吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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どういう人って・・・綺麗なやつだよ。どこかでモデルとかしても可笑しくない見た目してて、パッと見は綺麗過ぎて冷たいかも、なんて感じ受けるな。
(先程まで恋人のことを惚気けていたのに自分に恋人がいることを知ると興味津々で迫ってきた。相手の食いつきが良すぎることに少し引きつつグラスを置いてフォークを手に取ればサラダを突っつき食べ始める。確かに自分から恋人の話なんてしたことがないのだから知らなくても無理はないが、こんなにも他人の恋人話にこうするのも少し考えものだ。頭の中にクラウスの姿を思い浮かべつつ容姿を伝えるも、その中身は可愛らしいのだと微笑んで)
でも本当はふわふわしてて優しくて、泣き虫な甘えん坊なんだよな。
…へえ、お前がそんなに言うなら綺麗なんだろうな。美人を捕まえたって拠点の他の奴らが聞いたら袋叩きに合うかもしれないから、気を付けろよ。
(恋愛の話で盛り上がるのが昔から好きな自分からすれば、あまり自分から惚気てくることのない相手の話はとても興味を惹かれるもので。その上、恋人がそれほどまでに綺麗な人なのだと聞けば、一層相手の話に耳を傾けたくなる。しかし他のハンターの前でそんな話をしようものなら、恋人のいない同僚たちから妬まれてよってたかって質問攻めにされたり大変そうだと冗談めかして言うと可笑しそうに笑って。頼んだスペアリブやパスタが運ばれて来るとそれを取り分けて食べ始めながら、柔らかい表情を浮かべて恋人のことを話す相手をじっと見つめ幸せそうだと思いながら、話に花を咲かせて。)
ははっ、そうだな。お前が恋人いるってわかった時みたいに吊るし上げられたくないしな。
(冗談めかして笑う相手につられて自分も楽しくなって笑えば、過去に恋人がいることを拠点で暴露し恋人がいないもの達に吊し上げを食らっていた姿を思い出す。自分はその時には婚約者が殺害されていたため同じようにはされなかったが、恋人がいない男たちの執念とは怖いものだとゾッとしたのを覚えている。あの男たちはある意味飢餓状態の吸血鬼並に怖かったが、恨み呪いの言葉を吐かれても楽しそうに笑っていた相手も怖かった・・・。
そうしてしばらく料理やカクテルを楽しみながら相手の惚気話を聞いたり、時には自分からも話をしたりして過ごしていれば、いい時間になっていた。相手に少し手を洗ってくる、と告げ席を立ち手洗いに行こうとすれば曲がり角の向こうからクラウスと女性の姿が見えて思わず足を止めてしまった。)
(時折別の配膳や接客の合間に相手のいるテーブルに視線を向けていたものの、楽しそうにしている様子に僅かながら胸の内に黒い靄が溜まっていくのを感じていて。内容までは聞き取れないが、とても楽しそうに話をしながら柔らかく微笑むあの顔は自分だけが見られるものの筈だった。それなのに今は、あの同僚にその表情が向けられている。そのモヤモヤした気持ちが顔に出ていたのか、ぼんやりしていた事を心配してか、一緒に働く女性から声を掛けられると直ぐにいつも通り微笑むと大丈夫だと首を振って。ちょうど洗い終えた皿を厨房から渡され、二人で話しながら食器類を棚に戻し始めて。)
──すみません、少しぼんやりしていました。…この棚の位置少し高いですよね、上の方は僕が戻しますよ。ハンナさんはグラスをお願いします。
あら、ありがとうクラウスくん。あーぁ、うちの旦那もクラウスくんみたいに気が利いて欲しいわ。
(作り終わった料理をテーブルに持っていき、食べ終わったお皿を下げていれば、最近入った新人くんがどうやらぼんやりとしていて思わず声をかけてしまった。考え事でもあるのかと思ったがすぐいつもの笑顔に戻ったため、そう踏み込むことでもないのかもしれない。厨房から渡されたお皿とグラスを仕舞おうとすればさりげなく彼にお皿を取られ、そう高くないところに仕舞うグラスを任せられた。それにお礼を言いつつ、何気ない優しさを発揮出来る彼に思わず旦那の愚痴を呟いてしまう。結婚して長く子どももいるけれど、どうにも旦那の悪いところが目に付いてしまって、それを吐き出してしまいたいのだった。)
いえいえ。ハンナさんにそんな風に言って貰えるなんて嬉しいです。
(長く一緒に暮らして居ると愚痴を溢したくなる事もあるだろう、しかしなんだかんだ言いながらも夫婦仲の良い素敵な家族なのだということは知っていて、相手の言葉には笑いながら答えてお礼を言い。彼と暮らすようになってから、料理を作ってもらう代わりに後片付けを担当するようになった訳だが、誰かの喜ぶ顔を見るのは嬉しい事なのだと実感出来たのは恥ずかしながら最近の事。食器を片付けながら愚痴を聞いては相手の話す家での出来事が面白くて、楽しそうに笑って。)
あぁ、クラウスくんがいい子すぎて眩しい・・・。ごめんね、いつも愚痴聞いて貰っちゃって。クラウスくんは悩んでることとかない?大丈夫?
(昨日だって・・・と愚痴を零していれば楽しそうに笑いながら話を聞いてくれてくれていい子だわ・・・と額に手を当てる。いい子すぎて悪い女の子に引っかからないか心配だが、案外しっかりしているところもあるので大丈夫だろう。グラスの片付けが終わり、紙ナプキンなどの消耗品の確認をしながら愚痴を聞いてくれることへの謝罪をする。いつも聞いてもらってばかりなので、彼が困っていることはないか。自分の方が年上で長く生きているのだからなにかアドバイスできることがあるのではないかと質問してみて)
僕は……すごく、すごく大切な人が居て。その人の事になると、自分でも嫌になるくらい心が狭くなってしまうんです。でも、…嫉妬深い恋人なんて嫌ですよね、
(相手からの謝罪に、そんな、と首を振り「僕で良ければいつでも聞きますよ、」と微笑んで。相手に問いかけられると一瞬何と答えようか迷い瞬きをしたものの、正直に相談してみようという気になってぽつりと話し出して。フロアに目を配りサービスを求める客がいないか確認しながら、今は大丈夫そうだと思えばグラスを磨くためクロスを手にして。彼の事になるとどうしても心が狭くなって、自分だけを見てくれれば良いのにと身勝手な欲が湧いてしまう。今だって、彼と笑い合って食事をしているのが自分なら良いのにと思うし、あんなに優しい笑顔を自分以外に向けないで欲しいとさえ思ってしまう。こんなに嫉妬深くて歪な感情を抱いていたら、相手に息苦しい思いをさせてしまうと分かっている筈なのに。そんな思いを人に話したことはなく、幾ら優しい相手でも引かれてしまうだろうかと慌てて困ったように笑って見せながら。)
うふふ、恋人に対して嫉妬深くなることなんて普通よ。私だって若い頃なんか何度も嫉妬したし、今だって子どもにばかり構って私の事なんか見向きもしない旦那に嫉妬するわ。
(ぽつりと言われた悩みは自分にも見に覚えがあるもので、やはり彼も若いんだなと微笑ましく思う。恋人に自分だけを見て欲しい、他の人と話して欲しくない、そんなモヤモヤとした自己嫌悪してしまうような嫉妬なのだろう。自分の悩みを口に出す彼の表情からもそれが見て取れて、でも慌てて困ったように笑う彼にくすくすと優しく笑ってみせる。決してそれは悪いことではなく普通のことであると、誰だって経験することだと伝え、言葉から読み取れる彼の愛情深さを褒めるのだ。)
嫉妬するってことは、それだけ相手が愛おしいってことよ。クラウスくんはとっても恋人さんのこと愛しているのね。
少し安心しました。ハンナさんでも、嫉妬することがあるんですね。
(モヤモヤとした独占欲にも似た感情を相手も抱くことがあるのだと聞くと驚いたように瞬きをして。いつも明るく優しい相手は、嫉妬深さとは無縁なように思っていたからだった。普通の事だと言われると自分ばかりが独占欲や嫉妬心を抱えている訳ではないのだと少し気持ちが楽になって、続く相手の言葉には思わずはにかんだように笑いながら頷いて。)
…はい、とても。すみません、突然こんな話。
まぁね、人生長いこと過ごしてると嫉妬もするわ。
(自分の話を聞いて安心感を覚えたらしい。暗かった顔色が明るくなった気がして嬉しい気持ちというか親が息子の恋愛話を聞いて微笑ましくなった気分だった。はにかむ笑顔に可愛らしいものを見た時のようなときめきを覚えれば、自分も楽しかったと告げて)
いーえ、若い子の悩み聞けて楽しいわ。恋バナも聞けて潤った気もするし。・・・あ、この灰皿割れてるわ。倉庫に行ってくるわね、きゃぁ!
(ふと灰皿を確認していれば1つヒビが入っていて取り替えようと手に取る。確か倉庫に予備があったはずだと彼の方に顔を向けながら足を進めようとすると足元にあった箱に躓き悲鳴をあげながら体勢を崩してしまって)
…っ、ハンナさん!……危なかった…大丈夫ですか?
(相手に話を聞いてもらい少し気持ちも落ち着き、倉庫に行くという相手を見送ろうとしたものの相手が箱に躓きそうな事に気づいて制止するように名前を呼んだものの既に相手はバランスを崩した後で、慌てて腕を引くように抱き寄せて背中を支え。相手が転んでしまわなかったことに安堵したようにほっと息を吐くと、どこかぶつけていないだろうかと相手に尋ねて。)
う、うん。びっくりした・・・ごめんねクラウスくん。ありがとう。
(頭が体をぶつけると覚悟していたが、力強く腕を引かれ抱き寄せられるように支えられると今度はその様子にびっくりして目を丸くする。やっぱり男の子なんだなぁ、と感心しながら心配させてしまった謝罪と支えてくれたお礼を伝え、自分を支える手を軽く叩いて離すよう訴える。もしこれがお客さんや他の従業員に見られては面倒なことになると思ったのだ。彼から離れると腕を伸ばして子どもにするように軽く頭を撫でもう一度お礼を伝えると今度こそ倉庫に足を進めて)
支えてくれてありがとうね。じゃあ今度こそ倉庫行ってくるから少しの間ホールは頼むわ。
っ、すみません、馴れ馴れしく…いえ、お怪我が無いなら良いんです。気をつけてくださいね。
(咄嗟の事で深く考えず相手を引き寄せるようにして支えたものの、つい距離が近くなってしまったのは恐らくこれまでも吸血するために女性を抱き寄せていた行動の名残だろう。手を軽く叩かれたことで慌てて離れると、突然の事とはいえ先輩相手に失礼な事をしてしまったと謝って。相手を見送って少ししてからオーダーが入ると客のテーブルに向かい、また仕事を再開して。)
・・・っ、
(盗み見るつもりなんてなかったけれど、つい見えてしまった。クラウスと女性が抱き合っているところを。その光景を見た瞬間、ぎゅっと心臓を握り潰されたような、呼吸が止まってしまったような気がしてとても苦しかった。2人は直ぐに離れてそれぞれ仕事に戻ったようで、自分の気配に気づいた様子はない。服の上から心臓の上あたりを握りしめ荒ぶる心臓を止めようとするが欠片も効果はない。・・・やはり自分のような男よりも彼女のような女性の方が良いのだろうか。自分には相手しかいないし、相手にだって自分だけなのは理解はしているがあんな光景を見てしまうと本当にそうなのだろうかとモヤモヤとした不安が胸の辺りに溜まっていくようだった。
さっさと手を洗って戻ってしまおう。一緒に来た友人も長く戻らなければ心配するだろうし、なによりここにもう居たくない。そう考えると目的地であった手洗いへと足を進め目的を達しておく。部屋に戻る前には一度深呼吸をして表情を整えてから入室すると、テーブルの上には追加で注文されたらしいデザートとそれを頬張る友人の姿が見えて呆れたように席についた)
・・・お前、よく腹に入るな。
此処デザートも美味いんだよ。お前は?何か頼まなくて良いのか?
(相手が戻ってくると追加で注文したレモンチーズタルトを頬張りながら、呆れたように言う相手に答えて。食事の締めにしてはかなりしっかりしたデザートだが、つい惹かれてしまったのだ。デザートは他にも色々種類があるが何か頼まなくいいのかと、メニューを相手の方に押しやりながら尋ねて。散々惚気を聞いてもらい、意外な相手の話も聞くことができかなりご満悦な様子で、既に残り少なくなったタルトを口に運んで。)
腹いっぱいだからもういらん。というかお前が食べてるところを見てるだけで胸焼けしそうだよ。
(こいつの腹はどうなっているんだ、と眉を寄せて座れば手を振ってもう要らないと示す。実際腹は脹れているし、先程の光景が頭の中でチラついて食欲が湧くわけでもなく頬杖をついてボーッと外を見る。深夜までやっている店の灯りを除けば街灯の灯りしか目に入らないがそれを見ているだけでも気が紛れる気がして、相手が食べ終わるまで外を眺め続けて)
(そうか、と返事をしながら最後のタルトにフォークを刺して口に運ぶとご馳走さま、と手を合わせて。外は灯りも朧でかなりゆっくりしてしまったと思えば、そろそろ帰ろうかと声をかけて帰り支度をして。)
はー食った食った!そろそろ帰るか、今日は付き合ってくれてありがとな。
いや、こっちこそ美味い飯食わせてもらったし気分転換にもなったから有難かったよ。金は適当に渡すから後で釣りは返してくれ。
(デザートも食べ終わったようで声をかけられると視線を元に戻して自分も帰りの支度を始める。付き合ってくれてありがとうと言われたが、自分こそ美味しい食事ができたとお礼を伝え。支払いの方は相手に任せた方が楽だろうと適当にお金を相手に渡すと、お釣りは後で返して欲しいと伝え)
悪いな、割り勘して余った分は拠点で会った時に返すよ。
(相手からお金を受け取り支払いを済ませると、レシートを受け取り多く貰い過ぎた分は拠点で会った時に返すと伝えて。自宅の方面は逆のため店の前で別れると「またな!」と夜にも関わらず明るく手を振って帰っていき。一方のクラウスも2人が店を出てから1時間程後に仕事を終え閉店作業を済ませると、すっかり人通りがなくなり静かになった道を歩いて家へと戻って行き。)
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