少年D 2021-02-22 00:09:26 |
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>矢雷 雨 (/>>23)
む…それは何も言い返せないな…逆に気を遣わせてしまった様ですまない。君と何を話そうかと、そればかりに気をとられて周りの騒がしさに気付かなかった。
(立ち上がらんとする程の迫力で返答を返す彼女の言葉にはたと周りを見渡せば、クラスでも常に騒がしい部類の同級生が騒いでいたり、女生徒もまた他愛ない話に花を咲かせているのが目に入る。彼女と自分の事にばかり気をとられて視野が狭まり周りの事等見えていなかったのを感じると、要らぬ気遣いをさせてしまった事から縦に振り下ろしていた手を頬に運び視線を逸らしてそこを掻いた。次ぐ言葉すら押付ける事の無い気遣いに頭は上がらない。彼女の心からの優しさに、大袈裟ながら彼女はいいヒーローになるななどとぼんやり考えていた。その優しい彼女の好意を無碍にしたくはない。先程迄叩かれていた席にそそくさと身体を運べば少し硬いソファに腰を降ろした。自身の体重で緩やかにその場が軋む。マグカップを机に起きながらなんて事ない自然な流れで改めて彼女に視線を遣った。一一と、此処で突然先程の自身の言葉を思い出した。自身は、彼女に、何と口にしたのか。もしかしなくとも、とても恥ずかしい事を口にはしなかっただろうか。無意識に発せられた言葉を思い出しながら、爆発的な羞恥心に身体はロボットのように硬くなっていった。つつけば鉄の錆びた音さえしそうだ。相手がその発言を気にしているかも解らないのに、誤魔化しきれない羞恥心は言葉となって外に飛び出した。再び縦に動き出した掌はビュンビュンと風を切って音が鳴っている。)…さっ、先程の発言だが…!決して!決して変な意味ではなく…!!勉学に励む君に何と声を掛けるのが妥当かと!!そういった意味であって…!!
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