梨花 2021-03-18 09:01:48 |
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優稀「っ…」
杏「そんな事ないっ!!!!」
優稀「!え…」
杏「あの時、優稀は命懸けで私達を守ってくれた。あの戦いの時だって、身を呈して私を庇ってくれたじゃん!!!全部は守れないとしても…少なくとも、私達とあのステージは、優稀のお陰で守られたんだよ!!!!」
ビビバスMEIKO「杏ちゃん…」
恕足「そうですか~…ですが、それは過去の話です。今の優稀さんにその頃と同じ力があると思いますか?(バランスを崩しそうになりながらふらふらと立ち上がり、優稀の目の前まで歩いていき)正直、僕は優稀さんの考え方が気に入りません。独善的で中途半端とすら思います……優稀さん、あなたは何か言い返さないんですか?」
優稀「あ…えっ…と…」
謙「そこまでにしてやれ。今のそいつには反論する気力もねぇ。それに、今回のことに関しちゃ人の生死が関わってきてるんだ。俺達が安易に口出し出来るようなことじゃねぇよ」
恕足「…そうですね~。それに、後は自分で考えるべきことです。でも、これは早く解決するべき問題ですよ?壊れた物を直すにも制限時間がありますから(そう話しながらふらふらと先ほど座っていた場所に戻り)僕は、人の生死は全て繋がっていると思いますけどね~…」
恕足「お気になさらず、僕の勝手な持論ですから。さて、依然として空気は重いままですが…此処に来たのは正解でしたね。こうして自分の目で見る機会を得られたのはとても良い(胸の辺りを撫で下ろし、額に滲む汗を拭って)突然押しかけたのは申し訳ないと思っています。父上は僕に死んでほしくてたまらないんでしょうね~」
夏希「え?それってどういう…」
こはね「(WEEKEND GARAGEの扉を開ける)みんな、お待たせ!遅れちゃってごめ…あれ、優稀さん?なんでここに?」
杏「あ、こはね…」
優稀「こはねちゃん…この間ぶりだね」
ビビバスミク「空気が重いけど…何かあったの?」
恕足「僕は父上と仲が悪かったので~(入ってきたこはね達を見て)…そういえば、優稀さん以外の方には自己紹介をしていませんでしたね。初めまして、僕は文神恕足と申します。何があったのかは此方の方々に聞いてみてはどうでしょうか~(ちらりと視線を優稀達に移し)」
こはね「え…?」
優稀「………」
彰人「(自販機でコーラを2つ買う)1つやるよ(壁に寄りかかってる陽斗にコーラの缶を投げ渡す)」
陽斗「(コーラの缶を受け渡す)炭酸の入ったもんを投げ渡してくんなよ。吹き出たらどうすんだよ」
彰人「それはそれで面白いもんが見れていいんじゃねぇの?」
陽斗「お前、絶対性格悪いって言われてんだろ…まぁ、ありがたく受け取っとく」
恕足「……ああ、これは皆様に。中にあるのはお菓子と茶葉です。何でも好きなものをどうぞ。とりあえず、この場所に置かせてください(紙袋をカウンターに置いて)…話す気力が無いのなら、他の方に話してもらえばよいのでは?」
恕足「では、よろしくお願いいたします…優稀さんがただ強くなりたいと言うだけなら僕でも手伝えますが、今回はそんな単純な話ではなさそうですし。今は鍛錬をしようと思える精神状態ではないでしょう?(そう話している間に、恕足の影が蠢きだして)…あなたは彼らを見てきてください。僕のことは心配なさらず」
優稀「………(拳を握り締める)」
こはね「優稀さん…」
カイ「(服屋から出てくる)はぁ…やっとサイズが合うの買えたね…早いとこ着替え済ませちゃおうよ、さっきの一件で諜報員にだけじゃなくこの街の人達にまで顔が割れちゃったんだから」
アイラ「(さっき買ってきた服に既に着替えている)うん…そうだね」
カイ「って…言う前から着替えてるし…僕も早く着替えよっと。そう言えば、未夢は大丈夫なの?FOXは僕達の事黙ってくれるって言ってたけど、Cometが他の諜報員に情報を流してる可能性があるからね。念の為、未夢も変装服買っといたら?」
未夢「それも見越してもう買ってあるよ(服の入った袋を出す)大人サイズの服も売ってたから、カイが服を選んでる間に買っといたんだ」
カイ「流石未夢、抜かりないなぁ」
恕足「何も言わないんですね。なら、僕が手を貸す必要はないということで~…自分が落ち込んでいる時ほど大切な物が失われていく。次はどれでしょうね~(くすくすと笑いながら席を立ち)さて、もう十分休ませていただきましたし。そろそろ失礼します…強くなりたいなら呼んでください。僕"達"は常にあなた方を見ていますから~」
優稀「………(強く…私って、なんで強くなりたかったんだっけ。私のエゴの為に、強くなりたかったのかな。じゃあ、私の守りたかったものって…)」
ビビバスミク「…ん?(こはねのポケットからセカイの光が微かに漏れ出てるのに気づく)ねぇ、こはね。何かスマホが光ってるよ?」
こはね「え?(スマホを出すと画面からセカイの光が漏れ出ており、Ready steadyの横にsekaiと書かれた曲が追加されていた)え…sekai…?」
杏「え、何この曲?untitledじゃ…ない?」
冬弥「俺のスマホにも追加されている。MEIKOさん、この曲は一体…」
ビビバスMEIKO「私達も初めて見たわ、新たなセカイが形成された…?いや、でもそれなら最初からタイトルなんて付かないはずじゃ…」
音羽「ねぇ…私のスマホにも、その曲追加されてるんだけど」
ビビバスリン「えっ、音羽のスマホにも!?」
優稀「sekaiって曲、私の所にもある。これ、一体なんなんだろ…」
ビビバスレン「優稀も!?」
ビビバスミク「…これって、まさか…」
沙月「sekai…?私、入れた覚えないけど…」
鈴華「どうやら、私達全員にこの曲が追加されてるみたいだね」
朱莉「sekai…untitledやmirrorとはまた別物なのかな?黒ミクちゃんは何か知ってる?」
ROZミク「私にも何が何だか…(すると、ポケットに入れていた想いの欠片が光り出す)!想いの欠片が…共鳴してる…!?」
ミク『(sekaiが起動すると、画面が真っ白になり全員の端末にホログラムの姿で現れる)よっと…よかった、成功したみたい。みんな、私の声聞こえるかな?』
ROZミク「えっ…この姿って…!」
沙月「この子…もしかして、オリジナルの初音ミクちゃん!?」
紫炎「……はてさて、知らない間に知らないものが増えていますねぇ……(スマホにsekaiが追加されているのを見る)」
アルト「ハッキングでも受けて、インストールされたのかぁ、陛下ぁ」
紫炎「そんなまさか……」
司「ど、どういう事だ!?何故オリジナルのミクがここに…(すると、突然司に頭痛が走る)いっ…!」
えむ「司君!?大丈夫!?」
シャル「司!」
シリウス「…はぁ…更に事が拗れてきたようだな」
こはね「っ…なんか…頭が、急に…!」
音羽「頭が…割れそう…!」
杏「こはね!?音羽!?」
結衣「(頭を抱えて倒れた奏を支えている)奏!?どうしたのよ!!奏!!」
ニーゴミク「奏!!!」
奏「っ…!痛いっ…!」
みのり「(部屋で頭を抑えてうずくまっている)うぅっ…あぁ…!」
モモジャンミク「みのりちゃん!!!大丈夫!?」
みのり「ミクちゃんを見た瞬間…頭が…!」
レオニミク「(同じく部屋で頭を抑えている一歌に駆け寄る)一歌!!!!」
レオニルカ「一歌、どうしたの!?一歌!!」
一歌「急に…頭に、激痛が…!何か、頭に流れ込んできて…!」
レオニミク「何が流れ込んできてるの!?」
一歌「これ…は…(ミクと共に歌を歌っていた記憶が流れてくる)…あの、時の…夢…?みのりが居て…こはねが居て…司さんと宵崎さんも居て…それで…(記憶の中に音羽が居る事に気づく)…一ノ瀬…さん…?」
こはね「なに…これ…なんで、あの時の夢が…」
ミク『初めまして、私は初音ミク。セカイの狭間っていう所に居て、そこからセカイから歌が生まれるのを見守っているんだ。と言っても、中には初対面じゃない子達も居るけどね』
音羽「えっ…(今まで見てきた夢を思い出す)…まさ、か…今まで見てきた夢は全部、現実だってこと?てことは…(こはねの方を向く)私達は…既にセカイで出会っていた…?」
ミク『みんな、突然の事で戸惑ってると思うよね。君達のスマホにuntitled以外にセカイの狭間に繋がる音楽『sekai』を入れさせてもらったよ。これがあれば私達とコンタクトを取る事が出来る。スカーレットがセカイと現実世界を混濁させようとしてるせいで、私の干渉能力が弱まってるから、セカイの狭間に来れるのは限られた人になる。今来れる人は…一歌ちゃん、みのりちゃん、こはねちゃん、司君、奏ちゃん、音羽ちゃん、そして…沙月ちゃん、紫炎君、紗楽ちゃん。この9人しか今は来れないようになってる。これはセカイの持ち主達と異世界から来たみんなが手を取り合った今だからこそ出来ることなの。セカイと現実世界が混ざりあって崩壊してしまう前に、どうか私達に力を貸してほしい。私達も君達と同じで、スカーレットとこの世界を助けたいの!』
沙月「ミクちゃん…(紅魔と過ごした時間が頭を過り、拳を強く握りしめる)」
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