R 2021-05-06 00:07:27 |
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そうしたいのは山々なんだけど、鍵は無くしたから外したくても外せないんだよね。だから暫く我慢してよ、流石に何も食べないのはお腹空くと思うけど
(如何にも信用していないと尖った視線を向けられるもののこれといった抵抗は見受けられない。名前の由来だった王子様らしい爽やかな表情は見られないが、ある意味取り繕う必要がないと判断されたも同義。悪くない傾向に見える。腰に回した手を揺らしわざとらしく鎖の金属音鳴らせば二人が繋がれているのだと改めて相手に伝える。鍵を無くしたのは嘘だが現在所持してないのは本当だ。相手を宥めるように言葉を紡いでは少しだけ腕の力を緩める。それに幾ら相手が容疑者といえ、いきなり見知らぬ部屋に閉じ込めてしまった負い目もあり心配するように呟き。「心配なら一緒に作る?」と更に言葉続け)
そうだよな、まだなぁんにも聞き出せてないのにここで俺に死なれちゃ金が入ってこないもんな?…元から話す気なんて無かったけど、余計話す気が無くなった。飯も食いたいなら1人で勝手に食ってくれ。
(…まるで心の底から心配しているような優しい声と表情。なまじ美人なだけに憂いを帯びた顔は大層絵になるし、人によっては心を揺さぶられるのだろう。…しかし、自分には甘言を餌に人間を堕とそうと企む悪魔にしか見えなかった。与えられた厚意を冷たく突っぱねて馬鹿にするように言葉を捲し立てた後、腕の拘束が少し緩まったのを良いことに多少無理矢理にでも体を捻って腕の中から抜け出す。相手のことなんて考えずジャラジャラと金属音を鳴らしながら、冷たい床に腰を下ろすと壁を作るように背を向け頑なに食事を拒み、)
…、随分嫌われちゃったかな。 なら何かあったら声掛けてね。
(自らの腕の中から逃げられてしまい、冷たく突っぱねられると落ち込んだトーンの声でぽつり呟いて。少しがっつき過ぎたかもしれないと脳内反省会を始めながらもなってしまった物は仕方ない。これ以上構えば余計傷を深めるだけな気がしてほとぼり冷めるまで放置した方が得策だと結論づける。さっきまでグイグイと絡んでいた所から一転大人しく引き下がって上記だけ伝えれば相手のいなくなったソファに寝転んで鎖が伸びる分だけ距離を取ってスマホ弄り始め)
(離れた相手の気配に少なからず気が抜けて無意識に強張っていた体から力が抜ける。ポケットには携帯が入っているし、この部屋にもテレビや雑誌などと言った暇潰しになりそうな物はある程度揃っている。…しかしこの状況下では何もする気にはなれなくて、壁に体をそっと預けると細く息を吐き。休憩がてら瞼を閉じたが、普段の不規則な生活のせいか。窓から差し込む心地の良い日差しに、眠気が忍び寄ってくる。うとうと…やがて静かな部屋に小さな寝息が聞こえ始め、)
…、……
(一度距離を置こうと考えた作戦。ニュースサイトを見るフリをしながら現段階の状況を仲間に報告しておく。そのまま監視を続けるように指示が下り如何にして心を開いてもらおうかと考えた所でやけにへやが静かなことに気づく。鎖の音が鳴らないように慎重に起き上がり相手の様子伺えば先程まで睨みつけていた瞳は閉じられ、寝息も聞こえてきた。完璧な犯行の後に見知らぬ人に閉じ込められ気を張っていたのだろうか。こうして寝ていれば顔が整っている事が嫌でも分かり、実年齢より幾らか幼くも見える。いつの間にか観察するようにまじまじと寝顔を見てしまっていて、無意識に相手の髪に手を伸ばして優しく撫でていて)
(職業柄普段ならどんなに些細な物音でも敏感に反応するのだが鎖が微かに揺れる音がしても寝息を立てる以外微動だにせず、パーソナルスペースへの侵入を許し。頭に何かの感触がして漸く瞼をゆるりと持ち上げる…が、ボヤけた視界のなかに見えた探偵の顔に思考が固まる。考えるより先に防衛本能が働き咄嗟にナイフを取り出そうと、ポケットに手を入れて中をまさぐり。しまった、あろう事かこんな所で寝こけるなんて。いつの間に…何でコイツは人の頭を撫でているんだ。思うことは数あれど、動揺を隠すように子生意気に笑ってみせれば己の頭に置かれた手を軽く掴んで、)
人の寝顔をまじまじと見るのは感心しないな。…つーか、この手は何?
ごめん、起こしちゃった? …その、何となく撫でたくなったというか
(何が起こってるか分からないといった相手の視線と交わって漸く自分が相手の頭を撫でていたことに気付く。せっかく気持ち良さそうに寝ていた所に邪魔をしてしまったと謝罪の言葉を挟み、ポケットに手を突っ込んだ仕草にも注意を配るが何故容疑者である彼に手を伸ばしたのか自分でも分からずつい意識が其方に向かう。当然出るであろう相手からの問いに今までの毅然とした態度とは裏腹にハッキリとしない態度で回答をする。掴まれた手を解かずに今一度相手の顔に視線向けると「王子君の髪ってふわふわしてて気持ち良さそうだし」と無邪気に笑って見せて)
何だそれ、犬猫でも飼ったつもり?鎖までつけてさ、俺は不破サンのペットじゃないんだよ。
(途中でナイフは捨ててしまった事を思い出しポケットから手を出し。歯切れの悪い返答といい冒頭で見せたハッとしたような表情といい無意識に殺人犯の頭を撫でていたらしい、彼は。人のことを言える立場では無いけれど仮にも探偵で危機感が薄いな、と。…とはいえ、何だかその事実に多少気が抜けて手首を離せば、今回は鎖を引っ張るのでは無く自ら身を寄せて空いた距離を少しだけ埋め。「…ここにある物は食いたくないけど、腹が減ったよご主人サマ。」このまま飼い殺される気なんて毛頭無い、どんな手段を使ってでもいつか必ずこの檻から逃げ出してみせる。それを信じて疑わないが戯れにご主人様と呼んだ相手に食事の催促を行い、)
ペットか、そういうつもりは無かったんだけどね。…なかなか犯罪臭のする呼ばれ方だけど、なら何か買いに行く?
(毛並みが綺麗だから撫でてみたくなった、だなんて確かに犬猫に対する扱いみたいだ。同性でそれも殺人犯に対してそんな事をするなんて随分と疲れているのかとも思うが同時に悪くもないと思う自分もいて。へらりと笑いながら言葉紡ぐも今度は彼の方から手首を離され近付いてきて内心少し驚き。続いて冗談混じりに“ご主人様”と呼ばれるとむず痒いが、茶化すような呼び方は少し近寄ってくれたようにも見える。苦笑い零しながらも食事の催促に1つの案を出す。せっかく閉じ込めた部屋から出すのはリスキーではあるが、この手錠がある以上自分から離れる事は出来ない。それにまずは直接的な危害を与えるつもりはないと分かってくれるのが大事だ。「何か食べたいものとかある?」と話を続けて)
…おや、外出してくれるんだ?あー…食べたい物、か。
(自由に手錠の施錠が出来ない以上、何かするとなった時は必然的に相手と二人三脚で一緒に行動しなくてはならない事は分かっていた反面、このままずっと監禁生活が続くような気さえしていたから外に出られるのは素直に嬉しい。お芝居感は拭えずとも瞳を三日月形に細め上記を述べ。次の目的が決まれば早速ゆっくりと重たい腰を上げその場に立ち。食べたい物は考えてみたのだが、自身の性格上パッとは思い浮かばず。「…自分から言っといて何だが思いつかないな。あんまり頓着が無いんだ、コッチの飯とかもよく分からないし…。」とあまり良い返答が出来ないことに軽く肩を竦めながら呟くようにポツリ、)
人目がある所なら下手なことは出来ないでしょ。簡単に食べられるといったらハンバーガーとかラーメンとか? あと日本らしい物なら回転寿司とかもあるけど
(瞳を細め何処か嬉しそうにする表情に一瞬目を奪われる。多少演技は混じっているだろうが案外素に近い物なんだろうか。あくまで自分の監視下だと牽制をかけて浮かれた事をしないように釘を刺しながらもその口元は弧を描いていて。立ち上がった相手に続いてこちらも立ち上がり簡単に出掛ける準備する。仲間にも一旦外出する旨をこっそりスマホから送っておく。一方で食べたい物が思い浮かばない様子に気づけば、食の好みが分からない以上幾つか案を出して様子伺い。)
本当に食えるなら何でもいいんだけど…ん、それじゃあスシにする。確かこの近くにスーパーあったろ?
(雉も鳴かなければ猟師に撃たれることはないのだ。人前だから変な気は起こさないだろうと、ある種こちらを信頼してくれていると見ても良さそうな相手にバツの悪そうな笑みを携えたまま、身支度を整える様子を観察するように目で追いかけて。…外には出たいが、だからと言って人が集まる場所に長居したくは無いため、寿司屋を切り捨ててここに来る途中に見かけた大型スーパーに行きたいと強請ってみる。色良い返答が貰えるか分からないもののパーカーのフードを目深に被り顔を隠すと相手の準備も終わったみたいなので玄関に足を向け、)
あー、あのスーパーか。良いよ、そこにしよう。
(相手の発言から前に買い出しに出かけた事のあるスーパーだと思い当たる。ここからの道順も覚えているはずだから疑われる要因にはならないだろう。それに確かにあの場所なら基本的な物なら何でも揃いそうだ。快諾すれば相手もフードを深く被って準備が出来たようだ。玄関で靴を履き外に出るが改めて屋外だと2人を繋ぐ鎖がよく目立つ。人目のある場所は危険がない一方で“この状態”を一般市民が見ればそれこそ異様な目で見られるのは避けられない。それならば、と鎖を短くなるように持って軽く相手と手を繋いでしまう。これも注目を集めそうな状況だが仕方ない。「じゃあ行こうか」と何も気にしてないと如く爽やかな笑み浮かべればスーパーに行こうと歩き始め)
──おい、待て。どうして手を繋ぐんだ、離せよ。
(部屋から出た途端さも当然のように枷ごと手を絡め取られて咄嗟に理解が及ばず、唖然としていて。そのまま何食わぬ顔でスーパーへ向かおうとする相手に流されて自分も1歩、2歩と踏み出してしまうもののこれ以上は進ませてたまるか、と慌てて立ち止まり。何が悲しくて男同士で、それも現状の発端となった相手と手を繋いで歩かなくてはならないんだろう。外出が出来る喜びで一旦は落ち着いていた恨みやら警戒の心に再び炎が灯り。…一方でここで揉め事を起こせば近隣の住人が駆けつけてくるかもしれない。他人の視線を恐れ下手に声を荒げたりはせずジト目で探偵を睨むだけに留め、)
流石に鎖丸出しで外歩くわけには行かないでしょ。こうした方がまだ注目を集めないと思うけど
(立ち止まった相手に引き止められる形で足を止める。此方だって好んで手を繋いでいる訳ではない。容疑者と直接接触するというグレーに近い捜査方法を行っている以上あまり目立つ訳にはいかない。それはきっと相手も同じ事だろう。小さく溜息をつけばこの状況に至った理由を説明し、相手にもメリットがある事だと主張する。繋いだ手はそのままで、だ。少し考え込むフリをしてから「……嫌だった?」と1歩引いて気遣う言葉と共に首傾げ)
───、
(このまま歩いたら目立つ、確かに相手の言う通りだ。もっともな正論に何も言い返せないのが悔しくて苛立ちに拍車が掛かり、元から険しかった表情が余計に不服げに歪んで。…嗚呼、こんなことなら大人しく部屋にいれば良かった、と己の浅慮な言動を激しく後悔しつつ渋々観念し、相手の手ごと纏めてパーカーのポケットに拳を突っ込み。それから露骨に嫌悪感を示してる奴に、嫌かどうか訊ねてくる彼に冷めた声で「…言ったところでどうせ離してくれないだろ。」とだけ述べさっさと買い物を終わらせるべく歩き出し、)
…ん、大分俺の事理解してくれてるんだ? まあほんの数十分だからさ。
(初めて会った時の青少年の面は何処へやら、不満を全面に出した表情をしている。好意的な対応でないが下手に取り繕われている時よりはやりやすい。渋々と言った様子で引き込まれたポケットの中は思ったより温かくて少しビックリしてしまう。殺人犯なのに温かいんだな、なんて何処かズレた感想抱きつつも冷たく指摘された事に対してはへらりと軽い笑みと共にわざと前向きな捉え方をして。歩き出した相手を追いかけるように隣に並んでマンションを降り、道に出る。世の中の人はさほど他人には興味が無いようで通りかかりの人から特別好奇な視線に晒されることもなく、スーパーが見えてくるとこまで歩いてきて)
(伝え聞いていた通りマンションからスーパーまでの道のりはそう遠くは無くあっという間に着き。とはいえ、おたずね者の自分にとっては短い距離でも命懸けの大冒険であり、前方から人が歩いてきた時の居心地の悪さと言ったら…。更にこれから人が多いところに行くと思うと気が重くなり、知らず溜め息がこぼれる。ここまでは特に何とも無かったが、混み合う店内では流石に人の目を避けては通れず時折こちらに投げられる興味の視線が痛い。フードを被っている自分はともかく隣にいる相手は顔を隠していない。オマケに端整な顔立ちが余計に人目を引き、相手の後ろを歩く事でさり気なく盾にしつつ、)
荷物、半分持つから飯以外の物もまとめて買おう。こんなところ毎日通うなんて絶対にゴメンだ。
了解。…そんなにこの状況イヤ?俺は案外楽しくなってきたけど。
(店内は大型スーパーということもあって人は随分と多い。男同士で手を繋いでいる状況など本当の自分の家の近所なら御免だが見知らぬ土地という事もあってそこまで気にはならない。それどころか注がれる興味の視線から隠れようとする相手の行動を見るのが面白いとさえ思う。それが仕事の情報収集の域なのかこじんしての興味なのかはハッキリとしないが。そんな相手と繋いだ手をもう一度握り直しては揶揄うように声を掛ける。周りの目など気にせず堂々と店内を歩けばひとまず当初の目的だった食料品コーナーに辿り着き。「なんか食べたいのとかある?」と食品を前にして今一度問いかけて)
生憎アンタと違って変態…っと、失礼。スリルは楽しめない、平々凡々な人間なんでね。
(売り言葉に買い言葉。体を張って追いかけるに値しない、つまらない人間なのだと暗に伝えることで彼の探究心が他の対象に逸れることを切に願いつつ、人混みを潜り抜けてゆき。お目当ての食品コーナーにやって来たところで、何故か同じ問いを投げ掛けられた為訝しげな表情を浮かべて。「さっき言っただろ。それより飯選びなよ、まだ決まってないんだろ…?」いくつかある寿司パックの中から好みの物を手に取り、買い物カゴに入れれば人の事を気に掛ける相手にぶっきらぼうに言葉を掛け、)
(/私情でバタついていましてお返事が遅くなってしまい大変申し訳ございません…!)
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