匿名さん 2021-05-04 11:37:06 |
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んぶっ…!?げほっ、げほっ、
(ワインを口に含んでいる最中、唐突にその友人のことは好きなのかと問いかけられればあまりにも不意打ちのことだったので思わず吹きこぼしてしまい。相手にとってはあからさまな反応に見えてしまっただろうか。吹きこぼしてしまったことで濡れた口元を拭いながら「好き…なんてことはないよ。そいつはただの友達だ。」とアルコールで気が大らかになり過ぎているためか相手の威圧に気づくことなく嘘偽り無い自分の心を述べて。「まぁ、いいやつではあるんだけどな。」と、一応満更でも無いように述べては「これけっこう酔うんだなぁ。」と慣れないワインを飲んで結構酔ってきたのか野原に寝そべって一つ深呼吸をして。)
早よ、その子お迎え行ってあげなあかんなぁ。( 揶揄うような言葉と表情を作るがあからさま過ぎる反応に胸を抉られるような感覚、満更でもない言葉も追加されると抉られるような感覚は増し酒に酔ってるわけではないのに頭は重く、視界は霞み呼吸は出来ているか心配になるほどの気持ち悪さが全身を犯し。何故ヒトの事を聞いてしまったのか後悔の念に駆られては、相手に出会う前の独りの時に戻りたいと切に願い。)
…お月稀さん?
(草原を駆ける爽やかな風を肌に感じながら、横になっていると隣の相手から、なんだか様子のおかしい言葉が返ってきて。たしかに満更では無いと言ったがそれは親愛の感情ではなく友情の感情であり、友人とそういう関係を望んでいるのでは無い。相手を少々誤解させてしまっただろうかと不安に駆られてはその誤解を解こうと起き上がり、「お月稀さん。俺は…。」となにかを言いかけた瞬間、時間差でアルコールが効いてきたのか後ろにパタリと倒れて、今日はもうギブアップのようで。)
顔を逸らしながらも相手の姿は視界に捉え、相手からの呼び掛けを無視するように黙り込み。好意を寄せても結局ヒトには敵うはずもなく、それでも僅かな希望に期待している己を哀れなものだと囃し立て。相手は何かを伝えたかったのか声が聞こえたものの瞳に映っていた姿が消えると「おにーさんまた酒に呑まれて…阿保やなぁ。」と小さく微笑むと頭を撫でてやり)
社は安全やからそこで寝かせたるけど、そこでさよならや。(と呟くように告げると念力で社まで運ばずに、最後に相手の温もりを感じようと相手の背中と膝裏に己の腕を回し引き寄せると成人している男性をひょいと抱き上げては社に向かって歩み。)
(夢現の意識の中、朧げに感じられたのはまた先日と同じようなふわふわと浮いているような浮遊感。しかし今回はそれに加えて人肌の暖かさも感じられ、それが不明瞭な意識でも心地よく感じられては口元が緩んでおり、一体どんな夢を見ているのか「ふ、ふふ…お月稀さんは暖かいなぁ…。」と寝言をこぼしていれば片方の手で相手の白無垢を力強く握っており、やがて社の中に寝かせられてもそれが外れることはなく。)
気になるヒトおるくせに…うちを誑かしてるん?( いつもなら喜ばしく思う言葉。それが今では皮肉に感じては深い溜息を漏らし。思い返せば気持ち良さそうに寝ているこの相手はお人好し過ぎるヒトで、孤独な己に気付いて気に掛けてくれているだけだと嬉しかった優しさを有難迷惑だと変換され。「おにーさんにまんまと遊ばれたんやね」と告げ薄ら笑いを浮かべ。皺が作られそうな程に白無垢を強く握られるとまたも溜息を漏らし、物理的な力で外れないなら念力で外せば良いかと考えるも物体を自在に動かせても白無垢から手を離す事は不可能だと考えては相手の手が離れ解放される隙を待ち。)
ん…。
(また夢を見た。また、この社から相手が去っていく夢。あの時と同じように声は出せず、走っても相手に近づけず、森の奥へと消えていく。同じような夢を何度も見るのは何かの暗示なのだろうか。どうやっても夢の中の相手を引き止めることはできないのか。そう問いかけては夢の中の自分は折れてしまい、諦めの倦怠感から、現実の自分の手は相手の白無垢から手を離してしまい。)
(/このあとあたりから、お月稀様が去っていくシーンにしますか?)
この子らとさよならは、考えたら悲しいなぁ。( 白無垢を強く握られ解放されそうになかった状況は意外にも簡単に解放され。相手はどんな夢を見ていたのか不明だが、誰かを求め呼んでいるようには感じられ、あの想い人の女の事かと解釈し。解放されると皺が気になっては白無垢を隅々まで凝視しては叩いて皺を伸ばし、今一度「もうここに来たらあかんよ」と念じるように相手の耳に囁き、共にピザを食べたあの野原へと戻ると月明かりに照らされては静かに呟き。この子らと比喩するのは己が住処とする社の草花たち、以前に相手から受け取った一輪の花も含まれ。あの花だけは連れていこうと考えたが己の都合に付き合わせるのは勘弁だと考え何よりそれは未練がましく感じると諦め。)
(/そうですね。完全に去ると永遠に逃げ続けて見つけてもらえないと思うので、逃げずにどこかに佇むようにしておきます。)
…っ!?はぁ…!
(夢が途切れたところで苦しそうに飛び起きればそこは自分以外誰もいない社の中で。今回も見た夢をハッキリと覚えている。しかし以前と違うのは最後に見えたのが相手の寂しそうな表情。まだ。まだ自分は相手の心からの笑顔を見ていない。ひとまず相手はどこに行ったと、まだアルコールに惑わされている体に鞭打って社の外へと相手を探しに行き。月明かりによく照らされている外は満月のため、思いの外明るく遠くまで見える。あたりを見渡していると、満月に向かってこちらに背を向けて歩いている相手がいる。しかし、その風景は夢の中の状況と一致しており、まさか正夢になるのかと、背筋に一筋の冷や汗を流しながら「お月稀…さん…?」と恐る恐るその背中に声をかけて。)
(/了解しました。夜の満月の下でお互いに理解し合うというのもいいかなと思ったので、まだ夜の時刻で進めております。)
ん?…あぁ、おにーさん起きたんや、おはようさん。( 声を掛けられ相手は探しにくると予想がついていたのか驚きもせず、声のする方へ振り向くといつもの控えめな笑顔を見せて。街灯もない山奥の野原、満月がよく映えては道標のように照らしてくれ。月明かりに照らされる白無垢姿は美しくもその影が儚さを表し。相手から去ろうとしていた事は悟られたくないと何食わぬ顔で「ふぉんでゅ?やっけ、楽しみやねぇ」と緊張を解すように言葉を掛けて。)
(/夜は雰囲気的にも素敵ですからね、承知しました。)
っ…!
(何食わぬ顔で先刻教えたチーズ料理が楽しみだと述べるが、表情と言葉が合っていない。何度目だろう。相手の儚い表情を見るのは。今相手をここに繋ぎ止めておかなければどこかに飛んでしまいそうなほどで、それを止めるために足を動かそうとして。しかし、夢と同じように足が動かない。どうやら夢の中の出来事がトラウマになっているようで、足がすくんでいるのだろう。また。また相手を止めることはできないのか。また夢の中の二の舞になってしまうのか。「(違うだろう!これは現実だ!)」と、そうはさせてなるものかと自分に喝をいれ、動かない足にきつけをして、そうして動くようになった足を動かして相手に歩み寄り、相手の腕を捕まえて「言葉と表情があってないよ。」と、いつもより真剣な顔で述べれば続けて。)
ねぇ、お月稀さん。なんでそんな寂しそうな表情するの?
(/ご了承、ありがとうございます。)
寂しそう?…ずっと独りでおったから、そんな顔が貼り付いてしもたんかなぁ。( 歩み寄ってくる相手から離れようかと考えたが、逃げてしまえば認めている事と同じ。それなら真正面から受け止め己の存在を諦めてもらおうと覚悟を決めたが腕を掴まれ「言葉と表情が合っていない」と指摘されれば見透かされているのだろうかと危機を感じては鼓動が速くなり、それでも誤魔化すように「お月様がそう見せてるんやろね」と夜の満月の下だから錯覚しているのだと伝え。寂しそうな表情、相手にはそう映っているのだろうか、己としては無意識で化かすには未熟だったなと学び次は相手を上手く騙してみせようと思ったがすぐに、今日で最後なのだから騙す必要は今後来ないかと駄目出ししては、それが面白く可笑しく口元緩ませ。)
なら、これからも俺がずっと一緒にいるから。だから、そんな顔しないでよ。
(ずっと一緒にいた。それが一体どれほどの長さなのかはわからない。けど、独りでいることの辛さはよくわかる。なら、相手がずっと独りでいた分、一緒にいてやると宣言して。相手の表情は夜空に輝く満月がそうさせている。そうやって相手はごまかすが「じゃあなんで最初にここで会った時もそんな顔してたの。」と、あの白昼で晒していた寂しげな表情は誤魔化せないだろうと切り返して。ひとつ、大きな深呼吸をして、相手の正面に立って両肩に手を置き「お月稀さん…、お願いだから、何か抱えてるなら教えてよ。独りで抱え込まない…で…よ。」と、言葉を紡ぐにつれて涙声になるように吐息をこぼすように話せば「この前見た夢…泣いてた夢ね。あれ、お月稀さんが俺の前からいなくなった夢だったんだ。ちょうど今してるような顔しながら、どこかに消えていった夢。」と、相手が勘違いしていた夢のことを途切れ途切れに話せばついには大粒の涙を流し。)
夢の中でも、この現実でもお月稀さんにそんな顔してほしくないよ。
一緒に…?ーーー…ううん、一緒におるのはあかんよ。生きてる世界がちゃうやろ?( 一緒に居るという言葉に偽りは感じず相手の本心だと気付き希望に満ちたが、ヒトの姿をしていても己は鬼で目の前の相手は鬼ではなくヒト。人種が違う訳ではなく姿は似ていても生物としてそのものが異なる。抱えてる事、己がヒトではなく鬼であること、それを今晒し抱えてる事から解放されて良いのだろうかと葛藤するが、鬼である事を相手が受け入れてくれる確証はない為に「抱えてること、あらへんよ。うちはうちやさかい。」と隠し通す事を決めて。)…っ。おにーさん、夢は夢なんやから気にしなさんな。これやと幼子やなくて、赤子やで?( あの時の夢の内容、身近な人がどこか遠くに行ってしまう夢。それが己だなんて信じがたい事実で疑いたくなったが、大粒の涙を流すお人好しで素直な相手からの言葉に嘘だと感じられず。この空気感、ヒトの扱い何が正解なのか答えは分からず困惑し。ただの夢だと伝え、頭を撫でて安心させたい、涙を拭ってやりたい、兎に角触れては安心させたいが触れるのを恐れ。)
…世界が違っても、今もこうやって一緒にいるじゃないか。
(相手は自分と己では生きている世界が違うと述べた。しかし、だからといって一緒にいることがダメなどとはならないはず。現にこうやって今も一緒にいるし、これまで晩酌を共にしてきた。「酒だって一緒に呑んだし、チーズも一緒に食べた。一緒にだ。」と、これまで相手と過ごした時間を思い出させるように「一緒に」を強調しながら言えば「お月稀さんは俺と一緒にいるのは嫌なの?」と、半ば告白の様な台詞を述べてしまうのはまだアルコールが残っているからだろうか。相手は抱え込んでいることなど一つもないと隠し通せば、それほどまでに相手の心の錠前は硬いのか、それとも知られたくないことがあるのか。と、また無力感を感じて。)
幼子でも、赤子でもいい。俺はお月稀さんと一緒にいたい。
(夢は夢でも、今まで見ていた夢の状況と、先程の状況から、これは正夢になりかかっていた。それが思い過ごしだとしても、夢の中での後悔を繰り返すようなら幼子でも赤子でもなんと言われたっていい。そう述べた後「それに、まだ名前も呼んでもらってない。」と、いつしか相手が述べていた、名前は来るべき時が来たらーー。と言っていたが、このままでは自分の名前を呼ぶことなく相手は去っていきそうで、その約束を反故にするのかと、相手の肩にかけた手に力を込めながら訴えかけており。)
一緒におるのは好きやで。でもな、おにーさんが思ぉとる一緒と、うちが思ぉとる一緒は多分違うんよ。( 相手が言う一緒とはその時の時間を共に過ごした規模の小さいものだと考えた。それとは別に己にとって一緒とは常日頃と一生に近く重い。孤独を逃れようとした結果依存性の高く独占欲の強い自分が出来上がってしまい嫌悪を感じ。己の正体を知らない相手に一生を共になど請う事は出来ず、曖昧な答えを出しては「おにーさんの事信用してなくて、ごめんなぁ。」と抱えている内容について曝け出せない事に謝罪を述べては俯き。名前の事まで覚えていたのかと少し驚き。来る時が来たら、それは愛し愛された時に名で呼ぼうと考えてはいてその時には己の事にも『お月稀さん』ではなく『月稀』と呼んで欲しいとも思っていたが、今の有耶無耶な関係性では名を呼ぶ事は不可能な為「名前は…呼ばれへん」と俯いたまま目を逸らし。)
…お月稀さん、顔あげて。
(こちらがどう説得しても、相手は拒み、拒絶する。少々言い回しが回りくどかったか。謝罪し、俯き、名前さえも呼んでれない相手にもう自分の心の底を曝け出そうと覚悟を決めれば相手にそう声をかけ、そして顔を上げた相手と目が合えば「お月稀さん、俺はお月稀さんが好きだ。愛してる。」と、何の捻りもなく、清々しく、素直な気持ちを言葉にして。「一緒に酒を飲んでる時も、何かを食べてる時も、俺にとっては全部幸せな時間だったんだ。」と、これまでの時間を思い出しながら紡ぐ言葉は自分にとっては至福の時間であったことを告げ。)
俺は一生、お月稀さんと一緒にいたい。
…っ。うちも好き、おにーさんのこと。ううん、宙の事好き。ーー好きやけど…( 自分はヒトじゃないとは言えず口籠もっては角を隠している綿帽子を強く握り。相手と目が合った時、気不味く目を逸らしそうになってしまったがその真剣な眼差しに吸い込まれると目を逸らすことは出来ず。香水の香りを纏っていた時匂いの持ち主が女で、その女と時間を共にしていた事を知った時、己の勝手な勘違いで嫉妬しては憎悪に囚われていた。思い返せば相手は女のヒトの事を「ただの友達」と称していたのに信じなかった事を後悔し。「一生なんて言われたら、うち…宙の事求めてまうよ?」独占欲が刺激されるのを感じ、ただのヒトではなく愛するヒトとして見てしまうと何故か心が抉られるような感覚、嬉しいはずなのに体内が何かを求めては相手を傷付けてしまいそうで、良からぬ気持ちを制御しては忠告し。)
やっと呼んでくれた。
(相手が初めて名前を呼んでくれた。そしてこちらのことを好きと告白してくれた。こちらの願いが通じたこと、そして相手と気持ちが繋がり合えたことに感極まったのか笑い泣のように涙ぐみ。相手はまだなにか隠しているのか、綿帽子を強く握りしめる相手の手に自分の手を重ねれば、「…まだ、いいんだよ。言いたくなった時でいいから。」と、相手にもなにかのっぴきならない理由があるのだろう。それならそれを相手が話してくれるまで待つと、今は貴女と一緒にいることが大事なんだと述べて。「求めてしまうかもしれない。」その言葉に含まれた本当の意味は今はまだわかっておらず、「求め合うのが恋人だろ?」と、お互いに一緒の時間を過ごす、お互いを求めるのが愛の形であると述べれば。「俺はお月稀さんの全部を受け止めるから。だから一生、一緒にいてくれるかな?」と、改めて相手の返事を聞いて。)
うちは酷い勘違いしてた…宙はあのヒトの事を好きやと勝手に思い込んでたんよ。( 香水の香りを残してきたあのヒト、彼女が想い人だと誤った解釈をしていた事を素直に伝え。相手は己の事をヒトと思って愛してくれているのか、ヒトではない何かと理解した上で愛してくれているのか真相は分からないが綿帽子に隠している角を見せれば抱え込んでいた秘密から解放され苦しむ必要は無くなる。相手は優しく待ってくれるが打ち明けるべきか否か葛藤したが、今は打ち明ける為の心の準備は整っていない。綿帽子を握る手に相手の手が重なると今この至福の時を共有したい気持ちが優先され「ほな、お言葉に甘えるわ。いつかはうちから言うさかい。」と伝えたが、相手が鬼と知り離れていく可能性を考えると綿帽子の中は永遠に隠すべきなのかと考え。全部受け止める、一生一緒だと響いてくる相手からの言葉は孤独だった心を的確に消失させてくれた。ゆっくり背伸びして顔を近づけていくと、そっと唇を触れさせ重ねては「うちの答え。宙が鈍感さんちゃうかったらええけど、分かってくれたやろか?」と素直に二つ返事で了承せずに試すように揶揄ったが、相手は食物ではないのに何故一瞬そんな目で見ては欲してしまったのか昂ぶる気持ちを落ち着かせては奇妙な己の身体を不審に思い。)
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