると、デザインを決めたらしい彼女からこれはどうかと問い掛けられたので、選ばれたデザインを一瞥してみる。それに対し取り分けて感想を述べるでもないものの、代わりに彼女が選んだ星デザインのものをぽいぽいっとかごに放り込むことで賛同の意を示して )
ついでに他のも入れちゃおう
( 求めた意見の答えは返ってこない変わりに、カゴにポイポイと自分の選んだ商品を入れていくあたり、無言の肯定というやつらしい。今回はただのお疲れパーティなのだから飾りは然程重要視されないし、自分のセンスがクラスメイト達に好まれる物か分からないがとりあえずは良しとして。100円均一にくれば、100円だからとつい他のパーティグッズも買いたくなってしまうもので、パーティ眼鏡やヘリウムガス、クラッカー等もポイポイと追加していき。もう入れるものは無いかと会計に行こうと声をかけようと思った時、視界に入ったのは狼のカチューシャ。これは、とても似合いそうだ。でも言った所でしてくれないのは分かりきってるし。……彼の目を盗むように、ヒョイっとそれを取っては背中に隠し。)
ねぇね、爆豪くん!こっち向いて?
( 片方の手で、彼の肩をトントンとつついてみては振り向いた直後、カチューシャを頭にしようという作戦で。)
( 彼女の判断により追加でかごへと放り込まれていく品物の数々。アレもコレもと楽しげに手に取る様子から察するに、恐らく100円均一の安さに甘えて「ついで」のものが増えてしまっているのだろう。いずれにせよ、安上がりなものばかりだし資金も充分足りているから問題はなさそうだが。ということで、ここは女子のセンスに委ねるというか丸投げすることにして自身はかご持ち係に徹し、誰かの後に続くのを好まない気性の自身にしては珍しく彼女の後を着いてまわることに。
……そうして少しだけ重みが増した買い物かごの中にそっと視線を落としてみると、自分では思い付きもしなかった変わったものばかりがごちゃごちゃと紛れ込んでいて。こんなんどこから見付けてくるんだよ…と、ある意味では感心(?)に近い感想をひっそり抱きつつ )
──? なんだよ、
( かごの中の面白グッズに気をとられていると不意に肩を叩かれ。…当然彼女の思惑など知る由もなく、何の疑いも持たないまま顔を上げて彼女の方を向き )
( 彼は誰からみても一匹狼タイプ。大勢でワイワイするのは苦手なのは察せられ、何を選んでいいかも迷ってしまうのだろう。それを良い事に安価な価格帯というのも相まって、彼にメモを渡した主、パリピ達には好まれそうな変てこな物も多くいれてしまったのだが、そんなもんいらねーだろ、というツッコミすらなく借りてきた猫の様にカゴ持ちに徹していて。爆豪くんが大人しいなんてレアや…!と密かに思いながら、自分含め大抵の人間は肩を叩かれ呼ばれたら、振り向くもの。こちらに顔が振り向いた彼の頭に、隙ありと後ろ手に隠し持っていた狼のカチューシャをひょいっと彼の頭に装着させて。 )
えいっ…….…!爆豪くんが、可愛い…!
( 彼は口の悪さが先行しがになってしまうも、その容姿は整っていて、ツンツンとした髪の毛が狼の耳とマッチしていて似合う。狼という肉食的なイメージピッタリで、すかさずにスマホ取り出せば瞬時にカメラを起動させパシャリ )
…あァ? 可愛いって何……、───ッ!!!?
( 嫌な予感がする。──こめかみから頭部にかけて緩く締め付けられるような違和感に顔をしかめていたところ、はしゃいでいる彼女にその様子を撮られてしまい。状況を飲み込めずに、一体なんなんだと目をぱちくりさせながら、傍に設置されている試着した姿を確認する用の鏡の方へバッと顔を向けて自分の姿を確認してみる。
するとそこにはふざけた耳を装着させられている間抜けな姿の自分がうつっており、途端彼女の玩具にされている状況を把握しては即行カチューシャを取り外し、同じ品物が並んでいる場所にそれを戻しながら、怒り心頭といった様子で鋭く言い放ち )
~~…っ…調子に乗りやがってア/ホが、俺で遊んでんじゃねェ! 撮ったやつ消せ!
もう他に買うもんもねェだろ、さっさと支払い済ませて次行くぞカ/ス!
( 此処が人の目につく場所でさえ無ければ彼女に対して(今までの腹立たしい扱いも含め)手が出ていたかもしれない。ただし此処はショッピングモール、客や店員に溢れているこの場所で自分に不利になるような行いは慎まなければ。妙なところで冷静というか、みみっちぃ性格なのであった。
拳をきつく握り締め、思い切りどつきたい気持ちをぐっと抑えて。くるりと踵を返すとレジの方へと向かい )
へへっ、そう言われて消す人はいないと思うよ?
( 自分の悪戯は大成功。最初こそ理解に追いついていなかった彼だが、近くの鏡で自分の姿を確認する事が出来た後はそれはもう予想通り過ぎるリアクションをしてくれるもので。まさしく噛み付く狼。してやったりな笑顔が溢れ、外される耳に名残り惜しげな瞳を向けるも彼と親しい友人さえ持ってないであろう写真をゲットする事ができ、大事そうにスマホを手に包みながら、消すなんて事はあり得ないと怒り心頭中な彼を横目にサラリ )
はーい!
( なんだか自分の苗字は麗日で普段はここまで誰かで遊ぶ事も無いのに、今じゃなんだが麗日じゃなく"したたか"だ、なんて内心自ツッコミを入れつつ吐口がないこの状況に怒りを我慢する様に早々とレジに向かう彼に自分は真逆でルンルンと愉しげにレジへと向かい会計を済ませて。 )
後は食材だけだよね?たこ焼きの中身何にしようか?
絶対に消せ、さもないとテメェを消す!
( 会計を済ませ、購入した物品の入った袋を先程同様かっさらい。片手には花火が、もう片手には面白グッズが入った袋を持って、やいのやいのと言い合いながら100円均一ショップを出る。そうした様子を目の当たりにした会計担当の店員から、仲の良いカップルと勘違いされていることも知らずに── )
( 彼女にも問われたようにたこ焼きの具材を何にするか、面倒に思いながらも黙って考えつつ、次はメイン料理の材料やらドリンクやらを揃える為に食材コーナーへ向かおうとしていると、目の前を黒のパーカーを目深に被って顔を覆い隠した、見るからに不審な二人組──1人は細身、もう1人は岩のように大きな図体──が通り過ぎていき……次の瞬間、彼らの前をゆったりとした調子で歩いていた上品な老齢の夫婦の隣を横切るのと同時に、細身の奴が素早い動きで老婦人が手にしていたブランド物のカバンをもぎ取るようにしてサッと取り上げた。その拍子にバランスを崩した老婦人は尻餅をついてしまって。その後、直ぐ様逃走を図った細い奴の後ろをデカイ奴がドッタドッタと煩い足音をたてながら着いていく。……ひったくりだ。
突然起こった出来事を前に呆気にとられるよりも、また頭で考えるよりも先に本能的に体が動き、持っていた買い物袋をその場にドサッと置くと急いで二人組の後を追い掛けて )
ちょっと待てやコラ!!
今度は私だって負けんし!
( こればかりは自分の作戦勝ちだ。彼の棘のある罵詈雑言も脅しも慣れた自分には然程効果なく。消すなんてヒーローが言っちゃいけない言葉にランキング入りするだろうに。それに思い出すのはやはり体育祭の敗戦。負けて泣くほど悔しい思いをして、想い寄せる緑の髪の優しいクラスメイトの背中に少しでも追いつきたくて隣に並びたくて自分だって必死に鍛えてきたのだ。次は負けないなんて、言い返し。まるでなんでもいいあえる恋人達の様に言い合いをしながら次の店を目指していると……)
爆豪くん、あの人達……
( せっかく楽しくたこ焼きの中身を考えていたのに、邪魔をするように自分達の視界には、見るからに怪しさ漂う黒いパーカーの二人組が映る。彼も恐らく同じ事を思っているだろう。でも何もしてないこの状況で彼等に話しかけ逃げられれば、自分達の見えない所で何かする可能性もあるため、それはできず。何か行動に移そうとしたならばと彼にこそっと言葉をかけた時──一歩遅く、目の前で老夫婦を狙ったひったくりが起き、老婦人が尻餅をついてしまって。瞬時に、荷物も老婦人も置き去りにかけ走っていく彼。それは想像に容易く、ほぼ彼と同時のタイミングで自分は老婦人の元へ駆け寄り、尻餅をついてしまったおばあさんを優しく声かけながら起き上がらせて。近くで目撃していた通行人も警察を呼んで貰うよう協力を求めては、老婦人には追いかけた彼なら大丈夫であろう事と、荷物を取り返すのでここで自分達を待ってて欲しい事を告げて。自分もひったくり犯の後をすぐ様追いかける事とし)
──っ!?爆豪くん!!私はデカイ方追っかけるからそっち任せた!!
( まだ鬼ごっこは続いており、なんとか追いついたはいいものの二人一緒に逃走をしていたのに逃げきれないと判断したのか二手に分け逃げる所に遭遇。周囲もただごとじゃ無い雰囲気にたじろうばかり。人質でも取られたら厄介だ。なりふり構っていられず、大きな声で彼の背中に声かけ。体格差があれど距離的にデカイ奴の方が足は遅いため自分でも追いつけるし自分だってヒーローの卵。細くすばしっこい奴を彼に追ってもらう事にし、そう告げるや否やデカイ奴の後を追って )
テメェに言われなくても分かっとるわ、俺に指図すんなク/ソブ/ス!
( 自分たちが後を追ってきていることに気が付いた二人組が途中で二手に分かれてしまった。かといって易々と逃がすつもりはない、片方を捕まえたあと残りの1人を捕らえればいいだけの話だ。先ずは周りの客や店に危害を与えないうちに動きの早い細い奴から潰して、その後とろくさい奴にすぐ追い付いて潰す……頭を回転させ行動や軌道を想定しながら目の前を走る細い奴の後を追い掛けていると、そんな最中背後から聞こえてきた彼女の呼び声。デカイ奴は任せろだなんて偉そうなことを言っている。それが癪に触り反抗的な返事をしながらも、デカイ奴の方へと向かった彼女と一旦分かれ、細い奴を捕まえることに一先ず専念して )
……………観念しろやゴミが!
( 細い奴は盗んだカバンを胸の中に抱き込み周囲の客を蹴散らしながら逃げ続ける。しかし此方とて追いかけっこには自信しかない、個性を使わないままの素の脚力だけで少しずつ距離を縮めていく。公共の場で、特にショッピングモールのような密な空間で自身の個性を使うのはとても難しい、他の無害な人々をも爆破に巻き込み兼ねないからである。せめて開けた場所にさえ出られれば──
──暫くして辿り着いたのはガラス張りの天井から太陽の明かりが優しく差し込む憩いの広場。そこまで来て、このまま逃げ続けても埒が明かないと判断したらしい相手が突然此方を振り返り、手から何かネバネバしたものを飛ばしてきた。ヤツの個性だろうか、それをすんでのとのころで避けると漸く本領を発揮して )
気色悪ィもん飛ばしてきてんじゃねェぞ没個性が、くたばりやがれ!!
( 追いかけっこのおかげで上がった体温により弛んだ手のひらの汗腺。辺りを一瞥し、自身の近くに客が居ないのを確認すると、もはやどちらが悪人なのか分からない形相で口汚く罵りながら片手の手のひらを後ろに向けて爆風を起こし、その勢いで瞬時に相手の懐に入り込むと鳩尾を狙って思い切り拳叩き入れ )
( 本当相変わらずだなぁ。この状況でなら相談してる間もなく後から自分が来たのだから声かけが必要だろうと一方的に告げる事を選んだが、周りの目は異常事態を感じているなかドン引きである。体育祭の影響か、彼の実力と目立つ言動のせいかあの子達雄英で闘ってた子じゃないかとヒソヒソ話も聞こえ。構ってられる暇もなく全てスルーして、追うことに専念。)
……っ、私が弱いかどうかは戦ってみたら分かるんちゃう?
( 二手に分かれた途端にスピードがみるみる落ちていくがたいの良い窃盗犯。どこかへ目的の場所へ逃げるでもなく、ただの体力切れなのか店が並んでるショッピング街の道の真ん中で止まったかと思えば此方を向き、追っかけてきたのが女だからか勝てると踏んだ様で。荷物は細い奴が持ってるのか窃盗犯の癖に喧嘩を売ってくる始末。カチンと来て戦闘態勢に入り喧嘩を買ってしまうも頭は冷静で。周囲の客は巻き込まれるのを怖がり離れて行く者からこっそり邪魔にならない場所で盗み見する人と2パターン。被害は出したくなく速攻で仕留めると思い、出方を伺っていると、肉体強化系の様な個性で見るからに筋肉が盛り上がり突っ込んできて。職場体験で得た体術でいなし、なめてくれたおかげで大振りで隙だらけの懐に入れば、身体に触れ自分の個性でデカブツの体重を無くし背負い投げの様に放り投げては落ちる時に解除をして。ズドン、と良い音が鳴り響き。)
( 鳩尾へと綺麗な1発を打ち込まれた相手は思わず抱えていたカバンを手放し、悲痛な声をあげながら床へと仰向けに倒れ込み、そのまま白目を向いて動かなくなってしまった。どうやら気を失ったようだ。……あの人相の悪い男の子確か雄英体育祭の……、今くだばれって言った……、ママぼく怖い……あまりの気迫に、恐る恐る遠巻きに様子を眺めていた一般客たちの怖じ気付いた声が聞こえてくる。折角ひったくり犯を捕らえたというのに、辺りから巻き起こったのは歓声ではなくどよめきだった。
──その後すぐに騒ぎを聞き付けたショッピングモールの警備員が数人、此方へと駆け付けてきた。警察が到着するまでの間、犯人の身柄を拘束するらしい。後のことはそちらに任せることにして、床に落ちたカバンを拾い上げると彼女が追跡しているデカイ奴の方も仕留めるべく来た道を戻ろうとくるりと踵を返して。……だが、 )
ってェ、何しやがんだ離せや!
( 状況を知らない警備員には、周りにいる一般客の怯えた様子や人相の悪さから、細い奴の仲間だと勘違いされてしまったよう。油断した隙に腕や肩をきつく掴まれ、自分までもその場に取り抑えられてしまった。別方向に逃げたデカイ奴も捕まえないといけないのにこんなところで足止めを食うなんて……!──
その様子を見ていた客の中に、これではさすがに可哀想だと思った者が数人いて、警備員に事情を説明。不幸中の幸いというべきか、彼らからの助け船により何とか事なきを得ると、事情聴取の為に連行されそうになるのを振り切って、予定より遅れて彼女の元へと向かい )
──おいババア! 無事か?
( 取り返したカバンを手にひったくり現場まで戻ってくると、デカイ奴と彼女の姿は近くに見当たらないものの、カバンの持ち主は旦那と一緒に休憩用ベンチに腰掛けていて。その傍まで駆け寄っていき声を掛けながら、取り敢えず持っていたカバンを老婦人へと手渡して )
( 個性が個性なだけに地面に投げつけたと言うのにまだ動けそうではあるが、すぐには立ち上がれない様子。回復されまた暴れられるのも困りるので、とりあえずは両手を後ろにし拘束するも、できれば拘束できる物がほしいと思っていたところ・・・タイミング良く此方も警備員が数名かけ付けてきて、持ち前のコミュ力でのされているデカブツがひったくり犯であり、たまたま自分が居合わせてた事を告げれば受け渡すように犯人の拘束を解き警備員によって取り押さえられ )
──そうだよ、君に怪我が無くて良かった!ん…?口枷のお兄ちゃん?……あ、爆豪くんなら一緒に来てるよ
( 同時刻、彼がまさか犯人の仲間と思われてる事など知る由もなく此方は自分の逮捕劇に小柄な女子が、体格差のある相手を投げたのが目に止まったようで、見ていた人達も表に出てきて良くやった、なんて賞賛される。ヒーローを目指す者として当たり前の事をしただけだが感謝の言葉は嬉しく、後ろ髪触りながらペコペコ頭を下げていると、幼稚園くらいの年齢であろう男の子に話しかけられ。あの体育祭を見て自分を知っていたらしく瞳を輝かせ、自分の学校を確認してきた。その子の目線に合わせしゃがむと、続く言葉に口枷、なんて子供に似合わない単語が出てくるものだから暫し考えると、最後の表彰台の彼の光景で。対戦相手だったから一緒に来てるのではないかと思われたみたいだ。それでたまたま、一緒に来ているという事実。微笑みながら教え )
……ップ、フフ、爆豪くん、こっちも片付いたよ。おばあさんも大丈夫でしたか?おじいさんも……もう一人のひったくり犯もとっちめてきたのでもう大丈夫です!
( 会いたい、なんて言うものだからその子の母親が止めるも、瞳は期待に満ちキラキラ光っている。断る事なんて出来ず、その子を肩車し、母親と3人とりあえずはもう事が済んでいればひったくり現場にいるだろうと戻ると予想通りに彼の姿があり。自分の肩の上できゃっきゃ跳ね、" 口枷のお兄ちゃんだー!おーい!"なんてその子が大きな声で言うものだから、必死に堪えるも彼の側まで行き顔をみれば吹き出してしまって。ひとまず子供を下ろし、ベンチにいる老婦人にも身を案じる言葉と犯人に関してもう捕まえたことを優しい笑顔で告げ )
(/背後から失礼します!つい子供を出してしまったのですが、後から再会したらこの子が迷子になってた、と言うのはどうでしょうか!? )
( 老婦人はのんびりとした動作でカバンを受け取ると、取り敢えず何も取られていないか中身を確認。そして大丈夫そうだと分かれば心底ホッとした様子で此方を見上げ、夫婦揃って礼を述べながら慇懃に頭を下げた。そんなことよりもう一人のヤツの行方は…と口を開きかけたとき、視界の端に何故か子供を肩車した彼女の姿が入り込んだので、眉を潜めながらそちらへと顔を向ける。
彼女の肩の上ではしゃいでいる子供は一見すると齢3歳から5歳くらいだろうか、自分と目が合うなり大声で「口枷のお兄ちゃん!」と叫びながら大きく手を振ってきて。一体なんのことなのか初めは理解が追い付かなかったが、彼女が人の顔を見た瞬間思い切り吹き出したのを見てピンときた──このガキ、体育祭のことを言っていやがるのかと。…恥ずかしい光景を思い出しこめかみに青筋浮き立たせながら、肩から下ろされた子供を見下ろし遠慮なくガンを飛ばす。しかし子供はそんなことお構い無しといった風に、無邪気で素直な眼差しを此方に向けてくるだけで。
犯人を捕まえたのはいいとして、何故この母子と一緒にいるのか疑問に思いつつ )
なんなんだよ、このガキは。
( しかもその子供に気に入られているのか何なのか、手をぐいぐいと引っ張られては「爆破みして!ばくは!」「お空も飛んで!」とねだられたりして )
っるせえ!!!
(/ ご提案ありがとうございます……! いいですね! その方が親の特徴をなんとなく覚えていて捜索もしやすいだろうし、とても良いと思います。それでいきましょう! )
えっと……
( 肩から下ろせば、怖いもの知らずと言った感じで彼の真下に行きまじまじと見る子供。それに対し容赦なしに大人気なくガンを飛ばす彼だが、全く動じない処か更に興味が増した様に伺える子供の姿。強いというか、将来大物になりそうな気さえして。このまま見守ろうと思ってた矢先、当然といえば当然の質問が返ってきて。何と言われても、自分でもあの場であった子供というだけで説明に困り、言葉に詰まればフォローしてくれのは子供の母親で。「すみません、うちの子が迷惑かけてしまって。そのテレビで雄英の体育祭を見てから爆豪さんのファンになってしまったみたいでどうしても会いたいって無理言ってしまって 」と後ろでにいた母親が前に出て申し訳なさ気に彼へ向かって事情を話せば我儘ばかりいう我が子を止めに入って )
良かったね、爆豪くん!
( 彼に会いたいという時点で察してたが、改めて口に出して言われると自分に言われたわけじゃないのにこっちまでじーんと感動してきてしまい。助け舟を出すわけでなく、子供に手を焼いてる彼を人事の様な視線で告げ。その姿を横目で見た母親がなんとも複雑そうな表情をするものだから、「爆豪くんは言葉は乱暴ですけど、優しい人なので…。"ツンデレ"ってやつです!…デレは少ないけど…」なんて技と彼にも聞こえるようにフォローを入れれば、老夫婦も、もうひとりのひったくりを捕まえてくれたと更にフォローを入れてくれ )
(/いえいえ、わーい!ありがとうございます!!子供に懐かれてる爆豪くんが見たい…!と思ってしまい登場させてしまいました(笑) ではでは、そんな感じでお願いします!それでは、また何かあればお声がけさせて頂きますね。いつもツンツン可愛い爆豪くんのご提供ありがとうございます!)
『ぼく、まだどんな個性なのか分からないんだけど、バクゴーの兄ちゃんみたいに強くてカッコいい個性だったらいいなあっ!』
『それでヒーローになって、困ってるひとを助けたり、わるいやつらをやっつけたりするんだ!』
! ふぅん……、そうかよ。
( 余程自分に会えたことが嬉しかったのか、母親から注意を受けても尚ヤダヤダと首を横に振っては、懐っこく腕にしがみついてくる男の子。事の顛末を聞いて状況を理解したはいいが、そうとなれば余計邪険に扱いにくい。ちらりと彼を見遣ると、にぱっと満面の笑みを向けた後に尊敬を込めた目で見詰めてきながら夢を語ってくるので、その邪気のないきらきらした視線に耐えられずふいっと目を逸らしてしまった。こうもハッキリとした好意を向けられることに慣れていない為に普段のペースを乱され、そこへ畳み掛けるように“強い”だの“カッコいい”だのと持て囃されるものだから、満更ではないもののやや対応に困り。
そんな様子を他人事のように端から眺めていた彼女が、おろおろしている母親に適当なフォローを入れる声が聞こえてくるとすかさず振り向き )
聞こえてんぞコラ!
( 暫くして見兼ねた母親が「ほら、そろそろ行くわよ」と男の子を引き離し、小さな手を握る。男の子も憧れの人物に(一方的にではあるが)思いを伝えることが出来て満足したらしく、母の言いつけを素直に受け入れると、「お兄ちゃん、お姉ちゃん、バイバイ! デートのじゃましてごめんね」とこの年齢にしては大変ませた断りを入れながらぶんぶん手を振って )
(/ 派手な個性で目立つので、一部のちびっ子から人気ありそうですよね。(笑)
こちらこそありがとうございます! 彼がデレ始めるのはもう少し先になりそうですが←、引き続きよろしくお願いいたします!
それと、16日くらいまで返信速度がゆっくりになりそうです。申し訳ございません……! )
デートって…なんか台風みたいな子だったね
( 自分の入れたフォローに、ギロリと鋭い視線を向けられても痛くも痒くもなく、彼がデレる時ってあるんだろうかと不思議に思いながら微笑み返すだけに止め。自分の願いが果たせたようで満たされたらしい子供が漸く母親の意に同意を示し、正に可愛い子供というイメージ通りの子だなと手を振り見送ろうとしたら、去り際で"デート"なんて子供らしかぬ言葉に瞬き。今どきの子はなんだか凄いなーと感心したようにゆるりと手を振り、子供と母親の背中を見送りポツリ )
それにしてもビックリしたね、追いつけて良かったよ。爆豪くんも、怪我ないみたいで良かった
( やっと落ち着いたと、ふう、と息を吐き彼を見やる。高校に入ってから予想外の出来事の連続で、少しずつ耐性がついてきたのか、冷静に対処できたと思うし、見る限り彼も怪我はしてなそうで良かったと微笑んで )
(/分かります、男の子からの人気が熱そうですよね(笑)
いえいえ、とんでもないです。それでこそ爆豪くん、って感じなのでこの先デレる姿が見られるように頑張りますね!その前はデクくんってなってると思いますが←
こちちらこそお返事お待たせして申し訳ございません。お盆の関係で立て込んでしまっていました>< 少しずつレス頻度戻せるかと思いますので、どうぞ引き続き宜しくお願いします!)
……は? デート……?
( どこからどうみてもそんな関係に見えないだろうに、このマセガキは何を勘違いしているのかと、理解に苦しみ表情を歪める。すかさず否定しようと口を開きかけるが子供の興味は移ろいやすいもので今や此方を見ておらず、声を掛ける前に母の手をぐいぐい引きながら、意気揚々とおもちゃ売り場に向かったようだった。物凄く腑に落ちないものの、その後ろ姿を見送りながら軽く手を振ってやって )
あんなショボいヤツらを捕まえる程度のことで、いちいち怪我なんかするわけねェだろ。──? いやいい、気にすんな。もう盗られんなよ。
( 親子の姿が見えなくなった後、身を案じてくれていた彼女に対し心配無用とばかりに言い切っては、先程犯人を追いかける際に置きっぱなしにしていった買い物袋を取りに向かう。しかし、わざわざ取りに向かうまでもなく老夫婦が自分たちの荷物を預かっていてくれたらしい。ベンチに腰掛ける彼らの隣にちょこんと袋が置かれていたのでそれらをさっと掴むと、残りの買い出しを済ませるべく食材コーナーへ向かおうとして。
……その時、老夫婦に「何かお礼をさせて欲しい」と呼び止められてしまったので、くるりと振り返り。とはいっても見返りを求めて助けたわけでもなし、淡々とした様子で申し出を断るとさっさと歩き出して )
(/ 男の子とか特に悪い言葉遣いを真似しそうですし、子供たちの親の立場としたら、あまりテレビにうつして欲しくないかもしれないですn、(爆豪くん謝)
大丈夫ですよ! ご無理なさらず、のんびりお付き合い頂ければ幸いです。:) かくいう自分も予定よりかなり遅れてしまい申し訳ないです…。連休が明け、溜まった仕事をさばいておりました。
それではまた一旦こちらは引っ込みますね! )
アハハ、よく怪我する人がいるから心配症になっちゃったのかも。でも私が勝手に心配してるだけだから気にしないでええよ。
──いつでも困ったことがあったら声かけてくださいね!身体お大事にしてください。
( 子供に手を振る爆豪くん…。これまた貴重なシーンを見た気がする。子供パワー恐るべしなんて呑気に思っていれば、返された言葉に彼の前ではデクくんの名前を出すのは良くないかもしれないと、名前を伏せ"よく怪我をする人"と言葉を変えると苦笑をしながら後ろ髪に手を当てて。自分の想い人がボロボロに、痛々しい姿を見てきたから、つい神経が過敏になっていたのかもしれない。然しそれだけではなく、どんな相手だって怪我をする可能性はあり、出来れば怪我をする所は見たく無く、勝手に心配する分には構わないだろうと
話せば。去り際老夫婦にも、柔らかい笑みを浮かべ手を振り別れを告げ 。もうひとり歩き出す彼には慣れたのかささっと駆け足で隣に並んで。流石にもうこれ以上のトラブルはないだろうと思いながら再度たこ焼きの中身を考えてはじめ)
私考えたんだけど、ロシアンたこ焼きとはどうだろ?わさびとかタバスコとか。他の面白そうなやつとかなら、梅干しとか、イチゴとかどうやろ?
(/わわ、気付くのが遅くなってしまい、大変お待たせしてしまい申し訳ありません(汗)
休み明けは仕事がわんさかですよね…分かります。いつも休み明けは特に足が重いです(笑)
こちらも一度引っ込みますね!)
ヤバそうなのばっかじゃねェか。当たったら嫌過ぎるわ、特にイチゴ。
( 老夫婦と別れた後、食材コーナーに向かう道中で、横に並んで歩いている彼女が思い付き次第ぽんぽんと例を挙げていくのを黙って聞いていたが、その食材の中にまともなものが何一つないことに気が付き思ったままに指摘してみる。先程立ち寄った100円均一でも変なグッズを見付けては購入していたし、面白いものが好きなのだろうか。そんな彼女のことだから、これも所謂“はずれ”のネタを考えてのことだろうし、確かに面白そうだとも思うので否定はしないものの、ぜひ“当たり”も欲しいところ。そこで自分なりに思い付いた食材もいくつか挙げてみて )
……無難に美味そうなのも入れてェ。チーズとかキムチとか、餅とか。
( そうして歩いている途中、ふと柱に貼られている子供向けヒーローショーのお知らせポスターが視界に飛び込んできて。そんなものとうの昔に卒業した……はずなのだが、なんとなく気になってしまって。気付けば足を止め、まじまじと内容を眺めており )
あはは、ハズレのやつばっか言ってみた
( つい、皆どんな反応するだろうかとクラスメイトの事を考えると面白い反応をみたいがばかり思い付くのは、たこ焼きの具には合わないであろうネタばかり。そんな自分の提案を、言葉遣いや自分からしたら少々チート地味た彼の戦闘能力等除けば、案外まともな彼の発言に笑って、テヘッと後ろ髪を触って。ハズレがあれば、当たりも必要なのは自分も同じ。次は当たりの物でも考えて見ようかな、と思っていると奇遇でにま彼からの提案もあり。ぱあっと瞳輝かせながら自分もタコ以外の海鮮も美味しそうなんじゃないかと追加してみたり )
確かに美味しそう…!イカとかエビとか、タコ以外の海鮮もアリかな?
( ふと足が止まる彼。その目線の先には、もう少しで公演されるヒーローショーのポスターだった。彼も自分も同じヒーローを目指し奮起している身。このポスターは先程出会った様な子供向けの物だが、まだ見たいんだとか子供地味た感想は抱く事はなく。見たいのか、懐かしさに見ているだけか分からず、ポスターと彼チラチラと目線行き来させ。何と声をかけようか迷っていれば、少し遠くから何やら此方を見るなり一直線に走ってくる人物がいて。)
……爆豪くん、なんか嫌な予感がするんやけど……
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