加賀 2020-12-13 03:01:30 |
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……可愛ええなぁ、ふふ。猫ちゃんも犬くんも勝てへんよ、お前がいっちゃんかいらし。(貪り食べるような口付けの余韻が消えない、唇を離した際に覗いた舌の赤色がぞくりと熱を燻らせ色を覚えたての猿のようにもっと欲しいもっと欲しいと欲が疼き。生々しい熱情が浅ましくて恥ずかしいのに喉が渇くような飢えとして頭を埋めるから色惚けた頭を止めるため自分の頬をバチンと叩き、熱っぽく病んだように火照る顔はそのままにでろでろと溶け切った甘ったるい猫撫声で幼子へ向けた朗読のように伝え、肩口に乗る貴方の顔へ自分の顔を一度スリと摺り寄せてから後頭部に回していたその手を使い指先で遊ぶみたいに髪に触れて)鬼教師や、海みたいに広ぉい心で育てて欲しいわ。…せやけどな、ホンマにこの制度取り入れてからの俺な、優しい人になれてる気ぃすんの。それって全部誠士郎のお陰やで(貴方の手に納まるカードを目線で追い掛けつつ、言葉にせずとも感謝を浮かべた声色で伝え)とぅんく…、無理、籍入れよか。───俺のサンタさんは力技の魔法ぶつけてくんねん、俺の心臓狙って串刺ししよる(揶揄いがほんの少しだって感じられない言葉の重みこそが正に魔法、ポーと逆上せてしまいそうになるのを絡んだ指先の感覚だけが繋いでくれて。そんな時でさえ一丁前に口を付くのはある種の悪癖、茶化し立てる様な本音で。繋ぐ貴方の手を包むようにもう片方の手も重ねて)撮る!。撮りたい!。そんでもってお守りにすんねや。せいしろの写真持っとったらしんどい時も頑張れる(ん、と鼻を向ければつけて貰う事を暗に強請り。ポケットにしまうスマホを取り出して食い気味の返事を送り)
……っさいわ、おちょくんなや、( 恋い慕う相手と唇をあわせるのがこんなに気持ちの良いことだとは思わなかった、既にこの行為に嵌り、癖になってしまいそうな自分が恐ろしく、もっと触れ合いたいと訴える欲望は静かで大きな深呼吸を幾度か繰り返すことで蓋をして。蕩けた声に鼓膜を揺らされ、その声に甘えたくなるのを振り切っては、いつもの調子でツッコんでいる風に返そうと努めながらも、その発言とは裏腹に貴方の肩に寄せていた額を猫のようにゆっくりと、あたたかな首元にすり寄せ、髪に触れる指の軽やかな動きに心地良さげに目を細め )?───縁は元々広ぉて優しい心、持っとる思うけどな。寧ろ優しすぎなくらいや、気ぃ遣えて他人に優しくできるところはおまえのええとこやと思うけど、縁自身にも優しくしたって。( 感謝の気持ちを確と受け取りつつ、カードを仕舞い込んだ鞄を置き、貴方に歩み寄りながら不思議そうに瞬き。ふっと柔和な表情を浮かべ続く言葉を意見の押し付けにならぬよう述べると、ふんわりとした紫色の髪を、頭の形を辿るような穏やかな手付きで撫でて )突然なしたん、…ぶつぶつ言いよって。……んな物理攻撃の物騒なサンタさんおって大変やな、気ぃつけや。( ぺらぺらとよくまわる口で何事かぶつぶつと呟く貴方にぽかんとしては首を捻ると、握られた手はそのままに至極真面目な顔で他人事のように注意を促し )おーおー、お守りでもなんでも好きにせえ、( むぎゅりと赤い鼻を貴方に付けると、その愛らしさからまた笑い出してしまいそうになるのを堪え。自分から言い出したものの所謂自撮り写真は撮り慣れないし、普通の写真でさえ撮られ慣れていない、スマートフォンをいち早く取り出した貴方を一瞥し問い掛けて )…俺よりおまえのが慣れてそやし、撮るんは任せてええか?
信じてや、俺は絶対お前に嘘言わへん。(軽やかな言葉で行うやり取りが擽るように耳に残り、些細なそれに(あー、好きや)と何度も繰り返したその気持ちがまた落ちた。指の隙間を貴方の髪がすり抜けるのを楽しんで慈しみ、返事の最後には貴方が背を丸めてくれるからこそ良く見える耳に首を伸ばし、丸みを帯びた形の良い耳輪の部分に堪え性の無い駄犬のようにがぷりと噛み付いて)……~、アホ言いいなや。「街角百人にインタビュー、優しすぎて心配になる人は?」ってしてみぃ、百人中九十五人はお前やって答えんで(存在の全てを丸っと肯定する言葉の大きさに喜ぶよりも先立つのは畏れ多いの類か萎縮のそれで。何とも言い切れない歯切れの悪い顔を隠すために俯くと撫でる手の優しさにジワリと胸が熱く染まり、発言だけは冗談めかすようにキャッキャと弾む茶化した音で)気ぃつけてんけどピンポイントで急所狙ってくんねんな、俺のサンタさん。凄腕ヒットマンやから。……ホンマにありがとお、お前にありがとおナンボ言っても言い足りへんなぁ。───言い足りへんから誠士郎のオトンとオカンに有難う言っとこ。せいしろのご両親有難うな、まだ見た事あらへんけど美人なオカンと男前なオトンやと思います。お二人のお陰で俺は誠士郎に出会えました、今度肩叩き券持ってご挨拶行きますね(握っていた手を解けば軽い笑い声を共に軽い返事を向け、最初こそ込み上げる感謝の気持ちをぽつらぽつらと伝え。次第にそれが照れ臭くなってしまうとエンジンがかかるように茶化しに言葉を重ね重ねと続け)くふ。ふふ、かいらしなぁ。可愛ええなぁ。ホンマにかぁいらし。(ええよお、とそのつもりだったからこその緩い返事の後にインカメの小さな画面の中に納まるのを見れば幸せを噛み締めるように独り言みたいに呟いて。撮るよの一言も無しにパシャリパシャリと何枚も写真を残せば、連写だからだろうか複数枚撮った内の自分の一枚は事故のように半目になっていて)お前はホンマっずっこいな、見てみこれ。普通の人間はこぉなんねん。全部が全部別嬪に写るんです言うんはペップバーンとお前くらいやで(纏めて撮ったそれを確認する中で事故写真に到達すれば色気もへったくれも無い喧しさでぎゃんと騒ぎ)はー、かわえ。待ち受けにしたろ……(喧しさも収まる頃に周回したその感想を呟いて今まで初期設定のままだった待ち受け画像の為、無言でカメラを向けて堂々たる盗撮を行い。突然の盗撮だから何処か自然な貴方を待ち受けにするとつい頬は緩んで)これでスマホ見んの楽しいなるなあ
……っひ?!…ン、…っな、何しとんじゃ**!( 突如耳に触れる濡れた硬い何かに、びくりと肩が跳ねて情けない声を上げてしまう、噛まれたのだと頭が理解したのも束の間、更に追い討ちをかける様に貴方の吐息まで感じてしまえば僅かに震え首を竦めるも、弾かれたように顔を上げると眉と目尻をきっと吊り上げ混乱と羞恥が綯い交ぜになった様子で声を荒げ )…そん例えの方が何倍もアホやねん。大勢が何言うても関係あらへんわ。俺がそう思ったから伝えてるだけやで。( 貴方の魅力は自分や、貴方のことをよく理解している人が知っていれば良いのだと思う。心底不思議そうに首を傾げながら、茶化された話に本心からの言葉で打ち返しては撫でていたふわふわの髪をくしゃくしゃにかき混ぜて、最後に整えるようにぽんぽんと撫でてから離し )そらおっかないサンタさんやな……待て、それホンマにサンタさんか?どしたん、急に改まって、誕生日祝いみたくなってんで……肩叩き券───いや、普通に喜ぶと思うわ。( 聞けば聞くほど別物に思える、と訝しげな目を向けていると、溢れんばかりの感謝を告げられ、何事かとぱちくりと数度瞬いて。最終的にいつものように戯けているのだと理解しつつも、ツッコミでなく少々ズレた感想で返し )ちょ、おまっ……予告してから撮り!( スマートフォンの小さな画面に収まるよう顔を寄せ、表情を作ろうと身構えていたところへ無慈悲にも鳴り響くシャッター音に目を白黒させ、少々語気を強め )っ、それ…ひ、ひどい顔しとんな、はははッ、お、おまえ、それはあかん、ッ、やばい、………はー、ホンマに、おっかしいわ。…でも俺もまあまあやばい顔しとるやろ、…その三つ前のやつとか。( 見せられた画面を顔を寄せ覗き込むと、貴方が半目で写るそれに勢い良く吹き出し肩を震わせはじめ、やがて大きな口を開けて思い切り良く腹を抱えつつ笑って。ようやく笑いが引いてくると肩を上下させ呼吸を整えつつ、一周まわり、半目の貴方が可愛らしくさえ思えてしまった様子で楽しげに声を弾ませながら、次々とスワイプされて変わるツーショットを眺め。自分自身はと言えば、最初の数枚は自然な顔をしているように見えるものの、それ以降は突然切られたシャッターに驚き目を見張る姿が写されており、苦笑気味に画面の中の自分を指し示し )……は。( 写真を一周見終え、自分のスマートフォンをポケットから取り出したところで隠し撮りされていたことに気が付き呆けた顔をするも、何やら画面操作をする貴方の緩んだ横顔が愛おしくて、急いでカメラを起動されるとぱちり、とこっそり一枚。自分の外見を何かと褒めてくる貴方だが、惚れた欲目を引いたとて大層整った顔立ちをしている、と思う。そこに持ち前の愛嬌が加わっているのだから相当なもの。慣れないなりになかなか良く撮れている気がして満足気に画面の中の貴方を見つめながら柔らかな笑み溢し )
すまん、伏せ字になってまう単語があるんやな。**の部分、呆け、に読み換えてもらえると助かるわ。漢字表記でもあかんかったら申し訳ないんやけど。…堪忍したってや。( 肩落とし、眉下げて )
~!口悪いやっちゃなお前!!、そんな悪いこと言う口はな縫われてまうで!(痛みを訴えるのとは違う上擦る声に胸が動悸を打ち始め、消し去った下心が簡単に舞い戻る羽目となり。カッと火が付くみたいに耳が熱を持つも荒げられた発言に被せる事で誤魔化して。男同士だからこその力加減でごつんと額をぶつけ合わし、くすくすと楽しそうに母親を演じるように続け)……なー、それホンマ狙って言うてへんの?ちゃうわな、無自覚やもんなあ。(いっそ狡いくらいの考え方や立ち振る舞いが、貴方の生まれ持った天性の物だと知るからこそ何か言い返したいと震う唇は音を出せずに言葉に詰まり。それでいて他の誰もが関係ないと言い切る男らしさが結局愛しくて、酸素をたっぷり吸い込んで膨らんだ胸が大きなため息として萎み。両腕を回し圧し掛かるようにしがみ付けばわざと体重を掛けて)誠士郎。ええか、よぉ聞け。柳誠士郎は歩くリア恋製造マシーンやから誰でも彼でも3秒以外見つめたらあかんで、後な?そのドストレートな発言もあかん。そんなん思春期女子が言われた日には学校終わりに婚姻届用意してんで。もう惚れてんのに毎秒惚れ直してる俺が言うんやから間違いない。(引っ付いたまま貴方の胸元にぐりぐりと力強く頭部を擦り付ける姿は独占欲が浮かび、動物のマーキング行為に似ていて。その最中にピーチクパーチクと並べるのは理不尽な心配の駄々で)ホンマに?喜ぶかな。ほんなら練習させてぇや、僕がねマッサージ師やるんでお客さんをお願いしますう。…せいしろのご両親に嫌われたないもん。肩貸して(いつも通りのツッコミが来るかと想定していた所で思いがけない方向の返事が来きたことで親子関係の良好さが伝わり、ふっと表情を和らげて確りとした身体つきの貴方の肩に緩く握った拳を当てて今度の始まりのように茶化しつつトントンと軽快なリズムで叩き)ごっつ笑うやん。お前がそんな笑てくれんなら俺の白目も報われるわ!今度これ切り抜いてスタンプみたいに使ったろ……ふは!お前は全部可愛ええよ、やばいのも愛おしいわ(清々しい笑いっぷりに釣られてしまえば自分のことながらなははと大きな笑い声を上げ、三つ前へ写真を戻しくふくふと綻ぶように笑って指先で画面上の貴方をよしよしとなぞり)……おん?、~はぁ?!嫌や嫌や!そっちの加賀ちゃう。こっちの加賀見て(待受を見たいが為に画面の消灯を無駄に繰り返していた所でシャッター音が、浅い瞬きをしてから顔を上げ。なに?と、そこで目にしたのがあんまりにも優しい顔をした貴方だったからか、状況自体はすぐに察する癖に恐らく見てるのだろう画面上の自分にヤキモチを妬き、わざわざ滑り込むようにスマホを持つ貴方の腕の中に入り込んで)
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せいしろ、ちょおええか?。今日で今年も締めくくりやねんて、何もしてへん嫌ーな年やなぁなんて思うててんけどお前に会えたから過去最大ええ一年になったわ!(猫の肢のように丸めた片手を向けて、おいでおいでと手招きを見せ)ほんでな、クリスマスの絡みもええ所かな思うて自己満で返しといてあれやけど回収しよかなって。んで、俺な今日明日っていつもより返事に時間食うてまうから屋敷に顔出せへんかもしれんねん。やけどお前には会いたいなーって我儘で相談あんねや。あんな、屋敷みたいに少し短めでぽんぽんって気軽に返せるようにしてゆるぅく年越しせぇへんかなって。俺は今日な17時過ぎくらいからゆっくり喋れそうやねん。…けどな!誠士郎の都合も有るやろしアホ!年末年始時間取れへんわ!でも全然かまへんよお。なーんも気負わんでや。もちろん誠士郎に余裕有るんやったら屋敷にも同時に顔出てええし!逆に忙し過ぎてしんどいわ言うなら落ち着いてからゆっくりお正月しよや(身振り手振りを交えながら初めての年越しに浮かれて双眸を細め上げ)もし短くてでも時間取ったるわしゃーなし。て言うてくれんならこれ俺ん家の鍵やから中入って待ってて。家の場所は後で送っとくな(財布を取り出せば飾り気のないスペアキーを取り出してそれを差し出し)ほんで家ん中なホンマにスッカラカンやから足りひん物とか教えて、仕事終わりに買うて帰るわ(慌ただしくジャケットを羽織りマフラーと手袋を付けて、去り際に投げキスを送り仕事へ出向いて)ほなね、愛してんで。
なんや?( 手招かれるがままに貴方に近付くと、少々改まった様子にあわせ畏まった面持ちで首傾げ )過去最大は大袈裟やけど、…縁と出会ってからこの一ヶ月くらいか?ホンマに楽しい思いばっかさせて貰て、ありがとうな。───おん、ええよ。俺も屋敷に顔出せる程の余裕は無いな思てたから、今夜は二人でゆっくりしよか。( うきうきとして、いつもに増し忙しなく動く貴方が愛らしく、頬を綻ばせつつ穏やかに頷いて )ん、おおきに…て、こんなホイホイ合鍵渡してええんか、……( 差し出されたスペアキーを恐れ入った様子でおずおずと受け取り )わかった、…今年最後やから気張ってきぃや。おまえん家で待っとるわ、…また後で。いってらっしゃい、縁。気ぃつけてな、( 慌ただしく出て行く貴方の背を片手を上げ、柔らかな表情で見送ってから、もう片方の手にあるスペアキーをまじまじと見つめつつ丁寧に鞄に仕舞い込んで )───何も無いてどんくらいのレベルやろ…ま、色々買いもんしてから行くとするか。( 仕事終わりの貴方に買い物させるのは申し訳ないと独り言ち、ゆっくり立ち上がると部屋を後にし )
……ただいまぁ。(鍵を回して帰って来た自宅にそわそわとした気持ちを抱く日が来るとは思っていなかった。何処か浮ついた声で帰宅を知らせる挨拶を。生活と呼べる生活は屋敷で済ますからか雑貨や生活臭のする物が極端に少ない癖に、家事をしたくないと手抜き用の家電だけは揃ってる我が家を覗いて)せいしろ?ゴディバさんとハーゲンさん買うて来たで(手首にぶら下げたお土産をテーブルへ、アイスだけは冷凍庫へと片付けて)
やってもぉた!早く返事したくて下げる確認出来てへんかった…、いつかやるんちゃうかな思うてたけどホンマ申し訳ないわ(申し訳なさに眉を下げて、ぺこと頭を下げ)
( 初めて訪問する勝手のわからぬ部屋に一人でいるのはどうにも落ち着かない気がして、自宅の家事をこなし、あれやこれやと買い物を済ませて到着したのは、貴方が帰宅する15分程前のこと。自分の家よりも広くて綺麗、寧ろ生活感の感じられない部屋に驚き、僅かな違和感を覚えつつも、空調機の場所を探し当てリビングをあたためて。キッチンに立ち入るのも何となく憚られ、手持ちのトートバッグとエコバッグを床へ置くと控えめにソファに座して、貴方の帰りを待つことに決め )……おかえり、縁。お疲れさん。( 間も無く帰宅した貴方に、どこかホッとした様子で柔らかく微笑み掛け )
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そんな謝らんでええよ、気にせんといてな。俺も色々やらかしてまうし、お互い様や。( あっけらかんと笑い飛ばし )導入や思ていつもの癖で若干長くなってもうたけど、次からはもう少しざっくり返すつもりやから堪忍したって。( 両手をあわせ、首を浅く下げ )
はー…俺ん家ちゃうみたい(慣れた家なのに貴方の姿が有るとジーンと心が震えて)ただいまぁ、誠士郎が俺ん家にいるのええなぁ。家帰るの楽しみになってまうな(ガバッと腕を広げれば捕まえるように抱きしめて、顔を寄せて肩口に顎を乗せれば)父ちゃん頑張って仕事納めたったわ、…せいしろもお疲れさん!
はいはい…よう頑張ったなあ、…ん、おおきに。( ソファの背凭れと貴方に挟まれつつ、冷えた体を緩く抱き返すと甘やかすように優しく頭を撫でながら労って )…何もない言うてたから、メシ作ったろ思て色々買うてきてんけど。もう夕飯済ませてもうた?( 抱き合ったままの体勢で、ふわふわと遊ぶように髪に触れつつ尋ね )
せいしろ待ってると思うたから秒で帰って来てん。何も食うてへんよぉ(撫ぜる指の優しさに双眸がするりと細まり、ゆるゆると一度だけ頭を左右に振って顔を覗き)作ってくれんの?甘えてええのん?(薄く開いた瞳には期待が有り有りと浮かび、むずむずとにやけてしまう唇を隠すようにぎゅむと結んでから茶化すように呟いて)ウチのキッチンもやっと仕事出来る言うて喜んでるわ
何を今更遠慮しとんねん、( むぎゅりと貴方の両頬を片手で挟むように掴み、ふっと気安い笑み溢し )…台所、ちょっと借りるで。大したもんは作れへんからな。( 貴方の下からゆっくり退いては立ち上がり、釘を刺すように続けてから、近くに置いていたエコバッグを手に台所へと立って )……ぴっかぴかやん、( あまりに使用感のないそれに目を見張りながらも、ごそごそとエコバッグから購入したものを調理台に並べてゆきつつ、ひょこりとリビングへ顔を覗かせ尋ね )なあ、縁。冷蔵庫とか開けてもええか?
有るもんやったら何使うてもええよぉ、…けどホンマに道具とか少ないねん(カルガモの親子かと言うように少し後ろをついて回れば恥ずかしくなってしまうほどの道具の無さに眉を下げて)料理せえへんの。最近のお惣菜とか結構イけんなぁとか馬鹿に出来へん思うたらそればっか食うてもて(ピカピカだと言うそれに叱られている訳じゃないが言い訳をするみたいにモゴモゴの告げて)誠士郎は家で自分用に飯作るん?(並ぶ食材から何が作られるのかわくわくと胸を弾ませつつ問いかけて)
こんだけあれば十分ちゃう?( 一通り調理器具や冷蔵庫、調味料等の確認を終えると心配そうに顔曇らせるも、貴方の言葉を聞いて胸を撫で下ろし )…冷蔵庫すっかすかやけど、ちゃんと食うてんならええわ。俺もお世話になってんで、スーパーのお惣菜。残業して遅くなった日には割引されとるし、すぐ食えるし、あともう一品ほしいときにホンマ助かるわ。( 軽い笑みを浮かべ受け答えしつつ、てきぱきと作業をはじめ )…おん、俺は出来る限り三食作る派や。そっちのが節約できてええねん。( 出汁から取って甘辛いお揚げをのせた定番の年越し蕎麦、それから煮切ったみりんに茹でたほうれん草を浸し、かつお節をぱらりと振ってお浸しに。何かもう一品と卵焼き。丸いフライパンで作るのには慣れていないので若干歪んでいるがご愛嬌。ふと、自宅から持参したものの存在を思い出し調理の途中、隣で見学をする貴方におつかいを )…せや、縁。ソファの近くにトートバッグ置かせて貰てるんやけど、中に黒い巾着入っとるから持ってきてくれへん?肉じゃが作ったから持ってきてん、チンしてや。( 巾着の中身は肉じゃがの詰まったタッパー。調理も大詰めなので手が離せず、視線は手元に向いたままで )
うう、俺もおせいしろん家の子ぉになる。家帰って温かい飯ある生活なんて夢やん。手料理なんてようけ食えへんもん(手際の良さが普段から料理をする人だということを証明していて、その手の美しさに両目を細めて。漂う美味しい匂いをくんと楽しめば卑しくもぐうと腹の音が響き)ん、おん!はーい。(指示を受ければ返事をしてからそちらへ出向き、手料理の代名詞と言った肉じゃがの重みにきゅうんと心臓がつかまれて)料理得意とちゃうし、外食とか出来合いもんばっかやから…手料理の肉じゃが食うのえらい久々やわ。ウチ父子家庭やからお惣菜が母の味やって、くそ砂利ん時にばあちゃんが作ってくれたやつが最後とちゃうかな。…あ!年明けたわ、明けましておめでとう御座います今年もよろしゅうお願いします。(電子レンジをぴっぴと弄り、温まる様子を眺めつつ何気なくと自分の話を落とし。ちらりと時計を見ればパッと表情を明るくし挨拶を)
料理くらい言うてくれればいつでも作んで。…料理すんの気分転換になって結構好きやねん。( 出来上がった料理をさっさと盛り付けてゆきつつ、さらりと答えては楽しげに頬を緩め )おおきに…せやったんか、縁のばあちゃんの肉じゃがには負けてまうけど、俺が作ったんで良ければいっぱい食うてや。( 同情や憐れみの気持ちは一切なく、ごく自然に受け止めると深追いはせずに穏やかに続け )……おー、日付変わってもうたんか。あけましておめでとうございます、此方こそ今年もよろしゅうお願いします。( 貴方の方へ向き直り、にっこりと笑いつつ頭を下げてから、盛り付けられた品々を両手に問い掛け )っし、こんなもんやな。あっちのテーブル使てええ?
そんなん聞いたらホンマにお願いすんで(美味しそうな品に表情はでろでろと溶けて、それでいて遠慮を見せずにちゃっかりと続け)俺前に作って貰たせいしろ飯ごっつ美味くて好きやってん。なあ兄ちゃん聞いたって、俺の彼氏な料理上手で別嬪で最高にええ男なんですわ(くふくふと調子に乗る様に笑いつつ盛り付けられた料理をテーブルへと運んで)酒飲む?お茶の方がええ?自分来る言うてくれたからバンホーテンも用意してるけど…飯ん時は甘無い方がええやろ?(戻ってくる際に冷蔵庫へ向かえば空っぽの中に唯一入る飲料の中で自分用に缶ビールを、貴方用の飲み物を迷えば冷蔵庫の扉から顔を覗かせて)ん、テーブルでもなんでも自分家や思うて何でも自由に使て~(へらへらと笑みを浮かべつつ自宅と言うことも有ってか幾分かより気が緩まるような和らいだ喋り方で続け)お蕎麦も美味そう、俺油揚げさんごっつ好きなん。何、知ってたん?俺が好きやって(年越しそばを運ぶ際にふわりと香る出汁に楽しそうに笑いつつ茶化して)
かまへんよ。減るもんやあらへんし、誰かが食うてくれる方が作り甲斐あるわ。…いや、誰に言うてんねん、( 先程と変わらぬ様子でさらりと了承しては、ぺらぺらとまわる口にツッコんで )…お茶か水貰てもええか?( バンホーテンは非常に捨て難い、しかしながら今は食事時。アルコールについても昨夜やらかしたばかりなのだ、暫く避けておこうと胸に刻みつつ、リクエストを )せやったん?何のっけるか迷ったんやけどお揚げさんにして良かったわ。…そういえば縁の好き嫌い聞いてへんな。何が好きなん?( 料理を並べ終え、一足先に席に着き、会話の流れでふと気が付くと台所から戻ってきた貴方に尋ね )
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