人を駄目にする人間 2021-05-20 18:41:40 |
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お願いします( この見た目だと怖がられることが多いが怖がることなく接してくれて嬉しいなと少し頬を緩ませて/ピアスの時よりも痛いと言う噂を聞いて怖がりつつ、かっこ悪いところは見せたくなくむんっと口をつぐんで )
あ、血とか苦手ならあんまり見ない方が良いよ。あんまり出ないけど苦手な人は苦手だから。
(十字架の線をなぞるように針を突き刺しながら穏やかな口調で微笑み)
あはは、だから言ったのに。次はもうちょっと痛いから頑張ってね。…まあ、麻酔してるから大丈夫かな。
(軽快に笑いながらも手を止めず、線をなぞり終わると新しい針に手を伸ばし)
んなっ手握ってんじゃねえよ
( まさか手を握られるとは思っていなく顔を赤くするが見られたくなく顔を相手からそらし/文句を言いながらも手を離そうとはせずに )
あはは、ごめんね。ちょっとでもマシかなって。もうちょっとで終わるから我慢して。
(悪びれる様子もなく笑うが針を突き刺す手は止めず)
「あ、ちょっと佐伯さ~ん。二階堂さんいらっしゃってますけど…」
(学生バイトらしき青年が顔を覗かせ、遠慮がちに佐伯の背中へと声を掛け)
え、もう二階堂さん来ちゃったの?今この子の施術してるからさ、ちょっと待っててもらってよ。
(困ったように首を傾げつつも振り向かずに答え)
わぁったよ(相変わらず手を離そうとはせず)
行ってくればいいだろ
(ムスッとした顔で行ってほしくねえけどと心の声が漏れて)あ、やっぱなんでもねえよ!
あはは、良いんだよ。二階堂さんは待ってくれるから。それより君の施術を終わらせないと。
(穏やかではあるがどこか一方的に言葉を一蹴し、色の濃淡を付け終わり)
次は色付けてくよ。何色とか指定ある?
そうなのか?...なら良いけど
(強引なとこに違和感を覚えながらも気にせず、少し嬉しそうにして)
俺わからねえからあんたにおまかせするよ
( へら )
あ、できれば痛くない色で( ぼそっ )
そうだねぇ、それなら僕のピアスと同じ色にしよっか。
(その言葉を聞くと穏やかに微笑み、手早く黒と金色を肌に付け終わると外にいるらしい学生バイトに呼び掛け)
先客さん終わったよー!二階堂さん連れてきて!
…あ、よければ二階堂さんの施術見る?
(学生バイトから威勢の良い返事が返ってきてすぐに相手の方を向き直り、悪戯っぽく微笑んで)
別にあんたがそういうならそれでもいいけど
( その提案に嬉しそうな顔をして )
は!?いや、みねえよ!( また血を見るのは嫌だと思い走って出ていき/お金を払い店をでようとするも思いとどまって施術室の窓から覗き込み )
二階堂さーん。どうぞー。
(覗かれているとは知らずに客を呼び。彼の呼び声に答えるようにして明らかに堅気ではなさそうな50代くらいの男性客が施術室へと顔を覗かせ)
今日はどうしたの?確か昨日不動明王背中に彫ったと思うんだけど。
「いや、何…シャワー浴びたら色落ちしたんだよ。」
あはは、だからシャワー浴びちゃダメって言ったのに。浴びちゃったんだ?仕方ないね、色付け直そうか。そこにうつ伏せになって。
(男性客の言葉を軽快に笑いつつ施術台を指差し、先程と同じように施術道具を漁って消毒し)
はーい、じゃあ施術してくね。
(どちらにも聞こえなかったらしく静かにうつ伏せになっている男性客の服をまくり、恐ろしい形相をした不動明王と対面しながら色の落ちている部分を探り)
あー…赤と黒が完全に落ちちゃってる。後は朱色がちょっと薄いくらい?ここは線まで落ちてる…彫り直すより新しい模様彫った方が誤魔化せるかもね。
「お前に任せる。好きにしてくれ。」
あはは、じゃあ勝手にするね。色付け直した後にここは模様足しちゃおう。
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