匿名さん 2021-02-24 23:00:36 |
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気になるものですか、俺も気になるので楽しみです
(相手の言う気になるものは何だろうかと興味深そうに。開放的な夜空、電灯の少ない道というのも昔を思い出させる要因であって。相手についていきながら「えぇ、かなり昔のことで俺や行真が全盛期だった頃に感じたことがあります」と微笑んで。「俺もとても楽しみにしていました。一人で月を眺めるのも良いですが、誰かと一緒に眺める月というのも格別だと思うので」と一人での月見にも魅力はあるものの、相手と共に行う月見には別の魅力があると告げて。相手が妖怪にぶつかってしまったのを見ると「大丈夫ですか?」と声をかけさりげなく妖怪と相手の間に入って守ろうとして)
それがね、両親が大切にしていた絵画なんです、人一人分くらいの大きさの。悪いものではないと思うんだけど何か気配が気になってて……もしよければ先に実家に寄って行ってもいいですか?
(口元に手を添えて考え込む様子は深刻そうではないが気がかりなのは確かで、劣化しないよう深緑色の布を掛けられた絵画を頭に思い浮かべながら話し。「そうなんだ、確かにここは田舎な分、緑豊かで月が綺麗に見えますね。雪夜見には言い伝えもあったりして、今も信仰が続いてるんですよ」と小さく笑って。続く言葉には一緒にお月見をすることを楽しみにしていたことが感じ取れ「ふふ、嬉しいなあ。楽しもうね」と嬉しそうな笑顔になって。妖怪と自分の間に相手が入るように来てくれれば、ふと表情がほどけて「うん、大丈夫。今日は見鬼の力が落ちてるみたいで気をつけてるんだけど、妖怪は普通に素通りしてるし、遠巻きに見られてる感覚もないの」もちろん髪にさしている簪の効果もあるが、この町の妖怪は大人しい印象を受けており。とはいえ相手がいることは心強く彼の服の袖をきゅっと掴んで、見えて来た上り坂を歩いていき)
絵画ですか。確かにそれは気になりますね
(相手から絵画が気になると聞けば「人形もそうですが人の形を模した物は信仰や恐怖で変容しやすいですから。大切にされているのであれば尚更」と普通の絵画ではなくなっている可能性について話して。大切にされていたこと、相手も悪いものではないと感じていることからそう危険はないだろう考えて。「もちろん。大丈夫ですよ」と先に実家に寄りたいという言葉に頷いて。「言い伝えに信仰ですか。それは興味深いですね。どういう言い伝えがあるんですか?」と自身も怪異であるためどのような逸話があるのだろうかと興味を持って。何事も無かったように通り過ぎていく妖怪を見送った後「良かった。体調が悪い、という感じでは無さそうですね。まだ力が不安定なのかもしれません」と相手の言葉を聞いて見鬼の力が落ちている原因を考えてその予測を話して)
なるほど、中には逸話がある絵画もありますよね。うちにある絵は特に両親からそういう話は聞かされなかったんだけど、わたしがまだ幼い頃に父が知り合いから譲り受けたものだそうです。――あぁでも、昔絵がある部屋から何か物音がしたことがあったような。カチッていう、金属が噛み合ったような音……?
(話をしているうちに少しずつ記憶が蘇って来たようで、やや視線を落として地面に目を向けながらぽつりと呟き。長い坂道を上る足は止めずに歩いていけば、道に沿うようにぽつぽつと住宅の明かりが見え始め。しかしほとんどが平屋のためか、月明かりは遮られることなく道は仄かに明るいまま。「言い伝えは確か災害伝承です。一般的に知られる『鯰が地下で暴れると地震が来る』と似たようなものですね。雪夜見の言い伝えでは確か『樅の木を月明かりに照らせば災害は起きず、安寧に暮らせる』だったかな」と視線を斜め上に向け思い出しながら首を傾げて。見鬼の力が落ちている原因を聞けば「そっか、いつかちゃんと力が安定するようになればいいな。もしかしたら絵画も視えないかもしれないけどよろしくお願いします」と坂道の中間地点に家があり後数分で到着することと、自分では役に立てるか怪しいと考えれば丁寧な口調でそう伝えて)
目が動くとか夜中に絵から抜け出すという怪談があったりしますね。それはそれで何か仕掛けがしてありそうですね
(これまで聞いたことがある怪談を告げた後、相手から絵のあるへyあから音が聞こえたと聞けば怪異であるかどうかは不明ではあるが何かしらの仕掛けはされていそうだなと感じて。続いて語られる伝承について聞けば「言い伝えや伝承には何かしら根拠のようなものがあることが多いので、その言い伝えも面白いですね。この空気と関わりがあるのかもしれません」とここへ来た時に感じた清らかな空気とその伝承は関係しているのではと予想して。「そうですね。なかなか安定しなければ行真に聞いてみるのもいいかもしれません」とその手の能力については自分より行真の方が詳しいだろうと考えて。「分かりました。その時は私が確認します」ともし絵画見えなくなってしまっていた場合には自分がフォローすると言って)
う、あり得そうです……。心の準備しときますね。仕掛けも気になるし、とにかく行って確認ですねっ。行きましょう、上月さん。
(自分の実家でホラー映画のようなことが起こっている可能性を否定することは出来ず、むしろ怪異の存在を知っている今では異形の線が濃厚だと顔をやや引き攣らせながら相手に同意し。「そっか、確かに教訓として後世に語り継がれている言い伝えもありますよね。深く考えたことなかったな」高校までこの町で育った者としては故郷の言い伝えは普通で、考察する相手に盲点だったと目をまばたかせ自身も考えるように口元に手を添えて。行真さんの話が出れば「そうですね、数日経っても力が戻らなければ連絡してみます。――…ありがとう、頼もしいです」とフォローしてくれるという相手に表情を笑みに崩してお礼を伝えて。そうしていれば坂道に並ぶ住宅の一つ、青色の屋根をした平屋が見えてくると「あ、あの青色の屋根のお家が実家です。今、開けますね」と指で差し示し、玄関扉の前まで歩いていくだろう)
大切にされていたそうですし、秋月さんが感じているようにそう悪いものではないと思いますが、動いたり反応があった時の心の準備はしておいた方がいいかもしれませんね
(微かに顔を引きつらせる相手にクスッと小さく笑って。「なので実際に何か起こった時はその言い伝えが解決のための思わぬ糸口になったりするんです」と相手の言葉に頷きながら答えて。相手からお礼を言われると嬉しそうに微笑んで。「素敵なご実家ですね」と相手の指差した平屋を見て玄関の近くで待ちつつ空を見上げて)
わ、分かりました。何があるんだろうなあ……。
(不思議そうな表情で考えながら会話を交わしていけば、相手が実家を褒めてくれたことに嬉しそうに目を細めて「ありがとう」とお礼を伝えて。
そして家の前まで来るとバッグからキーケースを取り出す。しかし実家には灯りが点いていないことに加え、近くの木が影になって手元は暗い。月明かりが通る相手の横に移動し、そこで掌に広げた鍵は3つ。1つは今住まわせて貰っている家の鍵、2つ目はこの家の銀色の鍵、最後は青銅製のアンティーク調の鍵である。そしてカチャリと銀色の鍵で家を開けた音が響く。「どうぞ、上がって上がって」しかし相手に穏やかな笑みを向けて中に入った瞬間、ふっとひんやりとした薄い膜のような物が肌に触れ。周りの空気が一変し、強制的に空間を仕切られたような感覚を覚えるがそれは不思議と安心感があり。それはヒトならざる者でも悪意が無ければ入ることが出来るモノで。
室内は整然としており居住者の佇まいを感じさせない程さっぱりとしている。思い出の品と、最低限生活出来るだけの物だけは揃えてあるらしい。荷物は適当に置いてもらって良いことを告げれば、ふと相手の方へ顔を向け「絵画は奥の部屋にあるの。うちは両親が2人とも亡くなってるから自分のこともだけど、絵について聞きようがなくて。だから例えるなら今、両親が残したビックリ箱を開ける直前の気分です。ドキドキ、ハラハラです」特別悲しそうな様子はなく、何があるか分からない緊張の中にどこか面白そうな表情をしながら奥の部屋へと向かって行き)
お邪魔します
(相手に促され家と上がると空気が変わったことに気が付いて。相手が言っていた雰囲気が違うというのはこれのことだろうかと考えつつ靴を揃えて家に上がれば相手の言葉に従って邪魔にならないように気をつけ荷物を置いて。随分とさっぱりしているなと思ったものの、色々理由もあるだろうと思えば特に何も言わず。相手の言動から何となくは分かっていたものの両親は亡くなっているのだと聞けばどう言っていいのか分からず「びっくり箱、面白い言い方ですね」と相手の調子に合わせ興味深そうに言って相手についていって)
(独特な家の雰囲気に、歩きながら周囲を見回してみるが特に目に見えた異変はなく。この家に禍々しさはどこにもなく、相手の様子からやはりそう悪いものでもないのではと感じて。両親について深く突っ込まれなかったのは彼の配慮だろうか、自分に合わせてくれるような返答を貰うと微笑を浮かべ「ふふ、緊張もしてるけどちょっとは楽しみでもあるんですよ」と目元を緩めて。そうして奥の部屋の前まで辿り着くと相手の方を振り返り「この部屋です」と一言添えて。ノブを引いてドアを開けた先、その部屋は綺麗に整理され調度も少なく。それだけに壁際に寄せられた大きな絵画の存在は異質な雰囲気を放っていることもあって目立っていて。絵画は台座に乗せられ、その大きさは2メートル弱。絵を覆うように深緑色の布が掛けられているが、悪い気配はない。下から上まで絵画に視線を注ぎながら口を開き「どう思いますか? ……とりあえず布を取ってみます?」と首を傾けて)
予想の付かない出来事というのはワクワクしますね
(悪い気配がするのであれば警戒もするが、それらしい気配は今のところ感じないため、自分も楽しみだと微笑みを浮かべて。相手に案内され奥の部屋に入れば部屋自体は特に気にならないものの、絵画以外のものが少ないこともあり大きな絵画の存在感には何か感じるものはあって。絵にかけられている布からも特に感じるものはなく「そうですね。絵を見てみたいです」と言って布を取ろうとして)
(相手が布を取ると絵は真っ白で何も描かれておらず、数秒間絵画を凝視する眼差しは驚きに満ち。もしかしたらこちらは裏面ではないか、そんな考えが頭に浮かべば恐る恐る絵画の反対側を確認しようと壁際に近付いて。そして静かに絵画を動かした瞬間「上月さん、これ……」と視えないのか目を細めつつ、相手にも見えるよう絵画を両手で押して動かし。絵画に隠れていた後ろの壁には丁度絵画程の大きさの、茶色のアンティーク調のドアが現れドアノブの下には鍵穴があり)
(白紙の絵画に驚きじっと絵画を見た後、相手が絵画を動かせばその後ろにあったドアが目に入って。「秋月さん、このドアは見えていますか?」と相手の反応からして見えていないのではと思いつつ、ドアに近付き指差して。ドアノブの下にある鍵穴を見つければ「ここに鍵穴があります。鍵に覚えはありませんか?」と尋ねて。手帳を取り出せば簡単にドアと鍵を描いて相手に見せてみて)
……いや、影みたいにぼんやりしてます。これドアなんですね。
(再び真っ白な絵画を凝視していたが相手の声にそっと壁際に顔を寄せてじっと見つめるも、それは輪郭が曖昧で影としか映らず。分かることといえばどうやら絵画と同程度の大きさというくらいで。そこで相手の手帳を覗き込めば紙に描かれた絵に「鍵ですか。うーん……、そういえば遺品整理の時に出て来た鍵があったような。今取ってきますね」一度断りを入れて部屋を出るとリビングへ向かって。キーケースに付いた鍵の一つを持って再び戻って来れば「お待たせしました。これ、何に使うのかずっと分からずに置いてた鍵なんです。どうかな」と相手に鍵を差し出して)
えぇ、アンティーク調のドアです
(ぼんやりとした影のように見えるという相手に頷いた後、自分はどのように見えるのかと話して。能力を持たない者であれば影さえも見えないだろうなと思いつつ相手が鍵を取りに行くと言えばそうして欲しいとお願いをして。相手が戻ってくれば鍵を受け取り眺めた後「ありがとうございます。開くか試してみても大丈夫ですか?」と相手を見て尋ねて。ドアからも鍵からも悪い気配は感じられず、大丈夫ではあるだろうとは思いながらも勝手に開けるのはなと思って)
(アンティーク調のドアという影を目を細めて見つめていたが、少しも彼が描いた絵のように見えて来ず、見鬼の力が落ちていると予め知っていても何だか悔しい気持ちすら湧いてきて。その感情に苦笑しつつ「いざ視えないとなるとなんか悔しいな」とぽつりと一言。責任を持って自分で開けたいのは山々だが視えない物は仕方ないと諦め、溜め息一つついて「ごめんね、やっぱり視えないみたい。開けてくれると助かります」そう悪い気配ではないが、何が飛び出して来るか分からないモノに緊張感の混じった瞳を浮かべ)
何だか悔しそうだなと思いましたけどそういう理由でしたか
(ドアを見つめた相手が何となく悔しそうに見え、その理由が相手から語られれば可愛らしく感じて小さく笑って。「仕方のないことだから気にしないで」と力が不安定であることはどうにもならないからと相手は悪くないと言った後、相手の言葉に頷けば受け取った鍵をドアの鍵穴へと差し込み回して。無事鍵が開いたのであればドアノブを回して扉を開けようとして)
だってせっかく見えるようになったのに、肝心なところで見えないんだもの。
(自分の負けず嫌いがうっかり露見したような気がし、そっぽを向きながらも相手の言葉に頷いて悔しい理由を話し。扉を開けることを快く引き受けてくれる相手に、改めて優しさに触れた気がして御礼を伝え。そうしているうちにカチッという澄んだ音がして鍵が開く。彼がドアノブを捻る仕草をすれば思いがけなくスッと扉が開く。「……今の鍵が開く音、たぶんわたしが昔聞いた『金属が噛み合う音』と同じやつです」何か思案するように口元に手を当てているとふと相手の方へ顔を向けて「もしかしたら両親はこの中に入ったことがあるのかも。行ってみましょうか」――もし夜目が利くのであれば、真っ暗なドアの向こうに何やら書斎があることが分かるだろうか。その部屋もまた年代が古そうなアンティーク家具が置かれていて)
確かにそれは悔しいかもしれませんね
(悔しがる相手が何となく可愛らしく思い、小さく笑いながら答えて。相手からのお礼には何でもないように答えつつ、抵抗なく鍵を回すことが出来ればゆっくりと扉を開けて中を覗いてみて。「なるほど、言われてみれば印象に残る音かもしれません」と思っていたよりも響いた鍵の外れる音に納得した様子で頷いて。自分としても扉の先がどうなっているのか気になるため行くことには反対せず「そうですね。行きましょう」と言った後「どうやら書斎のようなものがあります。それに古そうなアンティーク調の家具が見えますね」と部屋のことを伝えれば、扉をくぐりその部屋へと向かおうとして)
(相手の話にそうなんだ、と感嘆しながら後に続いて部屋に入れば、見鬼の力が落ちていても入室出来たことにほっとする。中に入ったためか気配が強くなったことを感じつつ、ドア近くに電気のスイッチがないか手探りで壁に触れていると、それらしき物があってぱちりと灯りをつけ。本の詰まった書架、机に向かって斜めに置かれた肘掛け椅子、革張りのソファ。部屋の中を見回し首を傾げ「あれ、さっきより良く見える……。確かに書斎のようですね」そして椅子に掛けられた花柄のひざ掛けと男物の緑色の上着を発見すると、傍に寄って手に取り「これ、両親の物です。2人が気に入ってた物だったからどこにあるんだろうと思ってたんだけど……」ひざ掛けとカーディガンに目を落としながら考え込むように口を閉じ。机上には本やペンの他に目を閉じた梟の置物。これも両親の物だろうか。そんなことを考えて梟に顔を近付けて見つめていると、ふいに梟は目を開けギョロリとした黄色の瞳と視線が合い『ホウ、何やら似たような気配がすると思えば来たのは娘の方かの』と梟はしわがれた声音で喋り出し、思わずビクリと肩を震わせれば素早く上体を起こして)
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