ビギナーさん 2021-01-23 23:00:09 |
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「言われなくたって、アタシもそこは信用してるわ。ねぇ、キミも何か飲む?奢ったげるわよ。」
(穏やかな笑顔になると嫌そうな表情のアンドラスの方を向き)
………別に…いらねぇよ。酒は好きじゃねぇ。
(彼は無愛想な様子で首を振り、話をシャットアウトするように煙草の煙を揺らし始めて)
「あら、つれないのね。じゃいつもの頂戴。」
(彼女は残念そうではあったがすぐに取り直して酒を注文し)
かしこまりました。
(そう答えると、先程マスターから言われた酒を作ろうと、年代物の酒とグラスを取り出し、酒は他のシロップと共にシェイカーへ注ぎ入れる。数回シェイクしてからグラスに注げば鮮やかな色をした酒が出来上がっていて、その出来栄えに自分も満足そうにする。仕上げにミントを飾り、余分な水気を拭き取ればメリッサへと渡して)
お待たせ致しました。どうぞごゆっくり。
(今の酒を作るために使った道具や酒を仕舞おうと少し横にズレて始めると、ふと煙草を嗜んでいるアンドラスのために飲み物を用意しようとグラスに氷とコーラを注ぎ入れてからアンドラスに差し入れ)
「あら、ありがと。」
(グラスを受け取り、早速口を付けると満足そうに微笑み)
…………ん。
(彼は謝意を述べようとしたのか軽くカウンターを指先で叩き、口だけを動かして「悪い」と伝え)
・・・・・・。
(音に気づき顔を上げると声には出ない謝意を述べられたので、目を細めて柔らかな表情を見せると自分も口だけ動かし「平気だ」と答えて)
「でね、マスター。その時に…」
(彼女は酒が入って更に機嫌が良くなった様子で饒舌に喋り始め、好き勝手喋った後欠伸をして)
…………。
(彼は無言のままコーラを飲み干し、グラスをかたんとカウンターに置いて)
・・・お代わりは?
(欠伸をして少し眠そうにしているメリッサを横目で見ながらコソッと相手に小さな声で問いかけてみて)
「おや、メリッサ。もう限界かい?」
(オーナーはアンドラスとリアンのことは気にせず、メリッサに声をかけていて)
………。
(彼は無言で首を横に振り、メリッサを親指で指して)
「何言ってんのよマスター、まだ飲めるわよ。こうなったら閉店時間までいるわ。同じの頂戴。」
(彼女は意地を張るように赤らんだ顔を不満げに膨らませ、どことなく呂律の回らない舌ったらずな声で注文を飛ばし)
「・・・だそうだ」
(マスターは少し呆れたようにリアンに向かって視線を投げかけ)
「・・・かしこまりました」
(マスターとアンドラスに向け苦笑いを見せれば先にチェイサーを用意しメリッサに提供すれば、先程彼女が飲んだ酒と同じものを作って渡し)
「ほら、キミも飲みなさいよ~。」
(彼女はその一杯を飲み干し、完全に酔ったらしくアンドラスに絡み始める。が、ふと鼻を鳴らし)
「あら、そうだわ。アタシ今ご機嫌だからちょっとした特技見せたげる。アタシね、すっごく鼻が利くのよ。犯罪の匂いだって嗅ぎ分けられるの。」
(少し自慢げに胸を張ってそう言い、すんすんと鼻を鳴らしてアンドラスの匂いを嗅ぎ、「キミ、アタシの想像より随分とデンジャラスな仕事やってるのね。血と脳漿と…死臭が匂ってるわよ。」と微笑み)
・・・・・・。
(メリッサから言われた随分な物騒な匂いの数々に、拳銃を使ったり拷問でもしてる仕事・・・警察、ねぇな。あいつ、マフィアだったのか・・・と考えつつ、表面上は『私は聞いてませんよ。私は壁ですよ。聞いてても口外しませんよ』のスタンスを貫いていて)
「そうだ、キミも匂ったげるわ!」
(彼女はふと思い付いたように手を叩き、またすんすんと鼻を鳴らして)
「…ん?何の匂いかしら、これ…煙草と金属?ギャンブルの場っぽい匂いね!当たりかしら?」
(眉を下げて困ったように首を傾げるが人差し指を立てて微笑み)
・・・さぁ、どうでしょうか?煙草ならお客様がお吸いになることがありますし、金属はお店でも使いますから・・・まぁ、正解は秘密ということで・・・。
(いきなり匂いを嗅がれびっくりしたように眉を少しあげれば、言われた言葉に目をぱちくりとさせて。しかし、ここでそうだと言ってしまうのもまずいので誤魔化しながら)
「そうよねぇ。これ!っていう決定的な匂いがないのよ、キミには。」
(メリッサは困ったように眉を下げてため息を吐きながらカウンターに突っ伏し、いよいよ限界が近付いているのか眠そうに欠伸をして)
…………
(早く寝ろよ、とでも言わんばかりの目線を彼女に向けて煙草の煙を揺らし)
・・・マスターどうします?部屋ひとつ空けときますか?
(恐らくこのまま彼女は寝てしまうだろう。でもここで寝かすのは・・・と考えると、マスターに確認してみて。運良く使っていない部屋が幾つかあるのですぐに部屋は用意できるため、彼女を起こさないよう小さな声で話し)
「うーん、そうだね・・・。部屋を用意しておいてくれるかい?」
(リアンからの提案にマスターは少し考えてから頷くと部屋の用意をリアンに頼み、リアンは部屋の用意をするため1度席を外して)
「…飲み歩くつもりだったけど…流石に眠いわね。ねぇキミ。キミも一緒に泊まる?」
(眠そうな声色でアンドラスに尋ね、首を傾げて)
……………
(面倒くさそうにメリッサを睨んだ後勝手にしろ、と言わんばかりに肩を竦め)
お部屋の準備出来ました。ご案内致します。
(毛布を手に持って帰ってくれば準備が整ったことを伝えて。流石に女性を直接触るのは問題だろうと毛布をかけてから立ち上がらせようとするとマスターがリアンを止めて)
「いや、私が案内するよ。リアンは他のお客様の相手を頼む」
(リアンから毛布を抜き取りメリッサの肩にかけてからトントン、と軽く方を叩いて)
「……なぁに?」
(彼女は眠そうな瞳を相手に向け、のろのろとした調子で立ち上がり)
………悪い。
(彼にしては珍しく穏やかな様子でマスターとは別の相手に声を掛け)
「はい、かしこまりました。メリッサ様、ごゆっくりお休み下さい」
(オーナーに軽くお辞儀をしてからカウンターへ戻ると、ヒラヒラと手を振って相手に『平気だ』という仕草を見せて)
いや、構わないぞ。むしろあのまんま何も注文しなかったら、彼女に無理やり酒飲まされてただろうしな。
(周りに聞こえないよう小さな声で言いながらくく、と笑い、彼女の様子を思い出してはメリッサが飲んだ酒のグラスを片付け始めて)
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