少年D 2021-02-22 00:09:26 |
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>鬼灯 奏 (/>>27)
─ ─ハッ、最初から余所見してんじゃねぇ!(張り上げた声に合わせ瞬時に攻撃を避けた彼女の様子を見届けては爆速ターボ、空中を爆破で進み仮想敵の顔面に飛び込んでいく。横目で小言を叫ぶ彼女を見遣れば此方の動きを理解してか一定の距離を保っていた。その表情迄は読み取れないが、発言からの余裕を感じれば攻撃はきちんと避けられていた様だ。両の手を仮想敵に翳し、口角を持ち上げる。ヒーローらしからぬ発言は最早お馴染み"しねや!"叫んだ言葉と共に眩い光線が掌に集まり一瞬で大きな爆発へと姿を変える。手加減なく発した攻撃により仮想敵の頭部分は粉々になって散り、その下に続く体部分が機能を無くしてぐらりと揺れた。個性を発現し身体能力を上げた事、自身の攻撃に合わせ距離を取った冷静さ、発言から見られた余裕等から彼女を把握した上で打った攻撃だった。仮想敵の大きな身体が彼女側へと倒れていくのを見遣れば、地面へ落下する間に再び口を開く。怪我したくなけりゃ避けろ、と。そう叫ぶ筈だった言葉は喉の奥で突っかかり止まってしまった。彼女の顔が、僅かに歪んで見えたからだ。笑みを浮かべていたせいで気付かなかったが、おそらくは先程の攻撃を避けた際に何処かしらを痛めている。此方の判断不足が招く最悪の事態に、眉間には深いシワが刻まれた。再び地面を爆速ターボで移動、彼女の元へと急ぐが倒れる速度には間に合わず。喉の奥から再び外へ飛び出した言葉は、彼女の闘争心を煽る様な一言だった)ッ、おいこらツノ!テメェまさかその儘動けねぇとかぬかさねぇよなァ!
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