三白眼(〆)

…………。
（朝食を取ったか聞いただけで心配してると思ったのか、お人好しそうだなぁと考えるとくすりと笑って。それにからかうのも楽しそうだと次に会うのを心待ちにしていて）

……んな事言われてもさ…無理なもんは無理なんだよ。
(愚痴を垂れているとスマホを見ているマチルダに「じゃあ違うとこ…事務とかに変えてもらったら？」と聞かれるものの首を振って答えると「あ！そろそろ次の健康確認時間じゃない？」マチルダのその一言で鞭に打たれた馬のように飛び跳ね、看守室を飛び出して)

俺はヴィンセントさんとやり取り出来て楽しいけど、ヴィンセントさん的に苦手なタイプだった？　やりにくいとか他の看守さんの方がいい？

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んー……新聞欲しいなぁ
（寝台に横になり、どうやったら相手は構ってくれるだろうかと考えればとりあえず世の中の動きを知りたくなって）

や…そうじゃねぇんだ。気ぃ使わせて悪い。

ーーーー
…囚人番号E79860！
(気合いを入れ直すように頬を張り、鞭を床に叩き付けて声を張り上げ)

問題ないなら良かった。何か問題があったり困ったことなんかがあれば相談してね？

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おっと、はーい。ねー、新聞欲しいんだけど新聞てもらえないですかー？
（ベッドから身体を起こすと微笑んでそんなことを尋ねて）

……新聞？……ほら。
(暫く沈黙した後先程まで看守室で読んでいたらしい新聞を鉄格子の隙間から投げ込んで)

お、ありがとでーす！
（新聞を受け取ると嬉しそうに広げようとして）

………。
(帽子を目深に被ると勝手にしろとでも言わんばかりにそっぽを向き)

ん、殺人事件か、怖いねぇ。なるほどなるほど、次は〇〇辺りで起こりそうな気がするなぁ……
（新聞を読み、目に留まったのはとある殺人事件で。新聞に書かれている被害者、状況などからそんなことを呟いて）

…………俺は戻る。何かあれば呼べ。
(一瞬だけちらりと目線を向けると有無を言わせぬ口調で告げ、鞭を床に叩き付けて踵を返し)

はーい。またね～
（相手の方を見るとひらひらと手を振って）

………
(看守室に戻るとまたソファーに突っ伏し、「やっぱ無理だって…マチルダ、頼む。」「え～…？良いけどさぁ、休みの日に何か奢ってよ？」「分かったよ…」嫌そうな表情をしながらもマチルダと呼ばれた看守は帽子を被って看守室を出て)

ーーーーー

は～い、囚人番号E79860くん。こんにちは～。
俺マチルダって言いま～す、よろしくね。
(ひょっこりと顔を覗かせたのはヴィンセントとは別人の、鞭ではなく警棒を腰に携帯したこれまたゆるそうな看守で)

どうもこんにちはー。僕はエーリッヒって言います。ヴィンセントさんはどうしたんすか？
（ベッドから身体を起こし、微笑むと相手に答えて。ヴィンセントもいるのかと見てみるも彼の姿は見えず）

それがね～、ヴィンセント無理なんだってさ～。
あのエラソーな態度続けるの。
(困ったように眉尻を下げて笑い)

そっかぁ。無理しなくていいのに。エラソーな態度じゃなくても気にしないのになぁ。あ、僕の態度が問題？　なめてると思われた？　僕の担当はマチルダさんに変わるんですか？
（えーと相手の言葉に苦笑いして）

ん～…いや？無理にでも引きずってくるよ～。
ヴィンセントはねぇ、ああ見えて怖がりだからさ。エラソーな態度じゃないとマトモに喋れないんだよ～。
(ゆるゆると首を振ると悪戯っぽく微笑み、哀れむような様子を見せて)

見てみたいんで楽しみにしてます
あー、怖がりだからこそつい威嚇しちゃうみたいな感じです？
（自分を睨むヴィンセントを思い出し、小さく笑うとそう尋ねて）

あはは、すっごい良いヤツなんだけどな～。
そうなんだよ～。あれさぁ、なんかビビってる野性動物みたいで毎回笑うんだけど。
(「あ！良いもの見せたげる。」と笑ったかと思うとスマホ画面を器用にスワイプしてアルバムを開き、一本の動画を再生すると鉄格子越しに画面を向けて。小さな液晶画面の中ではバーかどこかで撮ったらしい、ヴィンセントがグラスを煽りながら「……無理だって…囚人怖いんだよ……色々ヤバいのやらかしたヤツとかいるんだろ？」と普段の威圧的な態度とは打って変わった弱々しい声でぶつぶつ呟いている様子とマチルダと誰かの押し殺した笑い声が流れていて)

良い人そうだなぁとは思いました。こんだけふざけてもムチで叩かれることはなかったし
ふふ、僕は怖くないよってアピールしないと
え、なになに？
（良いものって何だろうと鉄格子に近づきスマホの画面を見つめて。動画を見ると弱弱しく呟いているヴィンセントの姿を見ると可愛いなぁと思って）

あはは、あいつの鞭とかほとんど飾りだしね～。下手したらあいつより俺の方が囚人叩くかも。
(楽しそうに笑うと「可愛いでしょ、ヴィンセント。あんな目線で人殺せそうな見た目してるくせに。」若干皮肉を交えたような口調で「あ！でもこれ隠し撮りだからあいつには秘密ね。バレたらスマホ割られちゃう。」と唇に人差し指を当てて)