2人掛けの玉座 【〆】

___戦いの場がこの時代に移っただけだ。…そうだな、水族館は歴史書でしか読んだことがない施設だ、興味がある。遠出で旅行もいいが……お前、アナザーライダーのことを忘れてないか？
(感情が揺らいでいるのを表すような歯切れの悪い返事と少し時間を置いて相手が抱きつく体勢を変える動作。心を読むなんてことはできないが、未来に帰らない選択したこちらを想ってくれていのは伝わる。見覚えがでてきた真っ直ぐの道を走りながら、その想いに答えるようにこちらに抱きつく手に数秒片手を添え、またハンドルへと手を戻した。この時代のことはまだまだ知らないことばかりで、どこへ行くにしても新鮮な体験になる。挙げられた候補のうちだと興味があるのは水族館だ。この時代を知る資料館としても価値のある場所だ、何より巨大な水槽など本では見た事があっても実物は想像できない。観光も魅力的だが戦いの最中であることは確かだ。アナザーライダーが遠方に現れればついでに観光ができるな、と邪な考えが浮かんだが、すぐにそれは振り払っておいた。バイクは見慣れた場所へやってくると最後の角を曲がりクジゴジ堂へとたどり着いて、「着いたぞ」と声掛けて)

…うん。 ほんと？じゃあ次は水族館に行くのもアリだね。…あ。わ、忘れてないって。アナザーライダーの事ちゃんと止めないと。 ありがと、今日一日が長くて何か久々に帰ってきた感じがするね。
（多くの人の、そしてゲイツの人生を大きく変えてしまう選択。その迷いは表に出していないつもりだったが相手にはお見通しだったらしい。重ねられた手は多くは語らないが改めて相手の意思を伝える物で数秒触れ合うだけで不安が溶けていく様だ。相手のしてくれた決断が間違ってなかったと思うような未来を今作っていけばいい。改めてこれからの決意を固めれば納得したように相槌打ち。次の予定について前向きな回答が返ってくれば今日のような一日がまた過ごせる予感に明るい声で反応示し。相手との時間は何物にも代えがたいくらい楽しく熱中してしまう。だからこそアナザーライダーについて指摘されると今思い出したとばかりに声を上げ、直ぐに繕ってみるも何処か白々しい口調になり。クジゴジ堂につけば礼を伝えながらバイクから降りる。今日一日が濃密過ぎて今朝出てきた場所なのに長い時間空けていたような懐かしい気分になる。そんな事を伝えながらも「ただいま」とドアを開けて中に入り）

あぁ、時間が出来たら行くが……まったく王様になるのはまだ先だな。そうだな。今日ここを出た時はこんな一日になるとは思わなかった。
(先程とは違って強い決意を感じる返事、憂いは晴れたようだ。こいつとならばきっと大丈夫だ、ソウゴは最善最高の魔王になり、自分はそれを支える側近であれる。その先の未来はきっと今の時代と同じかもっと良くなるはずだ。その為にも相手のいう民を守ることは重要なことのはずなのだが、うっかり忘れていたと言い出しそうな態度に呆れてため息をつき。だが相手が何より大事にする民を守ることよりも、今この瞬間は自分に向けられる想いの方が強かったと思えば悪い気はしない。いっそこいつの全てを独り占めにしてしまいたいと欲望が揺らいだ。王と側近という立場で人々を守りながらいるより、たった2人で2人で以外のことは考えない方が幸せなのではないだろうか、とそこまで考えてこれ以上の思考は危険だと考えを辞める。バイクから降りてヘルメットを脱ぐと共にその思考も捨てておいた。バイクをウォッチに戻して相手に続きクジゴジ堂に帰ると「ただいま」と一言添えておく。大叔父は遅くまで2人で遊んでいたことに上機嫌なようで、いよいよちゃんとした友達が出来たと小躍りでもしそうだ。クジゴジ堂について今日一日の疲れがどっとやってきた。とりあえずは休もうと2階へ上がろうとし)

ド忘れしちゃっただけなんだってば！ じゃあ旅行はアナザーライダーの問題が片付いた時のご褒美ってことで！遊園地の殆どのアトラクション乗ったもんね、色んな事もやったし。…ゲイツの部屋お邪魔していい？
（民を守ることは王様として重要なことだ。その事を少しの間でも忘れるほど浮かれていた事に自分のことながら驚く。自分の拙い誤魔化しもお見通しの様で呆れた溜息をつく相手に本当に考えてなかった訳では無いと慌ててアピールして。だが本音としては民の平和や幸せはちゃんと守った上でもう少しだけ今この状態で相手の隣に居たいとも思う。王様になるのはそれからでも遅くないだろうとさえ思う様になってしまった。これも全部ゲイツと出会ってからの変化だ。自分は案外欲深いらしい。旅行の件も諦める事なく、さらっと勉強会の時のように今の問題が片付いた時の褒美と決めてしまい。出迎えてくれた大叔父には簡単に今日のやった事や感想を伝えた。外で遊んでくるということが滅多になかった自分が友達とここまで仲良く遊んで来た事に嬉しそうだ。階段をのぼる相手に続き2階に上がれば疲れこそあるがまだこの余韻に浸っていたくて相手の部屋を訪れてみたいと希望して）

敵の存在を忘れるなんてまったく呑気な奴だな、お前は。まぁ問題が解決した後ならば遠出してもいいんだろうが。俺の……？あぁ……構わん。
(いつもと違う発言をしてしまったことを取り繕おうとしているのか、慌てているその顔の額に軽くデコピンをしておく。だがやはり相手が何よりも自分を優先しようとしていたのは嬉しいことだ。その証拠に遠出の約束をこちらもちゃっかり承諾しておいた。今日一日で自室から出た時と今自室へ入ろうとしている時とでは随分と自分は変わってしまった。相手と共にある約束をして、さらには恋人になった。今こうやって部屋に行きたいと言われて反射的に「なぜ」と口にしようとするがその問いが意味の無いことだと直ぐに思い至る。2人は特別な関係で一緒に居たいと願うなら一緒に入ればいい。言い訳は必要ないのだ。そうやって理由なく同じ時間を過ごせる喜びを改めて噛み締めつつ相手のお願いに頷いた。とは言ったものの部屋を間借りしている身、扉を開けて自室へと入ったがベッドと簡易な机、椅子があるだけのガランとしている。唯一個性があるとしたら未来の服がハンガーに吊り下がっているところだろうか。扉を開けたまま相手に中に入るよう促して)

いてっ。 やったー、なら一層頑張らないとね。 お邪魔しますー。…シンプルだね。
（額にデコピンを受けると少し大袈裟に反応する。だが同じような言葉でも以前とは含まれる意味合いは変わっている様に読み取れた。加えて少し強引に取り付けた旅行の話も承諾してくれていて近付いた距離感と相手の優しさを改めて感じつつ無邪気に喜びを現して。出来るだけその日が早く来るようにこれからの戦いに気合いを入れ。突飛押しもない希望だった自覚はあるが、受け入れて貰えた様だ。2人がこの家に来る以前に何度か入った事もあり、間取りや家具の配置については分かっているが相手が普段過ごしている部屋となれば話は違う。変に緊張してしまいながらも開かれた扉から中に入る。中は前に見た時と殆ど一緒であまり個性っぽい物は見られなかった。何も反応を示さないのも気まずく前向きに捉えた感想呟くも少し期待外れな部分があるのも事実だ。元々自分の監視の為だから短期間しか居るつもりもなかったのだろう。真面目な性格故か綺麗に整頓された部屋をキョロキョロと見ながらもベッドに腰掛けて）

住み込みの身だからな。それにこの時代に長居する気もなかった、新しく物も買ってない。……もう少し何か買った方がいいかもしれないな。
(敵の攻撃がいつ収まるかも分からないが、必ず決着を付けなければならない。そうすることで2人の時間はより増えて、互いのことを考える時間がもっと増える。それだけでもこの戦いに挑む価値があった。この部屋に来た時には想像だにしない心境だと改めて思う。それがこの部屋にまざまざと現れているような気がした。魔王の監視をし、いつかは仕留めるための仮住まいとして住み始めたこの部屋だ。さっさと出ていく気でいたため戦いに無用なものは必要ないと、何もこの部屋に持ち込んでいなかった。だがこれからは違う。きちんと住居としてこの部屋を扱うことになるのだ。掃除だけしてあるだけの部屋では味気がなさすぎる。何か買い揃えなければと思案しつつ相手の隣へ座る。しかし考え事をして座ったせいか案外相手の近くへと腰を下ろしてしまって、座った拍子に手が触れ合った。2人きりの部屋の中で手が触れ合う、もう何度目か分からないうえ関係が変わった今意識することでも無いはずなのに思わずビクッと反応してしまい、慌てて手を引っ込め)

これからは単なる仮住まいじゃなくて、ここがゲイツの家になる訳だからね。今度色々買いに行こっか。…まだまだ慣れないね、こういうの。…繋ぐ？
（相手の言う通り単に寝る為だけの様な部屋は直ぐに出ていく事が出来るくらい生活感が無い。だが、この時代で暮らしていくと決めたからにはここが居心地いい場所になって欲しいとも思う。それに相手がこの時代に根付いているという証が欲しかったのもある。新しい物を購入する意欲が見えれば一緒に買いに行くことを提案しつつもこれから増えていくであろう相手の私物を想像しては楽しそうに笑い。近くに座る相手の手と触れ合えば此方も少し反応してしまう。引っ込められた手に何度か経験してもつい意識してしまう事を照れ臭そうにしつつ呟き。いつの日かこの状態が当たり前になって平然としている日が来るのだろうか。現時点では想像もつかない。だが一度触れ合ったものが引っ込められてしまえば少し残念に思ってしまって二人の間に手差し出せば首を傾げ）

……あぁ。お前とここに住むんだ、とりあえず本棚とトレーニング用具は必要だな。っ、___そう、だな…慣れる日が来る気がしない
(この家が自分の帰る場所になる、という事実を改めて噛み締めるよう頷く。この時代に残ることを決めた限りここが居場所だ、そこに相手がいると言うことは恋人になってそうそうに同棲をするということであり、嬉しいやら緊張感が増すやらで感情が追いつかない。とにかく自分にとって落ち着く場所にすることは必要で、事実に揃えるべきものを並べておいた。それを買う時にまた相手と一緒に選べるとなると楽しみで仕方がない。本来なら余裕を持って会話すべきだが部屋で2人きりでベッドに腰掛けるという構図のせいでどうしても相手を意識して緊張してしまう、もう触れた手を引っ込める必要もないのに。その緊張の最中でこちらに手を差し出されるとその不意打ちの言葉と動作にドクんとまた胸が強く鳴る。首を傾げて問いかける姿が愛らしいなんて恥ずかしくて口に出すことはできないが、顔に熱が上がっているのを感じる限り耳の端は赤くなっているだろう。差し出された手に自分の手を重ねる。ぎこちない動作だったせいか結果的に指を絡まってしまい、落ち着かない心地に言葉を零して)

…何か同棲してるみたいだね？ ゲイツっぽいチョイスだ…！どんな部屋になるか楽しみにしとこっと。そう言いながらもう少ししたらゲイツの方から当たり前の様に繋いだりして。…ゲイツの手、割と好きなんだよね。
（住む場所も状態も以前とは変わらないが、関係性が変われば捉え方も変わってくる。相手とひとつ屋根の下ということだけ切り出せば同棲と変わりなく、からかい半分にくすくすと笑いながら告げてみて。部屋に置くものの候補としてその2つが真っ先にあがるのもゲイツらしい。相手がこれからも生活する場であるこの部屋が徐々に出来上がっていく過程に関われる事が楽しみでどんな部屋になるか想像しながらも呟き零して。再び重なった手にドキドキしながらも先程までと違って2人きりの空間ということもあり、少し積極的に指先で相手の指振れるように絡ませ。手を繋ぐことは何かとやってきた事だがまだ意識して緊張してしまう。それでも何とか会話繋げつつも改めて繋がった相手の手を観察して。今まで戦いに使われていたであろうその手は自分より大きくてゴツゴツしてる様な気がする。頬をつつかれたりデコピンされたり、時には頭を撫でられたり腰に回されたりする手。それを確かめる様に緩めたり握ったり繰り返しながらも照れ臭そうに告げてみて）

、間違ってないが……この家にはお前の大叔父とツクヨミも住んでるんだぞ。最低限大叔父にはバレないようにしなければな。もう少し慣れたらっ、おれ、から、も……そんなに、揉むなっ
(2人の関係が変わったことで確かに状況としては同棲だ。しかし忘れてはいけないのがこの家には自分達以外にも2人住人がいるということだ。恋人になったことを直ぐに2人に言うのはなんとなく恥ずかしくて、とりあえずはぐらかす方向に話を持っていく。ウォズはどうせもう知っているから考える必要はない。ツクヨミも勘が鋭い方だ、いずれ気づかれるだろう。問題は大叔父で、例えばこうやって2人手を繋いでいるところに鉢合わせてしまえば気まずいどころではない。しばらくは家でこういうことをやるのも慎重に隠れて行う必要がありそうだ。そう考えるとこうやって手を繋ぐのも2人だけの秘め事に思えてきて、変に指先へと意識がいってしまう。重ねた手は指先が絡められて普通に手を繋ぐよりもより密接に触れ合っている。それだけで何処かソワソワするのにそこを握ったり離したりを繰り返されると変に敏感になってしまって、ひとつひとつの挙動が脳内へとしっかりと伝わってきていた。今2人の手がどういう状況にあるのか視覚からも触覚からも認識すると段々顔が赤くなっいく。前までならばここで手を振り払うところだが、この先の関係を望んでいたのは自分で、相手の言うようにこちらからも手を繋ぎたい。なんとか手を離さないよう自分を抑えながら、とりあえず照れ隠しの文句だけは伝えておき)

んー、分かった。皆には内緒ね。…何か秘密の関係って感じがしてドキドキするけど。じゃあ慣れるためにも暫く繋いでいたいな。 こうやって隣に居て手繋いでるのが嬉しくてつい
（二人の関係を特別公表する気も隠すつもりも無かった為か相手の意見を聞けば少し考えてから承諾して。確かに見知った人の前でこのやり取りをするのも恥ずかしいような気もする。大叔父は勝手に部屋に入ってきたりはしないだろうからリビングなどで今のテンションで甘えたりするのは控えようと心に決め。当面の間秘密となれば浮かれた事口にして。普通よりも指同士を絡めた所謂恋人繋ぎをしている状態で振りほどかれないのは変わった二人の関係を示している様だ。自分もドキドキしているがそれ以上に段々と顔が赤くなっていく相手の照れ具合が可愛らしく謎の余裕が出来ていた。相手からも繋ぎたいという意思を受ければそれに乗っかる形でこのままでいたいと伝え。文句には悪びれることも無く平然とそう伝えば軽く握り直しさらに相手との距離詰めてみて）

相変わらず呑気な。お前…うっかり言っちゃった、とか言うなよ？慣れるため、…そう、俺も嬉しい、が……っ、く、……ダメだ、こういうのは俺の方が……余裕を持てると思ってたのに
(秘密の関係なんてなんとも甘美な響きだが実際には身近な2人にこの特別な関係を隠して生きていくなんてなかなか心労が多そうだ。いつかは打ち明ける日も来るのだろうがとりあえず今は相手との関係を深めることに集中したい。だがこの呑気な様子では何かの会話の流れで付き合ってるだの恋人だの、そんな言葉を口走りそうだ。オマケに反省する未来は見えない。釘をさすよう言っておくが大叔父に知れるのも時間の問題だろう。こうやって手を繋ぐ機会はこれからも増えるはずなのだから。とはいえこの行為に慣れる慣れないはまた別問題。手を改めてしっかり握られさらに互いの距離が近くなれば平静を装って話すなど至難の業だ。こうやって繋がれるのは心が踊るが胸が早鐘を打つのは止められない。余裕の出る相手と反比例するように目を泳がせ言葉もたどたどしくなって行く。このままではまともに居られない。こんな距離で顔を付き合わせているのに体が耐えられなくなると、逃げるように視線を外して相手の方に自分の額を置いて目を瞑った。手は繋がれたままだが目を見ていない分まだマシだ。なんとか息を整えつつ乱れる気持ちを抑えようとして)

…多分、大丈夫だと思う。言いそうだったらフォローしてね？ あんなに強気なゲイツがこんなにタジタジになるなんて思わなかったな…。こういうのって先に照れさせた方がちょっと余裕持てる気がするんだよね
（何かの拍子で言い出すという点については自制するつもりはあるが100%ないとは自分でも言いきれず曖昧な言い方になり。色々負担をかけてしまいそうだが言いそうな時に止めて貰う方が確実な気がしていつもの笑みと共にお願いして。今まで比較的表情を崩さずにツンツンとしていた相手が手を繋いでいるだけで今は耳まで赤くして自分の肩にその顔を隠してしまっている。出会った頃には考えられない姿できっとこの姿は自分だけが見ることの出来ると思えば優越感が芽生えてきた。だがこれ以上揶揄うのは流石に耐えきれなくなりそうで手を繋いだままではあるがそのままの状態で相手が落ち着くの待ち。普段ならこちらまで取り乱しそうで、現に今も鼓動は早いが自分よりも乱れた姿の相手の前では何故か落ち着く事が出来る。これが良く聞く主導権を持った状態なんだろうか。経験則として何となく抱いた感想呟きながらもこの状態を楽しんでいる自分もいて、肩と手から伝わる体温に集中して）

分かった、お前のフォローは俺の仕事だからな。ツクヨミには言うなよ、あとウォズもだ。先に照れさせた方か……それなら、
(王になるのも王になったあとも支えるのが自分だとしたら、この場合もフォローするのは自分だろう。もっともこちらのわがままを聞いてもらっているわけなのだから、補助するのは当然ではあるが。まだこの姿を相手以外にも知られたくない。他人にこんな腑抜けた姿を見せる気もないがあれやこれや言われればボロが出そうだ。逆に言えばこんな姿を見せれるくらいには相手に心を許している、レジスタンスの戦士だった自分からは考えられないことをしていた。こんなに気持ちを乱されることはない、それなのに向こうは相変わらず余裕さえ感じられる。先に照れさせた方が、という言葉になんとなく負けん気を擽られる。今は目線を外し手の動きも収まってなんとか冷静さを取り戻しつつある。このまま相手だけが澄ました顔をしているのはどことなく癪で、手は繋いだまま肩に置いていた額を上げる。空いていた手を腰に回し、ぐっとこちらへ引き寄せると顔を少し移動させれば、目の前には相手の首筋が見えた。まだ戦いを多く経験していない相手の肌は柔らかく滑らかな質感だ、この綺麗なものも今や自分のもの、そこに所有の証を落とすように軽く口付けてやり)

ありがと。分かってるよ、それにゲイツのこういう所他の人には見せたくないからね。 なに、－っ、…、それ、反則だ、って…。
（フォローを受けてくれると聞けば少なくとも2人揃って話をする時は口を滑らす心配もなさそうで礼を伝える。きっと素直に二人の関係性を打ち明けても祝福してくれるだろう。ウォズもあれこれ口を挟むだろうが自分の意思だと分かれば諦めてくれるはずだ。だが、二人の関係性を明かしたらゲイツがからかわれるのが目に見えてる。その時に今のような緩い表情を仲間とはいえ他の人に見せるのは何だか惜しい。暫くは自分だけが見たいと独占欲覗かせながらもこくり頷いて。今まで何だかんだ言いながら自分が行動して相手が照れる事が多かった。それに加えてこの幸せな空間を噛み締めるのが大事で相手が負けず嫌いだったのを忘れていた。肩から額が離れれば落ち着いたかと其方に視線向けるも同時に腰を引き寄せられると疑問の言葉が口から零れ。次の瞬間無防備な首筋に口付けが落ちれば柔らかな感触にぴくりと身体反応させ。急なことに声も出せないでいるが思考だけは回り続け、直ぐにされた事を認識すればぶわと一気に熱が上がる。首筋なんて親しい仲の人相手でも触られることのない場所でドラマなどで愛し合う2人がキスマークなどを付ける所だ。みるみる顔が赤くなっていけば先程まで饒舌に回っていた口は簡単な単語しか紡ぐことが出来ずにいて）

、あぁ……こんな情けないのはお前の前だけで十分だ。……お前の言う通り、手を照れさせた方が余裕が持てるな、ソウゴ
(何気ない会話のなかでちらりと覗かせた独占欲にまた胸が跳ねる。自分だけのものだとある種子供のように占有されることに嬉しいという気持ちになるとは思わなかった。少々擽ったくも思いつつその独占欲を受け入れるよう頷く。どちらにせよ他の人間の前でたろうと恋人関係に話題が及べばいつもの調子を保っていられる気がしない。今はまだこの関係は2人の秘密であるのが1番だ。その証拠のようにこうして息を潜めて首筋にキスをしている。相変わらず鼓動は早いがこちらからのキスにあからさまな反応をする相手をみると、胸をかきむしられるような衝動に駆られる。今まで照れたところを見たことはあっても口調が乱れるほどの反応はみたことがなくて、もっとこれが見たいと胸中がざわめいた。もう少し顔をあげ、口元を耳へ近づければ囁くように話しかけ、まだ数える程しか口にしていないその名前を呼ぶと耳の付け根へまた口付け)

…ん、…ッ、いじわ、る…、ぁ
（子供のような独占欲を見せたのにも関わらず受け入れてくれるような言葉に満たされていくのが分かる。相手に出会ってからどんどん欲深くなってしまっている気がする。とはいえ首筋にキスを落とされる今の状況は嬉しいがそれ以上に羞恥と混乱の方が強い。初めてキスした時の慌てぶりが嘘みたいだ。きっとこれで照れさせる為の相手の仕返しも終わりだろうと内心安堵して気を抜き。だが予想は外れて耳元で自分の言った事を繰り返されると僅かに吐息がかかり状況も相まっていけない事をしてる気分になる。極めつけにずっと呼ばれたかった名前を呼ぶのだから熱は冷めるどころか上がる一方だ。絶対こちらが動揺して困るのを分かってやっている。逃げるにしても腰に手を回されている状態では顔を軽く背けることしか出来ずに子供じみた文句口にして。また落とされるキスに小さく声あげて）

ッ、……声を出すな、ツクヨミか大叔父が来たらどうする。
(先程まで指を絡めて慌てふためいていたのが嘘のようだ。今は胸が強く鼓動を打つのに頭は嫌に冷静な、そんな不思議な感覚だ。そんな時に不意に聞こえてきた今まで聞いたことない色の声。意図してだしたわけでもないのに艶っぽいその声に激しく胸がかき乱されて息が詰まった。もっとその声が聞きたいと理性を上回る欲望が体を満たした。冷静な頭は自然と相手の羞恥を煽るような言葉を選んでそれが口から出てくる、子供にでも言い聞かすように静かに低い声で囁くように、この行為がたった二人の秘め事であることを強調しておいた。相手を逃がさぬよう指は絡め腰に手は回したままさらに互いの体の距離を詰める。耳が弱いらしいことは先程の反応で明白だ、そうなればそこをもっと攻めれば、先程の声がもっと聞ける。今度はより吐息がかかるようにゆっくりとした動作で口元を耳に寄せ、そのまま耳たぶにキスを落として)

(/ごめんなさいめちゃくちゃいい所なのですが例のごとく週末は私用で忙しく次のお返事は最速で日曜夜になる予定です……中途半端なところで申し訳ありません……)

…ぅ、ゲイツのせい、じゃん。…、…っ、ん…
（いつの間にかすっかり相手のペースに乗せられている気がする。また内緒話をするような囁き声。言葉こそ子供に言い聞かせるような言い方だが、欲を含む様ないつもより低い声で秘め事強調されると雰囲気に飲まれてしまいそうになる。確かに壁一枚隔てた廊下はいつ同居人の2人が通っても可笑しくない 。その事を意識すればより羞恥を煽られ、物音一つ立ててはいけないようなそんな錯覚に陥る。そもそも今の状況も相手の行動のせいなのに意地が悪い。此方からも小声で反論するが止まってくれる兆しはない。それどころか更に距離を詰められ逃げられない程密着してしまっている。そのまま相手の顔がまた近づいてくる気配がすれば今度は声を出さないように慌てて口を噤む。 それなのに焦らすようにゆっくりと近づいてくる物だから変に意識してしまって上がった熱で可笑しくなってしまいそうだった。吐息と共に耳朶に柔らかいキス受ければ擽ったさに似た何かに堪えきれない甘さの混じる声が漏れ）

（／把握致しました。週末のことは承知しているのでお気になさらずに！ とても楽しく御相手させて頂いてますので気長にお待ちしております。）