霜浦 透 2021-02-11 14:33:12 |
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なっ……そんな可愛くはなかったでしょ。必死で、俺らしくないの、格好悪かった(告白当時の事に触れられれば珍しく動揺し視線をさ迷わせながらも相手から離れることは無く、ぽつりぽつりと言い訳じみた言葉を返し)
透があんなんだったから、好きになったんだ(ついクスクスと小さく笑いながら相手の様子を愛おしげに眺め、徐にその前髪を梳かすように撫でれば囁くような声で述べ)
あんなんが良かったなんて変わってるね、廉介さん(笑い声に思わず可愛くない返答をすれば前髪を大人しく撫でられ、唇に軽く触れるような口付けをして)
俺があんな必死になって好きだって言ったら、透だってそうなるだろ。まぁ元々俺も透の事特別扱いしちまってたのもあるけど(可愛げの無い言葉が益々愛おしく、目元を緩ませながら返答し。重なる唇に目を閉じると、相手の髪を撫でて)
それは…そうだけど。…俺の勘違いかなーって思ってたんだけど、そうだったの?(渋々といった様子で同意すれば“特別扱い”という言葉に表情を輝かせ)
当たり前だろ。俺は用もねぇ生徒を準備室なんか入れてやんねぇし、あんな長々居座らせねぇし、そのせいで遅くなって送ってやるなんてしねぇわ(傍に置いておきたいあまり相手の好きにさせていたが、冷静になって考えればリスキーな上にどう考えても不自然な行動をしていたと思い返しながら眉を寄せ)
よくよく考えてみれば…廉介さんって俺の事大好きだったんだね。知ってましたけど、廉介さんの口から聞くともっと実感できて嬉しいなーとか思ってたりして(普段余裕を見せている彼の表情がほんの少し歪むのを見ると楽しげにその様子を見つめ、くすくすと小さく笑って)
俺が廉介さんのこと大好きなのバレてる…(愛しい戯れに緩く微笑むと、ちらりと壁時計に目をやるとぐて、と相手にもたれかかって)…んん、もう帰る時間になっちゃった。
…ほんとだな。あっという間だったわ(言葉に促されるように時計を見ると、名残惜しさを感じながら微笑んで相手の髪を撫で)送ってくか?
ほんとほんと、時間が経つの早くて嫌になっちゃうね。…んん、よかったら駅まで(ぐりぐりと相手に頭を擦り付けながら、掛けられた言葉に頷くと素直に甘えて)
家まで送ってく(相手の仕草があまりにも愛おしく、抱き寄せるように背中に両手を回すと、擦り付けられる髪に頬を寄せ。宥めるような手付きで相手の背中を軽く叩くと、車の鍵を手に取り)
え、いいの(優しい手つきで背を叩かれたかと思えば想像していなかった言葉に顔を上げ。相手から離れれば自分の上着を手に取り、鞄を持ち上げれば準備が出来たとアピールするように見つめ)
たまにはな(頷きながら自らも上着を羽織ると、相手の準備ができているのを確認し、車の鍵を人差し指に引っ掛けながら相手を伴って外へ出て。車に乗り込みシートベルトを締めると、エンジンをかけ)
(部屋を出た相手の後に続き外へ出ると襲い来る冷気に身震いしつつ、慌てて助手席に乗り込めば同じようにシートベルトを掛け一息ついて)準備できました、廉介さん
さみぃな。エンジンかけとけば良かった(車内の寒さに身震いしながらヒーターのスイッチを入れ、相手の声に「おー、行くか」と一言返して車を発進させ。空いた道を滑らかに進みながら「学校で間違って俺の名前呼ぶなよ」と揶揄い混じりに告げ)
仕方ないよ、ずっと家の中にいたんだから(徐々に暖かくなる空間でほ、と息を吐くと自分の上着に顔を埋め。相手の言葉に「大丈夫だって、卒業まで我慢するの」とけらけら笑い)
再来年が楽しみだな(横から聞こえる声に耳を傾け、目元を緩ませて答え。暫くして相手の自宅前で車を停めると「忘れ物すんなよ」と声をかけ)
すぐだからね、楽しみに待ってて(自宅近辺の景色になれば終わりを迎えることを察して目を細め、相手の言葉に頷くと車を降りて。ドアを閉める直前、思い出したかのように車内に身を乗り出す形で相手の頬に一瞬のキスをすると、すぐに外にもどり扉を閉めて)また学校でね、廉介さん!
おー、サボんなよ(一瞬頬に触れた唇につい小さく笑うと、軽い仕草で手を振りながら応じ。自宅へ入る相手の背を見送りながら「物足りねぇわー…」と別れ際のキスの事を思い独り呟き、再び車を発進させ)
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