クロ 2020-12-08 21:14:54 |
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──よォし、契約成立だな。
(湿っぽく暗い廃倉庫に軽い声が響き渡る。いつかは来るだろうと思ってた始末屋がこんな小さな少女だったのはとんだ誤算だったが、超能力なんてモノが蔓延るこのトウキョウでは年齢なんてそう大した問題じゃない。いくら小さくて可愛らしい見た目であろうと、こんな所に単身乗り込んでくるような少女が弱いはずもなく、戦闘向きではない自分では太刀打ちするには分が悪いのは明らかで。そんな相手に紆余曲折を経て何とか自分を売り込み、雇い雇われという関係性にまでこじつけたのは僥倖と言えよう。普段の数倍は回っていたであろう頭は、そろそろ休みたいと疲れを訴えかけてきている。休むならどこか屋根のある場所──自分が寝泊まりするところといえばもっぱらこういう廃墟のどこかだったり、金のある時はホテルだったりするものだが、さすがにこの少女も雇ったとはいえ犯罪者を野放しにはしないだろうし、一緒に過ごす場所としては事案すぎるため却下。ならば定住場所のない自分に合わせるよりは、少女に合わせるべきだろう。そう自己完結すれば大きなあくびを漏らしながら、脈絡もなく当然のように問い掛けて)
そんじゃ嬢ちゃん、アンタの家どこだ?
(/初回文お待たせしました…!どうぞこれからよろしくお願い致します!一旦背後は引っ込みますが、何かございましたらお気軽にお呼びくださいませ!)
(さも当然のように家の場所を尋ねてきた男に、すぐさま眉間が皺を刻んで反応する。もちろん拒絶反応に他ならない。契約に至ったとある案件までの関係とはいえ、なるべく関わりたくないというのが本音だ。と言うのも、最初に会った時からこの男の軽薄さがどうも気に入らない。)
意外と紳士的なのね。でも結構。ボディガードを頼むには外が明るすぎる。
(脈絡のない質問の意図が分かれば、白い頬を緩ませてわざとらしいまでの笑顔をつくってみせる。男の頭に浮かんでいる考えが現実になることは何としてでも避けたかった。一緒に暮らす? 想像したくない。必要時に連絡が取れるよう連絡先を交換し解散するのが理想的だ。しかしそうもいかないことは分かっている。契約上パートナーと言っても相手は信頼に値しない犯罪者。目の行き届かないところで何をしでかすか分からないし、──これは杞憂であって欲しいが“ここまで”がシナリオであったならば……。やはり野放しにすることはできない。分かってはいるが一度で素直に教えてやるのも嫌だった。)
(/初回文ありがとうございます。こちらこそ、宜しくお願い致します!最初は険悪とあったので、一花が嫌味多め+感じ悪い雰囲気増し増しでお送りすることになるかと思いますがすみません…!近未来ということでドローンが至る所にいたりホログラム技術が充実していたり、そのような世界観で大丈夫でしょうか?科学技術がどこまで発展しているのか決めていなかったことに気付きまして…)
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