めるてぃ。 2021-02-16 00:06:13 |
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>>40様 / 神座 凪斗くん
【教室】
( 頭の中で流れ続けるピアノのメロディーは、今朝方姉が弾いていたバダジェフスカの乙女の祈りで。自分の音色に自信が無い訳ではないが、姉から紡がれる音色は独特で、聴いているとまるで宙に浮いているような、姉という存在に吸い込まれるような、そんな感覚に襲われる。確かに"上手"な演奏なのだけれど、その二文字で片付けてしまうのは惜しい演奏__駄目だ、自分の語彙ではまだ説明がつかない。あれこれ考えながら再び欠伸を一つ溢すと、机に伏せる。暫くして教室の外から何やら話し声が聞こえた、…女子生徒を連れていること、そしてあの優しい滑らかな声で誰であるかは容易に予想が付いた。けれど眠さが勝って顔を上げずに居る、未だに頭の中からメロディーは消えてくれない。「んん、」と唸りながらそろそろ挨拶にでも行ってやるか、と顔を上げて寝惚けた頭のまま椅子を後ろに傾けたのは__失敗だった。)
「っひ、冷た…っ…!?お、前っ、朝からどういうつもりだ馬鹿凪斗!!」
( 自ら自爆してしまったことへの後悔と咄嗟に出てしまった裏声への羞恥心で先程まで眠かったのが嘘のように目が覚める、序でに顔も若干紅潮していて。教室の隅から女子がくすくす、と笑っているのが聞こえる、悪戯を仕掛けた凪斗が可愛らしかったのか或いは間抜けな自分が笑われているのか。何方にせよ彼が此方に悪戯を仕掛けようとしたのに違いはないのだから、とべしっ、と首に触れた彼の右手を叩く。こうして揶揄ってくるのは如何なものか、とも思うが幼馴染であり、結局友人として好きなのだから、あまり強くも言えずに。何処か拗ねたように頬を膨らませ、「環ならこんなことしねーのに」、と小さく呟いて見せて。)
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