常連さん 2020-09-23 07:17:25 |
通報 |
…っ、場所は?そちらへ向かう。……身を隠せそうな場所があれば隠していろ。(電話越しに聞こえる相手の声でしか状況がわからず、怪我をしているのか、まだ追手がいるのか詳細を掴めないまま走り出し。走りながら弱っている相手を何とか励まそうと声をかけ続け。)…電話はこのまま繋いでいよう…ッは……私がいる、から…っ……もうすぐ到着だ。
…分かり、ました…。
(彼女は座り込んだまま鼻を鳴らしてぐずりながら、何とか嗚咽混じりに返事を返す。(…うん、ちょっと心配だったけど…ああいう人間にはこれくらいの方が良いのかね。)しばらくして相手の姿を視界の端に捉えれば「…ヴェルナーさん!」途端に立ち上がり、相手の方へと走っていって)
(地べたに座り込む相手の姿を発見すれば周囲を注意深く見渡しながら更に相手との距離を縮め、走り寄る相手を抱きとめれば周囲にそれらしき影がないの確認しなだめる様に覗き込んで。)…怖い思いをしたな……大丈夫か?
…大丈夫、です…。
(「…石を、投げられるなんて、いつものこと…なので。」彼女は(随分と冷静な心と頭で)嗚咽を交えながらも気丈に振る舞ってみせて)
…傷口を見せなさい、手当てをしよう。(目の前で気丈に振る舞う彼女はつい先程、助けを求め連絡してきた張本人。恐怖や痛みを懸命に隠していだろうと胸を痛め、そっと手を差し伸べて。)…この後、用はあるか?無ければ、うちに来ないか?ノアを…猫を見に。(昨日話した猫の話題を出しつつ少しでも相手が笑顔になればと提案し。)
……いいんですか…?私なんかが。
(彼女は少しだけ顔を上げて、「…ありがとうございます、嬉しいです。」差し伸べられた手を取り、静かに笑ってみせて(「…よし!成功…人間って泣いてる同族には弱いんだよねぇ。悪魔なんて泣いてる同族見たら死ぬほど笑って立ち去るけど。」))
…カテリーナみたいな立派な家には住んでないがな。(自分より一回り程小さな手をそっと握り返しては反対の手で照れ臭そうに頬を掻き。「ノアも喜ぶ」と続け歩き出し。)……女性に年齢を聞くのは失礼かと思うがカテリーナはいくつなんだ?私はまぁ、見ての通りオジサンなんだが。(出会って間もない女性に年齢を聞くのは気が引けるが昨日あった母親も若く、幼い少女をあまり連れ回すのもどうかと問いかけつつ「私は、36だ」と先に答えて。)
…15歳か、まだまだ若いな。(日の光と相手の若さに眩しさを感じながら目を細めては先導するよう歩き続けて。しばらく歩いていると小さな一軒家の前で足を止める。玄関横に小さな花壇が一つ、花壇の奥にハンモックがゆらゆらと風に揺れている。「ここだよ」と声をかけては玄関を開け。)ノア、帰ったよ。(ウッド調の室内は黒を基調とした家具で揃えられた落ち着いた雰囲気。部屋の角にあるパキラの影から大きな瞳で此方を見つめる一匹の猫が主人の連れてきた見知らぬ人物を警戒していて。)
…こんにちは、猫ちゃん。私はカテリーナ。
((「…マジかよ、猫ッ!?俺動物嫌いなんだよね…動物って悪魔の正体結構見破るんだよな…出来るだけ隠せば大丈夫か?」)彼女は出来るだけ悪魔特有の匂いを隠しつつにこやかな笑顔を浮かべ、猫に近寄り)
(相手が近寄ればサッとパキラの後ろに隠れてしまい、その様子を後ろで眺めながら「すまないね、愛想がないんだ」と困った様に眉を下げ。)…さぁ、カテリーナ。お茶を入れるからソファーか椅子に座って。(相手に怯える様に珍しく足元に擦り寄る愛猫に違和感を覚えつつも静かに抱き上げ鼻を寄せつつ湯を沸かし始め。)…ノア、どうした?緊張してるのか?
…ありがとうございます。
((「…はぁ…感付かれたじゃん。これだから動物は嫌いなんだよ…。」)心の中で溜め息を吐きつつ、笑顔のまま椅子に腰掛け)
…女性が家に来る事がないから驚いているのかもしれない。(「すまないね」と冗談まじりに続けながらベリーのジャムの乗ったクッキーとチョコチップのクッキーを皿に並べ相手の前へと置き。)紅茶とハーブティーがあるんだが…(紅茶の缶とハーブティーの缶を相手の前へ差し出しどちらが好みか尋ねつつ未だに警戒を解かない愛猫をそっと足元へと離してやり。)
あ、ハーブティーを…。
((「そろそろガッと行くかなぁ。いくら相手が猫とはいえ正体感づかれてるのは面倒くさいし…。でもホント大当たり引いたなぁ~…。」)彼女は内心でそう呟き、男らしく決心を決めると「…あのっ、ヴェルナーさん!」顔を赤く染めながら相手の名前を呼び、「私、その…あまり男性とお話ししたことがないからよく分からないんですが、ヴェルナーさんとお話ししてると安心するというか…」あくまでも恋愛なんて初めての箱入り娘を演じて)
…このハーブはね、庭で採れた物なんだ。独り身は暇でね、君の口に合うといいんだが。(サッと缶を振り、ポットへと葉を落とせばお湯に溶ける様に葉が広がりミントの爽やかな香りと甘い香りが広がる。カップに注ぎ、持ち手を右側にスッとスライドさせ相手の前へ。)…ん?……あぁ、「お父さん」みたい、かな?(頬を赤らめ「話していると安心する」という言葉を耳にすれば目を細め一生懸命自分の気持ちを伝えようとする幼い少女を微笑ましく思い、そっと頭を撫でて。)
いえ…えっと、あの…。
(彼女は撫でられて複雑そうな表情を浮かべると、「そうでは、なくて…。男性として、好き…というか…。…すみません、聞き流してくれて構いませんから!」詰まりながらも一息でそう言うとカップを手に取り、中身を喉に流し込んで)
……ッ!?(複雑そうな表情を浮かべる相手に対しお兄さんだったか?と冗談まじり続けようかと口を開きかけるも「男性として」と相手が口にすれば驚いた様に目を開き数度瞬きを繰り返しては漸く言葉が理解できたのかじわじわと顔に熱が集まってきて。)……カテリーナ…君は………その……素敵な女性だよ。(熱い頬を隠す様に右手で口元を覆いながら相手の誠意にどう答えようかと眉を寄せ、少女の恋心をまずは否定せずなるべく相手を傷つけない様に言葉を繋ぎ。恋愛経験の少ない自分を恨めしく思いながら相手の頭にあった手を自分の元へと引いて。)
…えっ…?
(彼女は更に顔を赤くしたがすぐに俯くと、「……そりゃあどうも、人間さん。だけど俺、実は男なんだよねぇ。ホントの名前はルキアーノ。」カテリーナ…いや、悪魔「ルキアーノ」はそう告げて顔を上げると楽しそうに笑い、「…あ、そうそう。俺のことを「素敵」って呼んだ時点で契約成立してるから逃がさないけどね~。」楽しそうな笑顔から悪魔らしく口角を吊り上げて意地悪げに笑って)
…カテリーナ?(状況が把握できず困惑した様な表情を浮かべながら相手を見つめ、顔を上げた相手の表情が先程までの幼い少女とは違いこの状況を楽しむ様に意地悪げに歪めばゴクリと唾を飲み込んで。)…ルキ、アーノ?契約?……なんの事だ?(あまりに突然の事で状況が全く飲み込めておらず次々と出てくる不可解なワードに眉を寄せて。)
俺はね、こう見えても悪魔だから。
(ルキアーノは困惑している相手を見つめて心底愉快そうな笑い声を上げるとちらりと猫を忌々しそうに見やり、「そっちの猫は俺の正体、とっくに気付いてたみたいだけどね。…だから動物は嫌いなんだよ。…ああ、話が脱線した。つまり俺は男で悪魔だし、カテリーナなんて名前じゃない。契約は俺との奴隷契約。人間さんが俺を「素敵」だって言った時点で契約は成立。だから逃げられないってこと。」歪んだ笑みを浮かべながら死刑宣告のようにそう告げて)
トピック検索 |