梨花 2021-03-18 09:01:48 |
通報 |
サイファー「(キラーの前にアモンと転移してくる)おい、キラー……じゃなくて雪、レオンの奴…!!」
キラー「…………(静かに首を横に振る)」
アモン「なっ……死んだ、のか?アイツがか?」
キラー「支配派の急襲でな……」
奈緒「………」
麻友「待ちなさいっ!!!蔡城さんっ!!!!(陽奈子の腕を掴む)」
陽奈子「離してくださいっ!!!(麻友の手を振りほどき、奈緒を見つけるなり睨みつける)椿坂…奈緒っ…!!(奈緒に歩み寄り、奈緒の胸倉を掴んで立ち上がらせる)教えなさいよ、レオンが死んだってどういう事よっ!!!!!」
奈緒「…貴方は…」
陽奈子「あんた、邪王の転生者なんでしょ!?あんたの力ならレオンを助けられたはず!!!!あんたというものが居ながら、なんで、なんでレオンは死んだのよ!!!!!答えなさいよ!!!!!ねぇ!!!!!!」
陽奈子「っ…!」
奈緒「…ふっ…ははっ…はははっ…(突然笑い出す)」
陽奈子「!…何が、おかしいのよ…!」
奈緒「いや、確かに君の言う通りだなぁって思ってさ。そうだよ、私がレオンさんを殺した。いや…見殺しにした、の方が正しいかな?」
奈緒「私はレオンさんを助ける術を持っていた。なのに、助けなかった。天界の支配派から情報を引き抜く事を優先した。それは、どうしてだと思う?」
麻友「椿坂さん、貴方何を言って…」
陽奈子「支配派が何か重要な情報を持っていたとか…?」
奈緒「あぁ、それもあるね。けど違うんだよ。答えは死は終わりではないから」
陽奈子「…は?」
奈緒「死んでも転生すればまた出会える。記憶は無くなってるかもしれないけど、レオンさんの事だから記憶は継続されると思うよ。そういう術式を事前に自分に掛けてるだろうし。本当の死はね、魂が消滅する事を言うんだよ。魂が消滅すれば転生する事も出来なくなって、虚空となって消えるだけ。それに比べて、消えるよりも死ぬ方がまだマシでしょ?それが終わりだと決まったわけじゃないんだから。あぁ…でも、記憶が消えてたらおしまいか(薄ら笑いを浮かべるが、瞳から光はなくなっている)」
陽奈子「っ…!ふざけんなっ!!!!(奈緒に殴り掛かる)」
奈緒「私はレオンさんを助ける術を持っていた。なのに、助けなかった。天界の支配派から情報を引き抜く事を優先した。それは、どうしてだと思う?」
麻友「椿坂さん、貴方何を言って…」
陽奈子「支配派が何か重要な情報を持っていたとか…?」
奈緒「あぁ、それもあるね。けど違うんだよ。答えは死は終わりではないから」
陽奈子「…は?」
奈緒「死んでも転生すればまた出会える。記憶は無くなってるかもしれないけど、レオンさんの事だから記憶は継続されると思うよ。そういう術式を事前に自分に掛けてるだろうし。本当の死はね、魂が消滅する事を言うんだよ。魂が消滅すれば転生する事も出来なくなって、虚空となって消えるだけ。それに比べて、消えるよりも死ぬ方がまだマシでしょ?それが終わりだと決まったわけじゃないんだから。あぁ…でも、記憶が消えてたらおしまいか(薄ら笑いを浮かべるが、瞳から光はなくなっている)」
陽奈子「っ…!ふざけんなっ!!!!(奈緒に殴り掛かる)」
アモン「(陽奈子の手を掴んで止める)…………そこまでにしておけ」
サイファー「…………」
ディア「一体なんの騒ぎだ(駆けつける)」
アモン「…………」
陽奈子「死んでも転生すればまた会える?ふざけるのも大概にしろっ!!!!!レオンは、これからを必死に生きようとしてた所だったんだよ!!!!!沢山の人を助ける為に、あいつは生に縋ろうとしてた!!!!!あんたのその価値観が、レオンという一人の人間を殺したんだ!!!!!死んだら涙を流す人が居る、絶望する人が居る、どれだけ願っても、どれだけ奇跡を信じてもっ!!!!!死んだら人は戻ってくる事なんて出来ないんだよ!!!!!蘇生術式とか、転生者とか、今はそんな奇跡みたいなものがあるけど、けどそれも単なる奇跡なんだよっ!!!!!!それが運良く訪れるかどうかなんて、あんたにわかる訳!?わからないでしょ!!!!!!わからないのに、死よりも消えることが辛いとか、そんな事軽々しく言うなっ!!!!!!レオンの死を、正当化すんなよっ!!!!!!!(泣きながら奈緒に怒鳴る)」
麻友「蔡城さん…」
奈緒「…じゃあ…(陽奈子の眼前に迫る)貴方のその常識は、人類共通の常識だって捉えていいんだね?」
陽奈子「!は…?」
奈緒「魂が消えて存在がなくなるよりも、死んで記憶がなくなる方が苦しいって事なんだよね?それが、貴方の価値観なんだよね?」
陽奈子「なに…言って…」
奈緒「貴方は私が無理矢理価値観を押し付けている、そう思っている。けどね、私から見れば貴方の方が勝手な価値観を押し付けているように見える。人の価値観は人それぞれってよく言うでしょ?なら、貴方のそれはただの傲慢だよ。傲慢に人に価値観を押し付けているだけ、違う?」
アモン「落ち着けと言っているのが分からないのか。椿坂奈緒、貴様もいい加減にしろ……今はそんな死生観のことで言い争っている場合か」
ディア「…………」
奈緒「…そうですね。こんな子供じみた論等を繰り広げた所で無意味ですよね。私達二人よりも、貴方達や医療班の先生の方がそういう事に詳しいですよね。他の誰よりも、死を見てきた貴方達なら」
麻友「………」
奈緒「生憎、私はそういう価値観が欠如してるみたいですね。その子の言う共通の常識と私の中の常識が上手く噛み合ってない様ですから。その証拠に…私に向ける視線が、完全に敵意の視線になっていますからね。皆さん」
陽奈子「っ…イカれてる…あんた、まともじゃない…!」
サイファー「…………はぁ……ぐぅのねも出ないのがもどかしいな……死そのものが悲劇であるということも理解できるが、消滅することは永遠の終わりであるということも理解出来んわけじゃない……」
ディア「……とにかく、こう争いになるのならレオンのことはもう話題に出すな……酷いように聞こえるかもしれんが、ここでいざこざしている場合でもない」
キラー「……支配派め、スカーレットの起こした異常に乗じて行動を起こして来よったか……まんまと戦力を二つも崩された」
ディア「……二つ?レオン…と……もう一つはなんだ?」
キラー「ジゼルじゃよ。洗脳を食らって連れ去られた」
アモン「は……?」
サイファー「洗脳ということは……やつはまた敵に……」
ディア「まさかそんなことになっているとは……」
キラー「しかも、紫炎様の目が現実世界に行き届いていないタイミングを狙ってきた……完全にしてやられたということじゃ……それに、今度はただ敵対するだけじゃないかもしれぬ……本来の力を取り戻した可能性が高い」
アモン「馬鹿な、今のやつがどうやって」
キラー「相手は支配派……本来の力を……『神代聖戦の頃と同じ力』を取り戻させることなど容易かろう……いや、それ以上上乗せされていることも視野に入れておくべきかの知れぬな」
トピック検索 |