下級妖怪 2021-05-06 19:39:12 |
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「ええ、……少し、そこで待っていてくださいね」
ここまで来たならこれ以上のサポートは要らないだろうと相手の手を静かに離しつつ、相手の呟きに頷いて。
家の入り口近くまで歩いては、早速家の中へと招き入れよう、そう考えるも一つ問題点があることに気付き。その問題点とやらはよく世間で言われるような、家の中が汚いとかでは決して無い。けれど、今の家の中はというと、疾しいものではないものの、彼に見られては幾分か不都合なものがインテリアとして飾られている状態だ。まずはそれを片付けないといけない。
キィィと軋んだ音を立てながら家の扉を開けつつ、そう指示を投げる。先程までビクビク怯えていた彼を外に一人放置するのは些か非情かもしれないが、此処は月も出ているしそこまで暗くはないのだ、大丈夫だろう。そう考えつつ家の中に入っていき
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