私について来いという環さんに俺は「はい!」と子犬のように従う。 嗚呼、俺のプライドはズタズタに切り裂かれ、跡形もなくなっている。 だからもう。 失うものはないんだ。 「あの、環さん! 本当に、ありがとう、ございます」 と言ってみては隣に移動して。 彼女の顔を窺うように首を傾げて笑って。