魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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あのな、まだ2回しか来てないだろ。だがまぁ……2回とも印象深くはあるが。こっちの方が大きいから多分あってるだろ。……暖かいな__それに美味い
(お馴染みの場所、なんて言う相手に軽く鼻で笑うも内心では正直すっかり2人で静かに過ごすための場所になっていると思っていた。外で空を見上げながら2人で過ごすなら、きっと何度でもこの場所を選ぶだろう。それは一番最初の思い出、サンドイッチを食べた時間が思い出深かったことにも起因する。あの日朝食を食べて服を買って、こいつは自分の身を顧みずに自分を守ってくれた。あの時に自分の知る魔王と常磐ソウゴとが分離していくのを今でも覚えている。そして今やその感覚は正しかったと思えるのだ。差し出された肉まんを受け取る、袋に入っていた時よりも明確に温かさが伝わってくるそれを掴んでみると想像以上の柔らかさに珍しげに手の中のものを見つめていていた。ゆっくりと半分にそれを割ると皮に包まれ熱と匂いを保っていた具が現れてなんとも幸せな蒸気がふわりと2人を包んだ。一口それを食べてみると適度な濃さの具と柔らかい皮が口の中で混じって旨みが口の中に広がる。数度頷いてからチョイスは間違っていなかったと満足気でいて)
ゲイツと二回以上行った所の方が珍しくない? これから段々増えていくと思うけどさ。 …外で食べる肉まんは格別だよね、俺も食べていい?
(家や学校を除けば相手と何度も訪れた所は殆どないだろう。相手と過ごす時間は濃いものばかりだが、まだ期間としては短いのだ。だがその思い出がこれから先積み重なっていくと思えば楽しみではある。今日のこの夜食を食べる出来事もその大事な時間の1つになるはずだ。相手にとって初めて食べる肉まん。珍しげに肉まんを見つめながら割り、一口食べてみる所を横から観察する。その口元が満足気に緩むとこちらまで嬉しくなってくる。肉まん自体が美味しいというのもあればこの状況で食べるからこそという点もある。2人でこうして自分の好きな物を認めてもらって共有出来るのは素直に幸せだと感じられる。一方で目の前で美味しそうな匂いと蒸気にますますお腹が空いてくれば相手のもう片方の手で持っている肉まん指さしてお願いして)
そう言われればそうだな。……これからまた2人でいろいろな場所へ行くだろうが、時々ここに来るか。すまんつい……暖かくて食べ応えのある味だな。
(たった2回しか来たことがないと思った場所が相手の言葉ひとつで2回も来た場所へと変わる。相手に出会ってから随分と経ったと思っていたが、こんな近場の公園でさえまだ来るのは2回目なのだ。それだけこれからまだまだ2人で行ける初めての場所があり、また2回も来たこの場所は特別なように感じる。相手の一言で様々な可能性が広がった気がした、こういう視野の広さはまさしく相手の長所だろう。これから2人で行くまだ見た事のない場所に思いを馳せていると肉まんを指されて我に返った。腹がすきすぎてついつい先に食べてしまった、腹の虫を抑えるためとはいい食い意地が張りすぎたと少々反省する。まだ口を付けていないもう半分を相手に差し出し)
でしょ? うん、春はお花見したり夏はアイス食べたりしてさ、沢山思い出作ろう。お腹空いてるもんね、ありがと。…うまっ、今まで食べた中で一番美味しいかも
(自分の理論に納得して貰えれば得意げに笑ってみせる。ついこの前まで近所の公園でしかないこの場所が大事な思い出の地になる。次来る時はまた少しお互いへの想いも変わって、周りの景色だって季節に色づいているかもしれない。そうやって特別な場所だと言えるような記憶を積み重ねていきたいと素直に感じていた。お願いしてやっとはんぶんこにしたままだったことに気づいたようだ。それだけ空腹だったのと肉まんの味が気になっていたのかもしれない。礼を口にしながら片方の肉まんを受け取れば火傷しないように何度か息を吹きかけてから一口頬張った。温かさと具の旨味を感じられて表情が緩む。この状況と相手と食べているからか記憶にある味よりも美味しく感じられて興奮したように告げて)
花見にアイスか……この前はお前に朝食を作って貰ったから今度は俺が作ってみるか。それもきっと思い出になるだろ。まったく、大袈裟な奴だな。だがまぁ、ソウゴと食べると美味いな。
(この公園には桜の木が多く植えられているし、夏になって木々が青々と茂れば木陰でアイスを食べることもできるだろう。夜中にこっそり遊具を使ってみるのもいいし、秋に月見団子を食べに来るのもいいだろう。この公園だけでもやりたいことはいくらでも思い浮かぶ。最初の光景を思い起こせば、今度は立場を逆転させてみるのはどうかと考えが浮かぶ。思いついたままを口にするなんて戦士として有るまじきことだ、相当浮かれているらしい。料理の腕は置いておくとして、この公園でまたひとつ新しいことをするのも良いだろう。肉まんを食べて興奮気味の相手に苦笑いを浮かべる。だが夜にこっそりと2人で食べる肉まんは特別が重なって、思い出として刻まれてより一層印象深くなっていく。新たに一口肉まんを食べる、この初めて食べる味はこの時の思い出と共に一生忘れないだろう。相手に時間差で同意しながら肉まんを食べ進めていき)
ゲイツも料理作れるんだ、食べてみたい!! えへへ、食事っていつどこで誰と食べるかも重要だと思うんだよね。こうやってゲイツと食べることが出来て良かった。…星も綺麗だね
(次はこの公園で何をするかを考える最中で出てきた案に分かりやすく反応を示す。あまり料理をする印象が薄い相手だ。自分の為にどんな物を作ってくれるのか、どんな様子で料理をするのか。想像するだけで心が弾んで気持ちと共に前のめりになってはキラキラとした瞳を向ける。今までで一番美味しいは少し大袈裟な言い方かもしれないが本当のことだ。きっとこの状況で一人で食べてもここまで美味しいと思わなかったはずだ。この公園で夜にこっそり恋人と食べるからこその味だ。大叔父もそんなことを過去に言っていた気がする。照れ笑いを浮かべながらもその理論口にすればもう一口肉まんを齧る。その幸せを感じながらふと空を見上げれば快晴のおかげが綺麗な星空が広がっていた。今だからこそ見える景色に表情緩めて呟き)
いや……肉は焼いたことがある、それなりに形になるだろ。そうだな、夜にお前と抜け出してこっそり食べた美味い味になってる。……星は50年の間で変わっていないんだな。随分と遠くに来たつもりでいたが変わらないものもある。
(キラキラとした期待の目が向けられると思わず目を反らしてしまった。完全な思いつきで言ってしまった事だったが、きちんとした料理などまったくもって作ったことがない。未来はそもそも食料不足だったこともあるが、食事は支援班に任せ切りで調理器具をまともに使った記憶はない。大叔父の料理と比べれば料理と名をつけるのもおこがましいものしか作ったことことがないのだ。とはいえ焼いたり切ったりすれば形にはなる、ようは食べられれば良いと開き直って、食べたいというそのリクエストには答える気を見せておいた。また一口肉まんを齧り相手に続いて空を見上げる。夜空に浮かぶ星は明るく輝いていて見知った星座がいくつも見える。それは戦闘の無い静かな夜に焚き火にあたりながら見上げた空と何ら変わりがない。自分が過ごした時を、そして必ず救いたい時間のことを想いながら暫し星空を眺めていて)
ふふ、楽しみにしておくね。あ、それとは別に二人で一緒に料理するのも楽しそうじゃない?…そうだね、今やろうとしてる事もきっとゲイツのいた未来にも繋がるはずだし。
(相手の言い方的にそもそも料理という行為に縁がなかったようにも見える。上手な料理は期待出来ないかもしれないが、そんなことよりも相手が自分の為に作ってくれると言うことが重要なのだ。どんな物が出てくるか逆に気になればやる気を見せる相手に楽しげに笑いを零しながらも期待の声をかける。それに今度は二人で作るのはどうだろうか。レシピを参考にあーでもないこーでもないとか言いながら作るのも思い出になりそうだ。相手の手料理が食べたいという話もしっかり通した上で協力する話も持ちかけてみて。夜空をこうやって見上げるのはいつぶりだろうか。50年経っても殆ど変わらない星空に比べれば人の営みはちっぽけな物だろう。だが、それは逆に今とゲイツのいた未来が繋がっていることを示す。二人でこれからやることはそんな未来で平和に今と同じ星空が見れる世界にする事でもある。少し相手と距離を詰めてピタリと肩を寄せればそう呟き、肉まんの最後の一口を食べてしまい)
まぁ俺なりの料理を作ってやる。2人で、か。それも面白そうだな。一緒に作って一緒に食べたらそれも忘れられない食事になりそうだな。大叔父への恩返し代わりに作るのもいい。……あぁ、俺だけでは救えなかった人達がこの星空を安心して眺められる未来へ繋げるために、俺はここで戦う。
(どんな料理が出来るのか自分自身でも想像できないが、レシピ本でもみればそれなりのものは作れるだろう。それに相手と一緒に料理するのも悪くない考えだ。2人での共同作業は戦いを除けばそうそうあるものではない。互いのテンポを合わせるのは骨が折れるだろうがそれこそが相手と一緒にいて楽しい時間となる。相手の提案もすんなりと了承してひとつ頷いておいた。肌寒い空気の中で肩が密着する。そこからじんわりと相手の体温が伝わってきて心地よい。肉まんの残りを食べてしまうと相手の腰に手を回してより2人の距離を近づける。自らこんなことをやるようになるなんて昔では考えられなかった。だが今は恋人の温もりを自然と求める体になっていて、この行為だって無意識に近い。相手の存在を確かに感じつつ改めて誓いを立てる。同時に50年後にもこうして2人星を眺めていたいと願っていて)
良いね、それ。ゲイツと居るとやりたい事が沢山出来て退屈する暇がないなあ。…ん、それが成し遂げられたらまたこうやって天体観測しよっか。
(片方の思いつきをもう片方が拾い上げて発展させる。そんな何気ない会話が心地好い。大叔父への恩返しという案も義理堅い相手だからこそ思いついた物だ。二人で協力して作った料理はきっと楽しいだろうし、大叔父やツクヨミも喜んでくれるはずだ。またやりたいことが増えてしまった。2人が未来から来てからというもの、やりたいことが増えてしまって何から手をつけていいか迷う程だ。これは1人の時には感じなかった経験だ。言葉こそ困ったような口調だがその口元は楽しげに緩んでしまっている。肩を寄せるように近付くと相手からも手が回され更に密着した。触れた部分から熱が伝わってきてより相手の存在を感じられる。その状態のまま何度も交わした誓いを再確認しながら再び空を見上げる。ウォズのいう獅子座のレグルスだけが輝く空よりも沢山の星が瞬く星空の方がずっと綺麗なはずだ。成し遂げれるのが何時になるか分からないがまた天体観測をする約束持ちかければ甘えるように相手の肩に頭乗っけて語り)
そうだな、お前と居るとやらなければならない事もやりたい事も山積みだ。もちろん全てを終えたあとの天体観測もな。……お前が買った方もそろそろ食べた方がいいんじゃないか?
(かつては自分のやりたいことをやるだなんて使命を請け負う戦士として相応しくないと思っていた。しかし相手と出会って行くべき道が決まった今、2人で居る事が最善の道である事を知り、自分の意思で道を歩んでいる。そして何より相手と一緒に居たいと心から思い口にし行動するまで出来るようになったのだ。相手との予定はいっぱいに詰まっていて、それが自分にとって未来の希望になっているように思う。相手の頭が肩に寄せられる、髪が僅かに頬に当たってくすぐったい。だがそれさえも心地いい。全てを終えた頃にはいったいいくつになっているのかは分からないが、確かなことは必ず共に覇道を進むことと、そして行き着く先でも必ず隣にいる事だ。その時にこの思い出の場所で2人見上げる星空もきっと今と同じ空だろう。果てない約束だが不思議と無謀だとは思えない。暫く相手の体温を感じてその心地良さに浸っていたが、ふと思い出したように顔をあげるともうひとつの肉まんのことを思い出し)
全部やり遂げるには一生分くらい必要かも。ゲイツには最後まで付き合って貰うからね。あ、忘れてた。こっちも冷めない内に食べないと。…じゃあこれ、あーん
(相手に甘えるように寄りかかっても身動ぎせずに支えてくれている。少し前までここまで信頼して身を預けられる人物が出来るとは思わなかった。これからやらなければならない事も一緒にやってみたい事も多過ぎて並大抵の時間では終わらせることは出来ないだろう。だけどそれも承知で全てが終わるまで、そしてその先も自分と共に居てくれると言う恋人が愛おしくて堪らない。相手の肩口で笑いながらもちらりと目線向ければ得意気に宣言をして。そんな時間をすごしている中で自分の買ったあんまんがまで手元にあることを指摘されると存在を思い出して声を洩らす。頭を上げて手元のあんまんを袋から出すと肉まんと同じく半分に割る。少し冷めてしまったがまだ温かい方だ。 そのまま相手に渡そうとした所で一度手を止める。せっかくならと相手に向き直れば片方のあんまんを口元に運び)
それはこっちのセリフだ。俺たちがやらなければならない事、やりたい事、全て成し遂げるまで……傍を離れるなよ。ん、……程よく甘くて良いな、肉まんの後にちょうどいい。
(相手の目がこちらに向けられる気配を感じて視線を交える。楽しげに、そして得意げに笑みを浮かべているのを見ると何処からそんな自信が湧いてくるんだと額か脇腹かを小突いてやりたくなるが、事実自分の気持ちは相手の思いと寸分も違わない。全てを終わらせるまで傍にいるなんてもはや今の寿命だけでは足りないなかもしれないが、来世まで共に居ることを約束した仲だ。きっと何時までも相手となら共にあれる。あんまんの話題を出した後相手の手元で2つに割られるそれを眺めていたが、そのひとつがこちらに差し出されると予想外の行動に面食らった顔をする。本当に突拍子もないことをする奴だ。だが今まで即座に拒否していたその行動も今や数秒面食らうだけで受け入れてしまえる。前回ここに来た時からは考えられない変化だ。差し出されたあんまんに顔を近づけると一口齧る、咀嚼するとあんが口のなかに広がった。同じ見た目でも味がここまで違うのかと感心しつつ、まだ齧られていないもう片方のあんまんへと手を差し出し渡すよう促して)
…心配しなくても傍にいるし、離れそうになってもゲイツが手を繋いでいてくれるでしょ? こっちはスイーツ系って感じがするよね、2種類買って正解だったかも
(真っ直ぐ向けられる視線には当初の敵意の1つも篭ってなくてその代わりに信頼が見える。相手からこうやって素直に求められるようになったのは嬉しい。言葉にしなくても二人の間にある共通認識。それを改めて確認し合うようにやり取りを続ける。それにもし自分が色んな要因で道を外れそうになったり、遠回りしてしまったとしても相手ならしっかりと手を握って引き止めてくれるだろうという確信にも似た信頼がある。それくらい自分の恋人はお人好しで優しいのだ。傍から聞けば自惚れのような言葉向けつつも差し出したあんまんが相手の口の中に消えていく様子を楽しげに見つめる。面食らった顔はしつつも最近では文句も言わずに食べてくれる。何だか餌付けしてる気分、ということは秘密にしておく。思い通りにいったことにご機嫌そうに言葉弾ませ、自分も一口食べようとした所で片方のあんまんを渡すように促されると瞬き一つ挟むも何となく意図察すれば求められるまま手渡して相手の出方伺い)
あぁ、お前が道を逸れそうになった時に正すのは側近である俺の役目だ。それに、恋人を1人にさせはしない。濃い味と甘い味でちょうどバランスがいい。ふたつだけでも満足だなっ
(そもそも相手を手放す気はさらさらない、この手を振り払われそうになっても何度でも手を握り直すだろう。もうこの先を生きていくのに相手抜きでは考えられないのだ。側近としての役目という言葉でオブラートに包みつつ、その実は自分の欲望やわがままが大半を占めている。本音を隠したずるい言い方だがついつい格好をつけてしまう。星空の下のせいか今日は素直に気持ちを伝えすぎた気がした。それを誤魔化すために受け取った半分のあんまんを先程自分がされたように相手の口元へと持っていく。いかにも食べろと言わんばかりだが相手があんまんに齧りつこうとした瞬間、あんまんを引っ込めてしまい「お預け」にするとニヤリと目論見が成功した悪い笑みを浮かべ)
…うん、ゲイツが傍にいてくれるなら何でも出来そうな気がする。ゲイツが信じてくれる俺を信じられるから。……む、そういう事するんだ、
(紡がれる言葉は今まで一人ぼっちだった身には甘く染み渡るような言葉で全てを委ねたくなってしまう。側近としてそして恋人として誰よりも信頼が置ける相手が傍にいてくれるならこれ以上に幸せなことはない。相手が手を握っていてくれるなら多少無茶なことだって出来そうな気がする。どんな道を歩むことになったとしても帰るべき目印が出来たような気分だ。手渡したあんまんの半分が先程自分がしたように口元に運ばれる。そのまま齧りつこうとすると手が引っ込められ、その顔には楽しげな悪い笑みが見える。悪戯されたのだと気付けば頬を少し膨らませて抗議の目線を送る。それならばこちらにも考えがある。ぽつり呟けば身を乗り出して相手の手に持っているあんまん、ではなく口に唇を寄せる。そのまま唇重ねれば餡の甘味探すように口内の内壁舌でなぞり)
……まったく、俺を信じすぎて羽目を外すなよ。連れ戻す俺の身の事も考えろ。少しはお前の思い通りにいかないことがあった方が……っ、!……ん、……
(ソウゴにとって1番良いことはきっと心のままに進むことだと思う。そこに孤独や絶望が加わってしまった時に未来でこの目に見た魔王になってしまったのだろうと、今なら分かる。あの魔王は周りに誰も居らず引き止められもせずに突き進んだ人間なのだろう。そうならば自分と、そしてツクヨミと大叔父と、みんなが傍に居ればきっとこいつは最善最高の王になれる。そしてその中で1番近くにいるのは側近で恋人である自分だ。相手と一緒に居て共に手を握り合えば道を反れることなんてない、今なら確信を持ってそういえる。こいつが本気で抵抗すれば苦労するのは目に見えているが、それでも魔王が産まれるのを阻む救世主もしての役割はきっちりと果たすことが出来るだろう。そんな未来の王様がこちらの手のひらの上で踊らされあんまんにありつけないのを楽しげに眺めていた。怒った風にして向けられる膨れた頬も可愛いなんて思ってしまう。さらに互いの距離が近づいて強硬策に出たのかと思ったが顔が近づいたのはあんまんではなくこちらの顔だった。驚いた顔をしている間に唇が重ねられ口内への侵入を許してしまう。途端に脳内が白く弾けるような気がした。舌が全ての思考を奪い去ってしまう、予想だにもしない動きに思考はすっかり停止してしまった。しかしこの甘いキスを逃がす気はこちらもなくて、こちらへ近づいた腰に手を腕を回して抱き寄せ腰のラインを撫でながら侵入してきた舌に自ら舌を絡ませると口内に残っていた甘味を互いの口内へと共有して)
俺だってそれなりには考えてはいるよ? でもそれ以上にゲイツが一緒に居てくれるって分かって嬉しいからさ。 …ふふ、っ……ん…
(呆れたような口調ではあるが決して否定するような意思は含まれていない。許容されているのだ、傍にいることも好き勝手振り回していることも。これから歩んでいく未来に不安が全く無い訳では無い。自分の判断が間違っていたら、力の使い方を誤ったらと考えることもある。それでも今は1人ではない。皆が、そして相手がいてくれるなら間違っていても引き止めてくれて理想の夢に一緒に歩んで行くことが出来るはずだ。何も考え無しに相手を振り回している訳では無いが、文句を言いながら着いてきてくれる所を見て嬉しくなってしまう点は否定出来ない。行動方針の根は変えるつもりはないとばかりに得意げに笑って見せ。更に続きそうな小言を吐く口を唇で塞ぐと驚いたような表情が見えた。悪戯した仕返しだ。上手くいって笑い声を漏らしていると腰に腕が回りぐいっと引き寄せられる。相手からも求められるとは思ってなくて一瞬目を見開くも絡みつく舌の熱さに惹かれては肩に手を置いて口付けに夢中になっていき)
随分信頼されたものだが……安心しろ、お前が道を外そうとした時も必ず一緒にいる。……ん、……は、……、……甘いな。
(出会った頃なら甘いだとか腑抜けだとか言って相手と一線を引いたものだ今やそんな考えも許してしまっている。相手の根拠の無い自信も突飛な発想も、その先の未来がどんな展開になるのか分からなくて自分を未知の世界へと連れて行ってくれる。それが心地良いなんて言えばこいつは調子にのるのだろうが、それさえも小突いて終わりくらいだろう。何にせよ2人でどんな道を行くことになろうが共にある事には変わりないのだ。この雰囲気に絆されて随分と甘い言葉を口にしてしまっているが、それよりも2人唇を重ねているこの行為の方が甘い。互いがより寄り添うように肩に手が置かれる、そこから伝わる相手の体温で簡単に理性が溶かされてしまいそうだ。互いの舌の表面をざらりと撫であわせたあとで一旦舌を引っ込める、顔は至近距離で離さずに軽く乱れた呼吸をしながらポツリと呟いて)
……ん、…甘いね。でも俺としては甘いのお預けされた分まだ足りないんだけど。
(出会った頃とは真反対と言っていいほど自分のことを受け入れて肯定してくれている。それがどれだけ自分の助けになってることか。これから先嬉しいと思うことも辛い事も共有して傍にいてくれるのだ。それならば多少危険を伴うとしても己の直感に従って突き進む他ない。随分と素直に口にしている甘い言葉に幸せを感じながらも受け入れられるまま口付けを続ける。いつもよりちょっぴり甘い口内を探るような動きから相手の舌を求める様な動きに代わる。腰に回された腕も手を添える肩も暖かい。一旦舌が離れていけば此方も息継ぎを繰り返して同意を示す。夜も深く暗い公園の中ぽつんと立てられた電灯と月明かりだけが二人を照らしている。顔が離されないのをいい事に至近距離のまま相手を見つめれば含みを持たせた言い方で請いてみて)
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