: 2021-02-04 20:47:14 |
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▽ 五条先生( >119 )
わ、もう事務室 … 。すぐに支度をしてくるので、先生、少しだけ待っていてください …( 絡められた指、彼の言葉、声、香り、その全てがあまりに甘やかで、唐突で、何事も無く事務室に向かって歩き出した相手の背をただじっと見つめることしか出来ないまま数秒を立ち尽くし。「 こいびとつなぎ 」、そうぽつりと小さく呟いた瞬間、ぶわりと頬に目元に赤い色がさし、それが弾みとなって漸く一歩を踏み出すことが出来て。“ ただの事務員にすぎない私にもいつも気さくに接してくれる先生。でもきっとそれは彼の親しみやすい人柄がそう思わせてくれているだけで、本当はずっとずっと遠くの存在のはずの五条先生が、私と、恋人繋ぎ? ” 無言で相手の後ろをついて歩きながらも、その脳内ではぐるぐると忙しなく様々な考えが飛び交っていて、気が付けば目的の事務室まであと数歩といった所。すぐに済ませる旨を相手に伝えてから、未だ赤い頬を横髪で隠すように俯きながら誰もいない室内に入ると、動揺の色を隠しきれていない手つきで帰り支度を初め )
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