下級妖怪 2021-05-06 19:39:12 |
通報 |
「──お待たせしました、もう中に入って大丈夫ですよ」
環が家に入って十数分後経ったあたりだろうか。キィイッと軋んだ音を立てながらも玄関の扉を開ければ、半身を外へと覗かせては相手の方へと顔を向ける。にこりと穏やかな笑みを携えたままそう言えば、家の中へと招くような仕草を取りつつも、相手が入りやすいようにと扉付近から少し離れて。
環の家の中はそれほど物が散乱しているわけでもなく、どちらかといえば綺麗に片付いている部類に入るだろう。……いや、正確に言うならば、『生活感の薄い、まるでミニマリストを連想させるような家の中』が正解であろうが。
トピック検索 |