加賀 2020-12-13 03:01:30 |
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………好きやあぁぁ。(受け取った紹介文に込み上げた愛しさが深い息で言葉と共に溢れ出し、我慢できずに貰ったそれの角を食むと咥え)なんぼだって読んだりたいし、寧ろ…もぉ、食うてしまいたい(唾液が付かないように気をつけつつ咥えたいた唇を離して)ありがとお、今の俺きっと浮かれてるからまた後で冷静になってから読むな(愛しさから触れる手は少し緊張感を持った丁寧な動きで綺麗に畳み自らの懐へ)
回収して貰うたし、次の交流やってんけどお互いが何個かずつ新居の候補を持って来て場所を決めるんでもええし、寒いからこそ風邪っぴきになってもうたんを看病するんでも楽しそうやし、怖いの苦手なん知らなくてホラー映画付けてもうた言うのも楽しいなるだろし……全くちゃう他のでもお前と一緒なら絶対楽しいやろから俺はかまへんねん。どうしよか(うーん、と考えるように幸せな唸りを上げて。最後の一言に合わせて頭をかたむけ意見を求め)
?!………おま、食うな食うな!( ぎょっとしては、若干引き気味に怪訝な顔をして見せ )んな読まなくてええねん、………程々に薄目で読んだって。( 気恥ずかしさからか目線を逸らし、ぽりと片頬をかいて )風邪っぴき、連続やなくてかまへんからそれぞれのパターンでやってみるんもええね。さくさく軽い会話を楽しめそうなんはホラー映画のくだりやろか。俺がびびって散々騒いだ後の流れで部屋決めるんに突入してもええし、どっちかが風邪引いてもええし、また仕切り直しても。目星付けるんに当たって相手の意見聞いとこ、てな感じでどんな部屋が理想?とかわちゃわちゃ膨らまして擦り合わせながらお互いの価値観の違いとか、知っていけたらおもろいかな、とかも考えてんけど。お互い突っ走って、良かれと思って目星付けてたん持ち寄って吃驚仰天するんも笑えそうやな。そっから意見突き合わせて、色々深めてくんも良さげやし。勿論いきなり風邪っぴきな感じで進行するんでもかまへんよ。どっちがベッドに押し込むんか押し込まれるんか…っと、色々喋ってもたけど、縁が気になる流れとか他の案があったら教えてーな。( ふわりと笑って、軽く首傾げ )
やってな、これを用意してくれたって事も愛しいねん…あかん、……もお、愛おしいすぎて無理…。こんなんもぉ食うしか処理できへん(愛しさに胸がきゅううと締め付けられれば好き過ぎて泣きそうになるだなんて感情のキャパオーバーにポソポソ喋り)話したら話しただけ楽しそう過ぎてホンマに迷うわ。どうしよ、全部選びたなってもぉたからあみだくじしてみたんやけど、ほんなら風邪引きになってん。もし誠士郎もええよ言うてくれんならそれでやらへんかなって。風邪引く側が俺やったら俺きっとお前のこと呼べへん思うから電話もせぇへん会いにも行かへん俺に違和感持った誠士郎に来て貰えたら嬉しいなって。逆に誠士郎が風邪ひく側やったら俺は帰れ言われても通いつめるかな思うし…。逆になる時は片方が治る頃に貰ってまう感じで出来るんかなって。俺ホンマにどっちでも楽しいなるから誠士郎に選んで貰えると嬉しいわ!(迷うように腕を組んでうんうんと唸り。いそいそと紙に書けば選ばれた選択肢をまるで囲ったあみだを見せて)ほんで、家決めるんもホラー映画見るんも一個ずつちゃんとやりたいなって(伺うように目を細めつつ貴方の顔を覗いて我儘を訴え)
じ、自分用や言うたやろ………ッ、食うなら返して貰うで、( 気恥ずかしさは増してゆき少しばかり赤い顔で、ずいと片手を差し出し )了解、あみだくじさんに従おか。( 即席で書かれたそれを見つめ、同意するようにひとつ頷いて )せやなあ、…ほんならまず、縁が風邪引いてその後俺の流れがええかな。俺らはお互いの仕事のスケジュールについては把握してて、メッセージアプリなり、電話なりで基本毎日何かしら連絡取り合ってるってことでええ?前者については、確認しないで前回描写に盛り込んでしもたんやけど。( 苦い笑み浮かべ )他の案についてはひとつずつゆっくりでかまへんよ。特に急ぐ理由もないしな、( あっけらかんと笑い、此方を覗き込む貴方の髪をするりと撫で下ろし )
いややぁ。絶対返さへん、これはもう俺んのやあ(差し出された手の上に自分の顎をちょんと置き、自分で自分を抱き締めるように腕を回して懐に入れたそれを隠し)おん、俺も勝手にそんつもりでおったわ。マメっちゅうか時間さえ見つけたら連絡してる思うねんけど喧しいの堪忍してな!誠士郎の仕事やろうなっちゅう時間はメッセージアプリで連絡してまうし、家帰ったやろなぁって時間になったら電話してる思う。直ぐお前の声聞きたなってんな(へらへらと気が緩む表情の笑みを見せつつじゃれつくみたいにぎゅうと抱き着いて)誠士郎と居るん楽しすぎてやりたいのんばっかで急ぎ足なってしまいそうやから、そう言って貰えるん嬉しい。せやんな、うん、俺らは俺らのペースでゆっくりやってこか。ほんなら交流文落としておくから絡み辛かったら言うてね、こっちのんは蹴って貰てかまへんよ!いつもホンマにありがとお。(両目を瞑りつつ幸せを噛み締めて撫で受け、撫でてくれたその手へちゅうと口付け)
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……。(今日は朝から体が怠かった。上手く頭が働かないと自覚しつつも幸運にも今日の仕事が昼には終わると自分に言い聞かせ卒なく仕事をこなしたが、家に辿りつくと張り詰めた糸が切れる様に身体の力が抜けてしまい)――あ゛あ?……目ぇチカチカしよる、…ちょお、休んでから。休んだら連絡せなあかん、(着の身着のままで革張りのソファに倒れ込むと頭の中では朝から碌な連絡を入れられなかったからこそ、貴方へ今日は行けないと連絡を入れなければと浮かぶのにスマホを取る事すら出来ず。それどころかじっとりと張り付く汗だけが気色悪いと眉間に皺が寄り、浅い呼吸を繰り返す内に意識の糸を手放して。)
こちらこそおおきに。( 貴方の手を取り、手のひらに優しく口付け返すと離し )せや、屋敷で三木くんに、縁とどうぞてお菓子の詰め合わせ貰てん。…貰たん俺だけやから、みんなには内緒やで。( 焼き菓子の箱を抱え、ご機嫌そうに笑いつつ、しぃ、と立てた人差し指を唇に当て )いつも導入ありがとうな、返しやすくて助かる。長くなってもたから適当に端折ってや。こっちも返してもうたけど、蹴ってくれてかまへんよ。ほなね。
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( あと10分で終業だ、明日は休みで納期の迫った仕事も無い。英語の羅列が踊る手元の資料を時折確認しながらキーボードを叩きつつ、デスクの上のスマートフォンを一瞥した。いつもであれば、チカチカと結構な頻度で点滅し、恋人からのメッセージを受け取ったことを知らせるというのに、今朝からうんともすんとも言わない。今日の仕事は昼までと言っていたから、昼休憩中に連絡をしたのだがその返信も無い。昨夜までは此方が返信をしなくてもぽんぽんとメッセージを送ってきていたし、ほんの短い時間ではあったが眠る前に通話までした。マメな男だ、忙しくとも連絡の一本は入れてくるとわかっているから嫌な予感が過る。脳内を巡るそれが杞憂に終わることを祈りつつ、ミルクと砂糖たっぷりのコーヒーを飲み干し、パソコンの電源を終業時刻ぴったりに落とした )───開いとる、( 会社を出て真っ直ぐ向かうのは貴方の家。道中電話も掛けたが応答は無い。何か危険な事に巻き込まれていないようにと祈るような気持ちで足を早める。ようやく到着し逸る気持ちで合鍵を使用するも空回りし、扉が何も阻む事なく開くものだから背中には冷や汗が伝い、目を見張って )……?!…縁…おい、ッ、あっつ!……縁!えにし、…わかるか?( 流石に何かおかしい。廊下を勢いよく突き進み、飛び込んできた光景に頭が真っ白になる。まさか今朝からこうだったのではと呑気に仕事をしていた己を呪い悔しげに歯噛みしつつ、鞄を辺りに放ると白いソファに沈み込む貴方に焦った様子で駆け寄り。床に座り込み、浅く上下する肩と唇から漏れる荒い呼気を確認し少しばかり安堵しながらも、汗みずくで張り付く前髪を避け額に触れると、その熱さと真っ赤で苦しげな顔に眉を下げ辛そうに唇を噛み締めて。取り乱しそうになる己を叱咤し、こんな時こそ落ち着かなければと深呼吸を一度してから、不安な気持ちを押し込める。恐らく風邪からくる発熱だろうが、あまりに朦朧としているのなら救急車を呼びたい。まずは意識の確認、膝立ちになり、少しだけ声を張ると貴方の名を呼びながらとんとんと優しく両肩を叩いて )
────……せぇしろ。ぁほお、来たらあかん言うた。んぇ、ゆうた?……堪忍なぁ、風邪引いたかもしれへんくて。今日は帰って貰てもえぇやろか(途絶えていた意識の糸を引っ張り戻されれば熱に浮かされたどろりと濁る目で貴方の姿を捉え、それさえも曖昧な発言を呂律が回りにくい掠れた声で訴えて)連絡出来へんかったから心配さしたやろ、……心配要らへん、ゆっくり寝たらすぐ元気一杯縁くんに戻って疎ましいっちゅうくらい会いに行くで(横たわった姿のままだときっと優しい彼は此処に残ってしまう。思っていた以上に言うことを聞かない重たい体に鞭打てばソファを掴んで上半身を起こし、その際に張り付くシャツが気持ち悪いと悪寒が走り。表情だけは口端を持ち上げ緩むような笑みを見せ)近く居ったら風邪引きさん移ってまうで、何もしてやれんとごめんやけど……今日だけは堪忍してや。早うお帰り(ぐわんぐわんと視界が安定しない。気を抜いたら折角起こした体がまた横向きで根を張ってしまいそうで冷たい酸素を吸い込むことで堪え)………一個お願い。水と薬、テレビ台の下んとこに薬有るから。それだけ貰てもええかなぁ、…いっつもそれ飲んだらなんとかなんねや。ガキん時から一人でも平気やってん、せやからホンマに心配要らんで(ずるり、とソファの背もたれに頭を垂らし声だけで頼みごとを。寝起きよりも少し回るようになった口で優しい貴方が心配してしまわぬように大丈夫の理由も添えて、動きこそ浅いがしっかりと呼吸を繰り返して)
おい、無理に起き上がらなくてもええて…───わかった。( 緩慢に起き上がる体、辛そうだが意識はきちんとあることに心底ほっとして思わずその場に頽れそうになる。貴方を支えようと手を伸ばしたところで掛けられた言葉に固まっては、ぐっと拳を握り締め静かに頷き )…けど、ここで寝とっても治るもんも治らへん。なあ、縁…ベッド行くんと、着替えるんだけ、手伝わして?頼む。……おまえんこと心配でこのまんまじゃ帰れ言われても帰られへんねん。( ほんの少しだけ明かしてくれた昔の話と重なって、胸が強く締め付けられる。寂しがりの筈なのに、一人で平気な訳がない。幼い頃からこんな風に毎回強がって、寂しい寂しいと泣く己の心を守っていたのだろうか。こんなときだって人の事ばかり気にして、肝心な時に甘え方がわからなくなってしまう、大切なひとを一人にするなんてとてもじゃないけれどできなかった。しかしながら、ここでいきなり長く居座ると言って押し問答になるのは避けたい。この寒い部屋から一刻も早く出て貴方を布団に押し込むのが最優先事項。それが終わったら嫌と言うほどたっぷり甘えさせてやるのだと心決めをして。振動を与えないようゆっくり隣に腰掛け、そうっと肩を引き寄せると脱力した体を己に寄り掛からせ。火照ってしっとりした頬に空いた片手を添えて、親指の腹で柔く甘やかすように撫でながら、熱で潤んだ瞳をじっと見つめ、心配の色を滲ませつつも穏やかに問い掛け )
………んん、すまん。手間かけさしてもて、堪忍してや。(ソファに乗りかかっていた体重は簡単に貴方へと移り、本来なら香水だけとはまた違う貴方の香りが心を擽るのに鼻が馬鹿になっているのかそれが感じられずに不安が強まる。顔に触れる指先がいつもなら温くて仕方ないのに今日ばかりはひやっこくて気持ちがいいと濁る目は瞑り瞼が落ちて。断らなければならないのに貴方の優しさにほんの少しでも触れてしまった後に断る事なんて出来る訳もなく、ぼつぼつと細切りにすまんと申し訳ない、堪忍してくれの単語を只管に繰り返し)昨日の夜までは元気やってん、ちょお疲れたかなぁ思うくらいで。朝起きたら体しんどかってんけど昼までやったし、そこ頑張れば明日は休みで明後日は仕事言うても昼過ぎからやから穴あけらんと行けるから。誰にも迷惑掛けへんよ。……ちゃうなあ、せいしろに迷惑掛けてもぉて。ありがとお(誰に言うでもない自分に言い聞かせるような言い訳が、起きたことで出やすくなった咳混じりに口を付く。伏せていた瞼を開いて盗み見た貴方があんまりにも優しい顔をしていて、無性に泣きそうになってしまう。ズズと鼻を鳴らしてはよしかかったままくっつく顔をスリと寄せて)ごめんやけど、肩借りてもええかなぁ。………指、冷たくて気持ちええ(きっと端からそばに居ると言われれば募る申し訳なさと風邪を移す不安から甘える事が出来なかった。貴方の気遣いを知らぬまま酔っ払った時にも似た覚束無い視界を目を瞑る事で消し去り、立ち上がるために甘ったれた要望を伝え。頬に触れる指先の優しい冷たさを噛み締めつつ、一人じゃない事を嬉しく、同時に少し恐れるような声で伝え)
ええよ、大丈夫や…おん、……おん、…そか、辛かったんにひとりでよお頑張ったなあ。───俺の縁はええ子やね。…こんなにええ子なんや、なんも迷惑なんてあるもんかい、( 仕事に対する真面目な姿勢が好きだ、けれど今日は頑張るのも我慢も忘れて欲しかった。肩に触れていた手を滑らせ、紫色のつむりを一定のリズムで優しく撫で下ろしながら、落ち着いたトーンで小さな子どもの話を聞くように相槌を打っては、慈しみに満ちた表情でにっこりと微笑んでみせるとこめかみに優しく静かな触れるだけの口付けを落とし )縁。ここ、腕回しぃ───ん、そう。上手、怖ないから、捕まっとってな…ベッドまで運ばしてや。( 貴方の体を背もたれに預けるように支えながら、ソファから降りると腰を落とし、だらりとした両腕を己の肩に回させて。腿の下に腕を差し入れ、腰の少し上辺りにもう一方を添えるとふらつく様子もなくふんわりと立ち上がり、思いの外軽い体に驚く。安定した体勢のまま、まっすぐ寝室まで向かい、少しだけ開いた寝室の扉を足で開ける。行儀が悪いが緊急事態なのだ、構うものか。廊下から差し込む光をたよりにベッドに恭しく下ろしては、部屋の明かりを灯し、暖房と加湿器の電源を入れてから貴方の元へ戻ると目線を合わせ問い掛けて )…着替えとか出してくるからちょっと待てるか?辛かったら横んなっててかまへんで。
……ぉん。ありがとお、ほんにありがとう。(子供をあやすように優しくて暖かい手が頭を撫でると、無条件に与えられる優しさに溺れてしまいそうで遮二無二泣いてしまいたくなる。愈々堪えきれない涙の膜が薄らと目を覆いぼろぼろと溢れ、格好悪く情けない自覚すら持てず堪えた涙を貴方の肩口に顔を押し当ててぐじぐじと持てる力一杯に目許を擦り付けては、嗚咽として途切れ途切れの上擦る呼吸音が喉をすり抜けた。)───ん、……今日帰って来てからシャワー浴びれてへん。汗掻いてんのに。ばっちいやろ、…せぇしろぉ、帰る前にシャワー使うてええからね(支えて貰えれば幾分も楽に歩くことが出来て下ろされたベッドの上で子供のように幼さが残るたどたどしい声で募る申し訳なさを詫び、息苦しく首元を絞めるネクタイを解くように力の入り辛い指を滑らせて。一人じゃなく、何よりも貴方が傍に居てくれる事実だけで弱気な考えが身を潜めるのか手間取る指先でシャツのボタンを外しつつ、うろと泳ぐ眼で貴方を辿り帰らせないといけない感情と傍に居て欲しい感情がぐらぐらと揺らぎ、呂律が回っていない甘ったれた声で離れる貴方を引き留める様に伝え)……すぐもどる?
ほれ、ちゃんと布団被って待っとれよ……一旦居間の方いくけどすぐ戻るわ、( 貴方のもたつく細い指先に割り込んで、しゅるりと緩みかけたネクタイを抜き取り、ジャケットを脱がせてやると、泣き濡れて少し赤くなってしまった目尻を中指の先でなぞって。問い掛けに大きく頷きながらはっきりと言い切り、にっと笑いつつ柔らかな髪にぽふんと片手を置いてから、静かに部屋の戸を閉め、部屋を後にし )───縁、すまん…待たせてもうたな、……起きとるか?( 己もジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩め腕捲りをした姿で、両手には常備薬と共にしまいこまれていた体温計と、できたての蒸しタオルが数枚積まれた皿、小脇に水のペットボトルと乾いたタオルを抱え早足で寝室へ戻り。心配で堪らなくて、あれもこれもと考えていたら準備に手間取り5分も経ってしまった。少し焦り気味に、申し訳無さそうに声を掛けながらベッド脇に置かれた小さなチェストへそれらをさっさと並べてゆき。クローゼットから洗い替えの黒い部屋着を引っ張り出すと、貴方の元へ静かに歩み寄ってそっと様子を伺い )
おん。ん、ありがとお。……(求めていた言葉を貰えばその単語を味わう様にむぐと空っぽの口内で歯を合わせ、柔和に微笑み一度だけ頭部を縦に振り)……、(ジャケットが無くなり軽くなった半面で寒くなった体が芋虫のようにもぞりと動き布団の中へ逃げ込んで、背を丸くし腿の間に両手を挟んだ格好で猫の子のように身体を小さくし布団にすっぽりと隠れ、未だ浅い微睡に居た意識が貴方の声で引き戻されると布団から少しばかり顔を覗かせて、貴方が持つ沢山の荷物が全て自分の事を心配してくれてのことだと思えば嬉しくて擽ったくて申し訳ない反面に幸せを覚え。何よりも本当にすぐ戻ってきてくれた事が不安も心配もしんどさもかき消してしまい、ふへと気が緩む様な和らいだ笑みを口元に浮かべ)……兄さんえらい荷物多いなぁ、ここでお店開きすんの?(ぐずる不安も必要以上の強がりもなりを潜めた穏やかさで軽口を。動きはまだノロノロもぞもぞと力が入りづらい様子で引き摺りつつ遅い動作で体を起こし)先、薬貰てええ?……日本の薬は最強やからね、飲んだらすーぐ熱なんか下がんねや(布団に包まり体を温めたからか、襲う悪寒は少し落ち着き。色々運ばれている中でお願いするのは普段から空きっ腹に薬を飲むことが当たり前なのが露呈する発言で)ほんでお着替えも持ってきてくれたん?これ引っ付いて嫌やってん。ありがとうね(張り付くシャツが気持ち悪く、鈍臭い指がボタンを外してぼぉとする意識でも浮かぶのは感謝の気持ちか。目じりを下げつつシャツを脱いで部屋着に手を伸ばし)
こーら、用法守れんやつに売る薬はあらへんで、( はじめて見るぐったりとした貴方の様子に心配で不安で、どうしようと気を揉み、知らず知らずのうちに肩に力を入れてしまっていた。辛そうで勢いはないものの飛び出した貴方のいつもの軽口に、ふっと気が抜けて、少し戯けたように返しつつ着替えをひょいと遠ざけベッドの端に寄せ。こんな時にも貴方に救われている、考え事をしている内に強張っていた表情を緩め、チェストの上に置いた皿のラップを剥がすと蒸しタオルを一枚手に取り )着替えの前にこっちや。……熱ない?( すぐに冷めないよう熱いくらいにあたためたそれを広げ、ぱたぱたと適温になるように二、三度振ってから手早く畳み直すと脱げたシャツをするりと取り去り。身を屈めると、晒された首や肩の後ろを軽く押さえるようにそっと蒸しタオルを当て、軽く首傾げながら貴方の顔を覗き込み反応を見つつ、汗に濡れしっとりした背中を優しく拭きはじめ )…シャワーはもうちょい回復してからの方がええからこれで我慢し、
───こんなん病院でしか受けたこと無いで。看護師さんやん、……ナース服用意してへんのが悔やまれるわ(馴染みが無さすぎて用途が分からなかった湯気のたつタオルがベタベタとした肌をなぞると暖かくて気持ちがよく。心地良さから両目を瞑ればお日様を浴びる猫のように気が抜けた雰囲気で口許が持ち上がり、身に余る甲斐甲斐しい対応につい茶化してしまい)このご恩はぜったい返したる。欲しいもんでも頼みたいことでも俺が絶対叶えるで(ベタつきの消えた体で我慢出来ずに貴方を抱きしめてしまって。ぎゅうと触れた体はいつもと違い少し冷たくて心地がよく、聞いてと先に声を掛ければ看病慣れしていないからこその感謝の伝え方がわからない様子で紡ぎ)………アカン、ひやっこくて気持ちいくて離せへんくなってまうわ。風邪移したら大変や、我慢せな(抱き締めたことで得る安心感の大きさは他とは比べ物にならないらしい。このままずっと過ごせられると考えるのを振り切って元より余り力の入らない腕を解いて残念がるみたいに、見てわかる名残惜しさを顔に浮かべて貴方を自由にして)
ナース服。…どうやら随分元気になったようやなあ。( 大人しく抱き締められながらも、到底似合うはずのないそれに口元を引き攣らせ、少しばかりドスの聞いた声で凄みながら痛みを与えない程度に軽く貴方の両耳を引っ張って )あんなあ、縁。…知っとるか?しんどい時は素直に世話焼かれとくもんなんや、返される恩もなんもないねん。( きっと幼い頃からそうしてきたから、わからないだけ。けれど恋人なのに、距離を置かれているようで寂しいだなんて女々しい考えが浮かぶ。腕を解かれると貴方の部屋着を手に取りすっぽりと被せては、離された距離を詰めるべく、ずいと顔を近付け。発熱からかいつもより色濃く見えるヘーゼル色をじっと見つめ、ふっと仕方が無いと言う風に笑ってみせ )はい。…ここでええ子の縁くんに質問や。───今、おまえは一人でいるん?( 瞳を覗き込んだまま、熱を持った両頬を包み込み子どもに尋ねるかのような戯けた口調で前置きを。貴方が寂しいときも辛いときも、当たり前に傍にいて助けを求めて貰える、甘えて貰える、そんな存在でありたいと思うのはエゴだとわかっていながらも、止まらなかった。すっと息を吸うと、緩んだ表情を引き締め、核心に触れる問いをひとつ )
(耳が引っ張られる軽いじゃれつきが心を軽くするとふひひと風船の空気漏れみたいな音の笑い声が零れて、また何か軽い茶化した返事をしようと唇が薄らと開いた所で自分には無い価値観の考えを説かれる。目から鱗、ハッと頓悟する半面で(かいらしなぁ)と近づく貴方の顔に心臓が早まり。いつもより処理速度が遅い頭が返事を見つけるより先にひんやりとした手が頬に触れ、突かれた質問に間抜けな声が「へ」と呼吸音と一緒に落ち)……ちゃう。(質問の答えは考える時間を持たずすぐに喉を通り、反射的に答えを上げてから今一度質問の意味を靄がかる頭に浮かべてヒリヒリとする喉で溜まる唾液を飲み)お前が居らんと駄目や、……一人にせんで。ほんまは一人んなんのいやや(頬を包むその手に自分の両手を重ね、少しの躊躇いが泳ぐ視線にうろと乗ってから寂しいのも不安なのも嫌だと本音をぶつけ)
ん、…よお言えました。花丸満点やな。…──大丈夫、一人で置いてったりせえへんよ、( ようやく本音が飛び出してきたことへの安堵と嬉しさにこくりと大きく頷いてみせると、今日一番の満面の笑みを浮かべ。すっと顔を更に近付けて、可愛らしいリップ音を立てながら額に口付け、頬に触れていた手の平と共に離れては、伏し目がちにぺろりと己の唇を舐めほんのりと感じる貴方の汗にくすくす笑い )……っふは、ちょっとしおっからい……。こっちも履き替えてまい、ほんだら熱測ってみ。( 部屋着のズボンを差し出すと、先程後ろ手にチェストに置いたタオルを皿の端に避けつつ、貴方が着替え終わるのを待ってから拝借してきた体温計を手渡して )
………かぁいらし。なあ、せぇしろさん、すぐそうしてえろい顔見せるの止めて貰てもええやろか、熱上がってまうわ(こうして風邪を理由に甘える事が許されるなら、風邪の辛さも悪くないと思ってしまった。けれどそれ以上重ねるのは野暮な気がして、可愛らしい笑顔に意識を向ける。甘やかな褒め言葉にトクトクと可愛い音で心臓が動き、じゃれた口付けとそれだけではない眼差しにドクドクと心臓の動きが変わる。のろ付きながら着替えをしつつ、一層と熱くなる顔に冗談めかした本音を混ぜて)なあ、首んとこ誠士郎の手で触って欲しい。……て、言うて、お願いしてもええのん(本当は貴方の手が触れるなら何処でもいい。決して冷たい訳じゃないその手を求めるように体温を測る間おずおずと我儘を申し出て。く。と首を長く伸ばして。勇気を出した我儘が叶うより先に計測終了の電子音がピーと鳴り)ぉ、ぉお大きく見たら37度やね(表示されるのは37度後半の数字、へへと緩い笑みを浮かべ体温計の電気を落とし)
誠士郎、ちょおええかな。俺なぁ明日が休みやから今日の夕方頃から早い反応出来る思うてて、もし誠士郎も時間取れそうなら今のん一旦置いといてピアスのやり取り出来へんかなぁ思うてん(ちょいちょい、と呼び寄せるように手招きをしてからスケジュール表を覗いてどうやろかと低案を)毎度の事やけど俺の勝手なオフやから都合つかんくても気にせんでね、また時間合う時にしよな(ぎゅうと抱き締めればじゃれつくように首元に顔を擦り寄せて)ほんでもしあれやったら俺の風邪引きのんは時間飛ばしてもええし、蹴ってもかまへんよぉ(堪能するように顔を寄せればふざけるようにちゅうと頬へ口唇を寄せ)
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