302号室 ／ 〆

　俺の言葉？お互いが弱点なんて面白いね。一度は見てみたいかなァ…なんて、求めてくれるなら本望だよ。士郎に倒れられた困るの俺だし、でも時々はさ二人で外食するのもいいんじゃないか？──それってさ…世話するから？はい…どうぞ。士郎の身体に効くといいんだけど。 (　転がる相手を想像し笑み零せば ／ 相手の目の前にカップを置き自身も椅子に座れば　)

そうそう、それにお前には特別甘いからね士郎さんは。謙虚……陽人って我儘とか言わねえよね。ほお、いいじゃん、外食行こうぜ。どうせなら普段目にしない小洒落た飯食べてさ、序に良い所予約して泊まんの。──世話を焼けるから陽人を必要としてるのかって聞きてえの？だとしたら違うよ。効くよ、愛情と蜂蜜をたっぷり淹れてくれたんでしょ。いただきます（　落ち着いた声音で問い掛け ／ 目尻を緩ませ微笑めばカップ手に取り　）

　そう言う所が弱いんだよなァ…士郎の甘い語録でも作れそう。…一緒に寝たいとか眼鏡掛けてとか我儘な気がするけど。行きたい、夜景が綺麗なレストランとか？泊まるなら今は紅葉が見頃だし冬は温泉で温まるのもいいな。──うん、同居人の取り柄ってそれくらいかと思って…。疲れが取れるように念じておいた、冷めない内にどうぞ。 (　頷けば目を伏せ存在の意味を自分なりに伝え ／ 手を温めながら飲み　)

え、なあに。俺そんなに甘言ばっかり零してる？あんなの俺の中じゃ我儘の内に入んねえよ。可愛い事言ってんなあ、と密かに思いはするけど。紅葉…温泉か、季節的に旅館ってのもすげえ良い案じゃん。流石陽人さん。──俺の生活能力が無いから助かってる面は大きいけど、それ以上に陽人自身が傍に居てくれるのが俺にとっちゃあ幸せな事この上ねえの。ここだけの話、本当はもう少し距離も縮めたいとまで思っちゃってんのよ、士郎さんは。有難いおまじないまでどうも。ン…、甘さが丁度良い。これは確かに疲労回復しちゃうな（　優しげな柔い声音で本心を告げ ／ 蜂蜜の甘みに疲労感じわりと解され　）

　もう、無自覚だなァ…零しまくってるよ。大の大人が言ってるんだよ、士郎は懐が広いから。ありがと、調べてみるよ。──そんな風に思ってくれてたんだ…世話焼きってある意味お節介だしウザく思われても仕方ないって思ってたけど士郎はさ毎日、感謝してくれて美味しいって言ってくれた。本当にありがと。距離を縮める？料理に目覚めた？…疲労回復した所で眠気も来てるんじゃない？寝てくれて大丈夫だから。 (　擽ったい感覚に笑み零れ ／ 相手の方を見れば手を伸ばし頭撫で　)

きっと口許が弛んでるんだわ。やだね～、軽い男に思われちゃう。ウザったく思った事ねえなあ。一応バランス取れてんじゃねえのかな、俺達。まあ…焼きっぱなしは陽人も疲れるだろうし、適度に甘えてよ。そうしてくれりゃ俺も嬉しいからさ。一応蹴りつつ返信はしたけど、これ自体も蹴って構わねえよ。ベッドでリラックスしながら話すのは次回に持ち越しても良いしね。おやすみ、陽人（　最後に頭わしゃりと撫で ／ 自室に足先向け　）

　ゴメン、俺もちょっと限界だから蹴らせてもらうな…。布団トークは気が向いたらでいいよ。甘えたい時は素直に甘えるな、今夜もありがと。おやすみ。 (　名残惜しそうに背中見つめ ／ 就寝の為、自身も自室へと向かい　)

取り敢えず、部屋温めて今夜も待ってる。…あー、寒ィ（　帰宅早々、脇目も振らず空調の電源付け ／ ソファーに腰掛ければネクタイ緩め　）

　ただいまー…。部屋が暖かい、士郎さんは気が利くね。 (　リビングへ入れば暖かな空気に身も解れ ／ 何冊か買ってきた本をテーブルに置けば上着を脱ぎ　)

おかえり。士郎さんは優秀な男だからね、まあ自称だけど。本屋にでも立ち寄って来たの？（　既に部屋着に着替えソファーに落ち着いた姿で隻手振り ／ 相手の挙動見守りながら浮かんだ疑問そのままに訊ね　）

　自称なんかじゃないよ、優秀過ぎて惚れちゃう。うん、旅行用の本。何処がいいかなァ…って、士郎も見てよ。 (　相手の行動を称えては ／ 本を持ち相手に渡し　)

ッはは、男見る目無えなあ。旅行…──って昨晩話してた関連の？（　想定外の行動力に瞬かせ ／ 受け取った本捲り　）

　えー…俺の目に狂いは無いと思うけど。そう、紅葉とか温泉とか…色々と載ってたから。良い所ある？ (　隣に座り本を覗き込めば　)

どうだか。俺の方があるよ、きっと。…士郎さん今お前の行動力に吃驚してる。近々行くのなら紅葉を眺めながら浸かれる温泉とかありゃ良いんだけどー…、これ結構載ってんね。かなり悩みそう（　一頁捲る毎に美々たる風景に感嘆覚え　）

　士郎さんは負けず嫌いだ。ゴメン、行動するの早すぎた…？それが良い。確かに、写真が綺麗で迷うなァ…他に決め手があるのは料理とか？ここの旅館のとか美味しそう。 (　不安げな声色で訊ね ／ 写真や内容を目で追いつつ目に留まった場所を指差して　)

いいや。陽人は確りしてるな、って惚れ直した。確かに此処いいね、豪華だし美味そう。ンー…あ、部屋毎に露天風呂も付いてるって（　目配せし安心させるよう朗らかに笑み ／ 紹介文に目を通し少々弾んだ口調で同調し　）

　良かったァ…惚れ直す要素あった？せっかく行くんだし少し奮発してさ、露天風呂付きって貸し切りって事？それなら、ゆっくり浸かれるし写真も撮れる。ここにしようか？ (　安堵するも言葉に疑問抱き ／ 同じく声を弾ませ瞳を見つめ確認し　)

　ただいま。昨日の宿、予約しちゃっていいものか…。 (　帰宅しては珈琲を淹れソファに座り ／ テーブルに置いてある旅館雑誌を捲り悩み　)

　ふぅ…さっぱりした。寒い日は風呂でゆっくりするのもいいな。今日は帰ってくるかな…。 (　風呂に入り寝間着でリビングへ向かえばソファに座り独り呟き　)

　うーん…。元気で過ごしてれば問題無いんだけど、何かあったのかな？心配だから一言くらいはくれたらいいんだけど。ハロウィンも終っちゃったし、ケーキも一緒に食べたかった…旅行も行きたかったなァ。