ここの管理人 2021-07-02 14:27:33 |
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各チーフ
コントロール グリフィンくん
情報 ユウちゃん
教育 ホロちゃん
安全 ロキくん
中央第一 ティファ・レト
懲戒 ネネちゃん
福祉 アンくん
抽出 リタくん
設計 ウルちゃん
(まだ現時点でストーリーの最後まで行っていないので、行ったらまた更新します頑張ります。その前にチーフ達の設定と立ち絵出せたらいいな)
「グリフィンさん!」
僕を呼ぶ声。振り向けばいつものようなぱあと明るい笑顔、によく似た液晶画面。僕がにこりと笑って返すと、彼女はいきいきと仕事の話をする。
もう随分と前から僕にはメンタルを保つためのフィルターが効いていない。気づいた時には発狂しかけていたが、彼女のロボット姿をみたことで正気を取り戻し、それからはこのことを隠して仕事をしている。彼女が目に入った途端に、僕にはここで生きていくことしかできないことを悟ってしまったからだ。僕は彼女のための存在で、彼女は僕のための存在であることを、思い出してしまった。
彼女から書類を受け取り、簡単な挨拶とともにその場を去る。フィルターが効いていた頃、いいや、まだ僕に魂があった頃の彼女の笑顔を思い出しながら僕は目を瞑る。彼女にもう一度会いたかった。けどそれはもう叶わないし、彼女も僕自身と再会することはもうない。それでも、僕は彼女のそばにいたかった。彼女とともに時を過ごしていきたいと願ってしまった。もう彼女も僕も、あの頃とは違うのに、満面の笑みで僕に励ましの言葉をくれる彼女を、ロボットに入れられても笑顔で話しかけてくれる彼女を、僕はどうしようもなく愛してしまったから。
ーーーーーー愛は、重ければ重いほど良いのだ。
鏡に映る自分が嫌いだと感じた。黒い髪、黒い瞳、どことなく彼を想起させるような顔立ち。彼に似ている自分の容姿に違和感を感じざるを得なかった。
「……ウル、どうした?」
彼はぼーっとしていた私に声をかけてくださった。私は姿勢を正して彼に向き直る。管理室に異常はないことを伝えると、彼は私の最近作った傷へ、心配の言葉を紡ぐ。ああ、なんて、なんて慈悲深くなんてお美しい。こんなお方と私なんかが似ているなど、あってはならないと思った。
彼が去ったあと、私は再度管理室へと向かう。長期に渡って見てきた蒼星に対して、別の管理方法を模索しようと計画していた。この蒼星を使って、自分の何かを変えたかったのかもしれない。
結果的に言うと失敗した。自分の精神が崩れていく音が聞こえた。余計なことをしなければよかったと思った。顔につけた傷がずきずきと痛む。痛む。痛い。いたい。彼の顔が思い浮かぶ。彼と私が重なる。重なる。かさなる。
管理室から出た私は、正気だった。きっと管理人が応急手当でもしたのだろう。それとも自力でこちら側に私が還ってきてしまったのだろうか。いいや、どちらでもいいのだ。私がこのまま私でいれば、今のことはなかったことにできる。
ーーーーーー失敗などあってはならない。だって私は彼なのだから。
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