少年D 2021-02-22 00:09:26 |
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>音倉 詩楽 (/>>16)
真面目な事を言ったあとで笑われた時は、テンネンってやつを出しちまってるらしい。出してる自覚はねぇんだ、悪い…
(口にした言葉は心からの言葉であり続く言葉も至って真剣に答えたつもりであったが、我慢したが耐えられないと言った具合に笑われてしまった。何か間違った事を言ってしまったかとも思ったが、繰り返される言葉を聞く限りでは失言をしたという事ではないらしい。以前に緑谷や飯田にも同じ様に笑われた事があった。その時にも自分は真面目に答えていたつもりであったが何やら受け取り手は考えるものがあったらしく、そういった流れの時は必ず"テンネンが出てる"と口を揃えられたものだ。厄介な事にテンネンというものを出している自覚はなく、どんなものか得体も知れない為に上記を口にしては大丈夫かと心配の言葉を添えた。然しやがて一頻り笑い切った相手が涙を拭き、花が咲くように綻ぶ笑顔を視界に収めたところで自身のそんな話はどうでも良くなってしまうのだから我ながら単純な性格だなと思える。一一暫しの沈黙。気付けば辺りは程よい暗さに包まれ始め、眩い程に2人を照らしていた赤オレンジの夕陽は間も無く消えようとしていた。ふと、裾を緩やかな力でひかれる。随分と歩いた帰り道もあと僅かで終わり、そんな時間を引き止めるような一手だった。思わず足を止めて彼に視線を落とす。今度こそと開かれた唇。どうやら此方の意が伝わって、頼って貰えるらしい。応えるように黙って頷いてみせた。鳥が羽を畳む様な緩やかな動きで睫毛が伏せて、同じ様にゆっくりと揺れる肩をみれば深呼吸をしたのだと解る。心を落ち着かせてからするお願い事、勇気がいるものなのだろうか。どんな願い事がくるのか、様々な思考が渦巻く中で差し出されたペンダント。彼の口から零れ落ちたお願い事は想像をいい意味で裏切る様な、なんとも愛らしく、胸を擽られる様なそれだった。)
…そんな畏まって強請らなくても、おまえとなら何時でも出掛ける。写真も撮ろう。帰りには冷たい蕎麦も食いてぇ。
(緊張した様な、どこか張り詰めた様にも見える彼の表情に随分と勇気を出してくれた事が伺える。思えばこの学校に入ってから色んな事があったせいで、誘い難い雰囲気はあったのかもしれない。裾を掴む手に自身の手を重ねては、答えは簡単だ。目を細め緩やかなカーブを描いて少しだけ口角を上げつつ上記を口にした。幼き日の様に、2人で肩を並べて良く歩いた。色んな場所へ行った。そんな思い出を新たに作ること。想像しては胸のうちに込み上げたのは確かなる喜びだった。)
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>>17 / 主様
(/基本的に自由人なので良くも悪くも衝突はあるかと思われますが、彼女だからこそ出来る爆豪くんとの絡み方でもあるので楽しみたいと思います!そして戦闘ロルは主様も初めまして、ということなので初めまして同士手探りながら楽しむことを忘れずにやり取りが出来ればなと!此方も一度下がらせて頂きますが、お気軽にお声を掛けて頂ければ飛んで参りますので!)
>爆豪勝己
(暫しの沈黙の中で思考を巡らせてはみたものの、ここから先に進む術を導き出すことはそう簡単には出来ず。ここまで想定内といえばそうなのだが、先程まで此処に居た頼みの綱が揃ってこの場を離れてしまったとなると話は別だ。あの二人なら彼を上手く言いくるめることは出来ずとも、多少強引に繋いでくれる可能性があっただけにどうしたものかと思い悩んでしまう。そんな心情を知る由もなく今にも去って行ってしまいそうな様子には思わず乾いた笑みが零れる。引き留める理由もなければお互いに協力する必要性もないのだが、緑谷の周りには自然と人が集まることを考えると少数派を望む自身としては極力避けたい。加えてここで引き返している間、未だ何もしていない事が後に先生へと伝われば小言では済まないことが分かっているため、あらゆる手を使ってでも止めなければ!という考えに至り。嘘も方便、彼の手を借りたいというのはあながち間違っていないはずなので清々しいほどの笑みを口許に浮かべながら踵を返すように一歩踏み出してみて。)
後で爆豪連れて来てほしい、って言ってたから入れ替わりで緑谷来ると思うんだけど。…緑谷は私みたく素直に引き返してくれるかな。
>>20 /主さま
( /おお…!実は私、飯田くんの個性のスピードを考えて「デジタル」にしたんです!まさかそこまで見破られるとは…主パワー恐るべし…ッ!
了解しました!では此方もここらでドロンしようと思いますので、上記の文は蹴って頂いて構いません!お気使いありがとうございます(´-ω-`)ゞ)
>飯田天哉
邪魔…??そんなわけないじゃん!それにこの部屋で勉強出来てる時点でこの喧しさには慣れてるから隣に人が座ったくらいじゃ私の集中力は削げないし、折角自分の分と私の分を持ってきたんだったら、わざわざ戻って飲まなくても…あ、いや、別に好きにしてくれていいんだけどねっ!
(彼のことだ。奥にある勉強道具を見て、此方に気を使ってくれたんだろうと言葉を聞いてすぐ理解した。しかし、不安そうに此方を見据えて自身を邪魔だと言っている彼に対して心が抉られるような気分になり、少し強めに彼の言葉を撤回してしまう。口からするすると出てくる言葉に、男グループがギャーギャー騒ぎながら爆豪と話をしていたり、峰田が何やら意味不明の言葉を吐き出しながら叫んでいたりとするこの空間で黙々と勉強していた己はすごいな…と内心苦笑を浮かべつつ、後半部分のこのような言い回しでは、彼がまるで己とお茶をしたくて自ら来たと解釈されてしまうではないか!と言葉に身を任せた己にビンタしたくなった。友達同士なら隣で会話をしつつ何かを飲み食いするのは普通なのだろう。が、先のもどかしい気持ちがその思考を掻き消して、しどろもどろといった具合で、片手を振りつつ慌てて誤魔化しを入れる。)
>>21 / 轟 焦凍クン
「っ、ううん、謝らなくて良いよ。
…僕は焦くんのそういうところ他人より多く見てきてるけど…幼馴染的には好き、だし」
( 天然、確かに彼にはよく似合う言葉だ。多分その言葉をかけた人物は緑谷くん、或いは飯田くんだろうか、なんて推測してみる。それから発した自らの言葉の中にほんの少しだけ、彼に対する本音を織り交ぜる。"幼馴染的には"なんて、巫山戯た言葉。本当は心から彼のことが好きなのに、それを伝えようとすると喉に何かがつっかえたかのように言葉が紡げなくなる。これではまるで__神様が"言うな""しまっておけ"と命令しているみたいじゃないか。自らが本心を伝えることを止めているようにしか思えなくて。神なんて不確かな存在信じるに値しない、そう思っていたけれど案外本当に神様は居るのかもしれない。けれど僕のことなんてまるで愛していなくて、眼中にすらなくて、人によって格差を付けているのかも、今の格差社会のように。そんなくだらないことをうだうだ考えていれば、願いを述べて緊張する自身にするり、と入り込んでくる彼の言の葉。彼の言葉は自身を否定することなく受け入れて、彼が優しいことなんて分かっていた筈なのに、何時もの自分であれば相手の返答のパターンなんて幾つか予測出来た筈なのに、彼の言葉を聞いた途端に緊張の糸がぷつんっ…と切れた音がして一気に緊張が解けた。)
「そうだね、…いっぱい色んなところに行こう?帰りは冷たいお蕎麦を食べよう、…写真も沢山、撮らなきゃね」
( 言葉、震えていないか?自分ではよく分からない、生まれた不安がどんな道筋を辿るのかなんて予想は出来ない。戸惑ったように動く視線は、彼の行動と自分に見せた表情によって静止した。…否、静止せざるを得なくなった。彼の服の裾を掴んだ自らの手に、彼の大きな手が、重なる。其処から徐々に彼の体温が、彼の熱が、ひしひしと伝わってくるのが分かって、鼓動が信じられないくらい速くなるのを感じた。これはPresto、それともPrestissimo__?速度記号なんて考えている暇は無いのに、無意識的に浮かんでくるのはやはり自分が音楽に精通していることを実感させてくれるのだけれど、そうではなくて。重なった手に目を奪われ、けれどずっと見ていると心臓が破裂してしまいそうで、咄嗟に顔を上げた。それで心が落ち着くだなんて、心臓が助かるだなんて誰が言っただろうか、自らを見つめる彼の表情に再び吸い込まれるように目が奪われた。彼の美しい、宝石のような瞳と自身の薄色が重なる。顔に熱が溜まってくるのが自分でも分かる、こんな情けない姿見られたくない、ならば顔を背けてしまえば良い話なのに、金縛りにでもあったかのように視線一つ動かせない。如何か、薄暗くなってきたことでこの真っ赤に熟れた林檎のような顔を見られてませんように…っ、なんて、望み薄な願望を脳内で唱えては、少々慌てたように、だが心は込めて紡ぐ。)
「…あり、がとう……っ、僕の我儘、聞いてくれて…。
…もう寮、見えてきたね。みんなもうお夕飯の支度してるかなぁ」
( 自分の羞恥心を誤魔化すように寮で過ごしているであろうクラスメイトことをぼやきつつ、決意したように唾を飲み込んだ。それから重なった彼の手を、優しく包み込むように握る。小さい頃は手を繋ぐ、なんてこと意識すらしたことなかったのに。何なら今よりもっと触れ合っていた筈なのに、あの頃はまだ自分も幼くて、羞恥心という概念すら持ち合わせていなかった。子供のような顔、子供のような身長ならいっそのこと心まで子供になってしまえば良いのに。そうすれば羞恥心に邪魔されることなくこうして手を繋ぐことも、触れ合うことも出来るかもしれないのに。願ってもやはり神様は僕のことが嫌いなのか、叶えてはくれやしない、それどころか聞いてすらくれない。ならば夕陽が姿を隠した今の状況を良いことに、羞恥心さえも雲で覆ってしまって、ほんのちょっぴり勇気を振り絞れば良い。握った手に少しだけ力を込めて、彼の手を引いて走り出した。)
「僕もお夕飯の準備、手伝わなくちゃ。…走っちゃおう!焦くんっ!」
>鬼灯 奏 (/>>22)
(準備は万端。残すは込めた力をバネにして飛び出すだけとなったがそれを引き止める様に一歩踏み出した彼女。視界の端で揺れる赤茶色の髪、巻き上がる土煙。表情にこそ笑みを浮かべているが突然距離を詰める様子が"行くな"の意だという事は明確であった。反射的に身体が強ばり、足にブレーキを掛けるようにして立ち止まった。更に紡がれた言葉達には思わず片眉を吊り上げる、口からは"アァ?"と声が漏れた。濁点の着いた濁った声は不機嫌さを隠すこともせず獣が唸る様なそんな音だった様に思う。込められた力を緩め乍、体制を起こして睨む様な鋭い視線を送る。あれをするなこれは危険だ、やれ協力だやれみんなでと口を酸っぱくして突っかかる幼馴染の姿が脳裏をちら付けば彼女を引き返す事はあまり賢い選択肢に思えなくなってきた。ならば彼女を同じ進行方向上に置き、お互いに邪魔をしない範囲で協力をする他ないのか一-それは、再度脳裏で作戦を組み立て始めた時だった。彼女の後ろに並ぶビルの隙間から不意を着いた様に仮想敵が飛び出してきた。それは一瞬の出来事で、此方に意識を遣る彼女が其れに気付くのは恐らく難しい。思えば地面を強く蹴り飛び出し、弾く様な叫び声を上げた)一一ッおいツノ!そこ退けッ!
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>矢雷 雨 (/>>23)
む…それは何も言い返せないな…逆に気を遣わせてしまった様ですまない。君と何を話そうかと、そればかりに気をとられて周りの騒がしさに気付かなかった。
(立ち上がらんとする程の迫力で返答を返す彼女の言葉にはたと周りを見渡せば、クラスでも常に騒がしい部類の同級生が騒いでいたり、女生徒もまた他愛ない話に花を咲かせているのが目に入る。彼女と自分の事にばかり気をとられて視野が狭まり周りの事等見えていなかったのを感じると、要らぬ気遣いをさせてしまった事から縦に振り下ろしていた手を頬に運び視線を逸らしてそこを掻いた。次ぐ言葉すら押付ける事の無い気遣いに頭は上がらない。彼女の心からの優しさに、大袈裟ながら彼女はいいヒーローになるななどとぼんやり考えていた。その優しい彼女の好意を無碍にしたくはない。先程迄叩かれていた席にそそくさと身体を運べば少し硬いソファに腰を降ろした。自身の体重で緩やかにその場が軋む。マグカップを机に起きながらなんて事ない自然な流れで改めて彼女に視線を遣った。一一と、此処で突然先程の自身の言葉を思い出した。自身は、彼女に、何と口にしたのか。もしかしなくとも、とても恥ずかしい事を口にはしなかっただろうか。無意識に発せられた言葉を思い出しながら、爆発的な羞恥心に身体はロボットのように硬くなっていった。つつけば鉄の錆びた音さえしそうだ。相手がその発言を気にしているかも解らないのに、誤魔化しきれない羞恥心は言葉となって外に飛び出した。再び縦に動き出した掌はビュンビュンと風を切って音が鳴っている。)…さっ、先程の発言だが…!決して!決して変な意味ではなく…!!勉学に励む君に何と声を掛けるのが妥当かと!!そういった意味であって…!!
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爆豪勝己 / >>25
(やれるだけのことはやった。良い返答が貰えるような保障はないのだが、どちらにせよ後は彼に委ねる他なく一先ずは様子を窺うことに。只でさえタイムロスがある現状、出来ることならここで協力を仰ぎたいところではある。そんな想いとは裏腹にたった今火に油を注いだところなのだが、意図的ではなかったものの続け様に緑頭の彼へとヘイトを向けてしまったため頭の片隅で平謝りした。決して考えなしでいたわけでもなければ訓練の最中である事も理解していたのだが、普段互いに別行動を取る身なことと性格からか協力という概念がなかっただけにこういった場でどうも上手く連携を取ることが出来ず。上手く事が進むよう常に其方へ思考を巡らせていたからだろうか──何処からともなく姿を見せた仮想敵にまんまと不意を突かれた。瞬時に回避することは出来なかったものの、彼の声にはどうにか反応が出来たことにより遅れてではあるが個性を発動させたため間一髪。既に戦闘態勢に入った彼の個性は授業の際に最低限把握していたことから、邪魔にならないよう彼との距離を取りながらいつでも加勢もとい“仮想敵への仕返し”が出来るよう一定の距離を保って。先ほど回避か受け身かの判断が遅れて無理に交わそうとした際に捻らせた左足首が痛み、僅かに眉を寄せつつ少しでも紛らわせる様へらりと笑って普段通りブレず一言も二言も余計な言葉を述べ。)
──ッ、爆豪がいつまでもうだうだ言ってるから!必要ないと思うけど、一応お礼は言っとく!
>音倉 詩楽( />>24)
…そうか。おまえがそう言うなら、それで良い。
(結局のところテンネンが何であるかの謎は解けず終いだが、周りが笑顔になる事を考えても、目の前の彼がそんな自分を嫌うこともなくましてや好きだと言ってくれる事を考えてもこの問題は深く追求せずともいい様に思えた。思えば、好き、という言葉は聞き慣れない響きだ。蕎麦が好き、ヒーローが好き、母が好き、自分が好きだと思う瞬間はあれど誰かからこの2文字を受け取る事は滅多にない事である。だからだろうか。心臓がじんわりと暖かくなる様な、擽ったい様な感覚が不思議で微かなる疑問をその場に残していった。そんな感覚を誤魔化す様に触れた掌に少しばかりの力を込めると其れに応えるように彼が言葉を紡いだ。子供の頃によくした2人の約束事。再び思考を巡らせては2つの影が仲良く並ぶ姿が浮かんできた。"あそこへいこう、ここで遊ぼう、あれをしよう、これに挑戦しよう。"何処に行くのにも2人1緒だった時期があった。今はもう随分昔の事に思えるが、形を変えても近くにいる彼を想えばまた同じ様に2つの影が並ぶ毎日も夢ではない気がする。ふと、彼の顔が徐に持ち上がった。見下ろしていた此方と視線交わると途端、電撃を食らったように動かなくなってしまった幼馴染の姿。触れた彼の掌がじわじわと熱を帯びていき、連動する様にその表情も赤く染まっていくように思えた。ただ、薄暗さに飲み込まれた現状では本当にそうであるかの確信は持てないのだが。一先ずに浮かぶ心配の言葉を投げ掛け様と口を開くと、それを遮る様にして彼が先に口を開いた。何処か泣き出しそうなその声に、心臓をぎゅっと握られるような感覚を覚える。何だ、この気持ちは。それを悟られまいとする様に寮に急ぐ彼の姿を、理由は解らずとも引き止めなければならないと、本能がそう告げていた。思えば、自身の手を取り引き出す彼を足に力を入れる事で引き止める。走っちゃおう!と、走り出した無邪気な彼を拒否して、その足がそれ以上前に行かぬようにと、言葉にならない気持ちを形にした時、なぜだか今はこの感情を伝えるべきだと、真っ直ぐに彼を見据えて口を開いた。)
……音倉。…俺はイマイチ、おまえが思ってることをちゃんと理解してやれてねぇかも知れねぇ。けど、おまえが俺を大切にしてくれてるみてぇに、俺もおまえを大切にしてぇと思ってる。
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>>28 / 轟 焦凍クン
( __足が止まった。彼の手を握って、その手を引いた筈なのに、共に走り出せないのはきっと彼が彼自身の足に力を入れているから。もしかして手を繋いだのが嫌だったのだろうか、そんな疑問が頭の中を渦巻いている中で放たれた彼の言葉。パッと顔を上げ、交差する視線。彼の真っ直ぐな眼差しに頭がくらくらした。心臓の遥か深くから、じんわりと溶かされていくような、焦がされるような。そんな感情が湧き上がり、彼の手を握る自身の手に若干汗が滲む。暫く言葉を発せないで居た、暫く身動きを取れないで居た。呼吸音の一つでさえも大きく反響したように聞こえる、瞬き一つする度に空気が歪んだように思える、それらはまるで自らの個性で形成された幻覚に、幻想に囚われてしまったみたいで。"音倉"、と自分を呼ぶ声が、大好きで。嫌っている筈の両親から授かった苗字が、彼に囁かれるだけで特別な意味を持つような気がして。風になって流れるその場の空気は、きっと相手が彼でなければ気不味くなっていた筈だ。目を伏せると、詩楽の長い睫毛がより強調される。言葉を紡ぐのは、案外簡単だった。頭の中で整理をして、決意をして、まるで歌を歌い出すように紡いだ言葉。自らの名に相応しい、そんな言葉の紡ぎ方。)
「__充分、なんだよ?充分焦くんは、僕を大切にしてくれてるよ。…小さい頃からずーっと。僕のこと、ちゃんと理解、してくれてるんだよ」
( 脳内で奏でられる音楽は、ドビュッシーの月の光。きっともう直ぐ月が顔を出す頃で、流れる空気も冷たくなってくる頃だ。けれど彼と自分の間に紡がれる旋律は、確かに温もりを宿している。それは幼い頃からずっと変わらない空気感。何処か不安げに、きゅっ、と結んで居た口も、直ぐに緩くカーブを描く。此れは彼と時を過ごすことで得た"本当の笑顔"。ずっと張り付く笑顔に囚われ続けていた毎日に、彼という色彩が加えられて、何時しか本心から笑うことを忘れていたことを、思い出した。彼のお陰で取り戻せた。自らの本当の笑顔、というヤツを。だからもう充分過ぎるくらい大切にされているのだ。彼の言葉に、彼の行動に、彼という存在に、何時だって自分は助けられてきたから。__それでも、彼を求めてしまう気持ちを、僕を愛さない神様はきっと許してはくれない。だけど好きは止められない。…止まらない。だから伝えなくてはならない、大好きな彼に。彼の幸せを願い続ける為に。)
「僕は、…大丈夫だよ。心配掛けちゃってごめんね…?
でも僕が毎日楽しいのは、焦くんのお陰なんだよ!…いつも、ありがとね。…ふふ、本当に焦くんは優しいなぁ、そういうとこ昔から変わらないね」
>飯田天哉 (/>>26)
ううん。そ、それに私こそ大声出しちゃって……えっ…?
(頬を掻き謝罪をしてくる彼の様子に、本当に気を遣っての行動ではないため、ゆるゆると首を横に振ってにっこりと微笑みを浮かべる。思えば自分でも驚く程の声量だったので、驚かしてしまっていたのなら寧ろ此方が謝りたいところだ。しかし謝ろうと声を発するも、先ほど彼が言っていた言葉を思い出してピクリと硬直する。そんな様子に気付いていないのか、はたまた本心を吐いたのはわざと故だったのか、何事もなかったかのように素直に隣に座る彼に己も席を座り直した。が、誘った側のクセにいざ話そうとなると会話が弾むような題材が思い浮かばない。先程、彼が放った言葉には一体どんな意味があったのか…。もしかすると彼の中では、己との仲がそれほどまでにいいと感じさせる「何か」あるのではないのか。今日はガラにも無く変なことばかり考えてしまう己に苦笑を溢せば、突然風を切る程の速さで掌を振って変な意味ではないと撤回し始めた彼を見つめる。相手の恥ずかしむような動揺っぷりに驚いて、釣られて自身も恥ずかしくなってくる。そんな様子を察知されないように、誤魔化を含めてヤオモモが淹れてくれた紅茶を喉に通すものの、猫舌である自身にはまだ熱かったその紅茶に、これまた驚かされた。)
えっ!あ、いや、そうだよね!全然気にしてないから!大丈夫だから!!ほら、紅茶でも飲んで……あちっ!
>鬼灯 奏 (/>>27)
─ ─ハッ、最初から余所見してんじゃねぇ!(張り上げた声に合わせ瞬時に攻撃を避けた彼女の様子を見届けては爆速ターボ、空中を爆破で進み仮想敵の顔面に飛び込んでいく。横目で小言を叫ぶ彼女を見遣れば此方の動きを理解してか一定の距離を保っていた。その表情迄は読み取れないが、発言からの余裕を感じれば攻撃はきちんと避けられていた様だ。両の手を仮想敵に翳し、口角を持ち上げる。ヒーローらしからぬ発言は最早お馴染み"しねや!"叫んだ言葉と共に眩い光線が掌に集まり一瞬で大きな爆発へと姿を変える。手加減なく発した攻撃により仮想敵の頭部分は粉々になって散り、その下に続く体部分が機能を無くしてぐらりと揺れた。個性を発現し身体能力を上げた事、自身の攻撃に合わせ距離を取った冷静さ、発言から見られた余裕等から彼女を把握した上で打った攻撃だった。仮想敵の大きな身体が彼女側へと倒れていくのを見遣れば、地面へ落下する間に再び口を開く。怪我したくなけりゃ避けろ、と。そう叫ぶ筈だった言葉は喉の奥で突っかかり止まってしまった。彼女の顔が、僅かに歪んで見えたからだ。笑みを浮かべていたせいで気付かなかったが、おそらくは先程の攻撃を避けた際に何処かしらを痛めている。此方の判断不足が招く最悪の事態に、眉間には深いシワが刻まれた。再び地面を爆速ターボで移動、彼女の元へと急ぐが倒れる速度には間に合わず。喉の奥から再び外へ飛び出した言葉は、彼女の闘争心を煽る様な一言だった)ッ、おいこらツノ!テメェまさかその儘動けねぇとかぬかさねぇよなァ!
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>音倉 詩音 (/>>29)
(濡鴉の様艶のある髪がふわりと揺れて、振り返った彼の薄色の瞳と視線が交わる。動揺の色を微かに滲ませて、其れを主張する様に此方の手を掴んでいる、己と比べると幾分細い掌にじんわりと力が入っていくのを感じた。あまりに静かな空間は2人の間だけ時間が止まってしまった様で、その静けさは耳を掠める風の音に乗せて自身の心臓の音が彼の耳迄届いてしまうのではと心配になる程だった。困らせてしまっただろうか、唇を薄く開きかけた時、暗闇の中で揺れた長い睫毛を合図に緩やかな動きで彼が口を開いた。紡がれる言葉達は彼の個性をなぞる様な優しい音色だ。此方を安心させる様に穏やかな音程で、子供に語りかける様な緩やかなテンポで、それは歌う様に滑らかに、溶けるように鼓膜を揺らす。ただその音色に耳を傾けて、何も言わず最後迄聞き届けては頷く様にして頭ごと視線を落とした。彼は何を言っても、真っ先に此方の心配をしてくれる、自分に寄り添って離れない優しさの塊だ。其れを此方も返したいけれど、今の儘で充分だと口にする彼に、それでも足りないのだと押してしまえば折角の気遣いを無駄にしてしまうようで気が引けた。思えば、これ以上は言うまい。今自分が出来る事は、彼の優しさを甘んじて受け入れて、自分の思い着く限りの優しさを今迄以上に彼に明け渡す事だけ。もう一度顔をあげれば、そこには花が咲く様な笑顔。吊られる様に持ち上げた口角、眉を下げ困り笑顔を浮かべては申し訳なさ気に口を開いた。)
…いや、おまえに何も出来てねぇように感じて、俺も変に勘ぐって悪い。…いつも楽しいと思ってんのは俺も同じだ。ありがとうな。
(そうした後で、開いた片手を伸ばして彼が伸ばしていた掌を包む様にして触れ控えめにも引き離した。次いでは離した手に自らの掌を重ねて握り、走り出した彼を真似て彼の前に移動しながら引いてみせる。子供の頃を思い出しながら、柔らかな笑みを浮かべ乍名前を呼ぶ。今度は優しく、彼によく似た優しい音色で。)
音倉、待たせちまった。今度こそ走ろう。
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爆豪勝己/>>31
(大事には至らなかったが、自身の不注意が大きな怪我に繋がる事や彼を巻き込んでしまう可能性も少なくはないことを考えれば言い返す言葉もない。視界に入れていたとはいえ、普段の彼の様子や言動からはとても考えられないような冷静さや判断力は流石としか言いようがないのだがそれをわざわざ口にする必要もないかと再び意識が逸れぬよう仮想敵へと視線を移した途端に耳を疑うような言葉のチョイスと頭部を失った“それ”に目を瞬かせた。勿論、初めて耳にしたものではないが、彼が本気でキレた時には最終的にああなるのではないかとありもしない想像が脳裏にちらつき慌てて頭を振る。ある程度個性を把握していたことから頭部のみの破壊に至ったのは何かしらの意図があるのだろうと解釈し、となると此方へ崩れていく体部分は破壊するか否かは別だが自身で対処する必要がある。足首を痛めた状態で回避するという不安感のあるものより確実な方をと狙いを定めるよう一定を見据え、トドメを刺すにしては随分と遅いタイミングで向かってくる彼の行動が何を意味しているのかは言うまでもなく。口を開けば飛んでくる挑発的な言葉に小さく笑って痛めた足を軸に、崩れてくる方向を互いとは別方向へと変えるべく重心がかかっている片足部分を思い切り蹴り飛ばして安全を確保した途端に“後始末はよろしく”と言わんばかりに得意気な様子で彼を見やった。)
言われなくても、こんぐらいでへばるかっての!
>矢雷 雨 (/>>30)
そうだな!!紅茶を飲んで落ちつくのが…だ、大丈夫か矢雷くん…!!
(緊張が彼女にまで伝わってしまったのか、微かなる動揺を見せながらも此方を案じてくれるその様子に胸が熱くなる。然し熱くなってしまったのは此方の胸だけではなかった。落ち着こうと勧めてくれた湯気たつ紅茶を先に口にしては、その熱さに驚いた彼女が悲鳴を上げる。途端、勝る感情は緊張よりも心配で。ハッとした表情の後、すぐさま席を立ちあがっては振っていた手を彼女へと差し出し心配の意を口にした。先程同じ事をしたばかりだというのに、自分のことばかりで情けない。此方の言動のせいで彼女を動揺させてしまったのであれば、言わずもながな失態である。それを隠す様な器用さは生憎持ち合わせておらず、ポケットからハンカチを取り出してはどんよりとした表情の儘それを差し出した。)…俺としたことが、冷静さに欠けてしまいすまなかった…。挙句君に怪我までさせてしまうとは……!(良くいえば真面目、悪くいえば大袈裟な言葉をつむぎながらどんより気分はいつしか己の不甲斐なさへの怒りへ変わり、差し出したハンカチを持つ手が少しずつワナワナと震えていく。いま1度、すまない、と謝罪を添えた。)
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>>32 / 轟 焦凍クン
( 彼が自らと同じ気持ちで居てくれることが、何よりの救いで。彼は自分よりもずっと他者から慕われていて、それなのに僕のことを、僕の存在を、忘れないで居てくれることが何よりも嬉しいことで。"ありがとう"なんて、今まで何度も他人から紡がれてきたのに彼の言葉だけはなんだか特別に思える。理由は定かではないけれど、言葉で明確に表すことは出来そうにないけれど、確かなことは自分にとって彼は特別であることに違いはないということ。自分が彼を特別だと思っているように、彼が自分を特別だと思っていてくれたなら、それより幸せなことなんてきっと世界中に何処にも見当たらない。引き離された手を名残惜しく思ったのも束の間、再び握られ感じる彼の温かな体温にじぃん、と心が熱くなるのを感じる。それから彼はまるで先程の自分を真似るかのように、此方の手を優しく引いて、柔らかな笑みを浮かべた。その笑顔にまた見惚れてしまいそうに__否、見惚れてしまって、彼から優しく紡がれた音色に聞き入って。子供の頃に戻ったみたいだ、でもあの時よりも僕らはずっと成長している。自らの身長は兎も角、心は大きく前進した、と言っても過言ではない筈。彼の格好良さにも更に磨きがかかっている、これでは卒業まで心臓が保つか不安にもなるけれど。心臓が破裂しそうになっても、もう離れられない。"縁"というものは見えない糸で繋がっている、だから離れ離れになることなんてない、昔母親が言っていたのを思い出した。今の彼女を好いている、なんてことはある筈ないけれどこの言葉だけは信用して良いと、そう思える。くす、と笑みを漏らして、彼の言葉に頷いて見せて。)
「…うんっ、!焦くん、ちゃんと僕についてきてね!」
( 何処か得意げにそう言って、再び彼の手を引いた。歩幅的に考えれば自分が彼に遅れを取るというのが自然なのだろうが、気分が高揚していることもあってそんな風に紡いで。徐々に暗くなっていく帰路に2人、駆け出す様は人によったら恋人同士に見えなくもない__?分からないが、ただこの時間を楽しめればそれだけで今は充分だ。永遠に此の手が離れなければ良いのに、なんてそんな風に強欲に求めてしまう自分はきっと格好悪い。…こんな格好悪い自分でさえ、彼は受け入れてくれそうだから、余計にタチが悪い。そんな彼のことも好きなんだけど。たったっ、と少しずつスピードを上げて駆け出すと、繋がる手の熱とは相反して冷たい風が身体に纏う。それを心地良く感じながらちら、ちら、と時折彼の様子を窺って。)
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