理仁 2021-05-01 16:25:36 |
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えっ……だめ?
…もしかして、緊張しちゃう?意識してる?
(断られるという選択肢が無かった訳では無いが、彼の恥ずかしいという言葉に少し首を捻った。今まで男同士の裸の付き合いが無かった訳では無いだろう、これが異性ならばいきなり一緒に…という気持ちは理解できるが、何故か…と考えた末に行き着いた予想が口走り、彼の見えぬ位置でニヤニヤと笑みを零し。だが、それをすぐ仕舞い込むと今度は捨てられた子犬のような視線を彼に送り、少し甘えるような声で彼に強請り出す)
でもなぁ…僕は一緒に入りたいなぁ……一緒にアレ、したかったなぁ…ねぇ、だめ?
そっ…そんな目をしてもダメです!入りませんったら入りません!
(緊張はしてしまうが、意識……はしていないはずで。図星を取られギクッとなるも顔を背けて誤魔化した。しかし甘えるような声と捨てられた子犬がこちらを縋るような目で見てくる時の視線がグサグサと自分に刺さり振り向きそうになる。それでも耐え、また一緒には入らないと拒否をして)
うーん…じゃあ、お風呂見てからもう一回考えてよ?
ちょっと来て!
(尚も貫き通す彼に少し唇を尖らせ文句を垂れるも、早々折れる気は無い気持ちが体を動かす。ぱっと彼から離れれば正面に移動し手に持たれたままの本を奪いテーブルに置くとその空いた手を取り立たせた。あの楽しそうな空間で一緒に入るプレゼンをしようと考え足取り軽く浴室まで連行するとその扉を開いた。中には、薄く湯気が立ちこめる中にもこもこと白い泡が溢れる湯船、それを見守るように黄色いアヒルがへりに3匹並んでいる。それを彼に見せるとくるりと振り返り満面の笑みでプレゼンをした)
見て!泡風呂にしたんだけど、これ絶対2人で入る方が楽しくない?泡でお互いの頭に耳作ったり帽子被せたりさぁ!
ねぇ!__ねぇねぇ?どう?
うっわ…すごい……。泡風呂なんて初めてみた……。
(あっという間に本を机に置かれ、手を取られると浴室へ誘導される。「わわっ」とびっくりしつつついて行けば浴室の扉を開き、中を見るよう促される。中は湯気に紛れて浴槽をモコモコの泡が多い、可愛らしいアヒルが3匹丸い目で見つめていた。まさかのサプライズにすごい、と目を輝かせていると追加で言われた彼からの提案にそわっと心が動いた。泡風呂に入ることも、その泡で面白いものを作って遊ぶのも憧れがあり入ってみたかった。でも恥ずかしい…だが一緒ならもっと楽しいだろうな……と泡風呂で遊ぶ楽しさと恥ずかしさを天秤にかければ遊ぶ楽しさの方が勝り、照れながら一緒に入ることを了承して)
恥ずかしいですけど、楽しそうなので一緒に入ります、ね。……変な行動しても笑わないでくださいよ。
あははっ、変な行動って何?
安心して、思いっきり笑ってあげるから!
(目の前に広がる泡風呂の光景に目を輝かせる彼を横目で見てはプレゼンの成功ににこりと笑う。まさかの泡風呂が初めての体験である、という事も功を奏したのであろう、早速脳内では彼を泡だらけにして遊ぶ計画が膨らんだ。彼は変な行動と言うが、多分己もそこそこイタズラをするであろう、楽しいバスタイムに想いを馳せては更に声を掛け自然とその場を後にし)
先に入ってて良いよ。備え付けてあるものも、全部使って大丈夫!
…それに、恥ずかしいんだったら早くお風呂に入れば全部泡が隠してくれるし?なんて。
僕、パジャマとかいろいろ用意してくるから!あ、下着は持ってきてね?
えぇ…勘弁して下さいよ。
まったく、…分かりました。じゃあ先に入ってますからあんたも早く来てくださいね。
(笑わないでほしいと言ったのに、思いきり笑ってあげるとは…やらないで欲しいのに真逆のことをするのは彼の性分か、自分のせいか。けれどもいっその事腫れ物を触るように優しくされるより思い切り笑われる方が清々しいのではないかとふと思った。まったく……と慣れたように息を零せば言われた通り先に入っておくことを伝え、彼にも早く来るように伝える。自然と彼が脱衣所から消えれば自分も下着を取ってこようと部屋に向かい、眼鏡をおいて必要なものを持って浴室へ向かった。パパッと服を脱ぎ、浴室へ入ると熱い熱気と共にほのかに甘い匂いがして湯船に入るのが楽しみになってきた。頭と体を洗って湯船に入ると「はぁー……」の息を吐き出して体の力を抜く。ふわふわとした泡を両手で掬うと、それにも息を吹きかけてと飛ぶ様子を楽しみながら彼が入ってくるのを待ち)
(バスローブにパジャマ、どちらも柔らかくふかふかな質感を確認し脱衣所まで運ぶと既に楽しげな雰囲気が浴室から伝わってきた。どうやらお気に召してもらえたらしい、その気持ちがこちらにまで伝染して自然と頬が緩み目尻が下がる。始めこそは嫌そうな感じを出していたが、今では少しでも楽しんでもらえているようで恋人1日目としては上々のスタートを切り出した気がした、このまま3日間無事に終え、良いデータが取れる事を祈りながら衣服を脱ぎ全裸になると腰にタオルを巻いて浴室に入り)
ふふっ、楽しんでる? すごいあわあわだね!
(既に泡を飛ばし遊ぶ彼に笑えば、自分も早く参加しようと全身にシャワーをかけ頭や体を洗い出した)
はい、すっごく楽しいです。泡風呂ってこんなに楽しいんだ……初めての体験なのでドキドキします。
(息を吹きかけて空中に浮かぶ泡を眺めていれば、彼が腰にタオルを巻いて浴室に入ってきて楽しんでる?と尋ねてきた。それに何度も頷き、今の自分の気持ちを伝え、初めての体験に胸が踊っていることも伝えた。ふと彼の体に目がいき、横目で見てしまう。確かにリビングで彼の言った通り鍛えているようで焼けていない色白の肌だが均等に筋肉がついており、"脱いだら凄い"のは本当だった。自分の筋肉のあまりない薄い体と見比べちょっと落ち込みつつ、何となく悔しく思って浴槽から手を伸ばし無防備な脇腹を突っついて)
そっかぁ、ラブホの泡風呂なんて七色に光るよ?__って、こら!
(予想以上にはしゃぎ泡で遊ぶ彼が無邪気で可愛らしく、にこにことその様子を観察しながら洗った体をシャワーで流す。そういえばラブホのお風呂は七色に光っていた、そんな端っこの記憶が蘇ると今度は七色の泡で遊ぶ彼の姿を想像しては笑って声を掛けて。だが、全てを洗い流し、ふぅ、と一息ついたところで彼の伸びる手が視界の端に飛び込み、何だろう?と思った矢先には脇腹に攻撃をしかけられ一瞬の驚きにピクリと体が跳ねた。振り向けばかち合う視線、これは倍返しをしなければ、と己も広い浴槽に入れば彼に反撃を開始して)
悪い子にはぁ……こうだっ!!
(両手で大量の泡を掬い、それをふぅ、と吹き掛ければそれは盛大に飛び散り、彼が泡まみれになってしまう。その姿を見ては腹筋を震わせ満足そうに笑った)
うわっ!ちょ顔…っ、仕返ししては酷すぎませんか!?
(彼の脇腹を突っつくと跳ねた体にニヤニヤしていれば、彼も浴槽に入ってきて大量の泡を両手で掬った。一体何をするのかと思っていれば勢いよく息を吹きかけられ飛び散った泡が自分に付着し悲鳴をあげる。主に顔に付着したため目や口の中に入りそうになり慌てて手で拭えばゲラゲラ笑う彼に自分の悪戯への仕返しが重すぎないかと問いかける。自分のなんて可愛らしいものだろうと眉を寄せ、口を尖らせて拗ねたようで。)
あははっ、ごめんごめん!思ったより飛んじゃった!
ほーら、くまさんにしてあげるから!
(泡まみれでぶすくれる彼に未だ笑いが漏れるまま、予想が外れたと謝りながら若干顔に残る泡を手で拭ってやる。それでもムスッとしたままな彼を宥めるように今度は小さく泡を掬うと彼の頭に耳を付けるように2つ乗せれば可愛らしいシロクマができあがった。想像より可愛らしい姿に "わぉ" と声を漏らしながら眺めてはもう一度泡を掬い、それを彼の手に乗せて)
ほら、僕の頭にも乗せて良いよ!
もー……じゃあ理仁さんは猫にしますからね。
(ぶすーっと膨れていれば小さく泡を掬った手が自分の頭に伸びてちょいちょいと動かす。頭を撫でられた感じはなく一体何をしているのだろうと思っていればくまさんにしてあげる、と言われなんで?と少し恥ずかしくなる。そもそも熊なら彼じゃないのか、と考えれば彼から己にもやっていいと言われ自分もやってみようと小さく掬って彼の頭の上に乗せ。彼はどこか猫っぽい気がして先をとがらせると猫耳を作り、ふふんと得意げに)
猫かぁ!…どう?似合ってる?
(どこか真剣にこちらの頭上で創作をする彼を上目で見ながら、出来上がる猫耳に期待をする。ふわふわとしていて触られる感覚が無く、完成図が全く予想ができない事に楽しさを覚えているとにんまり笑う彼が此方を見てきた。その顔はきっと上手く作れた証拠だろう、得意気にする彼に作品の出来を伺っては "にゃーお" と猫の鳴き真似をし笑いを誘って)
はい。見た目だけなら良いとこの飼い猫が人型になったみたいです。とっても似合ってますよ。
(彼の艶のある黒髪に白い泡出てきた猫耳の対比が思いのほか綺麗で、また彼に猫耳があるのが似合い頷くと見た目はとてもお金持ちに居そうな感じになった。性格を考えれば野良猫のようなのだが……。"にゃーお"と鳴いている姿も相まって余計に可愛らしく見えクスクスと笑って)
んー…一言多い!!
じゃあかーくんも猫にしてやろうっ
(明らかな悪意ある言葉にツッコミを入れながらも何だかんだ納得してしまい同じく笑ってしまう。それならばと、お揃いにしようと彼の頭上に泡を追加すると同じく猫耳を作り始めた。泡が柔らかい為に案外先端を尖らせるのが難しく、彼の器用さに驚きながらも何とか猫耳が完成し、その姿を見れば栗毛の可愛らしい猫にふふっと笑みが溢れた)
かーくんも猫耳似合うね!…可愛いから飼おうかなぁ?
えー、俺の事飼うんですか?無理無理、理仁さん確かに最初は興味持ってコミュニケーション取ろうとするけどそのうち飽きそうですもん。
(自分のことを飼うと示す彼に、その性格から無理無理と手を横に振る。最初は可愛がってくれそうだがそのうち飽きて全自動餌・水やり機とか作って放置か、知人に譲るなんてこともやりそうだ。さすがに捨てることはしなさそうだが。しかし、もし彼に飼われる猫になれたら……と考えてみるも彼本人から聞いた普段の生活に猫らしくない猫になりそうだ、と結論づけて。)
そんな事無いよ?
僕だって、自分で飼うって決めた子には最後まで愛情注ぐタイプだよ? 大体、責任取れない子は最初から選ばないし!
("まぁ、動物の場合は" と続けたのは、自身が責任を取らない場合は選びもしなければ拒否もしないからで。彼にそう思われてしまうのは、今まで恋愛にて自ら選んだ事が無い故の奔放的すぎる行動が起因しているのだろうとはすぐに理解できた。当たり前か、と言われように納得しつつも自分が選ぶ場合にはしっかり最後まで愛でて慈しむ事を主張し、猫をあやすように彼の下顎を人差し指で優しく撫でて)
へぇ、そうなんですね。じゃあ理仁さんに飼われた猫は幸せだ。甘やかされて愛されて育てられるんですもんね。
(自分の下顎を撫でる手つきが優しくて気持ちよくて目を細める。きっと買う猫にこんな風に触るのだろう。責任もって最後まで愛情を持って育てるという彼の言葉に嘘は無さそうで、彼に育てられる猫は幸せだ、と嬉しそうに述べた。頭の中で想像する姿にも動物に優しく接するのが浮かび上がり、そっちの方がしっくり来た気がする。彼が自分を猫として扱うなら少し真似をしようと彼が先程したように"にゃお"と鳴き真似をして)
んー、幸せかなぁ?
目一杯甘やかしてあげるけど、毎日追いかけ回して逃げられちゃうかもなぁ
(犬ならまだしも、気まぐれの猫なら確実に逃げられる気しかしない。普段どんな行動をしているのか、どこが縄張りなのか、トコトン調べ上げて飼い猫のハズなのに待ち伏せをして驚かせるなどやりかねない自分に呆れか恐怖を感じ逃げる後ろ姿まで容易に想像できた。そんな中で可愛らしい猫の鳴き真似を聞くと、ふふっと笑ってしまう。彼のような猫ならば、呆れても帰ってきてくれるだろうか?どんな風に愛でれば戻ってくるだろうか?なんて彼を猫に見立てて甘く微笑み "君は可愛いねぇ" と呟きながら両手でまるい頬を撫でその先の耳をさすり、猫同士が触れ合うように自身の鼻先と彼の鼻先をくっつけた)
むむ、くすぐったいですよ。
(何でもかんでも飼い猫のことを調べあげている姿を想像すると「あー、確かに逃げられそうですね」と同意する。もしくは猫に調べている姿を怖々と覗き見されている姿でさえ……。半分ほど彼の執念深さに呆れていれば頬を両手で挟まれ耳を優しく擽られる。甘く微笑む表情と声、耳を摩る手つきにぴくっと肩を跳ねさせくすぐったい、と伝えると猫が挨拶をするように鼻先が触れ合いその近さにドキドキと心臓を動かして)
…理仁さん、近い、です…。
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