梨花 2021-03-18 09:01:48 |
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恕足「ええ、出来ればあまり人の居ないところへ…っ(診療所から出てすぐのところで胸を押さえて蹲り)……早く、移動しましょう。此処にいては邪魔になってしまいますから~…」
伊豆「うん、気を付けるよ。ありがとう…(荷物を受け取っておばあさんに渡すと、懐から携帯を取り出して110に電話をかけ)…その人、隔離しておくこともできるけど…(袖から青い札を取り出して男に視線を移し)」
陽斗「…はぁ…ほんとあめぇな、お前。まぁ、俺から言わせてもらえば…お前のその考え方はただの甘えだ、命を一つ救えなかった、人が傷ついてしまった、だから自分のせいだぁ?ふざけてんだよてめぇのその理論は。最初に言ったろ、異世界は遠足気分で行っていい場所じゃねぇって。誰かが傷つく覚悟もしねぇで、自分だけ傷つけば良いと思ってんだったら、今すぐ元の世界にさっさと帰れ。中途半端な気持ちで首突っ込んでんじゃねぇよ雑魚が。お遊び気分で居られんのはこっちとしても迷惑だし見ててムカつくんだよ」
優稀「っ…!」
彰人「お前…」
音羽「…悔しいけど、私もこいつと同じ意見。誰かを助けるって事は、誰かを蹴落とす覚悟無いとダメなんだよ。自分が傷つけば全て解決だなんて、そんなのただの空想論に過ぎない。人を守りたいなら、人を傷つける覚悟だって必要だよ」
夏希「音羽…」
花穏「恕足様!大丈夫ですか…!?…っ恕足様、私の背にお乗り下さい。休める場所までお運び致します(目の前でしゃがむ)」
蒼司「……」
陽斗「…結局はお前も、他の奴らと同じなんじゃねぇか…(立ち上がって出口へと向かう)」
ビビバスMEIKO「ちょっと、何処へ…」
陽斗「こんな腰抜け野郎と一緒の空気吸うなんざごめんだ。俺はセブンスブレイヴを脱退する。俺が着いていきたいと思った奴は…もう、何処にも居ねぇみたいだからな(WEEKEND GARAGEを出ていく)」
優稀「!待っ───(立ち上がって陽斗に手を伸ばそうとするが、すぐに手を引っ込める)っ…陽斗…君…」
恕足「…強がっていても、何にもなりませんね…(自嘲気味に笑い)お願い、します。重いと思ったら、言ってください…有有を呼びますから…(息を切らしながら相手の背中に身を委ねて)本当に、すみません…」
蒼司「なっ、陽斗……!!!…………」
玲翔「いい加減大丈夫だと言っているだろう…いつまでうじうじしている気だ?(WEEKEND GARAGEに向かっている)」
結菜「わ、分かってるんですけど……って、あれ……?(陽斗をみかける)」
玲翔「井嶋か…」
彰人「…悪い、冬弥。少し外の空気吸ってくる(WEEKEND GARAGEから出ていく)」
冬弥「あ、彰人…」
ビビバスルカ「…なんか、空気悪くなっちゃったね…」
ビビバスリン「そうだね…これから、どうしよっか」
優稀「………」
陽斗「…はぁ…気分転換に、スケボーで走るか…(サイコトリッカーズを出す)」
恕足「…はは、それは頼もしいですね~……向こうなら、喫茶店があるかもしれません。来る途中で見たような記憶があります…(ぼんやりとしたまはま思考を巡らせれば、震える手で喫茶店の方向へと指を差し)」
花穏「わかりました…!(指された方向に向かってしばらく歩くとWEEKEND GARAGEに辿り着く)ここなら休めそうですね、ここにしますか?」
結菜「そ、そっか……」
玲翔「…仲違いでもしたか?」
結菜「玲翔さん!?」
恕足「…ここは、有有も言っていた……ええ。お願いします。運が良ければ、情報も集められそうですし…(額に汗を滲ませ、ちらりと確認しては何かを企んでいるように呟き)」
玲翔「図星か…まぁ深くは聞かんがな」
花穏「承知しました(店のドアを開けて中に入る)失礼します、二名なのですが、大丈夫でしょうか…?」
陽斗「………」
彰人「おい!ちょっと待ってよ!!(陽斗の方に駆け寄ってくる)」
陽斗「!お前、さっきの…」
謙「…あぁ、お客さんか…すまないが、今日はもう店じまいなんだ。日を改めちゃくれねぇか」
恕足「…すみませんが、体調が優れず…少しでも良いので、休ませていただくことはできませんか…(花穏の背中から顔を覗かせ、か細い声で謙に向かってそう話し)」
優稀「あれ…?恕足さん?」
謙「知り合いってことは…こいつらも、異世界から来たやつらって事か。それなら別にいいぜ、空いてる席に座ってくれ」
恕足「これはこれは、優稀さんではないですか……何かありましたか?随分と重い空気が流れていますよ~…(優稀を見るなり疲れきった顔で笑い、何となく感じ取った疑問をそのまま口に出し)」
恕足「ありがとうございます、これで少し休めそうです…(花穏を見つめて感謝の言葉を伝えると、そのまま優稀に視線を移し)……良ければ、何があったのか教えてくれませんか?場合によりますが、アドバイス出来ることもあるかもしれませんから~…」
伊豆「分かった、すぐに作るよ(御札を男に向けると、周りに青白い光が放たれると共に男が結界の中に囚われ)どうだろう、もう少し強い壁の方が良いかな」
ビビバスリン「え、えっと…こ、この空気どうしたらいいかな…レン…(レンに囁く)」
ビビバスレン「俺に聞くなよ、俺だってどうしたらいいかわかんないんだから…(小声で囁く)」
ビビバスリン「あ、そうだ…!(KAITOに駆け寄る)ねぇ、KAITO。今から回す事って出来ないかな…!?」
ビビバスKAITO「回すって…まさか、今からDJプレイしろって言ってる?いやいや、流石にこの空気感じゃ僕でも無理だよ。アッパーな曲をかけた所で、雰囲気がこれじゃあね…それに、僕も流石に今はそういう気分になれないし…」
ビビバスリン「うぅ…やっぱそうだよね…」
恕足「中途半端でない人はそんな質問はしません(相手の顔を見て、迷いなくきっぱりと言い切り)…人間のすることなんて何処かにエゴが混ざるものでしょう。ひとつ聞かせてください。優稀さんは結局何がしたいんですか~?」
優稀「私は…みんなを、守りたいです。誰かが傷つくのも、誰かが命を落とすのも、黙って見ていたくないんです。ブレイダーとして、命を守らなくちゃいけない。それなのに…私は、守れなかった…何も、出来なかった…私が弱かったから、助ける事も守る事も…何一つ、出来ないままで…」
恕足「成る程、理解しました~。少なくとも今のままでは無理ですね、絶対に。今の優稀さんには不釣り合い、荷が重すぎます……守りたいとか助けるとか言いますが、今回あなたがその場に居たとして、あなたに何が出来たんですか?自分が弱いと分かっているなら何もできないことくらい分かるのではないでしょうか~」
ヘルガ「いや、先ほど触れて分かったが...こいつにそこまでの力はないというかそういう異能すら知らないだろうな。(そう言いながら先ほど飛ばしたベンチを動かして元の位置に戻し)」
伊豆「…そうだね。陰陽術もそこまで有名じゃないだろうし。まあ、私が使えるのは『隔離』だけなんだけど(それぞれ色の違う御札を取り出し)霊符も今日はあんまり持ってきてない。残りは取っておこうかな」
優稀「っ…」
杏「そんな事ないっ!!!!」
優稀「!え…」
杏「あの時、優稀は命懸けで私達を守ってくれた。あの戦いの時だって、身を呈して私を庇ってくれたじゃん!!!全部は守れないとしても…少なくとも、私達とあのステージは、優稀のお陰で守られたんだよ!!!!」
ビビバスMEIKO「杏ちゃん…」
恕足「そうですか~…ですが、それは過去の話です。今の優稀さんにその頃と同じ力があると思いますか?(バランスを崩しそうになりながらふらふらと立ち上がり、優稀の目の前まで歩いていき)正直、僕は優稀さんの考え方が気に入りません。独善的で中途半端とすら思います……優稀さん、あなたは何か言い返さないんですか?」
優稀「あ…えっ…と…」
謙「そこまでにしてやれ。今のそいつには反論する気力もねぇ。それに、今回のことに関しちゃ人の生死が関わってきてるんだ。俺達が安易に口出し出来るようなことじゃねぇよ」
恕足「…そうですね~。それに、後は自分で考えるべきことです。でも、これは早く解決するべき問題ですよ?壊れた物を直すにも制限時間がありますから(そう話しながらふらふらと先ほど座っていた場所に戻り)僕は、人の生死は全て繋がっていると思いますけどね~…」
恕足「お気になさらず、僕の勝手な持論ですから。さて、依然として空気は重いままですが…此処に来たのは正解でしたね。こうして自分の目で見る機会を得られたのはとても良い(胸の辺りを撫で下ろし、額に滲む汗を拭って)突然押しかけたのは申し訳ないと思っています。父上は僕に死んでほしくてたまらないんでしょうね~」
夏希「え?それってどういう…」
こはね「(WEEKEND GARAGEの扉を開ける)みんな、お待たせ!遅れちゃってごめ…あれ、優稀さん?なんでここに?」
杏「あ、こはね…」
優稀「こはねちゃん…この間ぶりだね」
ビビバスミク「空気が重いけど…何かあったの?」
恕足「僕は父上と仲が悪かったので~(入ってきたこはね達を見て)…そういえば、優稀さん以外の方には自己紹介をしていませんでしたね。初めまして、僕は文神恕足と申します。何があったのかは此方の方々に聞いてみてはどうでしょうか~(ちらりと視線を優稀達に移し)」
こはね「え…?」
優稀「………」
彰人「(自販機でコーラを2つ買う)1つやるよ(壁に寄りかかってる陽斗にコーラの缶を投げ渡す)」
陽斗「(コーラの缶を受け渡す)炭酸の入ったもんを投げ渡してくんなよ。吹き出たらどうすんだよ」
彰人「それはそれで面白いもんが見れていいんじゃねぇの?」
陽斗「お前、絶対性格悪いって言われてんだろ…まぁ、ありがたく受け取っとく」
恕足「……ああ、これは皆様に。中にあるのはお菓子と茶葉です。何でも好きなものをどうぞ。とりあえず、この場所に置かせてください(紙袋をカウンターに置いて)…話す気力が無いのなら、他の方に話してもらえばよいのでは?」
恕足「では、よろしくお願いいたします…優稀さんがただ強くなりたいと言うだけなら僕でも手伝えますが、今回はそんな単純な話ではなさそうですし。今は鍛錬をしようと思える精神状態ではないでしょう?(そう話している間に、恕足の影が蠢きだして)…あなたは彼らを見てきてください。僕のことは心配なさらず」
優稀「………(拳を握り締める)」
こはね「優稀さん…」
カイ「(服屋から出てくる)はぁ…やっとサイズが合うの買えたね…早いとこ着替え済ませちゃおうよ、さっきの一件で諜報員にだけじゃなくこの街の人達にまで顔が割れちゃったんだから」
アイラ「(さっき買ってきた服に既に着替えている)うん…そうだね」
カイ「って…言う前から着替えてるし…僕も早く着替えよっと。そう言えば、未夢は大丈夫なの?FOXは僕達の事黙ってくれるって言ってたけど、Cometが他の諜報員に情報を流してる可能性があるからね。念の為、未夢も変装服買っといたら?」
未夢「それも見越してもう買ってあるよ(服の入った袋を出す)大人サイズの服も売ってたから、カイが服を選んでる間に買っといたんだ」
カイ「流石未夢、抜かりないなぁ」
恕足「何も言わないんですね。なら、僕が手を貸す必要はないということで~…自分が落ち込んでいる時ほど大切な物が失われていく。次はどれでしょうね~(くすくすと笑いながら席を立ち)さて、もう十分休ませていただきましたし。そろそろ失礼します…強くなりたいなら呼んでください。僕"達"は常にあなた方を見ていますから~」
優稀「………(強く…私って、なんで強くなりたかったんだっけ。私のエゴの為に、強くなりたかったのかな。じゃあ、私の守りたかったものって…)」
ビビバスミク「…ん?(こはねのポケットからセカイの光が微かに漏れ出てるのに気づく)ねぇ、こはね。何かスマホが光ってるよ?」
こはね「え?(スマホを出すと画面からセカイの光が漏れ出ており、Ready steadyの横にsekaiと書かれた曲が追加されていた)え…sekai…?」
杏「え、何この曲?untitledじゃ…ない?」
冬弥「俺のスマホにも追加されている。MEIKOさん、この曲は一体…」
ビビバスMEIKO「私達も初めて見たわ、新たなセカイが形成された…?いや、でもそれなら最初からタイトルなんて付かないはずじゃ…」
音羽「ねぇ…私のスマホにも、その曲追加されてるんだけど」
ビビバスリン「えっ、音羽のスマホにも!?」
優稀「sekaiって曲、私の所にもある。これ、一体なんなんだろ…」
ビビバスレン「優稀も!?」
ビビバスミク「…これって、まさか…」
沙月「sekai…?私、入れた覚えないけど…」
鈴華「どうやら、私達全員にこの曲が追加されてるみたいだね」
朱莉「sekai…untitledやmirrorとはまた別物なのかな?黒ミクちゃんは何か知ってる?」
ROZミク「私にも何が何だか…(すると、ポケットに入れていた想いの欠片が光り出す)!想いの欠片が…共鳴してる…!?」
ミク『(sekaiが起動すると、画面が真っ白になり全員の端末にホログラムの姿で現れる)よっと…よかった、成功したみたい。みんな、私の声聞こえるかな?』
ROZミク「えっ…この姿って…!」
沙月「この子…もしかして、オリジナルの初音ミクちゃん!?」
紫炎「……はてさて、知らない間に知らないものが増えていますねぇ……(スマホにsekaiが追加されているのを見る)」
アルト「ハッキングでも受けて、インストールされたのかぁ、陛下ぁ」
紫炎「そんなまさか……」
司「ど、どういう事だ!?何故オリジナルのミクがここに…(すると、突然司に頭痛が走る)いっ…!」
えむ「司君!?大丈夫!?」
シャル「司!」
シリウス「…はぁ…更に事が拗れてきたようだな」
こはね「っ…なんか…頭が、急に…!」
音羽「頭が…割れそう…!」
杏「こはね!?音羽!?」
結衣「(頭を抱えて倒れた奏を支えている)奏!?どうしたのよ!!奏!!」
ニーゴミク「奏!!!」
奏「っ…!痛いっ…!」
みのり「(部屋で頭を抑えてうずくまっている)うぅっ…あぁ…!」
モモジャンミク「みのりちゃん!!!大丈夫!?」
みのり「ミクちゃんを見た瞬間…頭が…!」
レオニミク「(同じく部屋で頭を抑えている一歌に駆け寄る)一歌!!!!」
レオニルカ「一歌、どうしたの!?一歌!!」
一歌「急に…頭に、激痛が…!何か、頭に流れ込んできて…!」
レオニミク「何が流れ込んできてるの!?」
一歌「これ…は…(ミクと共に歌を歌っていた記憶が流れてくる)…あの、時の…夢…?みのりが居て…こはねが居て…司さんと宵崎さんも居て…それで…(記憶の中に音羽が居る事に気づく)…一ノ瀬…さん…?」
こはね「なに…これ…なんで、あの時の夢が…」
ミク『初めまして、私は初音ミク。セカイの狭間っていう所に居て、そこからセカイから歌が生まれるのを見守っているんだ。と言っても、中には初対面じゃない子達も居るけどね』
音羽「えっ…(今まで見てきた夢を思い出す)…まさ、か…今まで見てきた夢は全部、現実だってこと?てことは…(こはねの方を向く)私達は…既にセカイで出会っていた…?」
ミク『みんな、突然の事で戸惑ってると思うよね。君達のスマホにuntitled以外にセカイの狭間に繋がる音楽『sekai』を入れさせてもらったよ。これがあれば私達とコンタクトを取る事が出来る。スカーレットがセカイと現実世界を混濁させようとしてるせいで、私の干渉能力が弱まってるから、セカイの狭間に来れるのは限られた人になる。今来れる人は…一歌ちゃん、みのりちゃん、こはねちゃん、司君、奏ちゃん、音羽ちゃん、そして…沙月ちゃん、紫炎君、紗楽ちゃん。この9人しか今は来れないようになってる。これはセカイの持ち主達と異世界から来たみんなが手を取り合った今だからこそ出来ることなの。セカイと現実世界が混ざりあって崩壊してしまう前に、どうか私達に力を貸してほしい。私達も君達と同じで、スカーレットとこの世界を助けたいの!』
沙月「ミクちゃん…(紅魔と過ごした時間が頭を過り、拳を強く握りしめる)」
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