切札は風と共に【〆】

待っててくれた、か。なんていうか、凄く嬉しい
（姿を見付けるなり抱き付いてきたり一緒に写真撮ったり、素敵な仲間に出会えたのだと胸が温かくなり。各々目的の場所へ向かって歩く人々とすれ違い寒いと呟く相棒を横目に捉え「格好付けて薄着で出てくるから。早く帰って温かいものでも飲もう」帰り道に約束したのにと拗ねてコートを羽織ったから自分は寒くないから平気なのだと鼻を鳴らし嫌味をお見舞いし、風邪でも引かれたら面倒だから早く帰るべきだとして歩く速度を上げて）

その気持ち、今度ちゃんと伝えてやれよ。 っ、出てきた時はそんな寒くなかっただろ。 ちょ、そんな急ぐなって
（素直な気持ちを表現してる相手に微笑ましく目細めながら伝えたらきっと喜ぶぞと助言して。 正論言われてしまえば気まずそうに言葉詰まらせ、何とか言い訳の様な言葉告げるも何処か素っ気ない態度で早足で歩いていく相棒に何か期限を損ねたのかと焦り、慌てて追いかけては相手の手掴んで）

あぁ、分かった。夜になれば寒くなる事くらい予測できなかったのかい？
（本当にパーティをしてくれるなら、その時集まってくれた皆に感謝の気持ちを伝えようと助言受け止め。追い掛けてくる気配がしても尚冷たく言い放ちまさか手を繋いでくれないから不機嫌になったとは口が避けても言えず、すたこらさっさで先に歩こうと思ったのだが手を掴まれ漸く足を止めて「…君の手、冷たい」相棒の手の冷たさに驚き自分の体温で温められないかとしっかりと握り返して）

ここまで寒いとは思わなかった。 …温かいな、相棒の手は
（カッコつけで背伸びしてる事は分かっていながらも子供じみた理論で反論して、冷たくさっさと歩いていく相棒に何が気に障ったのかイマイチ察すること出来ずにいて。漸く足を止めてくれると追いついて立ち止まり、彼の言葉と手から伝わってくる体温に心配してくれてると感じれば安心した様な擽ったい気持ちになり、更に確かめるように手握り返して）

仕方がないから事務所に着くまで温めてあげよう
（実際急に冷え込みがキツくなったし相棒の性格では無理もないとクスっと笑って、寒さを痩せ我慢する相棒と同じくらい自分も子供っぽい行動を取ったと自覚しつつ手を繋いで歩き始めれば機嫌が直ってきて。人通りが少ないとは言え全く居ない訳でなく。擦れ違う人から見れば大人が手繋いで歩くのは変かと心配になるも離すつもりは毛頭なく、ぎゅっぎゅと時折握る手に力を入れたりして本格的に冷える前にと行きより早歩き気味に目的地目指して）

ああ、頼んだ。今年の冬は寒くならずに済みそうだ。
（横顔からどうやら機嫌を治したのが見えれば手を繋ぎたかったのだと理解して、普段はクールぶっているのに案外子供っぽい所がある事に口元緩み。 通行人の視線も気にせずに歩み進め、早足の相棒について行けば格好こそ寒さを感じるが相手の繋がりに温かい充実感覚えてぽつりと呟いて。 段々と事務所まで近付いていき人通りも増えてくれば繋いだ手をどうするかと相棒の様子窺って）

任せたまえ。あぁ、次からは1回あたり100円くらい貰おうかな
（自分の体温が伝わったらしく繋ぐ手が段々と温まってくれば反対の手で胸元をドンと得意気に宣言してから悪戯っぽく目を細めて笑い付け足して。事務所付近まで来れば大通りとまでいかずとも人目に付くのは不可避で、通行人と相棒の様子から察して手を離すのは名残惜しさがあるものの寒さは和らいだろうし少しの間でも繋げて満足だったとゆっくり手を抜いてコートの両ポケットに収納して）

そこは有料制なのかよ。 まあ、週1くらいで使わせて貰うか。
（得意げに宣言しながらも冗談ぽく付け足された言葉に素早くツッコミ入れつつ微笑ましいやり取りに自然と笑み溢れて、100円くらいならと楽しげに返答して。手が離れていけば「人目がつかない所なら」と自分で条件づけてながら残念な気持ち押し寄せるも気付かないフリをして並んで帰路の道歩み。事務所にたどり着く頃にはすっかり日も落ちて「ただいま」と言いながらドア開けて帰宅し）

勿論、僕は慈善活動をするつもりはない
（実際に金銭を要求する気はないし相棒もそれは分かっているはずで、子供っぽくあっかんべーと舌先見せ意地悪して。続いて事務所に戻りコートを脱ぎながら「ただいま。それと、散歩ありがとう」と帰宅の挨拶と共に、1年の間にタワーが復活し新しくもなったが街行く人の笑顔は変わらずゆっくり散策出来て良かったと感謝の気持ちを添え。昼寝前に食事を済ませたからか空腹は然程なくこのまま寝るか暇潰しに明け方まで検索するも良しで、今からどう過ごそうかと考えながら一先ずベッドに腰掛け）

そうかよ、…ちなみに貯金して何に使うんだ？ どういたしまして。 大忙しだったな、今日は。
（わかりやすい嘘に乗っかりながらも子供っぽく舌を出す相棒にはぺしと頭に手置き、その気は無いと分かっていながらも相手がお金を使う先があまり検討つかず試しに問いかけ飛ばしてみて。 いつもの定位置の椅子に座ればお礼に返答して、朝から随分と長いと感じた1日も終わりに近づけば素直な感想零しつつこれからの時間持て余して）

…旅行にでも行ってみようか。そうだ、大阪へ行って本場のたこ焼きを食べるなんていいかもしれない
（思わぬ質問に目を丸く瞬き数回し顎に手を当て少し考え込んでから、亜樹子の地元でたこ焼き食べ歩きをしてみたいと思い付いたプランを口にして。相棒の言葉に今日1日を振り返り久々の変身で少し疲れたかもしれないと両腕伸ばして「そうだね、色々ありすぎた。僕は少し調べ物をしたいんだけど、疲れたなら君は先に休むといい」ひとつ気になる事があるのだと言い残してガレージへ消えれば早速本棚へ入り検索を始めて）

大阪か、たまにはここを照井達に任せて旅行するのも悪くないな。 分かった、 言っても無駄だとは思うが、まあ程々にな
（相手の言葉に復唱しながらも大きな脅威が去った今、数日気晴らしとして旅行に出かける事も確かにアリだと肯定示して。調べ物の内容こそ気になるものの相槌打ってガレージに入っていくのを見送り、睡魔もやって来なければ今回の事件について報告書書き上げる仕事始めて）


（／何となく一区切りって感じなのでこれからの展開について御相談させて頂きたいと思いスペースお借りします。 なんかこれからこれやりたいみたいな展開とかイベントとかありますか？ 何も無ければ何か事件に巻き込まれてもいいし、始めてお酒飲んでみてもいいし、依頼人からお礼にと水族館や遊園地のペアチケットを貰って休日に遊びに行く…みたいな感じもアリだと思うのですが…！ ）

僕は風都以外知らないから、どこかへ行くのもいいなって
（誘った訳でなくともすっかり一緒に行く流れになっているのが面白くも嬉しくもあって、その内本当に実行したいと考えて。程々にとの声掛けに分かっていると相槌の代わりに片手挙げ、本棚から現実へ戻れば"セロトニン""ドーパミン""オキシトシン"と馴染みない片仮名を書き連ね一通り検索を終えて事務所に戻るなり「翔太郎。君は知っているかい？幸せホルモンというものを」と本片手に事務机に手を付いて身を乗りだし問い掛け）

（ / ご相談ありがとうございます。挙げて下さった案がどれも素敵すぎて全部やりたい欲張りです…！ご質問とは少しズレた回答になってしまいますが、ちょっと考えている事がありまして。その内恋愛要素も入れたいと考えているのですが、何かきっかけで恋を検索してヘブンズトルネードの時のように本に鍵が掛かっていて閲覧できず、実は足りないキーワードは半熟探偵さんの名前だった的な流れから意識してというのを妄想しております。）

俺も他の地方とかに行ったこともないな…、今度計画でも立てるか。お金が溜まったら、だが。
（この街で生まれ育った身としては自らの他の地方の事は知らないと告げ、楽しそうだと同意示しながらもこの事務所の経営状況思い出せば気まずそうに視線反らし。タイプライターを打ち仕事進めていればガレージの螺旋階段駆け上がる音聞こえ、相棒が事務机まで来れば懐かしい光景に口元緩みそうになりながら顔を上げ。「今度は何だ、幸せホルモン？ うっすら聞いたことはあるが…」と相棒の告げた単語に何処か聞いたことがあるが思い出せないと言った表情で呟き）

（／興味を持って頂いて嬉しいです。色々やってみたいですよね…！ その要素アリだと思います。 それならば何かきっかけ起こしたいですよね…。 簡単に思いつくのは恋愛絡みの事件に遭遇する、亜樹ちゃんの惚気を聞いて興味を持つ、半熟が依頼人や他の人と距離感が近いことにヤキモチを焼く…くらいですけど、何か他に案ありますかね？ 半熟は一般的な距離感とは違うと分かりつつも相棒だから庇護欲だからと何か言い訳して傍にいようとする半自覚で検索君は無自覚→検索してから自覚して感情に振り回されるみたいな感じだと楽しいかなと思っています…！）

依頼をどんどん受ければ問題ないさ
（旅行に興味を示し同意してくれたから実行に移したいが事務所の経理部分には一切ノータッチの為、依頼を受けまくり稼げば何ら問題ないと呑気な発言して。どうやら此方の検索結果について詳しくないらしく説明する他ないと張り切って真っ白なページを数枚巡り「幸せホルモンとは、脳内麻薬とも呼ばれリラックスした時に分泌されるホルモンの俗称。そしてそれはハグや手を繋いだ時に作られる。つまり、僕が君にしてもらって幸せだと感じた事は科学的根拠があったという事だよ！」いつもの暴走特急状態で調べた知識をペラペラと興奮気味に一気に捲し立てタイプライターから離れた相棒の手を取り握って）

（ / 選べないなら全部やればいいじゃない精神なので、是非頂いた案を全部お願いします…！ご提示の案に乗っかって、女性から恋愛絡みの依頼を受けお礼にペアチケットを貰う流れで、その依頼を通して女性の依頼人にヤキモチ妬いたり自分の感情に疑問を持ち出したり…とかで、今は無自覚なので普通に甘えたり触ったり出来るけど自覚してからは変に意識しちゃって距離感作ってツンケンしちゃったりなんかも挟んでみたいです！乗っかるばかりであまり思い付かず申し訳ないです。）

そんだけ依頼が来ればいいけどな。なるほど…？ってかそんなこと調べていたのか。 じゃあ今もこうやって手繋いでいると幸せだと感じてんのか？
（簡単に言ってのける相手に苦笑混じりに呟きながらも頑張れば何とかなるかと決意決めて。 ペラペラと調べた知識を一気に捲し立てられると圧倒されながらも今までの経験と慣れから何とか概要だけ掴んで、興味のある事が自らと手を繋いだ事を幸せと感じた理由であった事に気恥ずかしいような嬉しさ覚えて。 相棒の理論通りならば今手を握られている状況で幸せを感じているのだろうかと興味半分、握り返しながら問いかけてみて）

（／とても良い精神だと思います！ 平和になった検索君を色々連れ回したい欲がありますし。 では明日その流れで依頼人登場のイベント起こしましょうか。 浮気した婚約者の証拠を探る為に半熟君と依頼者がカップルとしてイチャイチャしながらカップル限定のイベントに乗り込む、みたいな感じでも良さそうですね。 ツンケンは可愛いので大歓迎です。 でもそれを察して此方から触らなくなると寂しくなって…みたいなゴタゴタありながらも2人を幸せにしていきたいです…！）

依頼が来るかどうかは君の頑張り次第だね。今も幸せに…多分、そうだと思う
（営業活動でもなんでもすれば良いのだと他人行儀にさらっと言ってのけ。抱き締められながら眠った時だとか普段と違った感じを調べた結果であり、科学的根拠があるのだとスッキリし一方的に説明していたが握り返された事に驚き反射的に手を引っ込めそうになりつつ、面と向かって問われると急に恥ずかしさが押し寄せ相棒から顔を反らしもごもごと小声になり）

（ / ですよね、やったー！その調査いいですね、カップル限定イベント素敵です。半熟さんはいつもの感じで女性の前では格好付けちゃって検索君は仕事として協力するけど終始ムッとしてな感じでゴタゴタしつつお互いの気持ちを発展させれたらと思います。流れが決まったので、今の会話は適当に巻いちゃって頂いても大丈夫です！）

そういう所はドライだよな。 なんだ、照れてんのか？ 手繋ぐ位ならいつでもしてやるのに
（協力するなどと言わない所は相変わらず変わってないと再確認して。顔を反らして先程とは一転弱気に言葉紡ぐ様子に揶揄う様に顔覗き込めば楽しげに笑い、相棒が幸せに感じるのなら何時でもスキンシップは応じると声掛けて。ふと視界に入った時計は良い時間を指しており、手を解放すれば「明日から本格的に再開だし早く寝るか」と仕事切り上げ床につく準備始めて）

（／では、そんな感じで行きましょう！ そのイベントは明日起こすという事でとりあえず今日の行動は終わりということで。次ロルで半熟が先に起きて依頼者が来店・相談してるとこを回すので後から検索君が起きてくる、みたいな流れで宜しいですか？ ）

僕の仕事は検索する事だけだから。別に照れてなんか…あぁ、おやすみ
（相棒や所長が引き受けた依頼に関して検索するだけと首を緩く振って協力体制なしを宣言して。幸せホルモン云々を調べたまでは良しだが何故急に照れ臭くなったのか言葉で否定するも説得力なく。時計見て確かに明日に備えて休むべきだが睡魔は来る気配がなく、おやすみの挨拶だけ残してガレージへ引きこもってソファに寝転がる内に段々と眠くなり気付けば夢の中で）

（ / はい、それでお願い致します！）

…なるほど。それで婚約者の浮気について決定的な証拠を見つけるのが今回の依頼と。勿論、お受けしましょう。 貴方みたいな美人を泣かせるやつは俺が放っちゃおけねぇ
（翌日の朝、いつもの様に事務所を開けコーヒーを嗜んでいればドアをノックする音が聞こえ。探偵に依頼と聞けば喜んで女性を中に通して、話を伺って。 三宅舞と名乗る女性は黒髪のロングヘアで芸能人と言われても納得する様な整った顔をしており、彼女の婚約者が最近家を開けることが多く浮気なのでは無いかと疑っているといった趣旨の話を語り。婚約者は用意周到なタイプで殆ど証拠を残してないものの友人からの目撃情報もあり、はっきりとした証拠を掴みたいと聞けば簡単に話を纏めて依頼内容確認し。 久しぶりの報酬が高そうな依頼であると同時に美人の頼みと聞けば2つ返事で引き受けてはカッコつけたような言葉告げて）