宿命　／　非募集　

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おはよう、咲。朝から元気だね。
（　開いたドアから顔を覗かせた咲は、今日も小さくて懐っこくて可愛い。まんまるな瞳をきらきらと輝かせて、小動物みたいにぴょんと跳ねる。私はその隣で小さく笑みを溢す。もちろん、私だって楽しみにしていないわけじゃない。むしろ、咲と同じかそれ以上にわくわくと期待に胸を踊らせている。ただ、咲みたいに素直に感情を表に出すのが、ちょっと……いや、かなり、恥ずかしいのだ。幼い頃からの仲で、家も近く。そんな私たちは、どこに行こう、とか、何をしよう、とか、そんな話は無しに『今度遊ぼう』で簡単に約束を取り付けてしまえる。今日も例に漏れず、行き先もやる事も決まっていない。でも、クラスの子たちと遊ぶ時と違って、私の中に焦る気持ちは一切無かった。当てもなくのんびりと歩くこの時間が心地良いくらいだ。やっぱり咲たちと居る時が一番落ち着く。これも恥ずかしいから言わないけれど。咲の家から、何となくで気の向く方へ少し歩いて、止まる。いつまでもこうやって歩いていては、せっかく可愛くして来てくれた咲に申し訳ない気がして、ようやく切り出す。　）
今日、どこ行こっか？　とりあえずショッピングモールか、水族館とかでもいいし……あ、公園のアスレチックでちょっと体動かしてもいいかも。