もにらんま 2021-05-31 19:37:09 |
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「ふわぁ、ねみ」
フロイドは欠伸を一つした。机は勉強しかけの開いた教科書やらインクが多過ぎて零れたマジカルペンがノートの端を黒色に染めていた。足をばたつかせ、「あ"ー」と声を出す。蹴られたマジカルペンの蓋が飛んでいき、後ろに転がって行った。
「勉強なんてだーいきらい?」
フロイドは席を立ち、手ぶらで教室を出た。
「あ、小エビちゃあん」
「……はい」
廊下に小エビを発見したフロイドは長い足で駆け寄る。フロイドは気分が変わったのだった。小エビの肩をトンと叩きニコニコのフロイドが行く先に立ちはだかる。
「ねね、暇なんだけど。締めてい?」
「エースが締めて欲しいから部活に来て?と、言っていました」
「だめ、それ頼んでるだけじゃん。お断りでぇす」
フロイドはメッ、と指でバツを作り、精一杯のぶりっ子をした。だが小エビには通用せず、「黙って部活に行け」と言われてしまった。フロイドは背中を曲げて鏡の間へ向かった。はなから部活に行く気は無いらしい。
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