吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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ん、さんきゅ。
ははっ、俺はお前以外の美人に会っても興味ないから大丈夫だよ。・・・行ってきます。
(相手の言葉にお礼を言えば玄関前へと移動しコートを着て。先程警告されたことを含めた冗談交じりの注意にははっと笑えば相手以外の美人には興味がないと告げて。相手の後頭部に手を回して引き寄せると軽く相手の唇と重ねて口付けを贈り、離れれば微笑みながら行ってきますの言葉を返し家を出て)
(この街に足を踏み入れて数日。失恋の傷心か、何年も前に付き合っていた恋人を想い記憶にある彼の家へと向かったものの灯りはなく人が住んでいる気配は感じられなかった。そんなにヤワな人には思えなかったけれど、彼もまた他の吸血鬼と同じように既にハンターに息の根を止められたのかもしれない。彼に逢いに来たのに、と溜息を吐きつつ今夜の獲物を見繕うべく歓楽街へと足を伸ばして。濃いブラウンのロングヘアに映える白い肌、鮮やかなルージュを引き、深いボルドーの瞳と人目を惹く美貌。ヒールの音を響かせて歩けば男たちが自分に視線を向けるのが分かる。奥まった所で狩りをするはずが、歓楽街の通りで思いがけず酔った男に捕まってしまい想定外のしつこさにその場を離れられなくなる。獲物は彼でも良かったが、此処では人目につき過ぎて路地裏に誘うのは困難で内心苛立っていると急に腕を掴まれ。)
──ちょっと、やめて下さい、!
(指定された場所での任務を終え、見回りの為に歓楽街に足を伸ばす。今日の討伐対象はさほど強い吸血鬼ではなく、なんだか拍子抜けという思いを感じていた。被害件数が多かったのはやはり酒を飲む店が近くにあるからか、酔った女性を誘って死亡させていたのだろうと考えてため息を零していれば小さな騒ぎになっているような声が聞こえ足を向ける。ふと覗いてみればとある美女が酔った男に軟派され強引に腕を掴まれているようで、頭が痛い。ああいう類の男は面倒だと額に手を当てて重く息を吐くと「ちょっと通してくれ」と声をかけて薄い人ごみをかきわける。人々は自分の着るコートを見て道を譲ってくれるため有難かった。美女の腕を掴む男の腕を掴み、少し力を込めて離させれば目を細めて睨みつけて注意を促して)
街中だぞ、綺麗な女と飲みたいなら店に行け。此処じゃ騒ぎになるだけだ。
(酔った男は少しぎゃあぎゃあと騒いでいたが自分の着るコートと睨みつけた目に気圧されたのか不機嫌な様子で去っていった。酔っ払いには困ったものだと呆れた様子でいれば周りの野次馬にも散るよう促してから目の前の女性に声をかけて)
あんた大丈夫か?ここは酔っ払い多いから女の一人飲みには向かないぞ。
…ありがとうございます、助かりました。
(人だかりが出来て腕を掴まれている状況では下手に動くことも出来ず困っていると背後から声がして、腕が解放される。助けてくれた相手に視線を向けると彼の着ているコートには当然見覚えがあって、これが一般の人であればお礼と称して別の場所に移動する事もできたがハンターは獲物には向かないと一人冷静に考えていれば、酔っ払いも人だかりもやがて居なくなり。相手に向き直って礼を述べ、ハンターにはあまり近付かないと決めているため相手の忠告に大人しく頷いてその場を後にしようとしたものの、相手の左耳に揺れる赤い石のピアスに気付き思わず一瞬言葉を止めて。明るいブロンドの髪の間で揺れていたその石を知っている、あの人の紅い瞳と同じ色をした綺麗な石。雫型で、光を受けた時の輝き方も記憶の其れと一致した。どうしてハンターがそれを、と視線を奪われ声を漏らしていて。)
そうね、今夜はやめておきます。──…それ、…
あぁ、そうしとけ。……あぁ、これか?綺麗だろ、貰ったんだ。
(自分の忠告に素直に頷いた相手にほっとしつつ、明るい道まで案内しようと顔を向ければ相手の言葉が不自然に途切れ不思議に思う。なんだろうと考えたいれば視線が自分の左耳に向かっていることに気がつき、これか?と指先をピアスに触れさせ微笑んで。少し照れくさそうに、また、嬉しそうに微笑みながら貰ったのだと告げ)
──…知ってるの?あの人の事。
(貰ったと、嬉しそうにはにかんだような微笑みを見せた相手を見据えて僅かに怪訝そうな色を浮かべて首を傾げる。自分の知っている彼は、そのピアスを誰かにあげるような人じゃない。表向きの柔らかさとは裏腹に中身はとても冷たい人だった、それが時に怖くもあり美しくもあり愛おしくもあったのだ。だからこそ目の前の相手の幸せそうな微笑みとは到底無縁なように思えたし、この男はハンターだ。決してあの人と相入れる事はないだろう。もしかすると彼を殺めて、金目の物を奪ったのだろうかとも考える。だとするともう片方は何処にあるのかと、疑問ばかりが湧いて来てその場を離れる事が出来ずにいて。今は自分の正体がバレても構わないとさえ思っていた、あの人の事が知れるなら。)
・・・あの人?誰のことだ?多分、あんたが想像してる人と、俺のピアスと揃いのやつは違う人だと思うが。
(口に出されたあの人、の言葉。それが直ぐにクラウスの事だと理解出来た。自分の耳につけているピアスはこの街ではあまり見ないデザインで相手もそれで気づいたのだろう。同時に今目の前で話している女性がクラウスと同族の吸血鬼だということにも気づき自分の迂闊な発言に内心舌打ちをした。クラウスの知り合いの吸血鬼がこんな明るい場所で一般人に絡まれているなんて思いもよらなかったため、少し気が緩んでいたのだ。本当ならここで始末したいものだが、今たっている場所は歓楽街で周りに酔っ払いも大勢いる。下手に吸血鬼だと声を出せば騒ぎになり怪我人も出るだろうと考えるとしらを切ることにして)
見間違えるはず無いわ、何年も一番近くで見ていたんだから。…でも変ね、ハンターはあの人が取り入るための道具でしか無かったはずなのに。──貴方、彼とどういう関係?
(恋人として一番近くでその揺れる赤い石を見ていたのだから見間違える筈はない。そのピアスは紛れもなく昔の恋人のもので、目の前のハンターは何かを隠している。自分が吸血鬼だという事も察したのだろうがこの大通りであれば安全だと思い一歩も動く事はなく。人目のつかない暗がりにさえ連れ込まれなければ此処で息の根を止められる事はないだろうと踏んだからだった。相手が何か昔の恋人に関することを知っていると思えば、敢えて自分が吸血鬼だということを隠す素振りもなく挑発的な言葉を投げ掛ける。付き合っている時から彼はハンターに紛れていた、ハンターは彼にとって道具でしか無いはずだと首を傾げると明るく賑わう大通りで相手と対峙し、じっと相手を見据えて尋ねて。)
・・・だから知らねぇって・・・それに、あんたに言う必要あるか。
(何年も一番近くで見てきた、ということはクラウスの相棒か恋人か・・・恋人だったんだろうな、と目測をつけながら面倒くさそうになゆったりとした仕草でポケットに両手を入れ愛銃を握る。確かにクラウスにとってハンターは道具でしか無かったのは随分前に理解したもので、それでも今は贖罪の気持ちを抱えているのも知っている。過去の彼に縋っている相手の姿がなんだか滑稽でニコリと口角を上げて笑って見せればあくまでしらを切るスタンスを貫きながらなぜ相手に言わねばならないのかと問いかけて。こうして自分たちがずっと向き合っているのも周りに不審がられる頃合いであるし、足を進めて相手の横を通り過ぎようとした時周りに聞こえない声の大きさで囁いて)
いいからさっさとどっか行け、今回は見逃す。次はその心臓ぶち抜いてやるからな。
──私が大人しく諦めると思わないで、あの人に会いに来たんだから。クラウスによろしくね、ハンターさん。
(目の前の相手は彼との関係を口にする事はなく、すれ違い様に囁かれた言葉に怖いとばかりに少し肩を竦めると相手の腕を取ってその耳元に囁き返して。死んだと思った昔の恋人は生きているようだし、対立するはずのハンターと何かしらの関係を持っているらしい。最近まで付き合っていた恋人と別れた事で、昔の彼を思い出してこの町に来たのだから彼に会うまで諦めないと笑みを浮かべて。自分が探している彼の名前を口にするも少しでも隙を見せれば殺されかねないと、相手が振り返るよりも前に人混みに紛れその場を後にして。)
(相手とすれ違い街の人影に溶け込もうとすれば腕を引かれ囁き返された言葉。やはり、相手は彼を探していたのだと眉を寄せて笑みを浮かべる相手の顔を横目で睨みつければ腕が離され気配が遠ざかる。後ろを振り返るが相手の足の方が早かったようで瞬く間に人混みに紛れその姿は見えなくなった。今だ腕を掴まれているような嫌な気配を反対の手で撫で下ろし消せば舌打ちを零して、自身も反対方向へ足を進めて。相手の姿は見えなくなったものの後をつけられては大変だと見回りをしばらく行い適当な店で夜明けまで時間を潰し、太陽が顔を出してから拠点へ向って任務の報告と相手の情報を伝えた。どうやら相手は最近報告に上がっていた吸血鬼だったらしく、容姿や目的を話していれば人々の賑わいが始まる頃になってしまい眠気を抱えた思考のまま自宅へと帰って)
・・・ただいま、ねむっ・・・。
(家で一人相手の帰りを待っていたものの夜明け頃になっても帰ってくる気配は無く、何かトラブルがあったのだろうかと心配になってくる。夜型のため相手を待つのは苦では無かったが、日が登り始めると流石に眠気に襲われソファーに横になっては浅い眠りに落ちて。玄関の扉が開く音に意識を浮上させると、カーテンの向こうは既に明るく人々の騒めきも聞こえる時間帯。ソファーに身体を起こすとリビングに入ってきた相手にお疲れさま、と声をかけ迎えて。一見した限りでは大きな怪我を負っている様子も無いし血の匂いもしない事に安藤すると、欠伸を噛み殺しつつ何か飲むか尋ねて。)
──…おかえり、テオ。遅かったね。怪我が無くて良かった、…何か飲む?
ん、遅くなって悪い。少し報告が多くて・・・。喉は乾いてないからこのまま寝るな。
(遅くなったことを謝罪し、詳しいことは後で伝えようと報告が多くなってしまった事を述べる。この時間まで相手を起こしてしまったことを申し訳なく思いつつ、飲み物を勧められるが眠気が勝り首を振って。くぁ、と欠伸をしながらコートを脱ぎ掛ければそのままベッドへと進みブーツを脱いで横になる。体の力が抜けていく感覚を覚えながらうつ伏せになっていた体を横向きにして相手が入れる場所を作ると、手招きをして)
ほら、クラウスも眠いだろ。一緒に寝るぞ。
ん、…やっぱりテオと一緒だとよく眠れそうだ、
(夜通し外で任務に当たっていたのだから疲れただろうと頷いて、そのままベッドに向かった相手の後をついて行きベッドに潜り込むと促されるまま相手の隣に身体を寄せて横になり。相手の体温に包まれる感覚に自然と欠伸が漏れると相手の胸元に顔を寄せ既に目を閉じてしまいながら、相手が隣にいるとそれだけで安眠できると言って少し微笑んで。明るく賑わい始める街とは反対に静かで光の遮断された部屋の中おやすみ、と囁いては眠りに落ちるのに時間は掛からず、程なくして小さく寝息を立て始め。)
・・・それは俺も。
(誘った相手が腕の中に潜り込んでくれば背中に腕を回して髪に鼻先をうずめて瞼を閉じる。自分より少し低めの体温が心地よくて微笑むと、自分が隣にいると安眠できるという相手に自分もだと囁き返せばそっと唇を落として。心地よい空気を感じながら迫る眠気に身を任せていればおやすみ、と囁かれ自分も同じ言葉を囁き返すと聞こえる寝息を子守唄にして眠って。
しばらくして意識を浮上させ、時計を見れば昼過ぎで空腹を感じる頃合だった。今日の任務は、と頭の中で考えながら少し身動きをして腕の中の体温を抱え直すと軽く欠伸をして。しばらくの間そうしていれば眠る相手を起こさないよう体を起こしてシャワーを浴びようと浴室に向かって)
(心地の良い眠りの中、自分を包んでいる空気の温度が少し下がったような感覚を覚え、相手がベッドを出たのだろうと夢と現実の狭間で考えて。それでもすぐに起き出す事は出来ずに寝返りを打つと相手が掛けていた布団も抱え込むようにして布団に包まる。そうすると少し身体が暖かくなって、相手が傍に居るようで安心するのだ。シャワーを浴び終えた相手が戻って来て扉の閉まる音が聞こえてようやく目を覚ますと、布団に包まったまま相手に視線を向け、小さく声をかけて。何となく眠り足りないような気がするのは月の満ち欠けにも関係しているのだろう。満月が近づくに連れて寝起きが悪くなる事は自覚していて、少ししてから欠伸を噛み締めて身体を起こし。)
──…ん……おはよう、テオ。
おはようクラウス。まだ眠そうだな・・・満月、近いんだっけか。
(シャワーを終えリビングに戻ると扉の音で目が覚めたらしい相手と目があい、ベッドに近寄る。タオルで髪を乾かしながら隣に座ればおはよう、と返事をしてまだ眠そうな様子に確か、と問いかける。満月が近いと吸血鬼の本能が強くなり、眠気が大きくなったり体調を崩すのは前回も経験したことでそっと相手の頭を撫でた。サラサラと撫で心地の良い髪を楽しみながら眠気の混じる横顔を眺めていればふと、自分の揃いのピアスが目に入り昨夜退治した女吸血鬼のことを思い出していて。)
(/すみません・・・897思いっきり名前間違えてました・・・気にしないでいただけると助かります(土下座))
そうみたいだ。そろそろ吸血鬼の動きも活発になるかもしれない、テオも気を付けて。
(相手の問いにカレンダーを見て頷きつつ、徐々に月が大きくなり始める頃は自分と同じように他の吸血鬼たちも狩りに本腰を入れ始めるタイミングで、任務の危険も一層高まるだろうから、と注意を促して。自分の体調や吸血鬼特有の感覚から相手に助言が出来るのは唯一良い事だと思いつつ、髪を撫でる優しい手付きに猫のように目を細めるも此方を見つめる相手の様子に少し首を傾げて、相手の頬に手を添えて。)
……どうかした、?
(/ いえいえ、大丈夫ですよ!お気になさらず。)
了解、下手にケガしないよう気をつけるな。
・・・昨日、お前のことを探してる吸血鬼に会った。ブラウンのロングヘアに、ボルドー色の目をした女吸血鬼・・・心当たりあるか?
(相手の体調次第でほかの吸血鬼の動向がわかるのは有難く、忠告には素直に頷いた。目を細めて自分の手の気持ちよさを享受している相手に優しく微笑めば、こちらの思案に気づいた相手は首を傾げて尋ねる。伸びてきた相手の手に頬を擦り寄せると昨夜会った吸血鬼のことを話し、相手と面識があるだろうと考えながらどうなのだろうと問いかけて)
(/すみません、ありがとうございます・・・以後気をつけますね(蹴り推奨))
……知ってる、イザベラだ。街に現れた女吸血鬼が彼女だとは思わなかったけど…
(自分の事を探している吸血鬼、という思いがけない相手の言葉に驚いたのも束の間、相手が口にしたその特徴に複雑そうな表情を浮かべて彼女の名前を口にして。女性の吸血鬼が現れたと聞いてもまさか彼女だとは思わなかったと言いながら少し思案する様子を見せて。テオに昔の交友関係、延いては恋人の話をした事は無かった。親しい間柄の友人と呼べるような存在もそれほど居なかったし、過去の自分と関係があったのは当然吸血鬼ばかりで、相手を嫌な気持ちにさせたく無いとも思っていた。その中でも彼女は付き合いが長かったが、別れたのはもう何年も前の事。今町で多くの被害者を出している吸血鬼が昔の恋人だと言ったら彼はどう思うだろうと一抹の不安はあったものの、相手に嘘を吐く気にはならずぽつりと言葉を紡いで。)
…彼女とは、随分前に付き合っていた。昔の恋人だ。だけどイザベラには新しい恋人が居る筈だし、その彼とこの街を出て行った。どうして今更戻って来たんだろう、
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