アルバート 2020-10-07 14:22:52 |
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(/レスが遅れて申し訳ありません。
私情で申し訳ないのですがリアルの方が忙しく、月曜日にお返事致します。これからも週末は返信が不確実になってしまうのですが、平日にはいつも通りの頻度で返事ができると思います。
いつも本当に楽しませていただいて、暇さえあればトピックを覗いてページの更新を連打する毎日です。
本当に毎回素敵なレスをいただくので、こちらも未熟ではありますができるだけクオリティを保って返信をしたくお時間を頂けると幸いです、よろしければ今後もお付き合いお願いいたします。)
(/ペースに関して了解です!クオリティに関してはいつもいつも感心するばかりで、寧ろこちらの方が果たしてそれに合わせられているのか度々不安で、朝も起きれません←
こちらこそコレからもお相手をお願いしたく思っております!週一ペースでも満足なくらいですからお気になさらず、また返事をくださると嬉しいです!)
えっ!?あ、その……あんまりない、わね。
その、アルバートも……女の子は料理できたほうがいいと思う?家庭的な子がタイプとか……?
(父の帰りと夕飯の出来上がるのを待つ間、皿を並べつつ談笑中していると気持ちも少しは宥められるようで、夕飯を共にできることも相まって表情を緩ませていたが、アルバートの質問に明らかに顔色を変えて固まり、急に静かになったダイニングにキッチンから母が面白そうに吹き出す声が漏れ聞こえてきた。取り落としかけていた皿をキャッチしてなんとかテーブルに置くと、恐る恐る顔を上げながら蚊の鳴くような声で上記。というのも、子供の頃から訓練や仕事で家にいる時間がかなり少ないということを差し引いても、アイリスは掃除以外の家事がお世辞にも得意とは言えない。料理に至っては不得意を通り越し壊滅的な腕前であることを自覚しており、この家でアイリスが料理に関わることを許されているのは皿を並べるまでという体たらくだったりする。基本的に真面目で働き者なアイリスが、母に夕飯の準備をさせて自分はアルバートとお喋りしながら待っているだけという状況が生まれている理由はこれである。決して最初から怠っていた訳ではなく自分なりに努力もしてみたが、料理をすれば消し炭か生焼けの山と、裁縫をすれば針で刺した自分の血で染まった布たちに心が折れた。そのため彼がライバルではなく自分自身に興味を持ってくれている珍しい事態に気づかず、俯いて大きな目で上目づかいにアルバートを覗き込む顔からは普段の凛々しい表情が消え失せ、元の童顔気味な顔立ちも相まって怒られるのに怯える子供のような印象で。)
(/勿体ないお言葉ありがとうございます、毎回こちらの意図を組んでいただいた上でさらに面白いお返事をいただけて、こちらこそ釣り合っているか不安で夜しか眠れないほどです←
そう言っていただけて安心しましたが、週末以外は1日以上返信出来ないことがあればまた連絡するように致します。本当にリアルの方が週末にかけて忙しいだけで、飽きたとかそういうことでは全くないのでこれまで通りよろしくお願いいたします。)
ッ……!い、いやぁ?別にそんな事はねえよ……?
(上目遣いッ…今までは身長差が無かったためアイリスのそういった表情を見ることは叶わなかった。しかし今、成長し少しばかりの身長差が生まれ、更にアイリスが俯いて此方を覗き込むような形になっているためそれが実現している。また、心なしか瞳が潤んでいるように見え、その上今の表情は凛々しさが消え、あどけなさだけが残っており、それがアイリスの可愛さを引き立たせているという大きな魅力の+α。それらはこれまでなら気に留めなかったことだが、今はアイリスに対して無意識ながらも心が強く惹かれている状況、必然意識はそういった今際立っている彼女の魅力に気付きアルバートの鼓動を早くさせて、顔を赤くする。思わず、「いや」という返答の声が上擦り妙に高くなってしまう。それ以上顔を見ていると心がどうにかなってしまいそうで慌てて顔をふいっと横に逸して)
俺は……何でも良いからさ、好きなこととかやりたいことを頑張ってる子が好き、かな……だ、だから……
(顔を横にし少し落ち着いてからアイリスの質問について考える。女の子の好きなタイプ…そう言われ頭に浮かんだのは勿論アイリスだった。それは当然一番知ってて一番好きなトモダチだから…うん、そう、トモダチ……何か別のことが頭に浮かびそうになるが、それを考えない様にしてとにかくアイリスの質問に答えることだけを考える。アイリスのどういうところがトモダチとして好きなのか…間違いなく言えるのは、頑張っている所。自分のために、誰かのために、俺のために、頑張ってくれている、優しいアイリスが好きだ。一先ずそれを伝える。だから俺も一番アイリスのことを守りたい…アレ、この好きは本当にトモダチなのか?いや、えっと、えーっと……
「ただいま、今戻ったぞ!お?アルバートも来ていたのか……どうした二人共、そんなに顔を真っ赤にして、まるでお見合いでも……さて、晩御飯の前に風呂にでも入ってくるかな!」
──アルバートがあたふたと続きを頭の中で考えていると。それを遮るような親方の声が家に響く。そしてプシューとショートするアルバートの脳みそ。もともと良く出来ていないため現状と、アイリスへの気持ちとがまぜこぜになって答えを探して居たところに親方が来たため、そうなってしまった。そんな二人の邪魔をしたという自覚のない親方は、更に無自覚な発言をしようとしたところ、妻の殺気に気付いたのか逃げるように風呂場へと向かっていったのだった←)
(/それは良かったです、そしてお互いに健康で何よりです!←
了解です。いつも丁寧な対応をしてくださり本当にありがとうございます。ただ無理はなさらないでくださいね。もし長期間空く場合でも此方はずっと待っていますので、遠慮せず仰ってくださいね。こちらこそ、これからもよろしくお願いします!)
そう……勘違いしないでよね。私じゃなくて……アンタのファンに聞かれたの。
(アルバートの様子がおかしい、どんな時も考えたことをそのまま口にしてるかのように澱みなく話す彼が何か考えこんでいるような……私がすぐ怒るから?本当は家庭的な子が好きだけどそんなことを言ったら殴られるとか考えているのかも、と長年片思いを拗らせた思考は、彼が自分を好きになるという可能性に行きつかず、的外れな方向へ走っていく。トドメにふい、と顔を逸らされて、それだけでもかなりショックだったが、よく見えるようになった頬が耳がうっすら赤くなっていて、質問に答える口ぶりもどこか具体的で、きっと彼には好きな人がいて、その人のことを思い浮かべて話しているのだ。ガサツで満足に料理もできない自分とは違って家庭的で、頑張っている子……苦手な家事から逃げている自分とは正反対じゃないか。魂が抜けそうになる口を抑えていると呼吸が苦しくて顔が赤くなる、そこに空気を読まない父が帰ってきて呼吸を思い出したが、普段からデリカシーがないが輪にかけて最悪のタイミングの発言に更にテンションが下がり、低い声で上記を。言い回しこそ普段の照れ隠しだが、その冷たい声音は本当にアルバートに興味が無いかのようで。)
あ、母さん。私運ぶよ。
(このまま顔を合わせていると泣いてしまいそうで、アルバートをダイニングに残してキッチンへ向かうとちょうど料理が出来上がったところだった。彼に好きな人ができたのなら今更手遅れだが、家庭的で頑張ってる子が好きと知って未練がましく、盛り付けを申し出る。ポトフの鍋を持って慣れない手つきで4人分の皿によそっていると父が風呂から戻ってきた。そしてアイリスを見ると悪戯っぽい笑みを浮かべて「おお珍しいな。アルバートの前だからって格好つけて。」の珍し、まで言ったところで母に耳を掴まれて他の部屋に消えていった。さて、この家の純粋な腕力の強さの順こそ父、娘、母だが、家庭内の序列はその全く逆である。一日仕事をして腹を空かせて帰ってくると妻に殺気で風呂場に追いやられ、戻ってくれば問答無用で耳を引っ張られみっちり叱られ、散々な目にあった大黒柱がギルドでの様子からは想像がつかない程しおしおにしぼんで夕食の席に着いたのはしばらくしてからだった。「アルバートくんを待たせるから。」という理由でそれでも早めに解放されて、あまり均等とは言えない盛り付けのポトフを囲んで4人で食事を始めれば、2人が切り出す前にアルバートに向かって口を開いて。「それで、完治はいつ頃だ?渓谷に行くんだろう?」)
(はい、よろしくお願いします!)
へ?ああ、ファンね…ファン……
(アルバートにおいても、自分がアイリスに特別な感情を抱いているという自覚は少なからずあるものの、アイリスが自分に対しそれが有るとは思っておらず。お互いがお互い、自分の感情への自覚は大なり小なりある癖に、相手からの感情には全くの無自覚という有様。まぁアルバートに関してはこれまでの無自覚鈍感唐変木の積み重ねでアイリスにそう思わせてしまったのであるから、仕方ないこと。流石にアイリスのまるでこちらに興味のないような発言にはガクッと肩を落とし、落ち込んでいる様子だが、それも元はと言えばアルバートの無自覚さがアイリスにもうつったようなもの、当然自業自得である事に気付いてはいないが)
うん、あと2週間くらい。けど別に今も動けない訳じゃないし、出来るなら今すぐにでも行きたいんだけどな……アイリスにも待ってもらってるし
(親方の扱いについては昔から度々見かけることもあってか、あまり深く突っ込まないことにしている。きっとアレも愛の形なんだろうとか何とか思いながら微笑ましく眺めて。食事が始まりやってきた質問に対しては、先程の痛みのことはもう忘れたのか気ばかり急く様子で歯がゆそうに応える。「あ、そう言えば渓谷で見つかったっていう失踪者の話聞きたいんだけど…」)
嘘、今日みたいに動けなくなったら今度こそ死ぬわよ。
(やたら人参ばかりの皿をスプーンでかき混ぜながら、歯がゆそうに答えるアルバートに釘を刺す。2人の言葉に「今日何かあったのか?」と首を傾げた親方に掻い摘んで説明し、そういえばデートだったんだよなと舞い上がっていた今朝のことを思い出せば、まずいことに気がついて。アルバートに好きな人がいるなら自分とデートしたことをその人に勘違いされたらアルバートが困る、どうせ彼は今日の外出を一瞬でもデートだなんて考えもしなかったのだろうとため息をつくと、あとで必ずデートを否定しておかなくてはと心に決める。一瞬黙っていれば彼が失恋しチャンスが巡ってくるかもと卑怯な考えが頭をよぎったが、頭を振って邪念を振り払うと失踪者の話に集中して。)
本当に間違ってなかったんですね……
(しかし親方の話は報告書以上のものは特に何も無かった。というのも、本隊も急に現れた魔法使いに問答無用で襲いかかられて、何とか拿捕するも意識を失い、それ以降目を覚まさないのだから情報も何も無い。むしろ失踪者のうちの一人だと判明できただけすごい、本隊レベルになるには戦闘だけでなく調査能力もまだまだ及ばないと身がひきしまる思いだ。最後まで話し終えた親方が少し逡巡してから口を開く。「報告書にできるようなことじゃあねえ、根拠もねえ俺の勘だが。」そう前置きすると以下のことを語り出して。その魔法使いは意思を感じられず、知能の低い獣のようにただ暴れているような印象を受けたということ。意識を失ったのも、試験のアイリスと違って気が抜けた瞬間などではなく、体力と魔力の限界で倒れるその瞬間まで高火力のまま暴れ回っていたという。そんなことが生物に可能なのだろうか。またあんな場所にいたにも関わらず、着の身着のままで何も持っていなかった。まるで置き去りにされたかどこかから逃げ出したか……あの危険な地域でそんなことが可能だとは信じ難いが。そこまで聞いて『北の渓谷』『不自然な凶暴性』というワードにいつかのモンスターが思い出されたが、これ以上は現時点では判断しかねて口に出すことは無かった。それから話題はこの件のことや、全く関係ない笑い話を行き来しながら美味しい夕食の時間は進む。渓谷へ行く日取りも完治してから、2週間後だとアルバートは親方からも軽く叱られたりして、そろそろ先程のデートの否定も兼ねて、いつかのようにアルバートを訓練にでも誘ってみようかと考え始めた頃で。)
とにかくまた北の渓谷に行ってみればなにか分かるかもしれないな…うー、待ちきれねーな……
(今日久しぶりに体を動かしてしまったせいか、アルバートの心に火がついてしまったようで。落ち着いて自身の力量や話の奥深くまで考えるアイリスとは対照的に、あまり落ち着きのない様子を見せていて。それを見た親方からは呆れながら「全く、お前はもう少し落ち着きを──」と叱りを受ける。勿論それは軽いものであり寧ろ食卓の雰囲気を盛り上げるような明るいもので。先程までの暗い様子もどこかへ消え、アルバートもアイリスも一見いつもどおりに戻れたようになって。それを感じてか、今ならとアルバートもアイリスを訓練に誘おうと思っていると先にアイリスから声をかけてきてくれて)
え、訓練?それ俺も丁度言おうと思っててさ!それに強くなったアイリスとまだやれてないもんなー…治ったらすぐ!すぐな!約束だぞ!……う、ハーイ
(興奮冷めやらぬといった様子でアイリスの提案に勢いよく乗っかるアルバート。その様子に再び親方から「落ち着き」という一言を貰ってはギクッとなったように乗り出した身を戻し椅子に座って少し縮こまっていて)
うん、約束ね。さっさと治しなさいよ。
(結局結論は1か月前の"渓谷へ行ってみる"というところへ逆戻りしてしまい、それでもとりあえずアルバートが完治次第いつでも行けるだけの実力と立場は得られた。地味だが確実な1歩に気持ちがはやるのはアイリスも同じで。叱られてもなお落ち着きのないアルバートに苦笑するも、自分もいい加減じっとしているのが辛くなってきた頃。訓練の約束には私的な感情はなく素直に楽しみに思って頷いて。)
さ、今日は遅いし送ってくわ。
(我が家の団欒にアルバートがいるのが珍しくなくなって長いが、そのためつい時間を忘れて話し込んでしまう。食後のお茶も終えて時計を見ればかなりいい時間になってしまっていて。普段であればこのまま解散となるところだが、ギルドの付近の治安も良くないと昼間に実感したばかりで負傷中のアルバートを1人で歩かせるのは気が引け、椅子を引くと立ち上がって上記。デートの件も早めに解決しておきたかった。)
え…いやでも、俺を送ったらアイリスは一人で帰ることになるじゃんか。だから良いよ、それに女の子が一人で夜歩いてる方が危ないだろ?
(治安が良くないことをアルバートも昼間知ったため、それを踏まえてのアイリスの気遣いだろうと思っていて。しかしそれは自分だけじゃなく彼女にも言えること。寧ろ魔法を使う彼女のほうが危険という可能性もある。あとそもそも女の子だし…という最もらしい考えもあって、アイリスの申し出は断って)
今日はスゲー楽しかったよ、久しぶりにアイリスと遊べてさ。俺、アイリス以外の女の子とは遊んだりしないから、ああいうのあんま知らなかったんだよな。まぁ今日はちょっと途中で邪魔入ったけど…また誘ってくれよ。
あ、勿論あそこに行きたいってだけじゃなくて……最近さ。俺、アイリスと一緒に居るとドキドキするっつーか……なんか、前以上に一緒に居られると嬉しくなってくるんだよな。だから、良かったらまた一緒に行こうぜ。あ、でも今度は割り勘な!
(そして別れ際、今日のお礼と楽しかった旨、そして最近自分がアイリスに対して抱いている十中八九恋的なアレの気持ちを彼女に伝える。勿論これは当人にとって告白のつもりではなく、ただ自分の素直な気持ちを理解しないままに伝えているという、果てしない鈍感さ故の発言である←。図らずもアイリスの悩みを解決する(?)言葉を残して、ポカンとするアイリスと、やたら暖かい視線を送ってくる親方とおばさんに手を振りながら、言いたいことを言えてスッキリしたアルバートは自宅へと帰っていくのだった)
ウ、ウン。ワタシモ、マタネ……
(今までも何度か送っていこうかと尋ね断られたこともあり、断られたまでは「そう?気をつけてね。」と流暢に返事をすることが出来ていた。だがその理由に「女の子」が付けられたのは初めてで、嬉し恥ずかし階段までの手足が既に左右同時に出ている。更にもはや告白に近い言葉に真っ赤になると、あまりのことに言葉を失って何とか絞り出すように状況。先程からのもやは吹きとんだが、破壊力が大きすぎるわ。アルバート君そういうところだぞ。彼が帰ってからもしばらく真っ赤なまま微動だにせず、流石に心配した母に声をかけられるまで突っ立っていた。)
(それから数日後には試験の結果が発表され、あの階級からは2人だけが昇格となった。とはいえデートの日の晩に親方が渓谷に行く日程を口にしてしまった時点で合格は知っていたようなものだったが。プライベート時の父の甘さ加減に不安をおぼえつつ、何はともあれ正式な2人揃っての合格に胸を撫で下ろした。そんなアルバートとはあの爆弾発言以降顔を合わせていない。ギルドに復帰した自分と、半強制的に安静している彼ではそもそも機会が少ないということもあるが、意識して仕事を増やしている節がないとは言えない。……だってどんな顔して会えばいいわけ!?と内心大荒れで依頼に没頭するアイリスの成績は目を見張るものがあり、昇格して一皮剥けた、声をかけ難い迫力があるだのと噂は絶えなかったが、真相はそんな乙女心だったりする。アルバート復帰の日も以前であれば、誰よりも早く聞きつけてはツンデレたっぷりに激励をしに行ったに違いないが、いつまでたっても声をかけられないまま訓練の約束の日がやってきた。)
……アイツのことだから深い意味はなかったんじゃない?
(約束の時間の前にアルバートに依頼が入っているのをギルドの掲示板で確認すると、先に訓練場へ向かい木刀などの準備をしながらポツリ。そう思ってみると実際そうな気がしてきた。彼に好きな相手がいるということこそ勘違いだったようだが、自分を好きなんてこと有り得るわけが無い。きっとあれは親友としてとかだ、そうに違いない!と、かなり決定的な言葉を聞いてもなお、長年拗らせた片想いは完全にアルバートへのそういう意味での信頼をなくしており、たどり着いた結末に避け続けた数日間が嘘のように気持ちが晴れてくる。道のり長いな……。若干悲しい気はしなくもないが、きっとこれから来るであろうアルバートにも、いつも通りの態度で話せるに違いない。つかえていたものがとれてスッキリすると、ライバルとしてのワクワクがもたげてくる、アルバートはどれだけ強くなったのだろうか、どんな手でを使おうか、などとじっとしていられず素振りをしながらアルバートを待って。)
(──怪我が治るまでの間、そして怪我が治ってからの数日、アイリスと交わした言葉は殆ど無かった。それもそのはずで、アイリスの仕事量は普段以上に増えていたのだ。その上、治るまではそもそも顔を出す機会が無いし、治ってからも休んでいたこともあって自分の仕事が忙しかったため必然的に会う機会は無かった……と、アルバートは思っており、避けられているとは露知らず。寧ろ頑張っているアイリスの話を聞く度に「俺も負けてられないな!」とか思ってライバル心を滾らせていたくらいだった。デートの時に意識した気持ちはすっかり忘れ、また再びライバル心を燃やす幼馴染な二人という関係に戻ってしまっているようで。1歩進んで2歩下がる、二人の恋路はそんな調子だった)
おーい、アイリス!
(任務から帰ってくれば、そんなスッキリしたアイリスに向かっていつもの調子で声をかけながら、上述の通り避けられていた自覚もなく、わだかまりの一切無い様子で彼女の元へ駆け寄ってくるアルバート。幸せな性格である。手にはこの前の試験で使ったのと同じくらいの大きさの盾、所謂バックラーと呼ばれるタイプの盾と、昔から使っている剣を持っている。勿論練習用のもの。まだ少し病み上がりで任務が終わってすぐだというのに疲れた様子も見せず、既にやる気満々と言った様子で)
よーやくやれるな!俺ずっとアイリスが頑張ってる、活躍してるって話聞く度にすげえ今日が待ち遠しくなってってさ…どんだけ強くなってんだろってワクワクしてたんだ。さ、早くやろうぜ!
(ニコニコと楽しげに話をするアルバート、やはり心の奥には意識したことが残っており、ライバルとしてだけではなく純粋にアイリスと会うのが嬉しいが故にいつもより少しテンションが高めで。まぁ多分今までの行いが行いだけに、ライバル心を滾らせているくらいにしか見られないだろうけども←)
アルバート!ええ私もよ。
(アルバートの声に素振りを止めて振り返れば、こちらも問題を解決した嬉しさに上機嫌に上記。片思いを拗らせアルバートとはまた違った意味で鈍感さを発揮した残念なアイリスだったが、問題さえ解決すれば久しぶりに会えたことは素直に嬉しく、ライバルとして素直な言葉を。勿論アルバートのテンションが高い理由には全く思い至っていない、コイツ手合わせ好きだなーくらい←)
"今回も"負けるつもりはないわよ。
(そういってコートを脇に投げるように除ければ、手に馴染んだ木刀をヒュッと音を立てて構える。先程までのニコニコした表情を、挑発的な笑みに一変させ。珍しいほど上機嫌なその様子からは訓練場に来たばかりだと言うのに既にやる気を見せているアルバートに負けず劣らず、ライバルとの手合わせに期待していることが漏れ出ていて。)
へっ、"今回は"俺の勝ちに決まってるだろ!
(自信満々に挑発を返した同じく盾と剣を構える。その姿は、前に試験で見せたアイリスの教えてくれた基礎を元にした物より更に改良が加えられていて、より攻撃的な面を押し出したものになっている。恐らく怪我をしている間、動けないながらにアルバートも勉強をしていたことがそれで伺えるだろう、書籍や話を聞いてインプットした戦闘の知識を、ライバルとの模擬戦という絶好の機会で試すことが出来る、それもアルバートの気持ちを押し上げていた要因で。そして、ギルドの中でも最上クラスとなった二人の模擬戦ということもあってか、俄にギャラリーも付き始める。それはその場でどっちが勝つかの賭けが行われる程に盛り上がっていた。しかしそれは気にならない、何故ならそれ以上にいま自分の実力を試せることと、アイリスとの時間であることに集中しているからだ)
いくぜアイリス!
(その掛け声と共にアルバートが駆け出せばワッと歓声が上がる。動きの速さ、それ自体は以前の模擬戦から大きく変わらっていないだろう。しかし、やはりというべきか盾や鎧を小型・軽量化したことも相まって動きの『キレ』そのものは大きく上がっている。無論その『キレ』を生み出しているのはアイリスの指導してくれた基礎の上に成り立っているのは言うまでもない。そんなアイリスへの感謝と闘志を込めたアルバートの木剣の一振りで二人の闘いは始まっていって──)
──だから、アレは俺の勝ちだったんだって!最後医務室で起きたのは絶対俺のほうが早かった!
(成長した二人の現在が見えた模擬戦から早や数日が経ち、今日は初めての『北の渓谷』調査の日。今日ばかりは遅刻しないようアルバートも前日早めに就寝したのか、調査隊の待ち合わせ場所へ同じ調査隊の先輩メンバーの一人と共に向かっていた。その道中、先日の模擬戦のことが話題に出たらしく、その結果について引き分けだったんだろうと言われた瞬間アルバートは熱くなって上記を述べた。あの模擬戦、最後は互いの一撃が入り両者気絶で引き分けという幕引きだったのだが、当然納得はいっておらずアルバートはそんな子供のような理屈をこねて自分の勝ちを譲らなかった。それは今も引きずっているようで、その話題が出る度そう言い張っている。その様子には、初めての調査というのに緊張は見られず、極めて自然体のようである。それはその先輩の気遣いで、緊張をほぐす為の会話をしてもらったおかげなのだが、どうにも効き目が良すぎて、もう集合場所に近いというのにそんな風に熱くなってしまっていて)
(/結構一気に飛ばして、模擬試合も勝手に引き分けとしてしまいました…すみません)
おはようございます先輩。コイツが煩くてすみません。今日はよろしくお願いします。
(アイリスが親方と待ち合わせ場所にやってきたのはアルバート達の来る5分程前、既に広場は調査隊でそこそこ賑わっている状態だった。これだけの人数とフィールドに出るのはギルドに加入し初めてフィールドに連れて行ってもらった時以来で、『北の渓谷』の危険さを改めて実感する。昇格したばかりのアイリスはアルバートとともに1番の後輩であるため、アルバートがこの場に来た時は先輩方に挨拶をしてまわっているところだった。勿論アルバートと共に来た先輩にもにこやかに挨拶をしてから、先日の話をしているアルバートにはべっと舌を出して見せた。目を覚ますのこそ遅れたが、お互い気絶に至った一撃の傷は自分が先に治ったので自分の勝利だとアイリスは主張しており、理屈の子供らしさでもいい勝負である。それから年相応にクスクスと笑って「またね。」とはにかむと、その金のポニーテールを翻して人の群れの中に戻っていった。)
おはよ、さっき会ったけど。眠れた?
(全員集まり街の門への移動が始まれば、初めて渓谷に行く2人の配置は隣だったためアルバートの隣に戻って来て。ギルドのメンバーの前のため、取り繕っているもののその表情にはアルバートでやっとわかる程度だが緊張が滲んでいて。)
(/場面転換ありがとうございます。展開に少し困っていたので助かりました。これからの流れですが、なにかお考えはございますか?
確実なのは渓谷であのモンスターに遭遇、最初のモンスターにへの違和感を確実なものにすることですかね。
そろそろ謎の組織の存在と誘拐に気づいてもいい頃かと思うのですが如何でしょう。モンスターを倒した後、渓谷でまた凶暴化した魔法使いを助けて、今度は魔法使いから話が聞けるとスムーズかなと思います。それ以降は謎の組織について直接調べていくイメージです。そこで謎の組織の真の目的をお考えでしたら、ロルの中で教えていただけると幸いです。
現時点で何となく親方のキャラがぼんやり固定されているかとは思うのですがw 謎の組織にもそのようなキャラを作れれば幅が広がり、以前仰っていた誘拐ネタも可能かと考えているのですが如何でしょうか。)
(/連投失礼します。展開について思いつきなのですが、渓谷調査の後で2人でちょっとした旅をするのは如何でしょうか?助けた魔法使いさんから今の街ではなく他の街で攫われたと聞いたところに、丁度その街へ荷物を運ぶ依頼があったとかが自然ですかね。そこで謎の組織の下部と初対峙するイメージです。誘拐ネタも絡めて、旅先ですし誘拐失敗からの組織の支部壊滅とか完全なハッピーエンドだと後味いいと思います。最終決戦はフィールドか今までの街になるとは思いますので、軽めに組織の存在とか目的などを知れたら良いかなと。
それ以外にも道中で助けた人が本当は偉い人でパーティに招待されるとかベタな展開も楽しめそうですし、ちょっといつもと違う雰囲気の旅行先でイチャイチャも良いかと思いまして!もちろん他のお考えがありましたらそちらを優先したいと思います。)
眠れた!……けどあんま夢見は良くなかったな。
(流石のアルバートも昨日は早めに就寝したようで、加えて先程の先輩の気遣いもあって緊張した様子は無く、アイリスの質問にも元気良く答える。しかし、あのモンスターと初めて出会った日の夜と同じく、例の夢を見てしまったようで、少しだけ顔色が悪かった。またその夢を北の渓谷に関わるタイミングで見たことで何か関係があるのでは、と表には出さないものの内心うっすらと感じていて。とにかく、あの日に感じたモンスターの違和感、失踪事件の秘密……今日の調査でそれらの一端が見つかるかもしれない。緊張し過ぎもよくないが、全くリラックスしているというのもまた良くない、渓谷へ近づけば少し心を引き締め直し気合を入れて)
「──敵だッ!!」
(いよいよ北の渓谷に入り、調査が開始されると同時、いきなりあのモンスターの群れが襲い掛かってきたようで、前方より声がする。無論、親方含め熟練の戦士達が揃うこの調査団、しかもその前衛ともなればそれに遅れを取ることもなく、後衛に居る自分達の出番もなく戦闘は終わる。その戦闘を後ろで見ていたアルバートは、親方達の動きに舌を巻くと同時に、冷静に様子を見れたこともあってかあのモンスターに対して覚えていた違和感を確かなものとしていた)
やっぱ、あの時のあのモンスターは違ったんだな…
『ほう、来たか……』
(一方その頃、渓谷のとある場所にて……水晶に映る調査団を眺めている仮面を付けた怪しげな男が一人……)
『"アレ"を出せ。最終チェックには丁度良い相手だろう……なに、我々の計画は既に次の段階へ入っている。今更"アレ"を調べられたとて、もはや阻む術等はないさ……それに最終チェックが済み次第、ここは焼き払う手はずだ。奴等に渡る情報等たかが知れている。我等の計画に支障は無いさ』
(どうやらそれは『組織』らしかった。"アレ"を出せ、との支持を受けて部下らしき人物は、扉を開きまるで廃人のような実験体を連れ出し、その耳元に呪文を囁く。すると、その実験体はビクッと大きく体を動かし顔を上げて、明らかに狂った様子で外へ出ていき調査隊の方へと向かっていって。その様子を満足そうに見たあと、仮面の男は再び水晶へと目を移した)
(/謎の組織の真の目的は、ちょっとロルで上手く表現出来ませんでした、すみません(´`;)
人間を強化する薬を作って支配下に置いて、それを兵力にして国家転覆を狙ってるテロ組織みたいに思ってもらえれば……
今後の流れに関しては背後様の仰ってくれた内容で進めていけたらと思います。あんまり考えまとめれなくてすみません…)
……いつでも……ううん、無理するんじゃないわよ。
(相手の顔色が良くない理由を緊張から来る寝不足かと思っていたため、元気な返事に不思議そうな表情をして、すぐ続けられた言葉に言葉につまる。『いつでも』に続く言葉は、"家に来ていいから"、"味方だから"、"大事に思っているから"などだったが、どれもわざとらしかったり、彼の家族の代わりになれない自分が言うのははばかられて、在り来りな言葉しか口にできず自己嫌悪する。それからは渓谷まで話しかけられれば反応したが、アイリスから口を開くことは無かった。)
そうね、確かに気性は穏やかではないけどあんなに凶暴じゃないわ。個体差にしては……
(自分が一体に苦労したモンスターの群れを軽々と蹴散らす先輩方を半ば見惚れるように観察していたが、アルバートの言葉に其方に頷きながら振り向いて。その際に彼の背後の崖の上方に、魔法特有の鈍い光が見え剣に手をかける。その瞬間爆発音が響き視界が地面にへばりついた。寸前とはいえアイリスが気づけたのだから、周りはとっくにその異様な気配に気づいており、呑気な後輩たちをかなり強引に伏せさせてくれたらしい。顎を地面にしこたま打ち付けたが、その頭上数センチを吹き飛ばされた石が横切り、アイリスの脇に立っていた木をなぎ倒して落ちたのを見てゾッとする。当たれば片足くらい軽く持っていかれただろう。立ち上がる砂埃の奥がバチバチと光る度に、轟音と共に岩が降る、防衛魔法が得意な者が前衛でバリア張ると、今度は無理やり立ち上がらされて『邪魔だ!!』と爆発と逆の方向に突き飛ばされた。完全な戦力外通告に落ち込む暇もなく、後方の茂みに飛び込む。戦闘を得意とする者はほとんどが背後の前衛に回っているらしく、茂みの中は回復魔法を得意とするメディック達が主である。ここをモンスターに襲われでもすれば一溜りもないと、レイピアを抜いて背後に警戒していると小さな人影が反対の茂みから飛び出して来て、アイリス達のいる茂みに腕を向けたかと思うと、その手に炎が宿り、)
……ッ!!
(咄嗟に自身も魔法を使って地面を蹴り、その腕を上方へ弾く。間一髪炎は空へ放射されたが、すぐにまた新しい炎が手の中に宿るのが見えて今度は地面へ向けて剣を振り下ろす。腕を切るつもりで振るったにも関わらず、その不自然に筋肉の強ばった腕は硬く、アイリスの力では弾くのが限界だ、試験のように落下エネルギーを使うには、その子供の動きが早すぎる。弾いても弾いても腕と虚ろな視線が機械的に茂みに向けられる、まるで意思のないロボットかのように。メディック達の力は確かで、火傷は瞬時に回復し、体力も強制的に魔法で繋げられているが、決定打がない戦いに精神が消耗する。前衛からは未だ爆発音が途切れることは無く苦戦が伺え、デートの日に得た情報を鑑みれば長期戦も在りうる。轟音の中、声は前衛に届かない、彼が近くにいることだけを願って叫んだ。)
アルバート!!!
(/あああ、魔法使いを助けた後に彼の口から語って貰えたらってことだったのですが説明不足ですみません!!展開を考えるためだけなので、ロル外でも勿論大丈夫です。失礼しました。お陰で組織のイメージを掴むことが出来ました、ありがとうございます。
偉大な先輩方が沢山いる中でアイリスとアルバート君が魔法使いを倒す方法が浮かばず、勝手に魔法使いを2人にしましたスミマセン。テストのついでに野望の邪魔になるギルドの精鋭を減らす、あわよくば焼き〇して全滅させるって作戦だったとかですかね……。
本当に楽しくて此方が勝手に先走って考えただけですので、お気になさらず……!その都度ご希望があれば仰ってくださいね。本当に未熟で申し訳ないです。)
う、うーん……アレ?
(強引に伏せてもらったとき同じくアルバートも顎を打ったが、その際打ち所が悪かったのか何なのか、頭が揺れて少し気を失ってしまって。模擬戦のときもそうだったが、アルバートはどうも顎を打って痛い目に合うことが多いらしい、もはやちょっとしや呪いである。暫く使い物にならなかった彼であったがアイリスが謎の子供と戦い始めた頃にようやく目を覚まして)
!!
(そしてアイリスの自分の名を呼ぶ声に顔を上げると、その少年が此方に向かい炎魔法を放つところで。茂みから一歩外に出れば盾を構え、その魔法を何とか弾けば急いでアイリスに加勢して。そして走る勢いそのままに、アイリスが作った僅かな隙きをつき少年の後頭部に思い切り剣をぶち当てる。一応峰打ちである。それを喰らった少年は、それでもまだ狂ったように攻撃を行おうとするが、流石に耐えきれなかったらしくバタリとその場に倒れ込む。しかし、その最後の一瞬まで攻撃のポーズを崩さなかった姿には恐怖を感じるものがあり、メディックに運ばれる信じられないものを見るような目で見ていて)
……何なんだ、アレ……
(その後、渓谷調査を続けていくと謎の施設が焼き払われたあとが見つかって。施設の跡から、何らかの実験が行われていたこと、その実験に行方不明者が使われていたこと等が分かったものの、それ以上の手がかりは見つからず。ただ今回捉えた襲いかかってきた二人のうち、一人がなんとか奇跡的に意識を取り戻して……そして彼の話によると、謎の組織が魔法を使える人を集めて、兵士にする実験が行われていたことが明らかになった。そのことについて情報共有と話し合いをした結果、今後は各ギルドでの協力を蜜にし、謎の組織を追うための臨時態勢が取られることとなって。無論それは秘密裏にであり、アルバートやアイリスの所属するギルドでも今回調査にいった最上級クラスのメンバーにのみそれが通達されて。そんな中、アイリスとアルバートには他の街への荷物の輸送、及びその街での行方不明者についての情報収集…という、まぁ有り体に言えば最上級クラスでも下っ端の二人だから、失敗しても大丈夫なものを…という意図も籠もった、少し簡単に思えるものが言い渡されて)
(/ちょっと二人以外に組織やギルドとか、色々動かしすぎて分かりにくくなってしまいましたね…もう少しアイリスちゃんとアルバートの二人中心で話を展開していったほうがやりやすいのかなと思って、大分端折って見ましたが……構いませんでしょうか……|ω・)チラッ)
(/返事が無くなり一週間が過ぎましたが、やはり返しにくい文章や内容ばかりになってしまっていたのでしょうか。本当にすみません……。
無言失踪に関しては、上記の通り此方の力不足と、また自分も過去には散々同じようなことをして来たため、されてしまうのは当然のことだと思っております。なのでもしこの文を見た場合にも返信は不要ですので、気になさらないで下さいね。
此方はとても楽しくロルを回させて貰いました、本当にありがとうございます。もし別の場所で会うことがあれば、その時はまた気持ちを新たにお相手してもらえれば幸いです。
それでは(*´∀`*)ノシ)
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