宿命　／　非募集　

(　部屋でああでもないこうでもないと吟味していると親に「未来ちゃんが来たわよ」と告げられて、急いで準備を終わらせる。わざわざ気取った格好にする必要はないにせよ、出掛けるからにはしっかりかわいくしたい。服装は緩いパステルカラーのパーカーにふんわりとしたスカートを合わせ、いつもの厚底スニーカーを履いておしまい。ついでに必要最低限のものが入ったバッグも持って、これで完璧。バッグにつけている白いもこもこのマスコットは、スクールバッグにつけているものと同じ種類のもので、これまたお気に入り。楽しくなりそうだなあ、とわくわくした気持ちを隠さないまま、玄関の扉を開く。「おはよう、未来。行こっか」せっかく部活動のない休日なのだから、目一杯楽しみたい。田舎に白馬の王子様なんて現れるはずもないから、あくまでも甘いものやかわいいものを探したいというのを目標にして。「今日楽しみだったんだよねー！いっぱい色々回ろっ」スニーカーであるのを良いことに、ぴょんと飛び跳ねて期待感を表す。何か新しいものを見付けたのならきっと良い日になるだろう。勿論そうでなくても、彼女と一緒なだけで面白い一日になる、とそんな気がしていた。　)