「囚人」 2020-11-19 02:16:14 |
通報 |
ふふふ。おはよう、朝から嬉しいこと言ってくれるじゃないか。…一日に一回は?そりゃいい。アンドルー、私も愛してる。一先ず、私が君を好きで堪らないことは伝わっているようで安心した。だがもっとよく見てみろよ、君の恋人は天使ってより悪魔然としてるぞ?隙あらば君を堕落させようとする。アンドルーがどれだけ私を大切にしたいのかも理解した、ありがとう。でも、私だって君と同じ男だということを忘れてくれるな、ちょっとやそっとのことでボロボロになるほど柔じゃないから安心してくれ。とはいえ、キスやハグだけでも十分過ぎるほど満たされてるんだ。私は君が思っているよりずっと貪欲だから、許されれば際限なく求めてしまう。そうして歯止めが利かなくなれば、いよいよ以て君を蔑んだ品性の欠片も無いような輩と同じだ。それだけは絶対に避けたい、私も君を大切にしたい気持ちは同じだから。もっと…ちょっとした触れ合いを大事にしたいよな。
はは…君のことが絡むとどうも饒舌になるからいけない、適当に聞き流してくれ。否、私は元々饒舌なたちだったな!君ならいつでも大歓迎だ、おいでアンドルー。君の部屋で眠るっていうのにも賛成しよう、今から楽しみにしてる。
ん、やった。ルカ!ん……冬の朝の澄んだ空気の匂いがする。( 肩口に顔埋め堪能 )いいんだ、悪いのはあんたじゃない。あんたに夢中になり過ぎてもう末期な状態の恋心の所為だ。ルカが言ってくれたように、僕もどんな立場も受け入れる…誰よりも近くでルカの全てを感じたい。背中の傷だって愛してる、北欧神話の雷神が認めた証だと思ってるさ。こんなに大切にしてくれる人も、ずっと大切にしたい人も、あんたが最初で最後。もう分かった、神に誓って言える。一生懸命語りかけてくれているのを聞き流せって?そいつは無理な相談だぞ。一字一句だって漏らすものか。あ……のなルカ。今日はあんたにプレゼントがある。ポインセチアの鉢植えをウッズさんから譲って貰ったんだ。代わりに庭仕事の重労働を引き受ける形で。花言葉とかいうやつがあるらしくて、選んでみたらどうだとか言われたけど結局絞れなくてさ…赤とピンクと白、全部持って来た。あんたは白黒の服ばかり着て何だか寂しく見えるから、花があれば気分が上がると思ったんだ。どう──い、要らないか?
!……そうだ、君を呼ぶなら予め入浴を済ませておくんだった!悪いアンドルー、あのさ、昨晩はシャワーを浴びてなくて……。( 硬直したまま口籠もり ) 君が末期なら私も大概だな、机に向かっている時以外は殆ど君のことを考えている。無意識のうちに君の名を呟いていたこともあるくらいで…あの時は一緒に居たワルデン君に変な目で見られたっけ。憶えてる限り、私的な対人関係にこうも振り回されたのは初めてだ。何に囚われるつもりも無いが、こういう不自由さはなかなか悪くない。そして…君が私を最初で最後の相手に選んでくれるのなら、私も同じく責任を持とう。元よりそのつもりだったけどな、掴んだ手をそう簡単に離して堪るか。目移りなんかしない。そりゃ発明に夢中になることはあるかも知れないけどさ、そのくらいは大目に見てくれよ。
ポインセチア?アンドルー、君ってやつは──本当に私を喜ばせるのが上手いな!分かってて訊くなよ、要らない訳が無いだろう?君から与えられるものならなんだって大切にしたいんだ…ありがとう。一つ選べなくて全部持ってきたって辺りも君らしいな。ああ、ポインセチアの花言葉を図書館で調べる楽しみが出来た。へへ、ふふふ。花を愛でる趣味は無いが、いま最高に気分がいい!
んえ?ああ、全然分からなかった。いつも通りの匂いとしか思わなかったぞ。この匂いが良い。( 一度顔を上げるも再び香りを味わい )何回も言っただろ、ルカの夢は僕の夢だと。だからって毎日毎夜集中しなければ認めないって意味じゃない。時々休んでまた歩いて、ちょっと横道に逸れて慌てて戻る。いいじゃないか、一直線でも蛇行でもルカはルカなんだ。そういえばナイエルさんに臭いから近寄るなと言われた時…頭の中があんたでいっぱいだったような。考え事も匂いで判るんだろうか?
……はは、良かった。贈り物もまともにした経験が無いから心配してた。でもあんたは不味いコーヒーで喜んでくれる奴だもんな、ルカを知った気になっていたのにこれじゃまだまだだな。ポインセチアは寒さに弱いらしいぞ。窓辺で日光に当たらせてやって欲しい。──よし、ルカを喜ばせられた!( 恋人の頭を軽く撫で、明後日の方角にガッツポーズを作り )
確かに。私が一日二日入浴をすっぽかすことはザラにあるからな。今更気にすることでも……こら、嗅ぐな嗅ぐな。恥ずかしいだろ。( 抱き締め返そうと回した腕を宙に彷徨わせ ) 自分の夢に理解ある相手と結ばれて私は幸せ者だな、改めて感じた。発明家として名を上げたら、適当に妻帯でもして身を落ち着けるかと以前は考えていたんだが…「仕事と私、一体どっちが大事なの?」なんて聞かれた日には結婚を後悔していたに違いない!思考と匂いの関連性について確かなことは言えないが、一度調べてみても面白いかもな。そしてミス・ナイエルには私もよく遠ざけられる、同じゲームに参加する際は必ず入浴を済ませて来て欲しいって念を押された程だ。クリスマスフラワーのくせして寒さに弱いって辺りがまた可愛く思えてきたぞ。この花が寒さに弱いっていうなら、室温や日照関係についても考え直す必要がある。必然的に私も健康的な生活へと一歩前進したな、流石だアンドルー!──ン、ひひ。分かっちゃいると思うが、私は別に甘いんだか苦いんだか分からないコーヒーが好きな訳じゃない。偶然にせよ、想いを寄せる相手が淹れてくれたものだからな。思い入れも出来て当然だろう?頭じゃ覚えてなくても身体が覚えてる。
んー……断る。今の気分に従ってやる。明日も頑張る…ぞ……ふう。( 己の匂いも擦り付けて漸く満足 )その質問をされたらどう答えるのが正解なんだろうか?仕事と答えたら泣かれるかな、でももしもあんたと僕が出会わなかったとしたら、奥さんと子供達の側で父親の顔をしてるルカが存在しても変な話じゃない。"えいさいきょういく"で利発な子に育って、父親の跡を立派に継いだりしてさ。誤解するなよ?僕より女性の方が相応しいとか抜かすつもりはないぞ。色んな未来が枝分かれしているのに、ルカは此処に来て僕の恋人になってくれたんだって改めて感慨深くなったんだ。あの女性は男臭さの良さが解らないんだな、残念な人。花と一緒に日光浴するあんたとか見たら和みそうだ。はん、これが恋人の能力というやつさ。……ああ、角砂糖三つは二人を繋ぐ合言葉になったよな。忙しい間はまたお預けにはなるが、恋人の嗜好ならちゃんと把握してる。忘れないよ、どんな些細なものもルカに関わるなら。
……ハァ、もう好きにしてくれ。私も好きにする。昨日は君がウサギみたいだって言ったが、今の君は大型犬みたいだな。( プラチナブロンドをくしゃくしゃと撫で梳き )
ああ、そういう将来も有り得ない話じゃなかっただろうな。ありふれた未来より、夢みたいな現実を掴み取ることが出来たって事実が…感慨深くて、酷く愛おしい。私の研究に口を出さない、どころか後押ししてくれる、かつ知識欲旺盛で献身的な人物。そして、私の心を奪うことができる存在。こんな優良物件は世界じゅう何処を探したってほかに見つからないだろう。こうして時間を共にして、さらに言葉を重ねるにつれて、君は私より私に詳しくなっていくのかも知れないな。言わずもがな、私もアンドルーの全てを憶えていたいんだが。君への想いを自覚してから、日記の文量が格段に増えたのはその所為だと思う。……ああ、それで。今日はアンドルーの部屋で寝かせてくれるんだろう?
猫は知らない匂いを酷く嫌うらしいんだ、それで自分の匂いを擦り付けるって。匂いはつまり所有権を主張する意味があるんだとさ。間違えた、大型犬だったな今日は。( ふふっ )物凄く自然に褒めるから反論出来る隙も無いな、初対面の時に言われていたとしたら…きっとあんたの正気を疑ったと思う。それが今じゃ素直に聴けるようになった。容姿を気にしない、無知を馬鹿にしない、信仰を否定しないし母さんを認めてくれる。口が達者な割に時々面倒を見なきゃ心配になる、でも苦しみに負けず力一杯前進する強い奴。初恋の相手で生きる意味を教えてくれる宝物。頭もいいし見た目だって最高にいい。その内助手になれるかもな。そうすればルカの睡眠時間が増やせる。僕は譫言が増えたぞ。そうだった、もう部屋の整理は終わっているから来いよ。あの絵も待ってる。
ふうん?じゃ、やっぱり君は可愛い猫なのかも知れないな。よしよし、静電気が起きても恨むなよ。( わしゃわしゃ ) 前世が存在するなら、つまり来世もあるってことだろ?次は君と一緒に猫になってもいいかも知れない。いやでも、科学に触れられないのはちょっと耐え難いな。それと、褒めてるつもりはないんだぞ?毎度の事ながら思ったままを素直に述べてるだけだ。君の方こそ私を自惚れさせるのは得意中の得意だろ、アンドルーほど今の私を買ってくれる存在はこの世の何処を探したってほかにいない。…君が私のアシスタント!魅力的過ぎるほど惹かれる響きだな。その熱意があれば大歓迎だ。同じ夢を共に見られるなんて、本当に…理想的じゃないか。素晴らしいと思う、是非前向きに検討してくれ。
……毎度のことながら、君と話しているとどうしてこうも時間が飛ぶように過ぎていくんだ?君と分かち合う一秒一秒をもっとしっかり味わいたいっていうのにさ。返事は気にしなくて良い。ほら、君の部屋へ連れて行ってくれ。
私はいつもそうだ、空気を読まずに返事のタイミングを誤る。くっ、誰も私を愛さな……いやアンドルーにはこれ以上ないってくらい愛されてるよな。( てれ ) よし、勝手に君の部屋に行って勝手に一緒に寝てやる。異論は認めない。この為に今日は切りの良いところで実験計画書の作成を切り上げたんだ!恋人のベッドに潜り込んだって罰は当たらないだろう。おやすみアンディ、いい夢を。毛布に包まれて待っててくれよ。
お疲れ、頑張るあんたを愛してる。昨晩は誘っておきながら中途半端になってしまったよな…すまん。無事部屋には来れたか?今日こそ間違いなく迎え入れられるように今から言うぞ。ルカ、取り敢えず来い。道具や設計図も持参して構わないから、これが聞こえたら直ぐにでも動いてくれ。気長に待ってる。
アンドルー、アンドルー。私だ、昨晩の件は怒ってないから開けてくれ。言われた通り訪ねて来たぞ。取り敢えず制作途中の小型送電機と部品を持参したから、今晩は君の部屋で作業を進めるかも知れない。
ルカ!今行くから待ってろ。───よく来たな、"お帰り"。机を作業台として使ってくれていい、手元が暗ければランプも好きなだけ灯してくれ。僕の抽斗は殆ど空に近いから、小さい部品だとか踏んだら危ない物とかを入れる場所として活用しろよ。寒ければ服を貸す、遠慮するな。ああまあ、一気に喋り過ぎた…兎に角自分の部屋だと思って寛ぐなり集中するなり好きにしてくれ!
───ああ、"ただいま"!君こそ今日もご苦労さま。それじゃお言葉に甘えよう、机と…このスペースを一晩借りるぞ。服を貸して貰えるのは有難いが、君の匂いに包まれると眠ってしまう未来が目に見えてる。君の部屋を訪れた時点で既にして寝落ちる予感がしているというか、まあ眠っても良いように適当な所まで製作を進めてきたんだが。
あははっ、何だかんだで寝落ちを念頭に置いてはいるんだな。寝ても大丈夫なように毛布も余分に借りてある。あんたは疲れ過ぎると床に倒れる習性があるから、もう広げておこう。ルカ、見てくれよ。ほらベッドの横の壁に……あの夢の絵があるだろ?上にウォールランプを付けて貰ったんだ、部屋の明かりを消すと絵がほんのりと浮かび上がるようにしたくて。恥ずかしくて"僕"はあまり見ちゃいないが"ルカ"はずっと眺めていられる。
当然だ!理由が寝落ちにせよそうでないにせよ、恋人の部屋に呼ばれたら誰しも作業の中断を考慮するだろ?まあそもそも恋人の部屋に作業を持ち込む方が異常といえば異常なのかも知れないが。何から何までありがとう、至れり尽くせりだな。うん?どれ……ああ、あれか。予想以上に立派に飾って貰ったことに驚いてる、やっぱり気恥ずかしいな。"私"を直視できない。
直列回路、並列回路。ボルト、ワット、ルクス…アンペア!これだけは覚えた。でも足りない、もっともっと勉強してルカの役に立ちたい。何も分かっちゃいないんだな、宇宙……無限、有限?天の父の光とルカの光、僕にはどっちも眩しくてどっちも貴い光。稲妻、いや花火かな。灯り始めた窓明かりのように優しいのも好きだ。月光がステンドグラスを透かして模様を作るのも美し…幻想的で……んん、ルカ。すまん起きていられなくなった。床で横になる…あの夢の続きを探しに行きた──スー…
それだけ覚えれば上出来だ。ああ、次は何を教えよう。まずは抵抗、次に電場と電位、それから…いや、私の方からは敢えて何も言わない方がいいのか。君が自ら学ぶ機会を奪うのは本意じゃない。さて私は作業に戻、アンドルー?待て、床で横になるな。君は私か?なあこの前もこのやり取りしなかったか、頼むからベッドで眠ってくれ。私はこの通りひ弱なんだよ、君を寝台まで運んでやれるほどの腕力は持ち合わせてない。なあって…はあ、仕方ないな。私もここで寝てやる。君が居て、毛布があれば何も問題無い──そういうわけでお休み、アンドルー。暫くは君のあどけない寝顔を眺めていようと思う。
何で今日に限って腹を壊したんだ…!しかも薬は不味いし動いたら駄目だとかクソッ、ああ……ルカがまた寝ず食わずで取り組んで、その挙句に発作を起こしたらどうしたらいい。ルカ、はぁ。腹が痛くても愛して、いてて!クソッタレ!くたばれ!お願いだから彼奴には何も問題が起きませんように…アーメン。このみっともない姿を見られたら一生の終わりが来る、畜生め
トピック検索 |