だんじょinダンジョン／〆

どうやらここは罪人を閉じ込めておくための地下牢だったようですね…もしかしてジェライ様、牢屋に嫌な感情を抱くようなやましいことをしているのですか？
(ひとまずここが元々はどういった場所であるのか、見たまま感じたままに説明口調で告げて、相手の内心までは当然読めないため単純に地下牢という罪人へ酷い仕打ちをしてきたであろう場所であることを差し引いても現在はただの跡地であり何故この場所にそんなにも嫌悪感を抱いているのかが分からず、そんなことはないだろうとわかっていながらもまさかと問いかけて)

あー、まぁこの仕事やってて人に言えないようなことをしたことない訳じゃないが……それに関しては別に、暗黙の了解ってところだしな、気にしてねえけど。そうじゃなくて、何だろうな…覚えてないけど、ここで凄い嫌なことがあったような……
(犯罪行為に関しては詳しい言及は避けるものの、それに相応することを全くしていないと言えば嘘になるだろう。まぁ具体的に言えば生き延びるための死体漁りのような行為である。一人で潜る以上普通の冒険者よりダンジョン内でそういった危機に瀕することは多く、そういったことで命を拾ったことも何度かあったのは事実で。それとは別にこの場所へは嫌悪感を抱いていることを告げて。しかしこのままではダンジョンを出られない。ダンジョン脱出の魔法は基本屋外で使うものであり、ワープスイッチ等を踏むなどをしない以上屋内では脱出手段がない以上外に出なければならず、地下牢内を進みだして)
まぁあと嫌な理由としてはこういうとこでは得てしてゴースト系の敵が出るんだよな……
(地下牢のような怨念渦巻く場所は、時が経てば経つほど物理攻撃のとおらないゴースト系の敵が増えるもので、出会わないことを祈りつつ先へ先へと進んでいって)

それはまた奇妙な話しですね、このような場所であれば一度でも来れば忘れなさそうなものですが…ジェライ様の言っていた約束というものに何か関係でもあるのでしょうか？
(自分の知っている限りではそもそも竜の墓場方面へ立ち入ってしかもこの地下を発見した冒険者はいない筈で、だとすれば過去にここが地下牢として使用されていた時代の話しだろうかと考えそうになるが、相手が生身の人間である以上は寿命等の問題でそれはあり得ないという結論に至り、だとすれば最後は一つの可能性、彼が言っていたダンジョンの奥で会おうと何者かと交わした約束が関係しているのではないかというこれまた荒唐無稽な話ではあるのだが、何かあるとすればそれだろうと推測をしつつ先へと進み)
ゴーストですか、確かに厄介ですね。ジェライ様、どんなに怖くても逃げ出さないでくださいね？
(ゴースト系の敵を嫌がる相手の反応から、物理攻撃が通らないなどという理由ではなく霊的なものを恐れているのではないかとそんな風に考えては念を押すように口にしては首を傾げて)

不思議な感覚としてはそれに近しいもんがある。けどその約束はもっとこう、温かみがある記憶というか…それに比べると此処への既視感は凄く不愉快で、嫌な感じなんだよな。まぁ上手くいえないが…
(言葉に表すのは難しい感覚であったが、しっかりと感じているものでもあって。ただその感覚はリシディアの近くに寄れば寄るほど何となく薄らいでいくようなものでもあり……単純に自分は怯えているのだろうか、なんて思っていて)
は、はぁ?？だ、誰がそんなもんにビビったりなんか。怖くなんてねーっつーの
(怯えているの核心がまさにそのゴースト系の敵に対する感情であった。この男、強がっているがさっきから足は震えており、普段よりも進む一歩の長さが異常に短いのである。そして突然目の前に現れたゴースト系の敵、バァっと此方を驚かすように壁を通り抜けて出てきてしまったものだから)
ひゅぃっ！？う、うわああ出たあ！！？
(先程まで落下の時に庇ったりなんだりと、男らしいことをしていたくせに。一転して目を瞑りリシディアの背後に隠れ、その肩を掴みゴーストの前に突き出して←←)

つまり不安なのですねジェライ様は……あらあらー
(漠然としている彼の言葉とゴースト系の魔物に関する話題での反応にきっとこの場所が怖くて不安なのだろうと一方的にそう結論づけて、前を見やると噂をすれば壁をすり抜けてゴースト系の魔物が目の前に現れるところで、それを見た彼に前に思いっきり突き出されるもこちらは余裕そうな様子で)
ジェライ様、これは冒険者を驚かすことしか出来ない戦闘能力を持たない下級のゴーストですよ？なにもそこまで怯える必要はありません
(恐らく壁をすり抜けて出てきたのを見た時点で反射的に自分を押し出したのだろうが、ちゃんと確認をすればそれが下級の魔物であることはわかりそうなもので、それが出来ないほど怯えているのだなとくすくす笑いつつ、余裕の笑みをゴーストへと向けていると驚きも怯えもしないこちらに戦意を喪失して逃げ去っていき)

え？
(そう言われて顔を上げるとゴーストがピューッと逃げ去っているところで)
い、いやコレはだな、ゴースト系の敵だと俺はどうしようも出来ないからリシディアに任せようっていう、そういう考えであって！決してゴースト系の敵が怖いとかそんなんじゃ…
(苦しい言い訳である←。身振り手振りで慌てながら弁明するも当然先程の行動に言い訳する余地など無く、寧ろ自分の情けなさを更に助長しているだけで。哀れなものである)

そうでしたか、では多分さっきの悲鳴なんかもきっと聞き違いですね
(わかりやすすぎる反応からして見るからに今のが嘘だとわかるが、敢えてそれについての言及はしないでおきつつも先程の情け無い声は実際は耳に届いているが聞こえなかったことにしておくなんて意地悪な言い回しをしてみて)
それでは次にゴースト系の敵が現れたら私が実体を持たない相手への物理攻撃を有効にする補助をかけますので引き続きジェライ様には前衛をお願いしますね？
(もっとしつこく追及して相手にゴースト系の魔物が怖いとあっさり認めさせてもいいのだが、ここは強がる彼の逃げ道を少しずつ塞いで更に追い込む方が面白いと思い、ゴースト系の魔物相手に物理攻撃が当たらない点はこちらの補助魔法で補って引き続き今のスタイルで探索をしようと申し出て)

……はい？
(前衛、前、つまり会敵時は常に自分がまっさきに顔を合せることになる……その後、地下牢内に男の情けない叫び声が何度も響き渡ることになるとは、この時誰も予想出来、た。ただ攻撃自体はゴースト側も、物理攻撃には全くの無警戒なためか案外振り回してるだけでもバシバシ当たり。情けない叫び声とほぼ常時混乱状態な割には快進撃を続けていて。なおＳＡＮ値はガンガン削られていってる模様)
これはキツイ……っていうかこれホントに出口に向かって進めてんのか？なんかどんどん奥に進んでいってるような気がするんだが……
(そして休憩に立ち止まる。完全に疲れ切った表情で水分を取りながら、現状この地下牢から抜け出そうとしている訳だが一向にその兆しが見えないことを気にして)

私もわかりません、何しろこのようなことは初めてですから…と、少々お待ちください…あちらから何か物音が、ちょっと行ってみましょう
(自分も把握しきれていない地下の構造、出口はどこにあるのか検討もつかずとりあえずこちらからは何も言わずに相手の後について行動を続けていて、それから少しの間休憩をしていると通路の奥の方から何やら物音が聞こえてくればそちらへと行ってみようと提案をすれば歩き出そうとして)

あ、おい待てって…ったく、よくこの場所で聞こえる物音を確認しに行こうと思えるな……
(普通なら警戒して近づかないもんじゃないのか、とビビリ丸出しにしつつも、ここで一人置いていかれる方が余程怖くて←。文句を言いつつ素直に相手の後ろを付いていって)
ここは…ウッ、拷問室みたいだな……
(入った部屋はどうやら拷問室のようで、昔に使われていたであろうものが、錆びついてはいるもののそのまま残っていて。しかもそれらは人体に適した形に作られており、恐らくここは人間に対して拷問が行われていた場所であることが想像されて)
それに、どうやら拷問だけじゃなくて呪いも此処で行われてたみたいだな……
(そしてその一角には儀式用の祭壇が置かれていて。禍々しい紋様が施されたそれはどう見ても対象に呪いを施す儀式のためのもので)

まあっ、これは凄いですね、ファラリスの雄牛にアイアンメイデン、それにこっちにあるのは苦悩の梨でしょうか？他にも文献でしか見たことのないものが沢山ありますね。せっかくですからどれか挑戦してみます？
(拷問のために用意された部屋、そのことを示すように室内には様々な拷問器具が置かれていて、いずれも実物を見るのは初めてなそれらにワクワクしている様子で、そして彼の方を見れば不穏な笑みを浮かべながら何がせっかくだからなのか不明だが、平然と体験してみないかと無茶振りをして)
呪いの方は専門外なので私にもわかりませんが…なんだか嫌な感じですね、少なくとも拷問時に対象の感度を3000倍するとかそのような類のものなどではなさそうです
(呪いに関してはこちらも内容までは理解できず、そして不思議と嫌悪感を感じるようで、そんな冗談を交えながらも祭壇を軽く睨み付けるように見ていて)

お前拷問器具を目の前にした女子が絶対やっちゃいけねえ顔してるぞ……いやしてみねーよ！？殺す気か！
(彼女の様子に相変わらずだなと思いつつもやはりドン引きを隠せず。体験拷問の提案には激しく否定の意を示して←)
まずその発想が出てくるところがスゲーよお前は……というか意外だな、お前のことだから寧ろ呪いとか大好きそうに思ったのに……
(呪いの祭壇は見ているとなぜだか心が苦しくなってくるもので。視線を逸し、気を紛らわせるように同じく軽口を叩いて)

人をイメージとか見かけで判断するというのはあまり感心しませんよ？呪いというのは能力ある者が扱えばかけた者の運命を半ば決定してしまうものです、自分の思い通りになるだけのものに興味はないのです
(それは即ち呪いを扱おうと思えばいくらでも扱えることを意味しており、その上で自身の興味を惹かないものであることから触れてこなかったのだと語り、そしてそれは裏を返せば選択権は与えた上で相手が理不尽にどのように抗うのかを見たいなどという中々に腹黒い思考をしている事になるのだが勿論そんなことなど気にしていない様子で)
……あら、すみません捕まってしまいました
(そんな話しをしていると不意に音もなく伸びてきた白い糸が己の身体を絡めとり、その糸の先には先程聞こえた物音の正体であろう巨大な蜘蛛の下半身に女性の上半身の生えたアラクネがおり、アラクネにより身体の身動きを一切封じられてしまったというのにやはり危機感のない声で謝罪を口にして)

……お前のそういう不思議なものの考え方は嫌いじゃないけど。イメージとか見かけだけで判断されたくないのなら普段の言動をだな──っておい！？
(振り返ると何故か彼女は浮いていた。そしてその上、天井にはアラクネが張り付いており、更に糸を硬化させて大きな針のようにしたものを此方へ向かって射出してきて)
クッ…なるほど、この中層の情報が少ないのは表のドラゴンだけじゃなく、迷い込んだこの場所でアラクネに喰われてるからか……おい！大丈夫かリシディア！？安心しろよ、すぐ助けてやるからな……！
(なんとか糸による攻撃はかわし、すぐさま剣を引き抜いて構える。敵がゴーストでないためか、先程までの情けない様子はまるで無く、勇敢にアラクネへ向かって斬りかかって)
あ、やっべ
(しかしさっきまでリシディアの強化により戦っていたため忘れていたが、基本的に自分の攻撃一撃ではこんな強敵は倒せない。大振りの攻撃は当たりはするものの倒せるほどではなく、完全に隙きを晒したのを見つかってはブシュッと吐き出される粘着質の糸に自分も捕まり、同じように吊るされてしまって←←「わり、俺も捕まっちまった」一緒に仲良く二人で顔を見合わせてぶら下がっていて。もう笑いしかない)

いよいよ困ったことになってしまいました…これは下手な拷問器具よりもスリリングな状況ですね
(困ったと口にするその口調はその言葉とは裏腹に他人事のような響きを孕んでいて、糸でぐるぐる巻きの相手の姿を見てクスクスと笑うと視線をアラクネが入っていった天井に大きく空いた穴の方へと動かして)
……ジェライ様、見えますか？あの巣穴ですがさっきまで私たちがいた中層へ繋がっているのではないでしょうか？このアラクネは中層でも目撃されたという報告があります、恐らくあの縦穴を使って行き来しているのではないでしょうか
(自分たちを捕獲し、すぐに食事をするかと思えば自分たちを糸で捕まえたままほったらかして穴へと入っていったアラクネに多少の猶予を与えられる形になれば冷静にあの縦穴からならこの地下から脱出出来るのではないかと話して)

お前よくこの状況で冷静で居られるよな…いやまぁ俺もだけどよ。なんか、もう死ぬって分かっちまうとどうでも良くなってくんだな…
(一方のジェライは冷静というかただ単に諦観しているだけの様子で。ここまま死ぬんだろうなとぼんやり考えていて)
へー、そーなんだ。でも俺達糸でグルグル巻だから動けないからなぁ。どーしよーもないなー
(それはさながら拗ねた子供のように。猶予があって逃げ出す算段が経ったとしてもまるで興味も無さそうにうっとうしい返事を返していて←)

そうですか…ちなみに知っていますか？アラクネの糸は弱い酸を帯びていて獲物の身体をジワジワと溶かしていくんです、そして柔らかくなった肉を少しずつ削ぎ取るようにして生きたまま貪るそうですよ？きっととても痛くて苦しいんでしょうね
(諦観というよりは開き直りのように見える相手の様子に小さくため息をつき、それからアラクネの生態について話して聞かせれば彼が思っているほど楽には＊＊ないだろうと脅すように口にして、その証拠に肌がピリピリするような感覚を今頃彼も覚えていることだろうと真っ直ぐに見据え)
ジェライ様、無謀はこれまで一人で戦い続けて慣れているはずですよ。何か突破口はないか探してみませんか？
(これまでだって彼はいくつもの死線を乗り越えてきたはずで、ここで黙して死を待つだけというのは不本意ではないかと焚き付けて)

……ゑ？うわ、なんか言われてみるとちょっと体がチクチク痛くなって着てるような……
(糸からの酸が装備をつけていない場所からジワジワと体を蝕んでいるようで、相手の話と合わせてその死に様を想像すれば流石に焦りだして)
し、しかしそうは言ってもだな…縛られてる以上ほとんど自由は効かないし、荷物だって……あ、アレは……
(ふと目に入ったのはギロチン台、普通なら年数経過により刃は錆びていて吊るす糸も腐っているだろうが、竜族驚異の技術力か、それともこのダンジョンの特異性か、流石に古くはなっているものの今もまだ使えそうな状態で刃が吊るされたままそこに残っていて)
……アレを落として上手い具合に糸だけを切るって出来ないか？
(かなり絶妙な位置調整が必要になるが、この糸はそれくらいの威力で切断しないと切れそうになく。現状この場での選択肢は他に無いように思えて)

なるほど中々大胆な提案ですね、下手をすれば身体が真っ二つになる危険な賭けですが試してみる価値はありそうです
(こちらが危機感を煽ったのが功を奏したようで彼なりにこの状況を打破する手段を考え、その末に出した答えはリスクは当然あるが着眼点自体は良く機転の効いたものであったことから肯定的な言葉を返し)
後はどのようにあのギロチンを動かすかですが…ジェライ様、その状態で身体を揺らすことは出来そうですか？
(とはいえ、身動きのとれない状態でどうすればあのギロチンの刃を落とせるかということに話しを切り替え、それから何か考えがある様子で身体を振り子のように揺らすことは出来そうかを問いかけ)

ん…ああ、なんとかそれくらいはな……
(縛られたままなんとか足をバタつかせて、それを繰り返していくうちに少しずつ体が揺れ始めて勢いもつくようになって)