セレン 2021-07-14 10:24:29 |
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稲葉 秀(いなば しゅう)
自殺をしようとしていたのになぜか生かされてしまっていた婦警。不幸体質の苦労人。
家はごみとぬいぐるみであふれ、散乱状態。鬱病の診断をもらったせいか、3か月の休暇が入った。
好きなものはぬいぐるみ
嫌いなものは労働
瀬戸井 真(セトイ シン)♂
21才/大学生
幼い頃に助けてもらった際、かっこいい貴方に一目惚れをした。幼いなりに貴方の事をストーカーし、大きくなるにつれてカメラや盗聴器等を使うようになる。かっこいい貴方が見たくて沢山の犯罪を犯していた。また、貴方の近くにいる物に嫉妬心を抱き色々な手で離れさせていった。時には殺人も。
段々と元気が無くなっていく貴方を見るのが辛く、どうにかして助けられないかと考えていた所、一緒に居れて監視できて近くでかっこいい貴方を見ることができる同棲を選んだ。もう少しで準備が整いそうだった時に貴方が自殺をしようとしていて、急いで貴方を助けに向かった。
好き/貴方、貴方との思い出
嫌い/不用意に貴方に近づく不届き者、貴方の近くにいる物
(/キャラシ提出が遅れてしまいすみません…如何でしょうか?不備がありましたら教えて下さると幸いです)
(/ありがとうございます。キャラシに書かせて頂いたように監禁をさせて頂きたいのですが大丈夫でしょうか?また始める際はどのようなシチュエーションから始めましょうか?)
今日はなんて最悪な日なんだ。まさか彼女が死のうとするだなんて。
けれどいい機会かもしれない、今彼女を連れ去ってしまえば僕の物になるのだから。
あ、あの!!まってくれませんか。あなたが死んでしまうだなんて、僕嫌です…!!ずっとあなたの事を見てきました、僕はあなたの事を…
(急いで扉に開く。目の前には今にも空に落ちてしまいそうな彼女の姿が一つ。時刻は夕方、日はもうそろそろ落ちそうで静かな空間に鳥の声と風の音が響く。彼女の服が風によってたなびき、夕日に照らされて赤く染まる。そんな美しい彼女に息を呑んで。まるで天使のような彼女は、落ちてしまっても綺麗に羽ばたくのではないかと感じてしまう。そこまで自分は彼女を崇拝しており、愛しているのだとつくづく感じる。そんな彼女を失うのは嫌でふと言葉を発してしまう。次々に出てくる言葉を止めることは出来ず、後少しで彼女に触れられる距離まで誘惑されるような足取りで向かい。手を伸ばして彼女を掴み取ろうとして)
(/遅くなってしまいすみません。初めはこんな感じで大丈夫でしょうか?絡みにくいのであれば新しく考えさせていただきますのでどうぞよろしくお願い致します)
……、あなた確か、連続殺人犯の。いや、この際もういいです。私には失うものなんてありません。もう、好きにしてください。
(ぬいぐるみを取ったクレーンゲームのお店、友達と行ったストリートピアノ。そのすべてが小さく見えた。しかし、落ちてしまおうとしたところでの思わぬ来客。戸惑った。警察で特別捜査本部を立てて追っている殺人犯だったのだから。けれど、自分なんてどうなってもいいとヤケになり、伸ばされた手を拒むことはなかった)
(/とってもいい入りです! ありがとうございます!)
───…あなたが好きなんです!!
(続く言葉と共に伸ばした手は崇拝する貴方の腕を掴む事が出来て。掴んだ腕から貴方の体温を感じられれば"貴方が死んでしまう"という緊張感から解き放たれると口元緩み安堵からため息が漏れて。顔全体の筋肉が弛緩したような笑顔で「あぁ、よかった…僕の稲葉さんが生きてる…」呟くように言葉が溢れ出て)
(褒めてくださりありがとうございます…!そちらのロルも返しやすくてありがたいです)
なんで、私の名前を……? いえ、この際なんだっていい。それよりも、『僕の』ってどういう……
(驚きが戸惑いに変わり、そして死ぬ勇気が失せてしまう。ああ、せっかくここまで来たのに、という思いと、このまま捕まえれば大手柄だ、という思い、そして、……この人なら自分を大事にしてくれるかもというわずかな期待が入り交じり、なぜか謎の男に一歩近づいていた)
稲葉さんは覚えてないかもしれないですけど、あの時、僕は貴方に救われたんです…!!それで、あの時からずっと稲葉さんのことを見てて…名前はその時に。あ、"僕の"っていうのはちょっと早かったですかね…?でも、これからは”僕の”になるんだから、大丈夫ですよ
(貴方との距離が近くなれば瞬間目を見開いて驚く。一歩、たった一歩だけれど大きな一歩、表情はすぐに嬉しさ溢れる笑顔に変わり。貴方の目を見つめながらすでに緩んでる口を開くと、まるで気分の良い子供のように明るく喋って。「気持ちを伝えるのって少し恥ずかしいですね…」言葉の終わり、俯きがちになりつつ小さく笑えば掴んだ腕の反対で頬を掻いて。)
で、でも、これからってどうやって……。そして何より、私はあなたの名前も顔も覚えてないんです。それなのに、いいんですか……?
(男の言っていることはわけがわからない。けれど、どうしても記憶にあるような、そんな気がする。いや待て、そもそもどうやって『僕の』にするのだろうか。この男は罪に罪を重ねるのか? その前に道を正すのが警官じゃないのか? いろいろな考えが交じり、ほとんどまともな言葉として出てこない)
やっぱり覚えてないんですね…でも大丈夫ですよ、時間は沢山あります。その時間でこれからを作っていけばいいんです、それに僕の名前も顔もこれから沢山みることになりますよ!だからそんな不安な顔をしないでください…大丈夫。(するりと腕から手に掌を滑らせる。目を伏せながら両の掌で貴方の手を握っては囁くような優しい声で一言「…それならすぐにわかりますよ」と言い。”覚えてない”という言葉を聴けば悲しげな表情が出てしまいそうになると同時に声が漏れて。その顔を隠すために笑おうとするが悲しさの残る歪な笑みとなって。けれど安心させるように話を続け、貴方によく伝わるよう沢山の言葉の中から選び抜いた物を丁寧に紡いでいく。貴方の眼を良く見つめては抱きしめようと手を小さく引っ張り)
私……、まだ生きてていいんですか……? もうつらくて、何も、考えたくない……
(ダメだとわかりつつも、胸の内を打ち明ける。ふと、自分はまだ生きたかったんだなと気づいた。死にたいんじゃない、生きていられなかった。気づけばこの男にされるがまま、腕のなかに収まっていた)
いいんですよ…大丈夫。あなたは幸せになるべき人なんです…今ならまだ、誰も追いかけては来ません。さあ、僕に身をあずけて…一緒に家に帰りましょう?貴方の為の世界に。
(静かに貴方の言葉を聞いた後、ふと、心地のいい重さを胸に感じた。それが貴方だと気付けば、小さな雛を包むように優しく抱きしめて柔らかな声色で囁いて。次第に貴方の体温と自身の体温が混じっていく、その感覚に僅かな安心を覚える。しかしずっとこのままというわけにはいかない、貴方から来てくれなければ意味なんてない。もし”来ない”と言われたならば、強引にでも連れて行こうと考えて)
(/こんな感じで大丈夫でしょうか…?来ないと言われたら睡眠薬か何かで連れて行こうかなと考えております。何かありましたら言ってくださるとありがたいです)
……ごめんなさい。やっぱり、行くことはできないんです。私、帰って掃除もしないといけないし、そんなに沢山のしあわせ、きっと見合わない……。申し訳ないんですが、しあわせを受けとるのが怖いんです。
(嘘だ。私だって幸せになりたかった。けれど自分にはそんな資格なんてない。私のせいで迷宮入りした事件や助からなかった命もある。死をもって償うしかない。そんな考えがよぎれば最後、目の前の男の誘いを断る他なかったのだ)
(/とってもいいです、ありがとうございます! 今回は、睡眠薬を飲ませて連れ去るという形でよろしくお願いします。)
……そう、ですか…でも仕方ないですよね、稲葉さんは真面目な人ですから…わかってたはずなのに聞いちゃいました。あはは、不思議ですね…
(最初の一言を聞いた瞬間、胸に締め付けられるような痛みが走り涙が出そうになって小さく俯いた。強引にでも連れて行こうと考えていたはずなのに実際拒絶されてしまえば、一瞬、どうやって声を出すのかさえも忘れてしまって。たった一つだけ間が空く、短いはずなのになぜだか時間が長く感じて耳の中に余計な音が入ってきてしまう。静かな状況を切り裂くようにようやく口を開いては、途切れ途切れながらも丁寧に言葉を紡いで)……でも、それでも稲葉さんから来て欲しかったなぁ(またしばらく黙り口を開けば自身の醜い欲望がこぼれ落ちて、”答えが聞きたくない”そんなくだらない欲のために念の為持ってきていた錠剤の睡眠薬をズボンのポケットから取り出すと顔をあげて、少し震えた声でもう一度優しくだきしめて耳元で「ごめんなさい稲葉さん…」と呟くと貴方の口に向かって掌を覆いかぶせ薬を口内に入れて)
(/本当に遅くなってしまいましたすみません…)
んう……っ!?
(何かを入れられる感覚。抵抗していたものの、苦しくなれば飲みこんでしまう。危険な薬品か? はたまた毒か?考えている間にも意識はドロドロと溶けていき、目の前の男にもたれかかる。強烈な眠気。こんな眠気は久しぶりだ。本能は警鐘を鳴らすのに体が言うことを聞かない。そのまま、深い眠りについた)
(/大丈夫ですよー、レスありがとうございます)
……稲葉さん
(静かに眠っていく彼女はとても綺麗でこんな僕が触れていいのかと罪悪感が湧く、けれどそんな彼女を自分のものに出来るという気持ちもあって。どうすればいいのかなんてわからない、助けを求めるようにか細い声で貴方の名前を呼ぶが返事はなく。落とさないよう懇切丁寧に貴方を抱き上げると夕日が沈む様が視野に入って思わず目を細める。汚いけれど綺麗な世界。そんな世界から貴方を隔離しよう。夕日を背に屋上の扉を開けては貴方のためだけに用意した家へと向かって)
(静かに扉を開く。目の前には廊下、その廊下の先には扉が一つ。正面の扉を開けるとそこは温かみのあるリビングキッチンでそれぞれ木でできた二人用のテーブルに二脚の椅子、観葉植物など色々なものを置いている。右正面の方向にある階段をゆっくりと登って行けば左右に扉が一つずつ、躊躇いなく右の部屋に入り貴方を大きなベッドに沈める。貴方の好みに合わせて置いた沢山のぬいぐるみ達にに囲まれる貴方が愛しい。服や髪の毛を整え、最後に黒い首輪を嵌めるとどうしようもなく綺麗に思えて恍惚の表情を浮かべてしまって。かちゃと音をたて鍵をつけては長く伸びた鎖につながれた貴方に目が釘付けになり)
(こんな感じでいかがでしょうか?それと稲葉さんの家から勝手に持ってきたぬいぐるみも置いてあるというのもいいかなと思ったのですがどうでしょう)
ここは……、私……。あっ、ど、どうしよう、……、これ、私の……
(目を開けば見知らぬ部屋。その中に見覚えのある見知ったぬいぐるみ。同じものを揃えた? いや、それにしてはほつれや直した跡まで再現されている。あの男が持ってきたのか? 不法侵入だ、なんて思えるぐらいには頭が回っている。
起き上がろうとすれば、首に不快な重さ。ペット用か、はたまたオーダーメイドか知らないが、首輪がつけられていた。長い鎖によっての重さだが、相当首にくる。いきなり起き上がろうとすれば苦しくなるほどだ。逃げられない、そう悟った瞬間寒気がした)
(/とてもよかったです! ぬいぐるみを勝手に持ってきた、という点も凄く素敵だなと思いました)
……ぁ、稲葉さん、おはようございます、
(しばらく幸せに浸っていると貴方の体がわずかに跳ねる。そろそろ起きるのだろうか、起きた時貴方はどんな反応をするのだろうか。ふと、”こんなことをした僕に怯えてしまうのではないか…?”なんて考えが脳裏を掠める。途端、不安が体を支配した。動かなくなった体から一滴の汗が肌を滑っていく。よく考えてみれば当たり前、けれど先程までそんな考えはなかった。怖い。どうしようもなく貴方の事を見つめていれば、貴方の瞼がゆっくりと開いていく。段々と焦点のあっていく瞳を眺めながら、微かに震えの残る柔らかな声で言葉をかけた。体を起こす貴方から金属のぶつかる音が聞こえる。その動きで気道が塞がれたのか苦しそうにしている貴方。おかしい、彼女が怯えているのが目に入っているのに、心臓の鼓動がさらに早くなる。怖いけれど何かが違う感情に戸惑う。いつの間にか自身の口は弧を描き、ゆっくりと貴方の首元に手を伸ばしていって)
や……、殺すんだったら、一息にやってください……っ
(相手の手が自分の首に伸びる。絞め殺される、そう思った瞬間一息に殺せと言っていた。自分でも訳がわからない。けれど死にたい気持ちはあった。あったはずなのに、いざ死ぬとなるととても恐ろしい気分になる。
首吊り自殺は苦しいと聞いて断念した。今、首輪だけでも苦しいのにそれにまた苦しさを受けなければいけないのか。涙が出てくる。なのに目は見開かれたままだ。本能か、最期のこの瞬間になって死にたくないと思うとは)
僕は…そん、なこと……ぁ…いや、すみません。でも違うんです殺しだなんてしません、稲葉さんが苦しそうにしていたので少し首輪を緩めようかなって思って…怖がらせてしまいましたよねすみません…
(ハッとして手を止める。僕は今、何をしようとしていた?貴方を殺すだなんてそんな物騒な事、するはずないと思っていたのに。見つめる貴方の目に自分の罪を理解しそうになって、逃げたくて、目を逸らした。でも本当は理解していて、全てを吐き出して自分の女神とも言える貴方に許してもらいたいけれど、さらに怯えられるだけだとわかっているから。それでも思いが溢れてしまいそうになる。自分の手のひらを見れば強く握りしめて、これ以上怖がられないよう貴方に優しく話しかける。まるで自分を言い聞かせるように言い訳も添えて)
こ、こちらこそごめんなさい。もしよかったら、首輪を緩めてくれれば嬉しいです……
(早とちりと誤解で失礼なことをしてしまった。罪悪感に苛まれつつ、さきほどの彼の笑みはなんだったのだろうかと考えている。安心させるため? 単に手に入れた愉悦? それとも……、獲物が目の前にいることに対しての快感? ……ダメだ。疑心暗鬼になっていく)
──ぇ…い、いいんですか……?えっと…じゃあ、緩めますね…これくらいはどうですか?
(予想のできなかった返しに思わず声が漏れてしまう。こんな僕になぜ優しい言葉をかけてくれるのか、やはり貴方は女神様なんだ。そんな貴方への狂信にも似た気持ちを抱えながらおずおずと視線を動かしては言葉を交わして、血の通っていない首輪に指先を触れさせると鎖がぶつかってなるかん高い音を鳴らして少しずつ調節していき)
ありがとう、ございます……。そのぐらいでちょうどいいです。
(ふと、自分は何をしているんだと思う。監禁されて、目の前には殺人犯がいるのに、こうして首輪の調節というイレギュラーなことをしてもらうだなんて。
今頃、警察のみんなはどうしているだろうか。私のことを探しているだろうか。それとも……、もういないものとして扱われているだろうか。きっと必要とはされていないと思うと、涙が出てきた)
……稲葉さん、どうしたんですか?…あ、その何か、してほしいこととか…あったら
(口元が緩む。ありがとう、そう感謝されたのはいつぶりだろうか。幼い頃両親に数回言われた事しか覚えていない。その後は怒られてばっかで、ああ僕があれをするようになってからはもっと…。そうだ、あの頃稲葉さんと出会ったんだ。地獄のような日々の中で稲葉さんだけが僕の女神様になったんだ。嬉しくて、ありがとうという貴女の顔がどんなものか見たくなって、見ると透明な雫が頬を伝っていた。反射的に首輪から手を離し震えを押さえつけつつ慎重に名前を呼んで望みを聴く。自分のせいじゃないか、そんな思いを抱えながら)
必要と、されたい……。誰かにとって必要だったら、それでいいんです……。
(きっと情けない表情だろう。けれど、必要とされたかった。この中では彼と自分の二人きりで、何を言っても許される気がしてしまった。殺人犯に気を許す、それは警察としてはあってはいけないのに……。
調整された首輪は、今は苦しくもなんともなく普通に動ける。必要とされたい。誰かに抱きしめられたい。この人なら叶えてくれる気がしてしまった)
必要と………。ねぇ、稲葉さん、僕じゃだめなんですか、僕なら…その望み叶えてあげられます、だってずっとずっと前から僕は必要としてたから
(僕なら、叶えられる。その想いが微かに溢れてしまう。たとえ僕が叶えられるとしても貴女がそれを望むかどうかは別なのに、欲が滲み出てしまう。抑えるように、未だ震える手を力強く握る。でも、貴女と、稲葉さんともっと一緒にいたいから、自分勝手にここまで連れてきたんだ…今更辞めることなんてできない、したくない。心の中で決意を固める。たとえ地獄に落ちるとしても貴女と一緒にいる、そんな決意と共に視線を合わせると嘆くように言葉を紡いで、安心したいがために抱きしめようと腕を伸ばして)
抱きしめて、必要として……。私、足を引っ張ってばかりで、だから弾き出されたのかもしれない。独りぼっちは、もう嫌です……っ。
(伸ばされた腕にしがみつくように、自分も手を伸ばす。頭の中では、自分は警察のみんなからも家族親族からも見放されてしまったと思い込んでしまっていた。でも、目の前の彼は方法こそ犯罪だが私を独りぼっちから救ってくれた。必要としてくれた。それが嬉しくて、思わず笑みがこぼれる。いけないはずなのに、彼を信用してしまっている)
(お久しぶりです。1年間お返事出来ず本当に申し訳ありません……。急にいなくなってしまった手前、またここに書くのは失礼かと思ったのですが、もしまだいらっしゃるのであればもう一度させて頂きたいという気持ちで書かせて頂いてます。改めて何も言わず1年もお返事しなかった事本当に申し訳ないです。)
(こんにちは、お返事ありがとうございます。
お元気そうで安心しました。私の方もここ一年は色々とあったので、なかなかここに来れずにいました。
またやりたいと思っていただき嬉しく思います。こちらこそ、改めてよろしくお願いします)
(まさかこんなに早くお返事をもらえるとは思っていませんでした……、とても嬉しいです。早速ではありますが続きを書かせて頂きました。何か不備などあれば教えていただけると幸いです)
────僕はッ!いつだって、いつまでも、稲葉さんを必要とします……!!
(ふわりと貴女の匂いが鼻を掠める。貴女に、稲葉さんに、他でもない稲葉さんに求められることが出来た。あの時貴女を助けることが出来て本当によかった、その安心感と満足感で一粒の涙をこぼす。今感じるのは、貴女の温かい熱に、首元にあたる冷たい金属、どこか歪さは感じるけれど、これから上手くやっていけるそう思えば貴女の背後で微かに笑みをこぼしながら、今不安だろう貴女を安心させるように力強く抱きしめて)
あ、あ……。こんなの、いけないってわかっているんです……! ごめんなさい、ごめんなさい……
(彼の腕のなかでふるふると震えるのは嗚咽のせいか、はたまた別か。冷たい首輪と温かい体温がアンバランスだが、もうどうでもよかった。ただ、嬉しかったのだ。嘘偽りない彼の言葉が。
今正気に戻っていれば、きっと彼を拒絶することもできていただろう。警察として、堕ちてはいけない狂気に身を委ねることもなかった。けれど、この瞬間だけでもいいから、誰かに必要だと言ってもらいたかったのだ)
(/とてもいい書き出しでした! 無理のない範囲でやっていきましょう)
大丈夫……大丈夫ですよ。そう、大丈夫です。
(今の僕に貴女の傷を癒すことは出来ない。だから、少しでも、貴女が自分のことを責めないように、僕のことを安心できる人物だと思えるように。ただ”大丈夫”と何度も何度も繰り返した。しかし、貴女を傷つけたくない。そんな気持ちとは裏腹に、貴女が泣く姿を見て心臓が熱くなっていく。抱きしめる手は緩めず、自然に、貴女を警戒させないよう首元まで手を移動させたところで、カチャリと金属音が鳴った)
(/お気遣いとお褒めの言葉ありがとうございます。とても返しやすいロルでありがたいです。不備などありましたら教えてくださると幸いです)
へっ、あ……、あの、どうしたんですか?
(ぼやけた頭に響く金属音。そこで自分が首輪をされていることを思い出して、異常な状況に寒気がした。大丈夫とは言われたが、今自分は逃げることはおろか自分では動けない。今の状態は、普通の人から見れば袋の鼠なのだ。先程弱みを見せたことを一瞬後悔するも、少し冷静になって、いつも通りを装って質問してみる)
──……お腹空いてませんか?あれから何も食べていないので、大丈夫かなって思って、ほら!好きなものとかあったら作りますし!
(時が止まった気がした。鳴った音はわずかだったものの、響く金属音は確実に貴女に届いているはず、狼狽して逸る気持ちを抑えるも微かに指先は震え、不規則な呼吸が自身の脳内に響く。ゆっくり。笑顔を作る時間が欲しいから、少しずつ、貴女から離れていく。目を細めて、口角を上げて、貴女が震えているのか自分が震えているのかわからない、ただ離れなければと思ったから手を離し、貴女の目の前に。ワントーン高い声が、喉の奥から出る)
……確かに。自分では気づけませんでした。最近はまともに食事をしてなかったからですね。作りやすいものでよかったら……。
(笑み、自分の目の前にいる彼は確かに笑みを浮かべている。不自然さを感じたのは警戒心か、警察の勘か。それでもお腹の具合を気にかける言葉に嬉しいと思ってしまう。不規則な睡眠と不摂生のせいでいつも疲労しきっていたので、なにか食べたいと思った。同時に、この部屋について調べようとも)
よかった!なら、ここで待っていてください。すぐに作って来ますね!
(笑顔を貼り付けながら出来る限り明るく振舞う。キッチンへ向かうため、一刻も早くあなたから離れなければという警鐘のため、話の終わり際貴女への視線を外していく。その表情には怯えが滲んでおり、けれど声だけは高いままベッドから離れると、軋む音と共に自身の沈みがそこにはあって。部屋から出る時、視線だけを動かしぬいぐるみだらけの室内を一瞥する。わずかに差し込む外から光、小さな棚には本が何冊か、テレビやスマホなんて外の様子を知る物はないし、部屋から出ようにも鎖は室内を歩き回れる程度の長さ。唯一外を確認出来る窓だって、スリガラスな上、内側には檻を設置している。時計も、ここにはない。”安心”そんな感情を呼び起こす部屋、浅く吐息を漏らせば部屋から出て、一回、鍵をまわし)
……本当に、どこに来ちゃったんだろう。見たところ、通信機器もないし。
(そっとベッドからおりれば、辺りを散策しようとして諦めた。どうせこの長さでは部屋の隅に手が届くぐらいだと気づいたのだ。あの彼がそんなに油断をするわけがない。今のところ自分に敵意はないらしいが、変わるかもしれないのだ。窓は鉄格子にすりガラス。一度入った精神科もすりガラスだったなとぼんやり思えば、足音があまり聞こえないことに気がつく。
彼が帰ってきたときに動いていたら、何をされるかわからない。そっとベッドに戻り、彼が帰るのを待っていた)
────違う、違う、違う……ッ!僕は、ただ守りたかっただけなのに…っ(階段を下りて一階に差し掛かった瞬間、支配していたはずの身体が力無く座り込んでいく。隠すように両手で顔を覆う。手のひらに醜い笑顔の形を感じて、不安だけで震えが現れていたのじゃないのだと理解した。純粋にただ守りたい気持ちが、いつの間にか独占欲に変わってしまったようだった)……行かないと、おかゆがいいかな、食べやすいもの……(深呼吸をしながら立ち上がると少しだけ震えが止まった。最低限の食材しか入っていない冷蔵庫を見ながら、その中で作れるものを頭の中に思い浮かべると調理を始めて。作り終われば、鍋に入った卵のおかゆとおかゆにあう梅、さけ、ゆかり、それと器をお盆に乗せ、小さくため息を吐いた後彼女の部屋に向かって)稲葉さん、すみません遅くなりました……!(扉を二回ノックし開けると柔らかな声色で話しかけて)
(/遅くなってすみません……!)
あ……っ。大丈夫です。おかゆ、ありがとうございます。
(ふわりといい匂いが鼻腔をかすめる。おかゆか。しかも卵粥のようだ。布団でぬくぬくと暖まりながら待っていると、自然と母親に看病された日のことを思い出す。警察学校に入って以来はそんな機会もなかったため、懐かしい、暖かい気持ちになって自然と笑みが溢れた)
そうだ……、あなたのこと、なんて呼べばいいですか? ずっと考えていたんですが、呼び名がないと不便だなって……。
(彼に会ってから、ずっとあった疑問。彼だけが私のことを覚えているというのは、いささか不平等ではないか。なぜか今は抵抗や通報をしようなども思うことなく、ただ単純な疑問として口から出ていた)
(/大丈夫です、お返事ありがとうございます!)
いえ、あ、好きなものをえらん、で……ここに来て、初めて笑ってくれましたね(トッピングに指差し、説明しようとした時、秒針の刻む音のない静かな部屋に彼女の笑顔が響く。監禁してまでずっと見たかったそれを、間近で見ることが出来た途端、何ものにも代え難い嬉しさが身体に満ちていくのを感じる。生きていてくれて良かった。彼女の笑みにつられて自身の表情も緊張の糸が解けたように綻び)
そう言えば名前を教えてなかったですね…、僕の名前は真……瀬戸井真っていいます。(昔から人との関わりがなかったせいか、名前が漏れていなかったのだろう。自身の名前を聞く彼女に向かって聞き取りやすいはっきりとした声色で名前を伝えて)
し、真さん……。改めて、よろしくお願いします。あ、の。良い名前ですね。
(しん、というその響きは、聞き取りやすく喋ってくれたからか案外すぐに馴染むことができた。しん、真と書くのだろうか。自分は何をしているんだろうと心の片隅では思いつつ、良い名前だなと言ってしまう。本心、なのだろう)
久しぶりです、こんな風に誰かの料理を食べるなんて。いつも自炊だったので。
(湯気のたっているおかゆやトッピング達を見つめながら、呟くように言った。正直得意ではなかったため、彼の料理に見とれていないといえば嘘になる。まだ自分のことを大事にしてくれる人はいるんだ。再び、彼の優しさに溺れそうになってしまった)
こ、こちらこ…そッ、ぁ……えっとありがとうございます。
(至って普通の会話。まるで、日常を過ごしているかのようなやり取りに、どう返事をしていいかがわからなかった。経験不足か、どこかこの空間に違和感を感じているからか、微笑みながら、何か返事をしなければと考えるも、動揺の滲み出る不安定な言葉が口から漏れるだけだった)
これからは僕が作るので、稲葉さんはゆっくりしてて大丈夫ですよ。……稲葉さんの料理に比べれば、僕の料理なんてまだまだですが…、ぁ…熱いので気をつけてください、
(ここに連れてきたのも全ては彼女を守りたかったから。稲葉さんは何もしなくていい、ただゆっくりここで安心していてくれればそれで十分。その為には手を煩わせることがないように、自分の能力を上げる必要がある。休んでていい事を優しく伝えると、棚の上におぼんを乗せお粥を器によそっていく。”自炊”という言葉を聞けば、ほんの少し前、モニター越しに料理を作っている彼女を思い出す。実際に食べたことはないのになんだか心が温かく感じる料理、思い出すだけで自然と笑みが溢れてしまう彼女の料理と比べると自身の料理のなんと拙いことか。余韻で小さな笑みは浮かんでいるも、眉を下げて謙遜すると自嘲するような表情になり。器によそい終われば、れんげと共にお粥を差し出して)
ありがとうございます、……いただきます。
(ここに来てはじめての、いや、ここ数日ではじめてのまともな食事。お粥を受けとれば、いただきますと言って食べ始める。食べながら、彼の名前について考えていた。自分はやはり聞いたことがなかった。偽名ということも考えたが、おそらく彼は嘘をついていないだろう。まだ、名前が出ていないだけだ。
お粥は、どこか優しい味がした。泣きそうになるのをぐっとこらえて、食べ進める。何ヵ月かぶりに味覚が戻った感覚になる。どうしてだろうか)
美味しいです、すごく……。なんだか、口下手ですいません。
(美味しいとしか感想を述べられないことを恥じれば、彼の方を向いてみる。目を合わせるにはまだ勇気が必要だったので、すぐにそらしてしまった。情けないなと思いながら、またお礼の言葉を口にした)
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