魔王 2020-11-10 20:05:51 |
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(/返信不要とありましたが少しだけ。忙しい中ご連絡ありがとうございます。返信頻度や速度についてはお気になさらずに!此方も似たような状況でその日の内に返せない日も多々出てくると思いますのでお互い様です。あくまでリアルの方を優先に、余裕が出来ましたら返して頂けたら幸いです。環境の変化や季節の変わり目の時期ですので体調にお気を付けて、無理のない形でこれからもお付き合いして頂ければと思います。こちら返信不要です。)
おはよう。安心しろ、まだ朝だ。まぁ今日は休みだ、もう少しゆっくり寝ていてもいいんじゃないか?
(まだ寝惚けているらしくぼんやりとした顔のままの相手を眺めながら疑問形で投げられた挨拶にきっちりと返事をしておく。先程聞こえた縋るような声とは違った穏やかで腑抜けた声色、願わくば相手にはずっとこうやって気の抜けた状態でいて欲しい。それは即ち自分のそばにいて安心出来ているよという証拠なのだから。それはそれとして王になって欲しいという願いもある以上、緩くて抜けているばかりでもいけないのだが。おはようと返事をしたものの、今日に限って早く起きることは良い事とは言えない。こいつに限って罰ゲームを忘れているということはないだろう。だとすると、このまま二度寝させてしまって一日の時間を短くさせた方が罰ゲームの時間も短くて済む。普段ならば二度寝などさせはしないのに、ゆっくり頭を撫でる手は止めないまま再び寝かしつけようとして)
(/返信不要とのことでしたがこちらも少しだけ……お気遣いいただき本当にありがとうございます。4月から環境が劇的に変わったせいで体力が削られることが多いのですが、お言葉に甘えてゆっくりなペースでお返事させていただきます。こんなに素敵なご縁はなかなかないと思いますのでこちらこそこれからも仲良くしていただければ嬉しいです。今後ともよろしくお願いします!/こちら返信不要です!)
お昼になってなくてよかった。ん…、それも良いけどせっかく勝ち取った勝負のご褒美も楽しみたいなって。ね、ゲイツ?
(少しすれば意識も冴えてきた。目覚めた時に相手がいる光景も大分見慣れるようになったが、その度に幸せを感じているような気がする。大切な人が今日もそばに居ると実感出来るからかもしれない。部屋に差し込む陽はいつも起きる時間より少し高い位置にある事を確認するとまだ朝である事に安堵の呟きを漏らす。せっかく相手と過ごす休日の朝を寝て過ごすのはちょっと勿体ない。それに今日は尚更起きていたい理由がある。珍しく二度寝を許容し、誘おうとする行為に眠気が戻ってくるも何とか堪えて相手を見つめる。こんな手を使おうとするのはきっと昨日の勝負のご褒美の件があるからだろう。昨夜眠気に抗ってまで勝ち取った今日一日の縛り。これから沢山呼んでくれるであろう名のことを考えればつい楽しげに口角上がり、頬に手を添えながら妖しげに名を呼んで)
……忘れていなかったか。だが一日ずっとなんて、っ……お前な…
(万が一の可能性に賭けてみたがあっけなく目論見は崩れる。ハンバーガー屋で交わした勝負と勝者の特権はしっかり記憶されているらしい。いつもならば眠そうな顔をこちらに向けてくるのに、その瞼が落ちることはなくて、むしろ楽しみで冴え渡っていく。しばらく返事をするか迷ったが観念してため息をつく。どうやら逃れることはできないらしい。男に二言はないとキッパリ言い切るべきなのだろうが、やはりあの勝者へのご褒美はなかなか恥ずかしいものだ。散々恋人としてやることはやっているがそれとこれとは別の話、歯切れの悪い態度を取っていると不意に頬に手を添えられる。その瞬間に視界は相手の表情でいっぱいになる、しかもその顔が今日一日をさぞ愉しみにしているであろう妖しい笑みになっているのだから嫌でも強く胸が鼓動を打つ。体を固めながら相手を抱きしめていた腕に無意識で力が入った。こちらの反応を楽しむ気まんまんの相手に再度呆れのため息が溢れて)
当たり前でしょ? 俺から持ち掛けた勝負なんだし。あ、またお前って言った。こういうのもきっと慣れだと思うし、今日一日俺の事、名前で呼ぶ練習だね。
(そんな約束覚えてないだとか同時に寝たとか幾らでも白を切ることの出来る場面ではあるが、相手は勝負の結果を律儀に受け止めるタイプだ。それに相手を見る限りご褒美が嫌でやりたくないというよりもやるのが恥ずかしいといった様子に見える。完全にその場の思いつきから始まった勝負ではあったが良い方向に転がったようだ。得意気にそんな事を話しながらも強く抱き締められている最中、ご褒美の内容で禁止となった「お前」という言葉を使った事にツッコミを入れる。出会った時は倒すべき敵だったのだから距離を保つ為にもお前呼びしていたのが癖づいた結果だとは思うが、だからこそ関係性が変わった相手には出来る限り名前で呼んで欲しい。それを恥ずかしがる姿を見るのも楽しそうだ。密着した足を軽く絡めたりと擦り寄りながらも上機嫌にご褒美の内容確認するように言葉告げて)
こういう事には抜け目ないなお前…あ、……練習とは言うが癖がついている以上簡単には……っ、おま………ソウゴ、揶揄うな。
(無意識のうちにいつも通りの呼び方になっていたらしい、それを指摘されて軽く声を出す。元々他人とは馴れ合わない主義で下の名前で呼びかけることは滅多にない。ツクヨミは女性だとか同じ隊の仲間だとか、そんなことが重なって名前で呼ぶことが多いが男でしかも元々は倒すべき相手となれば親しく呼ぶなんでことは自分の中でありえない。相手を愛しく思い心から好意を抱いているのは本当なのだが、一度癖のように定着してしまった名前を変えるのはなかなか難しい。しかも《お前》なんてぶっきらぼうな呼び方をしている所から親愛を込めて下の名前で呼ぶとなると尚更だ。愛おしさよりも恥ずかしさの方が勝ってスムーズに名前を呼ぶことができない。名前を呼ぶよう強請られまた息が詰まる。咄嗟にまたいつもの呼び方をしようとしてしまって、息を吐き出しかけた既で止まってそれを飲み込む。律儀だとは思うがこれは勝敗の結果、勝者にはそれなりの褒美が与えられるべきだろう。一度言葉を飲み込むとなれない呼び方のせいかカクカクとぎこちなく体を動かしながら相手の動きを止めるように腰を掴む。それに伴って口まで固くなってしまって、いつもなら怒るように言う言葉も、その語気はどこか牙が抜けていて、せめてもの抵抗と指先で脇腹をつついて)
だからこそ今日一日意識して貰わないとね。…ふふ、やっぱりゲイツに名前呼ばれるの好きだな。 もう、くすぐったい
(やっぱり《お前》呼びが随分と癖づいているものらしい。とはいえツクヨミの例もあるのだから名前呼びが出来ないという訳ではないはずだ。ならば今日一日だけでも意識的に呼び方を変えて貰う事が勝者のご褒美になるだろう。またいつもの呼び方をしようとしてすんでのところで止めて口ごもってしまった相手を期待の篭った視線で見つめる。自分の為に今までの他人と馴れ合わない所とか素直に言葉にしない所とかをちょっとずつでも変えようとしてくれている所が愛おしいとも思う。今もきっとそういった類の葛藤を経て呼ばれる名前は特別な響きだ。今まで下の名前で呼ばれる機会が少なかったという事もあるが、それ以上に愛おしい相手に呼ばれる名前は何度聞いても嬉しくなる。今日はご褒美として何度でも聞けると思えばにやにやと口元が緩んでしまってうっすら目を細めて幸せだと口にする。弱点である脇腹をつつかれると擽ったくて逃げるように腰をくねらせつつそのお返しにと服の上から腹筋撫でて)
……ソウゴが勝ったのは事実だ、務めは果たすが今日一日だけだからな。、お前のニヤケ顔を見たらこうしたくもなる。
(こちらに名前を呼ばせて恋人は随分上機嫌のようだ。そのご機嫌な様子も目を細めた顔も、どれも愛おしくてこちらの心をまた捕まえる。じんわりとした温かさが広がる感覚、そんな心地良さに浸るとついつい課せられた呼び名を忘れてしまいそうだ。何か話し出すにも必ず一考が入ってしまうのがもどかしい、それがこちらが動揺しているように相手には映るだろう。そうとなれば相手のニヤニヤ顔は深まるばかりで、こちらとしては悔しい思いが募るばかりだ。名前を間違って呼ばない方に意識を取られると他への注意は疎かになってしまって、腹筋に触れる暖かい手はこちらにとっては不意打ちの刺激になってしまう。先程のじんわりとした心地良さとは違い今度は跳ねるような刺激、ピクと仏頂面の眉毛が動いてしまっただろう。ますます深まっていく笑みが愛らしくも憎らしくて、いつも通りそのほっぺを人差し指でぶにっと潰してやった。だが咄嗟の反撃の中では注意は散漫になって、ついいつも調子で相手に呼びかけてしまい)
分かってるよ。1日もあればちょっとくらい慣れると思うし。む、ほんとゲイツって俺のほっぺた好きだよね。…それと、また俺のことお前呼びしたからちょっとお仕置き。
(自分の意図した通り、ちゃんと名前呼びしようとして意識しているせいかワンテンポ遅れて返ってくる言葉に心満たされる物がある。今日だけといってもまだ半日以上はある。その中でこの呼び方に慣れてくれたらこれから先も少しは名前で呼んでくれるのではないか、というのが密かな目論見だ。仕返しに腹筋に触れると自分程身体は動かさなかったが不意打ちだったせいか眉毛が動いたのが見えた。それが面白くてくすくすと笑っていればその頬を人差し指で潰されてしまった。出会った頃から何かと頬を触られている気がする。至って普通の頬だとは思うがこうやって相手に触れられるのは嫌ではない。少しの間触らせておくもどうやらまたいつもの呼び方に戻った事に気付いていないらしい。ならばと不敵な笑みを浮かべれば起き上がって横向きで向かい合っていた相手を仰向けになるように押し倒す。訳の分からない内に相手の腹の上に馬乗りになってしまえば頬をつついていた手首掴んで宣言して)
真の目的はそれか。その頬っぺが緩んでいるとどうも引き締めたく……っ!な、お前……ソウゴ、何してる。お仕置ってなんだ。
(ようやく相手の真の目的が知れたという所か。つまりは普段からもっと名前を呼んで欲しいというオネダリなわけだが、ここまで密度の濃い時間を過ごした後に呼び方を変えるなんてやはり恥ずかしさが勝つ。とはいえ相手が自分の名前を呼んでくれるのは今となっては幸せな事でもあって、相手だけに呼ばせているのは確かに不公平かもしれない。突然こちらを「君」なんて呼んできたらショックを受けるのは間違いないだろう。名前呼びなんて慣れるものなのかと疑わしいが、手を繋ぐ行為だって散々慣れないと言っておいて最後にはこちらから自然と手を繋ぐまでになってしまった。願い事を叶える様はまさしく魔王だと心の中でため息をつきつつ、どこか上の空で頬を潰しながら返事をしていた。はずだったのだが、途端に視界が変化して目を見開く。どういう状況にあるのか理解できたのは既に相手に馬乗りにされた後で、いくら筋肉量に差があるとはいえ動ける状態ではなかった。再びの不意打ちの出来事にまた咄嗟に「お前」という言葉が出てしまった。今度はその間違いに気づいて言い直すも既にミスをしたあと、相手の意図が読めず怪訝そうに眉をひそめていて)
バレた? でも純粋に呼んでほしいと思うのは本当だよ。ふふ、昨日とは逆だね。お仕置というか、たまには俺の方から好き勝手しようかなって。
(目的がバレてしまったかと舌を出す。真正面から伝えたとしても恥ずかしがって応じてくれなさそうだから律儀な相手の性格を利用して勝負を持ち掛けた、とまで言えば魔王の様だが本心だから仕方ない。それだけ相手に呼ばれる名前の響きは魅力的なのだ。その目的に呆れたような反応を見せる相手の隙をついて形勢を変える。体育倉庫では自分が下にいたが、今は上にいる。相手が本気で動こうとすれば逃げられてしまいそうでもあるが、自分が怪我をしてしまいそうな事はきっとしないはずだから実質拘束したも同然だ。この状況に機嫌良く笑みを浮かべながらも跨った相手を見つめる。意味がわからないといった表情だ。名前呼びされていない事に不服という訳でもなく、それを口実にした単なる好奇心と悪戯心。良い事を思いついたと楽しげに宣言しては顔を寄せて昨日の相手の様に首筋に軽く噛み付いて)
な、逆って……っ、おい!お前……ソウゴ、家の中だぞ
(うっかりバレてしまったとばかりに舌を出しているが、この策士はわざと真の目的をこちらに分かるように口にしたような気がする。さりげなく自分の望む方に事を持っていき、しかしそれを隠さない。それこそ魔王の所業のように狡猾だが、まんまと罠に嵌ったような気がするのでそこは指摘しないでおいた。それに今は相手が魔王のようだと揶揄う余裕もなかった。いったい何を考えているのか分からなかったが、相手か昨夜の体育倉庫と立場を逆転させていい気になっていることをようやく理解する。途端にあの暗がりの熱がぶり返す感覚に襲われる、そして今はあの時のように本能のまま動いているわけではなくて冷静に物事を整理できる分、余計な場所にまで思考が及んだ。こちらに相手の顔が近づいてくると次の瞬間にはピリと軽い痛みが走る、思わず声を挙げそうになるが何とかそれを飲み込んだ。軽い痛みのあとじわりと熱が広がる。何をされたのかは確認せぶとも分かった、なんせ自分が相手へ繰り返し行った行為なのだから。広がった熱はやがて思考力を奪いさっていくだろう、馬乗りされた相手を振り払うなら今しかない。しかし今の状況が相手に醜態を晒すような行為だとしても、相手の行為ならば受け入れたいと思ってしまっている自分がいた。つまるところ、反撃できるのにあえてせず、自ら進んでこの行為を受け入れるという状況を選択しているわけだ。どちらにせよ今は相手の呼び名を間違えないようにするだけで精一杯、窘めるような物言いをしつつもその瞳は揺らめいて理性を削がれつつあり)
ん…叔父さんとかツクヨミならちゃんとノックしてくれるって。…、…明光院、
(最近は何かと主導権を握られていたような気がしていたからこうやって相手を見下ろして好き勝手出来る立場は何だかワクワクする。いつも着けているハーネスで隠せるからと勝手に理由付けて目立つ位置に噛み付いた首筋には綺麗な痕が残った。自分のモノという証であると共に昨夜自らの首筋に付けられた物とお揃いと考えれば粘度のある欲が満たされていくのが分かる。その出来を確かめるように一旦少しだけど顔を離して視線を向ければ揺らぎの見える相手の瞳と重なった。相手が本気を出せばこんな体勢も崩せるだろうに大した抵抗のないまま受け入れて健気にご褒美である自らの名前を呼んでいる。それを見たら駄目だった。ちょっとした戯れのつもりだったのにどきどきと心拍が跳ね上がった気がする。相手の窘めをそれっぽい屁理屈で返す。ノックされた所で誤魔化すのも難しい体勢だが大人しくこの状態を崩すのも惜しい。馬乗りしている腹筋に掌を置けば胸板から首元、首筋と相手の存在を確かめるようになぞっていく。首筋から顎のラインまで到達すれば頬に手を添えてあと数センチで唇が重なる距離まで接近する。そのままいつもとは違う名で相手のことを呼んでみて)
、……そういう問題じゃないだろ。っ、あ……ちゃんと…名前で呼べ、ソウゴ
(首筋がじわりと熱を持っている、きっと相手の証がくっきりと痕として残っているだろう。誰かに所有されるなんて全く柄ではないが、相手だけは別だ。跪くべき王、同時に愛しい恋人。自分を所有するのはそんな彼にだけ許される行為、そして相手へも同じ行為が許されるのは、たった1人自分だけだ。とはいえここは自分達以外にも人がいる場所、音を聞かれるだけでマズイというのにその理屈で相手は止まりそうになかった。そしてそれはこちらも同じ、先程よりも熱くなった手が腹筋をなぞって上へと移動していくのと同時に、体の中で抑えていた熱がその手と共に一気にせりあがってくる。ゾクリと体が震え、熱を吐き出すように声が漏れれば、もうこれを止める選択肢はなくなっていた。先程までの仏頂面は熱に絆されすっかり尖りが抜けてしまった。唇同士が近づく、その体勢で呼ばれた名はいつもとは違った呼び方だった。予想だにしない呼ぼれ方にまた理解が追いつかずに困惑する、しかし確かに感じたのは圧倒的な寂しさだった。苗字呼びといういつもより一歩引いた呼び方、それが相手が離れてしまったようで動揺で激しく胸がかき乱れる。皮肉にも相手に名前以外で呼ばれることで、名前呼びの幸福感を認識させられてしまったのだ。こちらの手首を掴む手に僅かながらも指先を添えると、強すぎる寂しさを埋めるために相手と同じく名前で呼んで欲しいと強請って)
その割には辞めて欲しいって顔してないみたいだけど? …ふふ、俺もゲイツ呼びの方がしっくり来るかも。……ゲイツ
(いつもの仏頂面や敵意を宿した顔付きではない熱を含んだ蕩けかけた表情。彼の元いた未来の知り合いも含めてこれを見た事がある人はどれだけいるのだろうか。願わくは今までも、そしてこれからも自分1人だけであって欲しいと思う。他の人に万が一バレてしまうかもしれないというリスクを取ってでも触れ合いたいと思ってしまうのは仕方ないはずだ。それはきっと相手も同じことだろう。少し意地悪に今の顔付きを指摘する声はつい隠しきれない嬉しさが滲む。苗字だって相手を表す大事な名ではあるが、自分で呼んでおいて妙な違和感があった。それと同時に相手からもいつもの呼び方を強請られるとなんとも言えない高揚感が生まれて笑みが零れる。縋るように添えられた指先を捕まえて手を握って言葉を紡ぐ。やっぱりいつもの呼び方の方がしっくり来る。お互い相手の声で呼ばれる名前に随分とか心動かされるようになったみたいだ。もう一度愛おしい恋人の名前を紡げば頬に添えていた手で軽く顎を持ち上げて唇を重ね)
その気にさせる、……ソウゴが悪い。ん、…恋人に名前を呼ばれる幸せを身をもって体験させられるとはな……もっとしよう、ソウゴ
(触れられて名前を呼ばれるだけで十分に体は熱を持つ、今や頭もその熱にやられていて理性を保つギリギリの顔になっているのには自覚があった。それをあえて揶揄うように指摘する相手に軽く睨むがそこにはもういつもの威圧はなくて、つまりはただの強がりでしかなかった。おまけにまたいつも通りに「お前」と呼びそうになって歯切れの悪い言葉になる、それが余計いじけているようになってしまった。掴まれていた手が繋ぐ形に変えられる、そして名前を呼ばれるとそれだけで心は幸せで満たされる。やはり相手の口から紡がれる自分の呼び名は名前であって欲しい。ほんの少し前まで呼び方なんてどうでもいいと思っていた自分の考えは意図も簡単に覆されてしまった。唇が重なれば最後に残っていた理性も容易に流しさられる、触れられた頬から伝わる恋人の熱が余計に頭を浮つかせる。唇が離れ至近距離で交わされる視線、その目はすっかり熱に侵されていてまだ足りないと訴えている。握られた手に力を込めると愛しいその名と共に口付けを強請って)
ごめんって。でもそんなゲイツが好きだよ。恋人に呼ばれる名前は特別って感じがするというか、安心する。 …いいよ、気が済むまで
(自分の下にいる恋人からの視線と交わる。この状況と昨夜の記憶からか熱を孕んでいるように見える視線からは威圧の1つも感じられず、寧ろ此方の熱を煽るだけだ。自分のせいだと言われてしまえば悪びれているように見えない軽い響きの謝罪を口にする。罪悪感よりも自らが触れるだけでその気になる相手に湧く愛おしさの方がずっと強いから仕方ないだろう。拗ねた様に見える相手を宥めるように目を細めて愛を囁く。相手の声で名前を呼ばれるのもその口にキスをする事もどうしようもなく幸せだ。この熱が無かった頃を思い出すのが難しい程溺れてしまっている。数秒重ねた唇を離せば至近距離で熱に浮かされている相手の瞳が揺れる。この表情も視線も全部自分にだけ向けられている。握られている手も鼓膜を震わせる相手の声も理性とかそういうのを溶かすのに十分過ぎた。口調だけは冷静を装うもその声色には欲を滲ませて強請られるまま再び唇を重ねる。今度は触れるだけのキスではなくて熱もった舌を相手の口内に忍ばませて絡ませていき)
俺もだ……ソウゴが俺の名前を呼ぶとそばに居るのが分かって安心して、幸せだ。俺がソウゴのことを好きだと、改めて自覚させられる。だからお前の……ソウゴの望み通り、好き勝手させてやる。…ん、……
(文句に対して一応謝罪の言葉はあったものの、そこまで気持ちの入ったものではない。きっとそんなことよりも今は互いの存在を求める事に夢中なのだろう。目を細めて幸せそうな顔でこちらへの好意を伝えられるとそれだけで頭がクラクラと酔うような感覚に襲われる。それだけ相手からの好きだという言葉は胸を掻き乱し満たして、この心を夢中にさせられる。馬乗りなんてプライドもへったくれも無い格好も、頬を持ち上げられて施されるキスも、この状況何もかもを受け入れてしまえるのはただただ相手を愛しているからで、体温の上がった頭では普段は照れに邪魔され言えないようなこともすんなりと口にしてしまえる。僅かな余裕を見せようとあくまでもこちらが許可を出している、という提で返事をしておいた。再び唇が重なる、瞳を閉じてこちらの口内に入ってくる恋人のものの感覚にだけ集中する。迎え入れるようにこちらからも舌を絡ませながら舌先で同じく相手の舌先を擦ってやり)
…うん、ずっとそばにいるから俺に夢中でいて。ふふ、それは光栄だね。なら好き勝手しよっと、…ん……っ、…ふ
(場の雰囲気と高まった熱で相手も思考がゆるゆるなのかいつもは口にしてくれないような言葉が聞こえてくる。その一つ一つが愛おしくて大切で心が温かな物で満たされていくのを感じる。自分にとって相手が大事であるのと同じように相手にとっても自分が大切な存在だと伝わってきて素直に嬉しい。その想いの先も向けられる視線もずっと独り占めしていたい。そんなおまじないを掛けるように告げては優しく相手の頬を撫でる。指先から相手の熱が伝わってきて、これが夢ではないと主張するようだ。それにこんな状況でもあくまで優位に立とうとする相手に笑みが溢れてそれに倣って下手に出るような言葉返す。好き勝手にする許可を貰えばそのまま唇を重ねた。舌先を擦り合わせると敏感な粘膜が相手の舌の感覚や熱を拾い上げて背筋にぞくりと興奮が走る。うっすら開いた視界には口付けに集中する相手の姿が映る。繋いだ手を握りしめながらも舌を絡め、時折上顎をなぞったり唇を食んだりしながら良い反応を示す場所を探り)
あぁ……そう言った限りはきっちり責任は取ってもらうからな。ふ、…ぁっ……ん……
(夢中でいてなんて、なんて傲慢な願いだろう。そんな一方的な要求など突っぱねることが常だったのに、自分もそれを望んでいるのだからどうしようもない。おまじないか、はたまた呪いとも取れるが、この恋人をずっと見つめていたいことは確かで、意図も簡単にそのおまじないへと堕ちていく。それにこの願いを叶えるためには相手も自分の傍から離れることは出来ない、それなら好都合だ。互いをどこにも行かせまいとするおまじない、その束縛も今や心地よいものになってしまった。それだけこの男は魅力的で、そして今自分の体を這う熱い体温を手離したくない。宣言通りに相手から注がれるキスを受け入れる。こちらにマーキングでもするように様々な場所に触れる舌が相手に染められていくようで背徳的なのに心地よい。唇を食まれると相手の唇の柔らかさが伝わって思考がふわりと浮くが、直後舌先がその唇へと当たる。感触と熱が全く違うそれに思わず体を痙攣させる。自分の一番柔らかな部分を捕食される感覚に息を飲み、思わず体を捩ろうとするが馬乗りされた体勢では動くことは叶わず)
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