下級妖怪 2021-05-06 19:39:12 |
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「ええ、……少し、そこで待っていてくださいね」
環の手が静かに離れていく。その途端、心にぽっかり穴が開いたように自分の頬を掠める風が同時に通るように冷たく、ひんやりと凍っていく感じが何故かして周は声には出さないものの眉を顰めた。
そこで待っていろ、キィと扉を開けて環に投げられた言葉に何度も首を振って「わかりました」と出来るだけ安堵いっぱいな声を出し微笑んでみる。
一人になった周は、はあああぁと一気に疲れが押し寄せて来て大きく息を吐いた。
「あーもう、怖くない怖くない……大丈夫っ」と突如自分に襲い掛かろうとしていた奴らが思い出し周は言い聞かせるように呟き。
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