>123 桜田悠さん 「いえ、何でも……。少し、焦ってしまいまして。みんな異能を使って戦えるのに、と」 (尋ねられると一回は話を逸らそうと、何でもないような表情を浮かべる。しかしその後目を伏せると、ポケットから紙とペンを取り出して。紙に『鋏』と書き記すと、ぴたりと足を止めて話しだした。文の異能は、動くと発動できない。その点、他の人と比べて戦闘には不向きだった。)