真夜中のピエロさん 2020-11-11 21:00:46 |
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>40 姫子
「了解。そんじゃサッサとやりますか」
頭を撫でる手を止め、代わりに納体袋を取り出して広げる。袋の口を開けると慣れた動きでソレの形を整えて担ぎ上げる。柔道から離れて久しいがそれでも休まず鍛えた肉体にとって人一人程度は大した重量では無い。血が服に付着しないように気をつけながら袋に入れていると、ヒメがとんでもない事を口にする
「・・・・却下。そんなモン客に出せるかっての。それに、俺が渾名で迷惑してんのお前も知ってるだろ?」
『通り名』と呼ばれるこの街に住む犯罪者にとって、ある種のステータスでもある名。それがある事はそれすなわち街の裏に生きる有名人な訳だが・・・・それが時折嫌な誤解を生む時もある。自分がその典型例だ。精肉に使う道具で遺体を処理しているのに由来して『肉屋(ブッチャー)』なんて名前が付けられたせいで人肉食をすると思われているのだ。勿論食った事はないし誰かに食わせた事も無い。そういう経緯があるから余計にヒメの提案には乗れなかった。袋に遺体を押し込め、袋を閉じる。
「・・・さて。一旦帰るか。小腹空いてるなら売れ残った点心でも温めてやるよ」
袋を担げばヒメにそう提案する。自分も少しばかり小腹が空いた事もあってか、夜食を用意する旨も伝えようか
>蒼山 仁
あっはは~じょーだんだよぉ~
(語尾に音符でもつきそうな独特な笑い方をする。もちろん却下されるのは予想がついていた、だからこそとっさに考えた冗談を彼に振ってみたかった。面白そうだと思ったから。相手から提案がくると自分もふとして小腹が空いていることに気付いて)
食べるー!お腹空いたー!
(彼の作った点心は自分の好物の一つ。子供のようにはしゃぎながら迷いなく返事を返すと先に歩きだして)
>42 姫子
路地裏から数分ほど歩けば家はすぐそこだ。納体袋は裏手にある廃ビルに一旦置いておき、入念に手を洗ってから夜食の準備に取りかかる。油条と包子、そして『新作』を蒸し、冷蔵庫からマンゴープリンを取り出してテーブルに置く。
「プリンは一応最後な」
別に格式張ってる訳でも無し、順番など気にする必要は本来無いが何となく甘い物は最後という感覚があるのと、先に食い始めないようにする為に姫子に釘を刺しておく。これで食われていたとしても特に気にはしないが。
蒸し上がった点心を皿に盛り、コップと冷蔵庫で冷やしておいた烏龍茶のボトルを取り出し、テーブルへと運ぶ。これで夜食は完成だ。
「出来たぞ。どうせだからついでに新作の試食も頼む」
他の点心とは別に盛られた饅頭こそ今回の新作だ。新作と大きく出ているが、実際は餡饅だ。冬場のおやつ的な立ち位置を想定したが、果たして味はどうだろうか
>蒼山 仁
(プリンは最後、これくらい本人も知っている。昔、誰かが言っていた「プリンは最後にとっておくのが一番美味しい」とその誰かは誰なのか覚えてはいないが。この言葉だけは妙に頭に残っている。まぁそんなことは良いとテーブルの前に座っておとなしくしていると夜食が運ばれてきた、大好きな彼のご飯に嬉しそうな顔をすると。「いただきまぁす」と先に新作らしい饅頭を頬張って)
ん…おいひぃ
(餡饅とやらは初めて食べたが、餡の甘さが口一杯に広がってこれは美味いと言わんばかりに食べ進めるとあっという間に餡饅を完食して)
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