加賀 2020-12-13 03:01:30 |
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ほれ、ちゃんと布団被って待っとれよ……一旦居間の方いくけどすぐ戻るわ、( 貴方のもたつく細い指先に割り込んで、しゅるりと緩みかけたネクタイを抜き取り、ジャケットを脱がせてやると、泣き濡れて少し赤くなってしまった目尻を中指の先でなぞって。問い掛けに大きく頷きながらはっきりと言い切り、にっと笑いつつ柔らかな髪にぽふんと片手を置いてから、静かに部屋の戸を閉め、部屋を後にし )───縁、すまん…待たせてもうたな、……起きとるか?( 己もジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩め腕捲りをした姿で、両手には常備薬と共にしまいこまれていた体温計と、できたての蒸しタオルが数枚積まれた皿、小脇に水のペットボトルと乾いたタオルを抱え早足で寝室へ戻り。心配で堪らなくて、あれもこれもと考えていたら準備に手間取り5分も経ってしまった。少し焦り気味に、申し訳無さそうに声を掛けながらベッド脇に置かれた小さなチェストへそれらをさっさと並べてゆき。クローゼットから洗い替えの黒い部屋着を引っ張り出すと、貴方の元へ静かに歩み寄ってそっと様子を伺い )
おん。ん、ありがとお。……(求めていた言葉を貰えばその単語を味わう様にむぐと空っぽの口内で歯を合わせ、柔和に微笑み一度だけ頭部を縦に振り)……、(ジャケットが無くなり軽くなった半面で寒くなった体が芋虫のようにもぞりと動き布団の中へ逃げ込んで、背を丸くし腿の間に両手を挟んだ格好で猫の子のように身体を小さくし布団にすっぽりと隠れ、未だ浅い微睡に居た意識が貴方の声で引き戻されると布団から少しばかり顔を覗かせて、貴方が持つ沢山の荷物が全て自分の事を心配してくれてのことだと思えば嬉しくて擽ったくて申し訳ない反面に幸せを覚え。何よりも本当にすぐ戻ってきてくれた事が不安も心配もしんどさもかき消してしまい、ふへと気が緩む様な和らいだ笑みを口元に浮かべ)……兄さんえらい荷物多いなぁ、ここでお店開きすんの?(ぐずる不安も必要以上の強がりもなりを潜めた穏やかさで軽口を。動きはまだノロノロもぞもぞと力が入りづらい様子で引き摺りつつ遅い動作で体を起こし)先、薬貰てええ?……日本の薬は最強やからね、飲んだらすーぐ熱なんか下がんねや(布団に包まり体を温めたからか、襲う悪寒は少し落ち着き。色々運ばれている中でお願いするのは普段から空きっ腹に薬を飲むことが当たり前なのが露呈する発言で)ほんでお着替えも持ってきてくれたん?これ引っ付いて嫌やってん。ありがとうね(張り付くシャツが気持ち悪く、鈍臭い指がボタンを外してぼぉとする意識でも浮かぶのは感謝の気持ちか。目じりを下げつつシャツを脱いで部屋着に手を伸ばし)
こーら、用法守れんやつに売る薬はあらへんで、( はじめて見るぐったりとした貴方の様子に心配で不安で、どうしようと気を揉み、知らず知らずのうちに肩に力を入れてしまっていた。辛そうで勢いはないものの飛び出した貴方のいつもの軽口に、ふっと気が抜けて、少し戯けたように返しつつ着替えをひょいと遠ざけベッドの端に寄せ。こんな時にも貴方に救われている、考え事をしている内に強張っていた表情を緩め、チェストの上に置いた皿のラップを剥がすと蒸しタオルを一枚手に取り )着替えの前にこっちや。……熱ない?( すぐに冷めないよう熱いくらいにあたためたそれを広げ、ぱたぱたと適温になるように二、三度振ってから手早く畳み直すと脱げたシャツをするりと取り去り。身を屈めると、晒された首や肩の後ろを軽く押さえるようにそっと蒸しタオルを当て、軽く首傾げながら貴方の顔を覗き込み反応を見つつ、汗に濡れしっとりした背中を優しく拭きはじめ )…シャワーはもうちょい回復してからの方がええからこれで我慢し、
───こんなん病院でしか受けたこと無いで。看護師さんやん、……ナース服用意してへんのが悔やまれるわ(馴染みが無さすぎて用途が分からなかった湯気のたつタオルがベタベタとした肌をなぞると暖かくて気持ちがよく。心地良さから両目を瞑ればお日様を浴びる猫のように気が抜けた雰囲気で口許が持ち上がり、身に余る甲斐甲斐しい対応につい茶化してしまい)このご恩はぜったい返したる。欲しいもんでも頼みたいことでも俺が絶対叶えるで(ベタつきの消えた体で我慢出来ずに貴方を抱きしめてしまって。ぎゅうと触れた体はいつもと違い少し冷たくて心地がよく、聞いてと先に声を掛ければ看病慣れしていないからこその感謝の伝え方がわからない様子で紡ぎ)………アカン、ひやっこくて気持ちいくて離せへんくなってまうわ。風邪移したら大変や、我慢せな(抱き締めたことで得る安心感の大きさは他とは比べ物にならないらしい。このままずっと過ごせられると考えるのを振り切って元より余り力の入らない腕を解いて残念がるみたいに、見てわかる名残惜しさを顔に浮かべて貴方を自由にして)
ナース服。…どうやら随分元気になったようやなあ。( 大人しく抱き締められながらも、到底似合うはずのないそれに口元を引き攣らせ、少しばかりドスの聞いた声で凄みながら痛みを与えない程度に軽く貴方の両耳を引っ張って )あんなあ、縁。…知っとるか?しんどい時は素直に世話焼かれとくもんなんや、返される恩もなんもないねん。( きっと幼い頃からそうしてきたから、わからないだけ。けれど恋人なのに、距離を置かれているようで寂しいだなんて女々しい考えが浮かぶ。腕を解かれると貴方の部屋着を手に取りすっぽりと被せては、離された距離を詰めるべく、ずいと顔を近付け。発熱からかいつもより色濃く見えるヘーゼル色をじっと見つめ、ふっと仕方が無いと言う風に笑ってみせ )はい。…ここでええ子の縁くんに質問や。───今、おまえは一人でいるん?( 瞳を覗き込んだまま、熱を持った両頬を包み込み子どもに尋ねるかのような戯けた口調で前置きを。貴方が寂しいときも辛いときも、当たり前に傍にいて助けを求めて貰える、甘えて貰える、そんな存在でありたいと思うのはエゴだとわかっていながらも、止まらなかった。すっと息を吸うと、緩んだ表情を引き締め、核心に触れる問いをひとつ )
(耳が引っ張られる軽いじゃれつきが心を軽くするとふひひと風船の空気漏れみたいな音の笑い声が零れて、また何か軽い茶化した返事をしようと唇が薄らと開いた所で自分には無い価値観の考えを説かれる。目から鱗、ハッと頓悟する半面で(かいらしなぁ)と近づく貴方の顔に心臓が早まり。いつもより処理速度が遅い頭が返事を見つけるより先にひんやりとした手が頬に触れ、突かれた質問に間抜けな声が「へ」と呼吸音と一緒に落ち)……ちゃう。(質問の答えは考える時間を持たずすぐに喉を通り、反射的に答えを上げてから今一度質問の意味を靄がかる頭に浮かべてヒリヒリとする喉で溜まる唾液を飲み)お前が居らんと駄目や、……一人にせんで。ほんまは一人んなんのいやや(頬を包むその手に自分の両手を重ね、少しの躊躇いが泳ぐ視線にうろと乗ってから寂しいのも不安なのも嫌だと本音をぶつけ)
ん、…よお言えました。花丸満点やな。…──大丈夫、一人で置いてったりせえへんよ、( ようやく本音が飛び出してきたことへの安堵と嬉しさにこくりと大きく頷いてみせると、今日一番の満面の笑みを浮かべ。すっと顔を更に近付けて、可愛らしいリップ音を立てながら額に口付け、頬に触れていた手の平と共に離れては、伏し目がちにぺろりと己の唇を舐めほんのりと感じる貴方の汗にくすくす笑い )……っふは、ちょっとしおっからい……。こっちも履き替えてまい、ほんだら熱測ってみ。( 部屋着のズボンを差し出すと、先程後ろ手にチェストに置いたタオルを皿の端に避けつつ、貴方が着替え終わるのを待ってから拝借してきた体温計を手渡して )
………かぁいらし。なあ、せぇしろさん、すぐそうしてえろい顔見せるの止めて貰てもええやろか、熱上がってまうわ(こうして風邪を理由に甘える事が許されるなら、風邪の辛さも悪くないと思ってしまった。けれどそれ以上重ねるのは野暮な気がして、可愛らしい笑顔に意識を向ける。甘やかな褒め言葉にトクトクと可愛い音で心臓が動き、じゃれた口付けとそれだけではない眼差しにドクドクと心臓の動きが変わる。のろ付きながら着替えをしつつ、一層と熱くなる顔に冗談めかした本音を混ぜて)なあ、首んとこ誠士郎の手で触って欲しい。……て、言うて、お願いしてもええのん(本当は貴方の手が触れるなら何処でもいい。決して冷たい訳じゃないその手を求めるように体温を測る間おずおずと我儘を申し出て。く。と首を長く伸ばして。勇気を出した我儘が叶うより先に計測終了の電子音がピーと鳴り)ぉ、ぉお大きく見たら37度やね(表示されるのは37度後半の数字、へへと緩い笑みを浮かべ体温計の電気を落とし)
誠士郎、ちょおええかな。俺なぁ明日が休みやから今日の夕方頃から早い反応出来る思うてて、もし誠士郎も時間取れそうなら今のん一旦置いといてピアスのやり取り出来へんかなぁ思うてん(ちょいちょい、と呼び寄せるように手招きをしてからスケジュール表を覗いてどうやろかと低案を)毎度の事やけど俺の勝手なオフやから都合つかんくても気にせんでね、また時間合う時にしよな(ぎゅうと抱き締めればじゃれつくように首元に顔を擦り寄せて)ほんでもしあれやったら俺の風邪引きのんは時間飛ばしてもええし、蹴ってもかまへんよぉ(堪能するように顔を寄せればふざけるようにちゅうと頬へ口唇を寄せ)
おつかれ、縁。…俺も明日はオフや。今から明日にかけてなら早めに反応できそうやから、縁も良ければさくさく進行に変えよか( 手招かれるがままに近付くと、スマートフォンのスケジュールアプリを開き、広げられたスケジュール表の横に並べるようにして見せ )いつも声掛けてくれてありがとうな。めっちゃ嬉しい。…今週仕事立て込んどったから待たせること多かったし、気の利いた返しもできんとほんまにすまん。きっと退屈させとるよな。今やっとるのは一旦置いとかして貰うけど、また続きは改めてさしてや。( ゆるく抱き返しつつ、眉下げしゅんとして )
おつかれさん!今日もよう頑張りました!(オフが揃った事を教えられれば嬉しさが隠しきれずに顔いっぱいの笑みがくしゃりと浮かび両手を伸ばして貴方の頬っぺたをもちもちと揉むように撫でて)そら大変や、頑張り屋さんの誠士郎も好きやけど無理だけせんでね。(仕事に向き合う貴方が好きだ。同時に心配が浮かんでしまうと眉を下げ髪型を乱さないように気をつけてええ子ええ子と頭をそぉっと撫でて)ほんでな、アホな心配せんでや。かいらしなぁ、お前と出会ってからこれっぽっちも退屈なんかしてへんよ。俺は誠士郎から来る返事を待ってる時間も楽しくてしゃーないねん!気ぃ使うてるとか世辞とかとちゃうからな。ホンマに待ってる時間も何て返そかなって考える時間も楽しい(ぎゅむぎゅむとわざと力を込めて抱き締めて)……後なぁ、証拠だせ言うても出せへんのやけど、いま別のトピックで俺にちょおと似てる人居るの見つけてもて。他人の空似やし俺は平気やねんけど、ほんの少しでもお前に心配させてたら嫌やな、どぉしよって思うてん。せやから、俺ちゃうって言うのは伝えさせて欲しいなぁて。俺な、掛け持ちできるほど器用とちゃうし、お前しか好きやないから出会いも要らへん(困ったように眉を下げてから真正面より向き合って伝え、言い切れば口を結んで)
───か、かいらしいてなんやねん。ひとつもかいらしいこと言うてへんわ、…おおきに、( ほっとしたように貴方の肩口に顔を埋め、額を擦り寄せると照れ隠しに悪態をついてからぽそりと続け )……はは、心配性やなあ。大丈夫や、なんも心配してへんで。そもそも俺がおまえのこと見間違えるなんてあらへん。ただ似とるてだけで、俺の縁はおまえだけやろ?せやから余計な心配せんと………俺んこと見とってや。( あっけらかんと笑い飛ばし貴方の体を抱き寄せると、柔く抱き締めつつわしゃわしゃと紫のつむりを撫で回し。最後はちょっぴり照れたように小声で )口ん出すと薄っぺらく聞こえてまうかもしれへんけど、信頼しとるよ。俺もおまえしか好きやない。いつもありがとうな。( 貴方から貰った愛情と同じくらい、否、それ以上を返せるようにふわりと頬を緩め笑って )
可愛ええ総選挙圧巻の1位独占やで。…けどなぁ、忙しい時は無理して返事せんくて平気やからね。俺な、誠士郎がいきなり居なくなってまうって想像できひんから、すこっしも心配せんと何日でも待ってれるんよ。やからね、今日しんどいわぁって思う時は俺のことはええからゆっくり休んで欲しいねん(くふくふと笑い声が零れつつ沢山のハートを飛ばすように茶化し、声色を真剣なものに戻せば寄り添う頭に自分の顔を寄せて。労ると言うよりも我儘を訴えるような声色で伝えて)……───っはああっ。ホンマにそう言うところずっこいわぁ(抱え切るには大きすぎる感情が肺の底から盛れた酸素と共に溢れ、嬉しさと照れでカッと顔の熱が上がり。優しい微笑みにきゅうと喉が絞まり、照れ臭さを開き直って顔を寄せ啄むみたいな口付けを行い)……出会ってからずっと誠士郎しか見てへんよ。
ほんなら前に言うてたピアスのやり取りでええんやろか。もしかまへんなら絡み文出そかなって思うて(少しだけ頭を傾ければへにゃと表情を緩めて確認を)
んな総選挙はないねん、…おん、おおきにな。今日はアカンて日あったらお言葉に甘えさして貰うわ。縁も忙しいときは無理して返さんとかまへんからな。( 顔を上げ呆れたようにつっこんでから、ぽふぽふと貴方の頭に軽く手を置いて )…ッ、どんなとこや、思ったこと言うとるだけやん、( 不意打ちのそれにさっと頬に朱を注ぎつつも、貴方の言葉が嬉しくて照れくさくて、口元をむずむずと緩ませ )
おはようさん。すまん…寝落ちてもた。( 両手を合わせ、しゅんとし )ピアスのやり取りでかまへんよ。いつも負んぶに抱っこでほんま申し訳ないんやけど、絡み文お願いしてええ?( ひとつ頷いてから、眉下げつつ首傾げて )ほんで上のんは蹴って貰て大丈夫やからな。ほなね。( ぎゅうと貴方を抱き締めると離れ、片手を上げ )
おはよお、かまへんかまへん!俺もあの後すぐ寝てもぉてん(左右に一度ずつ頭を振ってからへらへらと笑いあっけらかんと伝え)ほんなら先に出すんやけど導入が少し長くなってしもたから削ってな!…んふふ。お前のことならおんぶでもお姫さん抱っこでも何でもしたいんやで。また何か有ったらいつでも呼んでな(上がった片手を取ればお姫さまに行うようなキスを手の甲に行って)ほなね
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(もうすぐつくで、と文字はたったその一言にも関わらずゴテゴテとした絵文字が喧しい連絡を入れて。貴方の家に向かうよりさきに立ち寄ったのはボディピアスの店と事前にオーダーしていた品質のいいジュエリーをアクセサリーにしてくれるショップで。お揃いのオーダーピアスにしたのは大き過ぎない0.3カラット程のアメジストとラピスラズリが本来のボールの位置に付けられたデザインのそれで、あなたのスラッとしたしなやかな指をそれがかざると思えば期待に胸が膨らんで。その他に必要な物を買い揃えてから到着した貴方の家の前でインターフォンさえ鳴らさずに合鍵で入り)ただいまぁ、俺の可愛ええ誠士郎さんは何処やろかぁ!(元気な声で挨拶を、他でもない家主を求めてきょろりと見渡してはリビングへと向かい)
───…お邪魔しますやて、このやり取り何回目や。まあええわ…おかえり、縁。( ぴかぴかに装飾されたメッセージに簡易的な返信をしてから十数分後。開錠される音と共に騒がしくて愛おしい声が聞こえたのと同時、ソファに座して読んでいた語学書をとじつつ、リビングに飛び込んできた貴方に視線をやっては最早お決まりの突っ込みを投げ掛け )
今日もえらい別嬪さんやねぇ、可愛ええなぁ、美人さんやなぁ(返ってきた挨拶は何度繰り返しても嬉しくて、じぃんと温まる気持ちで今すぐにでも飛びつきたいのをぐっと堪え大事な防寒具だけは丁寧に外しハンガーとリュックの中へ。コートとジャケットも一緒にハンガーへ通して身軽になってからリュックだけ手にして待ち侘びた貴方の隣へ腰を下ろし。)来る時ドラッグストアさん寄ってきてんな、お菓子買うてきたよ(消毒液と洗濯バサミ黒ペンと言った諸々と一緒に買ったチョコビスケットやキューブチョコ等が入る袋を鞄から取り出して)……後なあ、前の言うてたやつ。ピアス開けよって約束したやんか、それ。せぇへん?(勢いで決めたそれがまだ有効なのか、そわそわとした様子で取り出したのが結婚指輪でも入っていそうなジュエリーボックスで。かぱと開くと小ぶりな宝石が光り)見てこれ、俺とお前みたいなんみっけてん
モンブラン味やん!……おおきに、縁、( 冬季限定で販売されるとろける口溶けが売りのキューブチョコレート。黄色の新しい味のパッケージにぱあと表情を明るくし、大切そうに箱を持ちあげご機嫌そうに微笑み掛け )ん、……おまえのお願いなんでも聞くってやつやんな。ええよ。───て、は。そ、そんな高そうなん……いや、ちょお待ち。それ、つけるん?こんなええの貰えへんで、( 約束なのだから悩む理由も無いとあっさりと頷き、チョコレートから視線をジュエリーボックスにうつしたなり、ぎょっと目を見張って。多分、ではなく間違い無く値が張る代物だ、貴方の柔らかな髪を連想させる美しいパープルと、恐らく己の瞳の色を連想したのであろうネイビーブルーが照明に反射し煌めくのを少々尻込みしたように見つめ、小さく首を横に振り )
その笑顔見たら腹いっぱいなるわ(明るい笑顔に心が溶けてしまいそうになり、でれでれとしているのがわかる蕩けた表情でくふくふと笑いつつ伝え。取り出したピアスで怖気付いてしまったのに気がつけば何ともないと言った雰囲気でゆるゆると頭を左右に振り)ちゃうちゃう、これなフェイクの石やで。本物に見えるやんか、偽物やの(初めてのピアスは確りとした品質の物を使いたいと言うのは自分のわがままだと理解している。だからこそ気負わせてしまわないように言葉を続ければ)ちぃこい女の子とか、女子高生が使うフェイクジュエリーやねんで。…けど、俺格好つけやんか、せやからケースだけべっこに用意してもぉたわ(なはは、と茶化すようなネタばらしをつらつらと並べ)最近のやつ凄いねんで、ホンモンみたいなん
ニセモン……なんや、そうやったん。はは、びっくりさせんなや。( そもそも宝石をきちんと見たことはないし、貴方が言うのだからそうなのだろう。疑う素振りは少しも見せず、胸を撫で下ろし笑うと気安い様子でぴかぴかのそれを再度覗き込み。高級感のある輝きに感心したように目を丸くしつつ、やはり着けた時のイメージがいまいちわかないのか首を傾げ不思議そうに呟き )…ホンマモンみたいやなあ、ようできとるわ。───ちゅーか、これほんまに指につけられるん?
これがな、こんな風に指でキラキラってなんの。(ケースから取り出したそれを実際のように貴方の左の薬指にそっと宛がってからケースに戻し、代わりに取りだしたバーベルとニードルを手際よく消毒してから軟膏を塗り。)誠士郎、手ぇ貸して(へら、と気が緩むみたいに笑みを浮かべてから貴方の指へ軟膏を塗り。黒ペンで穴を開ける場所を印付けすると)洗濯バサミで挟むん痛いから可愛そうやねんけど…ちょっと我慢してな(眉を下げて両目を細くし、可愛い貴方に痛いことをしてしまう罪悪感を胸にしつつ声を掛けてから二つの洗濯バサミで薄い皮膚をつまむように挟み)堪忍な、痛いのすぐ終わらせるから。すぐ終わるから動かんで我慢してね。(先の尖るニードルを手にすれば傷のない指に先を触れさせ、今まさに貫通させるのに自分に開ける以上の緊張感が過ぎりドッドッと心臓が鳴る中で)……愛してんで。(与えられる無償の愛に甘えっぱなしなのに、更に甘えてしまう。本心の気持ちを伝えればブチと皮膚を裂くように躊躇わずにニードルを通して)
………お、おお。ん……ひと思いに頼むわ、( 穴を開けるのだからわかってはいたけれど、実際に鋭いそれを目にすると少しだけ怖い。しかしながら貴方との約束なのだ、すっと手を差し出すときりりと表情を引き締めて )───ン゛、は…………縁、( あれやこれやと準備をされて、いざ。迷いない動きでニードルが皮膚を突き破ると同時、ぐっと体を強張らせ、左手を動かさないよう集中しつつも鈍い痛みに堪え切れず小さな呻き声を漏らし。空いた右手は貴方のどこかに触れていたくて、腿のあたりにそっと置き、ニードルが貫通したままの指を目を逸らすことなく見下ろしてから、生理的に浮かんだ涙で潤んだ瞳を向け、初めての状況に少々戸惑った様子で貴方を呼んで )
……堪忍なぁ、(自分に行うのとは全く違う感覚にいつも以上に浮かぶ表情は真剣そのもので。痛みを堪えるような声に可哀想だと思う反面で夜を思い出させるその声にぞくりと背がふるって喉仏が上下に動き。募る本音を伝えてからちうと音を立てるたわむれの口付けを貴方の目元に行って)もう終わるからな、少しだけ気張りや(長引かせてしまえば腫れが引くのも時間が掛かるとバーベルへの付け替えを迅速に行いそれを固定するのは先程のキラキラと光る宝石で。指先に残る自分たちをイメージする色に愛おしさが混み上げればむぎゅうと抱き締め)頑張ったなぁ、俺めっちゃ嬉しい。わがまま聞いてくれてありがとぉ、ホンマに嬉しいで(愛おしさから言葉は我慢出来ずに溢れ出て、後頭部をそっと撫でては心から喜ぶように表情を緩め。結局我慢できなかったと言うように舌先で貴方の唇を舐めて)
はー……なんや、めっちゃ疲れたわ、( 薬指を煌めく宝石が飾るのを貴方と共に見届けると、抱き込まれた腕の中でくったりと脱力して。開けたばかりのそこはまだじくじくと熱と痛みを持っているけれど、手際良く開けて貰えたのだから直に引いてくるだろう )開けたん俺なのにそんな喜ぶん?( 痛みよりも何よりも貴方が喜んでくれていることへの嬉しさが勝り、唇を濡れた感触が走ると、くすくすと笑いながらお返しとでも言うように触れるだけの口付けを唇の端へ落として )
開けたんが誠士郎やからこんな嬉しいねんて。……やって、ここ見たら俺んこと思い出すやろ?それが嬉しいねん(甘く戯れるような心地のいい口付けに不埒な気持ちは浮かばず、只管に込み上げる愛しさに両眼を細くし)……ほんでなぁ、疲れたところ申し訳ないんやけど。俺も開けて欲しいなぁって(このまま貴方のことを食べてしまいたいと二十代の落ちてない性欲が顔を覗かせて揺らいでしまう。しかし当初の目的を叶えるべく熱を持たせる口付けを我慢して、まだ何も付いていないサラな左手で貴方の頬の柔らかさを楽しむようにふにふにと撫で触れて)
……ほんまに上手く開けれるって保証、あらへんで。覚悟しぃや、( 忘れていたわけではないもう一つの約束。先程の流れを上手く貴方に施せるか、心配でならなかったが、一度見たことを覚えるのは得意だ。のそりと預けていた体を起こすと、今一度念を押すように真面目な顔で貴方を見て )───ほれ、手ぇ貸し。この辺りでええんよな?( 道具一式を確認してから、真剣な面持ちで、先程見た動きをなぞらえるようにニードルとバーベルの消毒、軟膏の塗布。大切な貴方の商売道具を手に取り、穴を開ける位置を確認しつつペンでマーキングを行うと指にも軟骨を広げ、洗濯ばさみで皮膚を持ち上げるように挟んだ )縁…多分、っちゅーか間違い無く痛いから先に謝っとくわ、すまん。気張りや。( 顔を顰めながら頭を下げ、前置きに励ましの一言を投げ掛け。ニードルを手に取り、緊張から騒ぐ心臓と震える右手を押さえつけるように深呼吸。経験したからこそわかるあの鈍い痛みを貴方も味わうこと、綺麗でいっとう大切な手に己が傷をつけることに胸が痛む。けれど他でもない貴方の望みならば叶えてやりたいと思うのだ )………いくで、( 覚悟が決まると自然と震えも収まった。あたりをつけた箇所へ、正確に切っ先を当てると、真っ直ぐに迷い無く皮膚を裂きながらニードルを通してゆき )
ええよぉ、誠士郎がしてくれるんなら失敗してもええ。(すらりと伸びた指は当たり前だが自分と同じ男性の物。でもそれがいい。美しい人は指の先まで美しいと所作を眺めつつ、これからピアスを開けることが控えているとは思えない絶景でも眺めるような目付きで目じりを下げて。)けど、泣かへんかったらご褒美にちゅーして。それも可愛ええのとちゃうくてエッチなやつ。(眺めていれば緊張からだろうか、震える指先にも気がついて。くふくふと茶化すような笑い声を共に閃いた!というように軽口のような提案を)………っ、はは。思うてたより痛いなぁ、(日常生活で受けるのとはまた違う鋭い痛みに反射的にぎゅと眉間が寄って。皮膚の先が貫通した際に吐息が漏れると痛みを感じていることで気遣わせてはいけないと緩めた表情で笑って見せ)
泣かへんかったら、…ちゅー、くらいなんぼでもしたる、……せやからもう少し我慢や…堪忍な、( 気丈に振る舞う様子が逆に痛々しく見えて、真剣な面持ちのまま"ちゅー"の部分だけ小声になりつつも甘やかすようにこたえてから、再び貴方の指に視線を落とし。ニードルを抜くのと同時、バーベルに上手く付け替えると己が着けているのと同じ煌めく宝石で固定して。無事に開け終えたことへの安堵に息を吐くと、宝石が飾られた薬指と貴方の顔を交互に見やり )……痛くしてすまん。違和感とかないか?
ほんなら泣いてられへんで。縁くんは現金な子ぉやからご褒美前にぶら下げられたら何でも出来るわ(可愛い恥じらいを共に伝えられた甘やかしに少しの驚きとそれを上回る嬉しさで堪らず調子に乗るように笑って)……はー、上手やねぇ。本当に初めてなん?痛ないし曲がってへんし、百点満点の仕上がりやわ。また開けるときオニーサン指名しよかな(キラキラ、キラキラ、角度で輝く小ぶりな宝石が愛おしくて仕方ない。見蕩れるように呟いた後に弾む声色で軽口を添えて。二つの石が光る指から貴方へ目を向けて)お揃い、めっちゃ嬉しい(ジンジンと鈍い痛みなんて感じられない。光る揃いの指を並べて見ては嬉しそうに呟いて)
さっきまでどこにどう開けるんかも知らんかったわ。おまえが開けてるん見て真似しただけやで。…お手本が上手かったんやろ、( 問題ない仕上がりだったようでようやく肩の荷が下りると、茶化す発言をさらりと打ち返し。痛みも引いた己の薬指へ改めて視線を落とし、並べられた貴方の指と交互に見比べて )……こんなん。───お前んことばっか考えてまいそうや、……どうしてくれんねん。( 思わず見惚れる美しい揃いの宝石、貴方につけられた傷跡、綺麗な貴方の薬指につけた傷跡。貴方も薬指を見て自分のことをいつでも思い出して欲しい。先程貴方が口にしていたことを実感し、枷を着けて喜ぶ、どろどろに煮詰まった独占欲が顔を覗かせる。それから、貴方のものだという証を着けられて、すっかり征服されてしまったように思えて顔が熱くなる。縛られるのはもううんざりだと思っていたのに。縛られて、縛り付けられて心地が良いだなんて、知らない。薬指に視線を落とすだけで貴方でいっぱいになってしまいそうで、愛おしくて恐ろしかった。ばっと視線をあげると、むっとした表情で、貴方を睨みつけながらとびきり甘く蕩けた声で不満を口にして )
手ぇ、ぶつけたり引っ掛けたりしたら痛なるから慣れるまで気ぃつけなあかんよ(並んだ指は同じ石が煌めいていて嬉しくなってしまう。優しくしたい感情と赤く腫れてる指を見て心擽られる感情が同じ熱量で込み上げて。お砂糖を煮詰めたように蕩けた甘い声で伝えられた言葉の可愛い事に我慢が出来ず、ソファへ貴方の体を押し倒し)ずっと考えたったらええ。俺のことだけ考えといて。(片足こそ床へ落としているがもう片足で貴方を逃がさないように抑え込み、片手をソファに付きつつもう片方の手で貴方の首から顎にかけてのラインをなぞる。ツウと爪先で引掻くように触れればじゃれることを目的にする物じゃない熱を含んだ口づけを貴方の唇に行って。歯列を割りいる様に舌を伸ばせば、時折興奮を含んだ吐息がフーと漏れ。食べてしまうように舌を絡めれば糸を伝わせつつ少しだけ離れ)……ご褒美、くれへんの?
?!は、えにし───っ、…んう、…ッは、( ソファに縫い止められ、大きく目を見張るも首筋を辿られると擽ったさとそれだけではない気持ち良さに首を竦め。与えられる甘やかすだけではない欲を含んだ口付けにあっという間に夢中になって体が熱くなる。とろりと引いた銀糸に赤くなりながらも至近距離で煽られ、負けじと強気な表情で笑うと貴方の後頭部を右手で引き寄せ、唇を重ね合わせ )…えっちなちゅう、なんぼでもしたる、言うたやろ。……ふ、…ッん、……ぁ……ンむ、( 引き寄せた後頭部を逃がさないよう固定したまま、ぎゅっと目を瞑りつつ少しだけ開かれた唇のあわいから少しだけ舌先を潜り込ませ、貴方がいつもしてくれている動きをなぞらえるように拙いながらも柔らかく溶け合いそうな舌を擦り合わせ、絡め、時折歯列を辿っては段々と大胆に、口付けを深くしてゆき )
────うぁ。(自分から行った口付けが褒美だと言えばそれで済む。引いては照れがちな貴方のことを考えると煽れどそうなると踏んでいたからこそ後頭部が落とされるように引き寄せられれば反射的に戸惑いの声が浮かび、開いた唇の隙間を縫う口付けの動きが自分にとって馴染みのある動きだった事が心臓を掴む。まるで無垢な貴方を自分好みに育てている答えが出ているようで堪らなく、意識と裏腹に熱が集まり酸欠のように頭がくらくらとしてしまう)……っ。はぁ、……えっちなちゅう上手なったなぁ。びっくりしてまうわ(頭の神経が何本か焼き切れてるのでは、なんて心配になるほど本能が姿を出す。このまま興奮に流されてしまえば、きっと貴方に無理をさせることも理解していてあまりにも脆い葛藤が生まれ。息を送るため少し離れた唇でからかうように伝えれば名残惜しいが唇を離して貴方の耳元に顔を寄せ。耳朶を食むように舌を這わせれば)今日あかん。駄目や。絶対優しいしてやれへん。(ジンジンと熱を持つ薬指も、貴方から貰った言葉も、そのどちらもが興奮材料になってしまうと自分を止めるために熱を含んだ声で伝え)
ン、…んっ…ふぁ、……っは、ぁ……せやろ、……俺かてされっぱなしやないねん、( 貴方の口内でかき回されて粘度を増したどちらのものともつかない銀糸がぷつりと切れて。いつもより息の上がっている貴方に満足そうに艶っぽい笑みを浮かべると、得意気に言い放ち )ッ、…ん、…ひぁ、…あほ、( 駄目だ、と言いながら体が熱くなるようなことばかりしてくるのだから狡い。耳に吹き込まれる色っぽくて熱の籠った声と滑る舌の温度にびくびくと体が小さく震え、貴方に触れて、触れられることしか考えられない。指に宝石を飾られてから、なんだか今日はおかしいのだ、責任を取ってもらわねば、困る。貴方の服の隙間から、右手を差し入れするりと色を含んだ手つきで薄い腹筋をなぞりながらも、押し込めていた羞恥心が邪魔をし、勢いを失った恥じらう声で強請り )───さ、誘ってんねん、ひどくしてもええから、はよ、さわってや…えにし、
………っあ゛ぁ゛、もう。……敵わん。敵わへん。頼むって、…ええ子やから煽らんで(腹筋ではなく内臓を直接触られているような感覚が背筋を震わせてクラクラしてしまう。極限まで押さえ込んだ熱を持つ声で絞り出すようにぼつぼつと呟けば、きっと、確実に抱き潰してしまうだろうこれからに生唾がゴクリと喉を伝い。いつだって暖かい貴方の体温がいつもとは比にならない程に熱いのを手の平で余すこと無くなぞり楽しんで、誰が見てもわかる欲情しているのが色濃く浮かんだ眼差しで貴方を捉えながら貪るように口付けて、────暗転。)
……っと、暗転させてもぉたから時間進めて改めよ思うねんけどええやろか。悪いけど今日はきっと優しい出来てへんわ、お前が煽るんも悪いで。……なんて、ホンマにすまん!大事にしたりたいのに出来へんかった思うから堪忍してな(パシン!と顔前で手を合わせればしおしおと眉を下げて頭を下ろし)
───…えにし、…はよ、………っん、う、( 貴方を煽る声は止まらない。体温の上昇とともに色濃く香る貴方の匂いに包まれて、欲情した瞳に呆気なく絡め取られると、触れて貰えることが嬉しくて、なまめかしく笑み。唇ごと食べられてしまいそうな口付けに溺れそうになりながらも必死に応え、───暗転 )
かまへんよ、ありがとう。……そ、そんな改まって謝られると恥ずいからやめてぇな。俺が…さ、誘ったんやからええんや。もう十分大事にして貰てるで、( ぐい、と照れ隠しに貴方の肩を押しやり )
………なあ、せぇしろ。ココアさん淹れるけど温いのと冷っこいのとどっちがええ?(変なスイッチが入ってしまった自覚が有る。文字通りに抱き潰してしまった情事の後は色白の肌が痕を残している他はすっかり綺麗にされており、それが少しだけもの寂しいと思ってしまうまでには未だ枯れて居ないのだと肌で感じ頭が熱を持つ。振り切るように頭を軽く揺らしてからキッチンへと出向いて問いかけを送り)小腹空いてへん?これ半分こしよや(数刻前までの本能のままだった姿はすっかり消えた、気が抜けてしまうようなへらへらとした明るい雰囲気で勝手知ったる我が家のように貴方のキッチンを漁り、手にしたのは遅い時間に食べるには考えてしまうようなクリームがたっぷり挟まった甘そうなメロンパンで)他に欲しいもん有る?何かあるなら一緒に持ってくで(本音を言うなら手となり足となり甲斐甲斐しく世話を焼きたいのだ。けれど、それをする事が必ずしも貴方の喜ぶことではないという事も学んだらしい。飽くまでも気負わせないような気さくさを持った声色で様子を伺いながら尋ねかけ)
───温いの、( のそりと緩慢な動作でスウェットを着せられた体を半分だけ起こすと、腰に走る鈍痛に数刻前のあれやこれやを思い出し、赤くなり。貴方の手練手管に翻弄され、ちょっぴり意地悪く攻められ揺すぶられて、そんな貴方が格好良く見えてどきどきしたりもして、気持ちが良過ぎておかしくなりそうで泣き出してしまったのに止まってくれなくて、嫌々と言いつつもたくさん甘くて恥ずかしい声をあげた。最後の方は意識を飛ばしかけながらのぼりつめていた気がする。ぐるぐると回る恥ずかしい記憶を押しやりつつ、キッチンから投げ掛けられる問いに、掠れた声で返すと、再度ソファにうつ伏せで沈み込み )……食う、腹減ったわ。もう平気やで、おおきに、( 肘掛けの部分に顎を乗せ、キッチンにいる貴方を見つつ、示されたメロンパンに頬を緩ませ頷いて。続く問い掛けには首を振ってみせると、貴方が隣に座れるようにとゆっくり体を起こし背凭れに身を預け )
はぁい、ちゃちゃっと作ってそっち行くから寂しいの我慢しててな(普段よりも掠れた声が色っぽくて堪らず小さな咳払いが落ち、調子の良い明るい返事を向けて用意したのはインスタントのココアに小さなマシュマロを何個か浮かべた上に心ばかりのココアの粉を振りかけた物で。二つのマグカップに用意した同じものを両手に、行儀悪くもパンのパッケージを口に咥えて戻り。ローテーブルに湯気立つそれを置いてから空いている隣に腰を下ろして、咥えていたパンを開いた手の上に落とし。)美味しいココアさんと男前な彼氏のご到着やで、(じゃれつくようなキスを頬へ送ってからテーブルに置いたマグカップを一つ貴方の手元へ、落としたパンのパッケージを開けば半分と呼ぶには少し貴方に傾いた分け方のパンを差し出して)俺なぁ考えてんけど。やっぱり誠士郎がいっちゃん可愛ええ。出会ってからずっと可愛ええのに毎日毎日かぁいらしいのが更新されてんの。ほんでな、これ以上好きになれへん思うても簡単にそれを超えてくんの。やばない?(メロンパンを口に運びもごと飲み込んでから至って真面目な顔でふむと考える様に伝え)
はいはい、おおきに。…あ、マシュマロや、( ぷかぷかとブラウンの海を泳ぐマシュマロに、隠せない嬉しさを滲ませた声をあげながら瞳を輝かせ。少しだけ大きく千切られたメロンパンに貴方の優しさを感じつつ、空腹を埋めるべく、かぶりついてはほかほかと湯気を立てるココアを一口、甘い物の組み合わせに幸せそうに目を細め )───いただきます、……ん、…マシュマロええな、めっちゃ美味い。は。………と、突然なんやねん、藪から棒に。……俺も、やばいことに毎日どんどんお前んことばっかになってくから、一緒ちゃうん、( 至極真面目そうな表情で投げ掛けられた問いに、一瞬ぽかんとするもあっという間に耳を赤くし。男の自分に可愛い、なんて褒め言葉ではないと思っていたのに貴方にそう言われるとすっかり嬉しいと感じるようになってしまった。だらしなく緩みそうな頬を見られないように、残りのメロンパンをもくもくと食べて、綺麗に飲み込んでから、ちらりと隣に視線をやり唇を少しだけ尖らせながらもごもごと告げ )
……それ、チュー待ち顔?何もぉ、口ヒリつくくらいちゅーしたやん。足りひんかった?(愛されてる自覚は有る。それでも直接的な言葉として向けられるのには中々慣れない。茶化しながらも顔には熱が集まり、つい先程まで濃い時間を過ごしていたとは思えない初心さに我ながら引いてすらしまう。貴方から何か言われる前に口を塞いでしまえば最後に甘い唇を楽しむみたいにぺろりと舐めて)こっちより誠士郎のがよっぽど美味いな。……俺せいしろから貰うからこっちあげるわ。一回食うたら俺もお前んこと食うから気にせんで(流石に色めいた考えは浮かばなくてもじゃれあいたくはなってしまう。小さな数口を齧ったパンを貴方の口元に運んでから腰元に腕を回して温もりを感じるように並ぶ貴方を抱き締めて)
…っ、……ちゃう、て言わせろあほ!( 確かに唇が腫れるのではと心配になるくらい口付け合った。言い返そうとしたそれは貴方の唇に呑み込まれ、解放されたと同時に赤い顔で吠えて )どう考えてもメロンパンのが美味いわ、…んぐ、………ほんで俺は食べもんやないで、( 口の中に突っ込まれたそれをむぐむぐと咀嚼し、腰に回る貴方の手は好きにさせつつココアを飲んでは、左腕を真っ直ぐ前に伸ばし、照明を反射してきらきら光る薬指を飾る宝石をぼうっと見つめ目元を緩めて )
縁、今日はほんまにありがとうな。悪いんやけど、まあまあキリもええし、今日はここまでてことで一緒に寝ようや。ゆっくり話せたんめっちゃ楽しかったで…これも、大切にする、( 左の薬指を飾るピアスを見つめながら、薄らと笑み )今日の前にやっとったやり取りの返事はまた明日返さしてな。
おやすみ、縁。ええ夢見るんやで、………愛しとるよ。( 慈しむように貴方の髪を撫でてから、恥じらい混じりに囁くと、こめかみに口付けて )
……おはよお、気ぃついたら寝てもぉてたわ。……挨拶もしやんと待ってたやろ、ホンマ申し訳ないわ。…また時間作れそうな時声かけるし、誠士郎も教えたってね(布団の中で身じろいで重たい瞼を持ち上げれば大きな口をぱっかりと開いてふわぁあと抜けた欠伸を洩らし。ぐぐ、と寝固まった体を伸ばしてから隣に眠る貴方を見ると、寝落ちしてしまった事に眉を下げて悔やみ。綺麗な寝顔を前にすると、何度繰り返しても度を過ぎた幸せが自分にとって都合がいい夢に見えて不安が影を落としてしまう。そんな恐れは貴方の指に光るピアスが消してくれて、ほんの少しだけ、ついと浮かんだ不安に対して)………あほらし。(愛が隠しきれない愛おしさの浮かぶ声でそう呟けるまでには貴方が隣にいることが当たり前と認識出来た。端正な顔の作りを楽しむように手の先で頬を撫でてから離れるのが嫌だと渋る気持ちに折り合いを付けて鼻先に口付けて)ほなね、仕事行ってくるわ。誠士郎も頑張りや、……ちゃうな。無理せん程度にかましたり!(頑張れと言わなくても頑張りすぎてしまう愛しい恋人だ、言い換えればその頭をぽんと撫でてから仕事に出向き)
おつかれさん、縁。寝落ちはお互い様やし謝らんでええよ。( ぽふりと髪を撫でて )むしろ謝るんは俺の方や…昨日返す言うときながら返せへんでほんまに申し訳ない。( がっくり肩落としつつ、両手を合わせ頭下げ )
先に言うとくと今週は土曜と日曜オフやねん。せやから、金曜の夜から日曜の夜まで早い反応取れる思うわ。金曜はちょっと帰るん遅なってまうかもしれへんけど。もしどこか都合良さげやったら声掛けたって。勿論空かんのやったらまた今度にしよや。あくまでも俺の予定やし、気にせんといてな。…ほんで今すぐ都合つくか聞きたいわけやないから、まだ先の事でわからんわ、っちゅーことなら取り敢えずここは蹴って貰てかまへんで、( 柔く笑みつつ、両方の手のひらを貴方に向けてストップのポーズをとり )前回の続き返しとくから宜しゅう頼むわ。ほなね。
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?!~ッ、え、えろい顔なんかしてへんわ。こんアホ、アホなことばっか考えとると治るもんも治らへんで…!( さっと頬を紅潮させ、金魚のように口をぱくぱくと開閉しながら勢い良く飛び出しそうになる言葉を呑み込み、顔を背けると早口で言い放ち )……大きくてなんや、そんな雑な計測結果あるかいな。( 液晶画面を覗き込む前に電源を落とされてしまったそれを受け取りつつ、ベッドの端にそっと腰を下ろし。控えめで可愛い我儘に応えるべく伸ばされた首を覆うように手のひらを乗せると、普段の低めの体温とはかけ離れた肌の熱さと貴方の発言から、恐らくそれなりに熱は高いのだろうとあたりをつけ、追及こそしないものの注意深く貴方の表情を伺って。このまま自分と話していてはきっと休まるものも休まらない、常温の水で満たされたペットボトルの蓋を軽く緩めて渡しつつ、首に置いていた手をゆっくり髪に移動させると、ひと撫でしながら穏やかに告げ )…縁。眠れそうなら、水飲んでこのままちょっと寝てまい。熱は上げきってから薬飲んだ方がはよ治んねん。
誠士郎もお疲れさん!(撫でる手に頭をすりと寄せて)ええねんええねん!せいしろの時間ある時でかまへんし、…せやな!もし申し訳ないわ思うてくれるなら次会うた時にちゅうと一つでもしたって(肩を落とす姿を見ればゆるゆると頭を左右に振り、くふふと企むように笑えば自分の頬っぺたに人差し指の先を向けて)
ほんでほんまに?!、もしかすると金曜の夜はあんまり遅くまで居られへんかもしれへんのやけど…土曜の昼過ぎからは俺も早い返事できる思うわ!ほんで日曜日は俺もオフやから絶対ぽんぽんって話出来るし、金土日って3日間あったら家決めるんに丁度ええんちゃう?…あ!待ち。待って!(スケジュール帳を開けば期待に胸を膨らませ)やっぱな、前回は俺の我儘聞いて貰てんから次は家決めるんちゃうくて誠士郎のしたい事とかやりたい事したりたいなぁ思うてて、希望あったらバシバシ言うたって!加賀縁プロデュース誠士郎限定の夢を叶えたろかスペシャルや!(得意げにバーンと胸を張れば調子に乗るように訴えてから向けられる手の平にちゅーとじゃれるように口を寄せ)
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……ふへへ。かいらしなぁ、お前見とったら元気になれるわ。それがいっちゃんの薬やな(顔を背けられてしまったが愛らしい言動にすっかり気持ちが癒されて心穏やかになる反面でキスが出来ないことが悔しいと思えた。悔しいから早く元気にならなければと考えが至るまでに前向きになると自分自身が意識の変化を驚くように呟いて。)せいしろの手っ手はなぁ、俺が知ってる限りでいっちゃん優しいくてぽかぽかした魔法の手なんやで。………ん、ありがとお。(触れた箇所からしんどさが消える。そう思うのは錯覚かもしれないが両目を瞑り、自慢してええよぉなんて付け加え。優しい声で伝えられれば受け取った水を数口分喉に流し、再度それを手渡してから体を丸めて寝る体勢を作り)────暇さしてすまん、けど、…帰らんで。何もあらへんけど、何使うても何デリバリーしてもええから、ウチに居てなぁ。(眠りに落ちる数分前の微睡む声で両目を瞑ったまま終わりに向けて尻窄む声でぽそぽそと言い切り、ものの数分で浅い呼吸が寝息に変わり)……………。せぇしろぉ(時間にして数時間、纏まった時間目を覚ますことなく暖かな部屋でぐっすりと眠れば幾分も体が軽くなっていて。久しぶりにこんなに寝たとまだ重たい瞼を手の甲で擦ってから、もぞもぞと上体を起こし。掠れる声で反射的に貴方の名を呼んで)
おおきに、縁。( すっと腰を屈め、涼しい顔で軽く唇を貴方の頬に触れさせ離れ )…こ、こんなんでええんかい、お手軽すぎひん?( 込み上げる羞恥にじんわりと頬を赤くしつつ、ふいと視線逸らし )
ほんまや、此処で嘘ついてどうすんねん。金曜は大変やったら土曜からでもええし、無理せんようにしてな。( 呆れたように口元緩めては、静止の声にきょとんと首傾げ )……っふ、はは!…正月特番かいな、一気におもんなさそになったな。( くつくつ喉を鳴らしながら貴方の肩をちょいと小突いて )
…夢っちゅーか、やりたい事っちゅーか、ざっくりこんなんどうやろか思てることは幾つかあるから聞いたって。もし、苦手なこととかあったら申し訳ないんやけど、気になるんあったら教えてぇな。
縁が飯食う時にちょっと行儀悪いんずっと黙って見とった俺がついに遠慮無く口出して、だんだんおまえの食事の仕方が綺麗になってったりするんはええな、とか思うとるんやけど、例えば箸の持ち方とか、手掴みとか犬食いしてまうとか、…どのレベルなんかわからんけど掘り下げられたらおもろそやなていうのんがまずひとつ。
あとはベタやけどお互いの恋愛遍歴がなんかの拍子に明るみに出たりしても盛り上がりそやね。酒も一緒に何度か飲んどるけど、二人でべろんべろん……は俺が弱すぎて難しいな、でも深酒するんも楽しそうやないか?
家で過ごすんメインなら、朝起きてそのまんまベッドでだらだらして、昼寝して、気ぃついたら夕方やったみたいな感じでゆるく進めてもええし、その逆で寝る前にぽつぽつ話すとこからはじめてもありやし…一緒に風呂入るとか、急に思い立ってタコパしたってええな、材料ないから言うて散歩がてら買いもん行ったり。それこそ縁が言うとったホラー映画観るとかな。あ、あと………俺、テレビゲームとかやった事あらへんから気になるわ。
外出るんやったら、定番に日帰りでどっか食べ歩きとか、服見立て合うんとか。ええ感じの雰囲気のバーでわざと初対面のフリして声掛け…俗に言うナンパぽくして遊ぶんも楽しめそうやし、アフターなんちゃらみたいなんで夜の遊園地的なんもありやな。水族館でぼーっと魚見たってええし、ゆくゆくはまったり旅行…バタバタ行くんもそれはそれで思い出になりそうやけど。
縁が巡業中に電話繋いでちょっと遠距離気分味わってから、俺が内緒で取ったチケットでこっそりおまえの地方公演観に行って、驚かすんもありやな。ただ、おまえを玄関で見送るとこからやりたいからこれは部屋決めて一緒に住んでからがええ。
多分家で過ごすんが一番さくさく進むんやと思うとるから、ぽんぽん会話すんならいつもの通り俺ん家で過ごさん?
ほんでこっちがつい長くなりすぎてもたから一回切らしてな。…風邪っぴきで弱っとる縁、──正直めっちゃかぁいらしいからこのまま有耶無耶にしたくないんや。今夜また顔出すからもう少し待って貰えると助かる、ほんまに堪忍な。( バッと深く頭を下げて )
此処におるから安心し、…おやすみ、縁。( とん、とんと同じリズムで布団の上から丸まった肩の辺りをゆっくりと叩きながら、眠りにつくのを妨げないよう柔らかな声で囁き。くるくると表情を変える愛嬌のあるかんばせは、今は静かで、先程より幾分か穏やかなことに安堵し。寝息を立てる、あどけない顔を覗き込み慈しむように目を細めると、眠る前の挨拶を甘やかに続けて )───さて、( 貴方が眠るのを見届けてから、静かに寝室を後にすると近くのコンビニへ買い出しに向かい。戻ってからは洗濯物を片付けたり、仕事用のスマートフォンを確認し、幾つか連絡をしたりと過ごし。最後に家主よりも慣れ切った様子でキッチンに立ち、一度も使われたことのなさそうな一人用の土鍋を発見すると白だしをきかせた薄味の卵粥を作り終え、ぐうっと伸びをして。時刻を確認し、あっという間に数時間経過していることに気がつくと、先程購入したスポーツドリンクや冷却ジェルシートの入った袋を手に、音を立てぬよう静かに寝室へ向かうと丁度目が覚めた様子の貴方に歩み寄り。掠れて色っぽいのに、舌足らずで幼いアンバランスな貴方の声で己の名が紡がれると、なんとなくむずむずと心を擽られ、きゅんと音を立てた。庇護欲を唆られてだらしなく緩みそうになる顔を引き締め、寝乱れた紫色の髪を手櫛でさらりと梳かしてやりつつ、薄らと笑みを向けながら寝ぼけ眼に問い掛けて )はいはい、おるで。…おはようさん。気分は?
……こ、こんなんして貰てええんですか!(まさか本当に頬へ口付けを受けるとは、状況把握に一拍ほどの間を要してからひょえと喉が鳴り。きゅんと胸を弾ませながら唇の触れた頬をそろそろと自らの指先でなぞり固まって沈黙を数秒、ふるふると体が震えた後にがばりと抱きしめ堪らず敬語で訴えて)こんなん貰えるならなんぼでも遅れてええわ!(でれでれとしているのが丸わかりな嬉しさに溶けた笑顔で言い切って)
ほんでな、どないしよ。全部おもろいやん。やる前からわかってんで、絶対おもろなるなぁ(挙げて貰った候補の数々に口端をくいと持ち上げつつくふくふと笑みを零し)ほんならな、朝起きてだらだらして夕方なって飯食おかって食うてる時に食事のマナー叩きこんで貰て、教えて貰いながら飯食って酒飲んでたらいつもより酒が進んでもぉて俺も酔うてまうのも有りなんかなぁ。酔っぱらってたら恋愛遍歴の流れも一緒に出来そうやなぁとか思うた。……けど一緒に買い物行ってタコパすんのも楽しそうやなぁ、買い物行く途中に買い食いして食べ歩きすんのも面白そうやし。あかんなぁ、今挙げれへんかったことも全部全部やりたいわ。休み被るんはぎょうさん出て来るやろし全部やろなぁ。(指折り数える様に提案しつつへにゃりと笑っては結局我慢できずに削れなかった返事を向けて)
あと俺なぁ、誠士郎が職場の人らと飲み会なり食事会なり行ってるとこにお迎えに行ってよろしくさせて貰うてますって挨拶したいなぁとも思うてるし、アフターなんちゃらで遊園地でも夢の国でも天下のユニバーサルさんでも行ってお化け屋敷連れ込んだりパレード見たり恐竜のんでびしょ濡れなんのもええなぁとか。俺ホンマにお前とやったら何してても楽しいなるんわかってるから何でもしたくてしゃーないねん。あれしたいこれしたいが仰山浮かんでもぉて敵わんなぁ(堪えきれない楽しさがんふふと綻ぶ様な笑みで表に現れ、楽しいなぁとじゃれつけば肩をとんとくっつけて)
ホンマに俺幸せもん過ぎて死んでまうんちゃうかな。大好きなせぇしろに看病して貰えるなんて前世でどんな徳積んでたら叶うんやろか。相談や言うてんのに長ぁなってもおて堪忍な!流し見程度に読んだって!
……んへへ、おるなぁ。おん、おはよお、もう全然しんどないで(髪に触れた優しく温かい手に両目をきゅむと瞑って心地よさを堪能し、薬を飲まずとも楽になった体に驚いて)まだ薬飲んでへんのに不思議やねぇ。……起き抜けの別嬪さんにちゅうできひんの残念やなぁ(体のだるさは眠る前とは比較にならないほど楽になっていて、此処が貴方の家ではなく自分の家にも拘らず目が覚めた時に貴方がいるという不思議さと嬉しさを誤魔化すように軽口を叩いて)あんな、……せぇしろが居ってくれたからぐっすり寝れてんで。ほんで寝れたから体が軽なってんな、頭もスーッてしてるし、───ありがとお(時間の拘束に甘ったれた我儘と浮かぶ申し訳なさが謝罪に変わり幾つも頭に浮かぶ。それでもそれを伝える事がこの場に相応しくないと思えば貴方の手を自分の頬に寄せてから一言ながら確りと心を込めて感謝を伝えて。折角ちゃんと伝えたかったその気持ちを邪魔するように朝から無かった食欲が顔を覗かせると控えめながら確りと主張をする腹の音がぐうと響き、空気の読めないその主張に体を固めて照れ隠しの笑いをわはと浮かべ)こんなん恰好つかへんやんかぁ。堪忍な、朝から腹減らんかったのに誠士郎と一緒や思うたらちゃんと腹減ってもぉた(眉を下げてたははと羞恥を誤魔化すように笑っては自分の腹部を広げた手のひらでそろりと撫でて)
はあ?!……ええもなにも、っ…してほしい言うたんおまえやろ…!( 貴方のまさかの反応に面食らって、羞恥からか引っくり返った声をあげ、眉間に皺を寄せると熟れたりんごのようにぶわりと耳まで赤く染め。ひっついてくる体を腕を突っ張りぐいぐい押しやりながら眉を吊り上げ少しばかり語気を強め )……て、うわ、顔でろっでろになってんで、…遅れんのは申し訳ないからせえへんようにするけど、…顔、顔直し、( まさしく溶けると言う言葉がぴったりの貴方の表情に、新種の生き物でも見たかのような怪訝そうな顔を向け。右手だけスッと伸ばしては、ゆるみきった両頬を挟み込むようにもにもにと揉み )
おん、ええやん。まったりやってみようや。( こくとひとつ頷いてから、楽しげな貴方に応えるように柔らかな笑み浮かべ )………全部採用なん?っはは!そら気合い入れんとな、楽しみや。( ぽかんと一緒口を半開きにし固まるも、思わず吹き出してしまいつつ、力強く続け )
!───俺も逆に飲み屋に縁のこと迎えに行けたらええなて思うとったわ。( ぱ、と表情を明るくし、弾む声に意見が被ったことの嬉しさと驚きを滲ませて )…夢の国もゆにばーさるさんも行ったことないねん、………おまえとおると初めて尽くしやわ。( 頬をぽり、とかきながらおずおずと申告しては、ふっと口元緩めはにかみ )
結局帰りが遅なってしもた、すまん。( しゅんとして肩落とし )───自己紹介文、ちょっと変えてん。良かったら確認したって。
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